2022年9月~11月の四半期の月間平均失業率は2014年同時期以降では最低の8.1%まで減少(2023年1月19日付けヴァロール紙)

ブラジル地理統計院(IBGE)の継続的全国家庭サンプル調査(Pnad Continua)の調査結果を発表によると、2022年9月~11月の四半期の月間平均失業率は、8.1%と昨年6月~8月の前四半期の8.9%から0.8%と大幅に減少している。

また昨年9月~11月の四半期の月間平均失業率8.1%は、前年同期の11.6%から3.5%と大幅な失業率の減少を記録、Covid‐19パンデミック対応のワクチン接種拡大による経済活動の正常化による回復が顕著になってきている。

昨年9月~11月の四半期の月間平均失業率8.1%は、同四半期の比較では2014年同期に記録した6.6%の低失業率以降で最低の失業率を記録、また昨年8月~10月の四半期の月間平均失業率8.3%よりも0.2%減少している。

Valor Data社による27社のコンサルタント会社及び金融機関対象の昨年9月~11月の四半期の月間平均失業率調査によると、最低失業率予想は7.8%、最高8.5%、平均失業率予想は8.1%と同様の結果が出ている。

昨年9月~11月の四半期の14歳以上の月間平均失業者数は870人万人を記録しているが、昨年6月~8月の前四半期の失業者数よりも9.8%に相当する95万3,000人減少、また前年同期比では29.5%に相当する370万人の減少を記録している。

昨年9月~11月の四半期の民間企業従業員、企業経営者並びに公務員などの労働者総数は、昨年6月~8月の前四半期比0.7%に相当する68万人増加して2012年以降では最高の労働者数を記録している。

昨年9月~11月の四半期の労働者の平均サラリーは前四半期比3.0%に相当する81レアル増加の2,787レアルを記録、また前年同期比では7.1%に相当する186レアル増加している。

2022年のアマゾン地域の熱帯雨林の違法伐採は過去15年で最悪(2023年1月18日付けヴァロール紙)

18日のアマゾン人間環境研究所(Imazon)の発表によると、2022年のアマゾン地域の熱帯天然雨林の違法伐採は1万573平方キロメートルに達し、2008年の調査開始以降では最大の違法伐採面積を記録している。

また昨年のアマゾン地域の1日当りの平均熱帯雨林消滅面積は、3,000カ所のサッカー場面積の消滅に相当しており、ルーラ新政権にとっては、早急な違法伐採取締が急務となっている。

ジャイール・ボルソナロ前政権期間の2019年~2022年の4年間の違法伐採面積は3万5,193平方キロメートルに達し、州面積が2万1,000平方キロメートルのセルジッペ州及び2万7,000平方キロメートルのアラゴアス州の面積を上回っているとアマゾン人間環境研究所(Imazon)は指摘している。

2019年~2022年の4年間の違法伐採面積3万5,193平方キロメートルは、2015年~2018年の前政権の違法伐採面積1万4424平方キロメートルの150%増加を記録している。

ルーラ新政権はアマゾン地域の森林保護を優先すると約束しており、これが私たちの衛星監視システムによって報告された最後の森林破壊記録に留まることを願っているとアマゾン人間環境研究所(Imazon)調査員のビアンカ・サントスはコメントしている。

2022年12月の熱帯雨林の違法伐採面積は、前年同月比105%増加に相当する287平方キロメートルに達し、12月としては過去最悪の違法伐採面積を記録している。

2022年のアマゾン地域の違法伐採面積の80%に相当する8,443平方キロメートルの連邦政府の管轄で前年比では僅か2.0%増加に留まっていた。

しかし昨年のアマゾン地域の違法伐採面積のうち州政府管轄は、前年比11.0%増加の1,130平方キロメートル、残りの 9% は、非管轄が特定できない区域は1,000平方キロメートル、市区町村の0.2平方キロメートルであった。

昨年12月は、牧畜、土地投機、違法な鉱物採掘、先住民族の土地での森林伐採、保全部隊の監視が緩んでいる間に、森林伐採の野放図な競争が繰り広げられていたと、同研究所アマゾン監視プログラムのコーディネーターのカルロス・ソウザ・ジュニア氏が指摘している。

2020 年 4 月のジャイール・ボルソナロ政権の閣僚会議で、リカルド・サレス前環境相が、covid-19 パンデミックはアマゾン地域での牧畜拡大などのチャンスと述べたと噂が広がっていた経緯があった。

 

 

2022年のペトロブラスの1日平均石油生産は268万バレルに達し、目標突破(2023年1月17日付けヴァロール紙)

昨年のペトロブラス石油公社の1日平均当たりの石油・天然ガス生産は268万バレル(BOE)と目標達成以外にも、昨年11月のプレソルトの原油・天然ガス開発向けプラットフォームFPSOのカリオカ船による日産平均17万4,000バレルの記録更新が特筆される。

2022年のペトロブラス石油公社の1日当りの平均原油生産は268万バレルと同社の目標生産量260万バレルを3.2%上回った。また同社の生産目標許容値±4.0%に入っている。

また昨年の1日当りの平均原油・天然ガスの商業生産は生産目標230万バレルを2.7%上回る236万バレルを記録、そのうち原油生産は2.6%上回る215万バレルを記録している。

昨年4月には海洋油田・ガス田のある洋上で石油・ガスを生産するための浮体式設備(FPSO)の Guanabara船で操業開始、また昨年12月には Itapu油田の浮体式設備(FPSO)の P-71は今年初めから操業開始が予定されている。

昨年11 月にはプラットフォーム P-70 の 唯一の坑井であるATP06 の原油生産は5万6,500バレルと月間記録を更新している。

ペトロブラスによる相次ぐプレソルト油田の生産記録更新は、深海および超深海での原油・天然ガス開発で国際的に認められた技術的専門知識を擁している証となっている。

2022年のGDP伸び率は3.0%増加予想も昨年第4四半期は僅か(2023年1月17日付けヴァロール紙)

ゼツリオ・バルガス財団ブラジル経済研究所(FGV/Ibre)の国内総生産統計担当のコーディネーターでエコノミストのClaudio Considera 氏は、2022年のGDP伸び率は3.0%増加を見込んでいる。

2022年11月のGDP伸び率は前月比0.1%増加、前年同月比2.0%増加、昨年9月~11月の四半期のGDP伸び率は前年同期比2.6%増加を記録している。

昨年第4四半期のGDP伸び率は、最も低い伸び率が予想されているが、2022年の正式なGDP伸び率は、3月2日にブラジル地理統計院IBGEから発表される。

昨年の第 3 四半期までのGDP伸び率はIBGE による統計修正と、昨年1年間を通してのサービス部門の回復により、GDP伸び率は3.0%増加を確保が、2023 年のGDP伸び率は、世界的なインフレ及び金利の高止まり、先行きが見通せないロシアとウクライナの戦争の終焉、中国の不透明なCOVID-19対策や停滞する中国経済などマイナス要因が大半を占めている。

ブラジルGDP全体の6割以上を占めるサービス部門が昨年11月までの年間を通じて好調を維持しており、これは、本日発表された FGVのGDPモニターでは、サービス部門の昨年11 月までの 過去12 か月間の伸び率は 4.3%の高い増加率を記録している。

ブラジル地理統計院(IBGE)の月間サービス生産量調査(PMS)の発表によると、2022年11月のサービス部門提供量(生産性指標)は、前月比同率も10月のマイナス0.5%から増加を記録、Covid‐19パンデミック前の2020年9月の水準を10.7%上回っている一方で、過去最高であった2022年9月の水準を0.5%下回っている。

また昨年11月の住宅投資、設備投資や公共投資などの国内総固定資本形成(FBCF)部門のGDP伸び率は前月比マイナス1.2%、一般家庭消費もマイナス2.3%を記録して2021年3月に記録したマイナス4.5%に次ぐ低率を記録している。

2022年第4四半期のGDP伸び率は、実質賃金の目減り、一般家庭の消費意欲を削ぐ高止まりするインフレ指数などの要因で0.1%~0.2%の微増に留まると予想されている。

今年のGDP伸び率のパフォーマンスを改善する要因として、ルーラ大統領選挙公約の最低賃金のインフレ指数以上の引上げによる貧困層の購買力の強化については、新政権の経済班によって議論されている。

また今年のGDP伸び率を押し上げるためには公共投資の活性化が不可欠となっているが、特に 1 月 8 日の連邦管区での過激派による攻撃の後、各州政府州は連邦政府に対して、投資家が安心できる法的保証を提供する必要性を強調している。

2022年の二輪車生産及び販売は前年比18.0%増加(2023年1月17日付けヴァロール紙)

ブラジル二輪製造会社協会(Abraciclo)の発表によると、マナウスフリーゾーンの2022年の二輪車生産は、141万台に達し、2014年に記録した152万台に次ぐ生産台数を記録している。

2014年に記録した152万台の生産以降は、経済リセッションに突入した後の二輪市場の年間生産台数は 90 万台未満まで減少を続けていたが、2018 年に再び上昇傾向に転じていた経緯があった。

ブラジル国内の過去最高を記録した二輪車生産台数は2008年の214万台、2022年の二輪車の生産台数は前年比18.2%増加した要因として、2021年1月及び2月は二輪車の生産拠点であるマナウスゾーナフランカではCOVID-19パンデミックが猛威を振るっていた経緯があった。

2022年の二輪車の月間生産台数は1月及び2月を除いて10万台を突破していた。昨年の二輪車生産のピークは8月の14万5,800台、最低は伝統的に二輪車メーカーが集団休暇で生産調整を行う12月の8万5,100台であった。

昨年の二輪車は生産増加にも関わらず、国内の二輪市場は年間を通じて約 1万台の受注残を抱えて納品待ちで行列ができたが、特に160CC以下の低容量のシリンダーで受注残を抱えていた。

宅配向け160CC以下の低容量のシリンダーの需要増加、半導体や電気製品のグローバルな物流チェーン問題の発生、金利の上昇、 物流コストや製品コスト上昇なども問題視されていた。

2022年の二輪車の新車登録台数は前年比17.7%増加の136万台と2014年に記録した143万台に次ぐ新車登録台数を記録している。昨年5月の新車登録台数は13万3,300台を記録、過去最高の新車登録台数は2011年に記録した194万台となっている。

2022年12月の二輪車の新車登録台数は前月比7.3%増加、前年同月比17.6%増加の13万2,200台であった。

2022年の二輪車の輸出台数は前年比3.5%増加の5万⒌338台と2018年の6万8,100台までには回復していない。過去最高の二輪車輸出は2005年に記録した18万4,600台、昨年12月の輸出台数は前年同月比19.6%増加の3926台であった。

2023年の二輪車生産は前年比9.5%増加の155万台、販売台数は昨年の149万台の6.7%増加、輸出台数は6.7%増加の5万9,000台が見込まれている。

 

ブラジルの紙・パルプ業界は、ESG実践モデル(2023年1月16日付けヴァロール紙)

技術革新と持続可能性成長に重点を置いて、ブラジルの紙・パルプ業界は変革を遂げ、2029 年までに世界中の業界の売上は約3,700 億ドルに達すると予想されている。

ブラジル国内には18州の540市町村に220社の紙・パルプ関連企業が存在すると26加盟企業のブラジルパルプ・紙技術協会(ABTCP)は説明している。

ブラジルの鉱山エネルギー省(MME)の発表によると、ブラジルの紙・パルプ生産は米国に次いで世界2位で生産量は11.0%以上に達している。また紙・パルプ輸出では世界トップで製紙生産は世界のトップ10に名を連ねている。

持続可能性は、環境、社会的側面、透明性、および管理に関連する優れた慣行を評価する ESG テーマ (環境、社会、およびガバナンス) に沿ったソリューションに対する需要の増加に基づいている。

ブラジルの紙・パルプ業界では資源の利用に関して、生産性、回収、廃棄物の再利用、および水の使用量の削減を積極的に行っており、持続可能な成長及びで高品質で効率的な生産が紙パルプ業界の主な課題であるとことをFalconi Consultores 社のアレシャンドレ・リバス取締役は強調している。

南大河州グアイバ市に2009年からパルプ生産を行っている CMPC Brasil社の Mauricio Harger専務は、46万7,000ヘクタールのユーカリ植林地のうち41%は原生林を維持して、生産チェーン内の環境管理に力を入れていると説明している。

同社では2025年までにパルプ生産のための水資源の25%削減及び埋立地の廃棄物ゼロを目指しており、また、2030 年までに温室効果ガス排出量を 50% 削減し、新たに 10 万ヘクタールの保護地域を追加することを目指している。

不正会計発覚の小売大手ロージャス・アメリカーナスはサプライヤーやマーケットプレイス店子からプレッシャー(2023年1月17日付けヴァロール紙)

不正会計発覚の小売大手「ロージャス・アメリカーナス」は大手サプライヤーや信用保険会社に対して、200億レアルに達する一貫性にかけた不可解な不正会計の対応に追われている。

「ロージャス・アメリカーナス」の最大の収入源であるマーケットプレイスに商品を提供するテナントに対し、運営上の問題から身を守るために代替プラットフォームを探すように指導している弁護士も存在する。

200億レアルに達する不正会計発覚の小売大手「ロージャス・アメリカーナス」のオンライン顧客の大幅な減少の可能性に晒されており、マーケットプレイスは壊滅的な影響を受けると予想されている。

昨日は一日中、商品供給メーカーとその法務部門の間、およびマーケットプレイスの店子と雇用弁護士の間で話合いが持たれたが、同社は浮足立つ顧客対応に追われている。

サムスンなどの耐久消費財業界では、先週の金曜日以降、現金支払い契約を通じて販売を承認するポリシーを採用している企業もでてきている。

国際的な保険会社の中には、既にサプライヤーの保証業務の与信限度額を引き下げた保険会社もあり、 小売業者の支払い問題から身を守るのは保険業界であるため、リスクは保険会社に転嫁される。

Valor社の聞き取り調査によると、Mapfre社 が先週金曜日に同社の営業枠を削減し、何時でも商品供給停止の体制を敷いている。LG社、Motorola社、Samsung社の保険会社も同じ体制を採用している。

農畜産物の国際コモディティ価格の高騰で2022年のブラジルの貿易収支黒字は記録更新(2023年1月16日付けヴァロール紙)

2022年のブラジルの貿易収支は、農畜産物の国際コモディティ価格上昇が牽引して2021年の614億ドルを僅かに上回る618億ドルに達し、過去最高となる記録を更新している。

昨年のブラジルの輸出金額は前年比19.1%増加の一方で、輸入金額は24.3%増加したが、鉱業部門の貿易黒字幅は前年比減少、また製造業部門の赤字は増加している。

ゼツリオ・バルガス財団ブラジル経済研究所(FGV/Ibre) の貿易指数(Icomex)調査によると、今年のブラジルの輸出金額及び輸入金額、貿易収支黒字はそれぞれ前年割れが予想されている。

2022 年の GDP伸び率は農畜産部門の国際コモディティ価格低下はGDP伸び率の足枷となっているが、農畜産部門の貿易収支は前年の465億ドルから658億ドルに増加している。また昨年の鉱業部門の貿易収支黒字は前年の630億ドルから455億ドルと約180億ドル減少を記録している。

昨年の製造業部門の輸出シェアは全体の55.7%を占めた一方で、鉱業部門は22.8%、農畜産部門は21.3%を占めている。また昨年の製造業部門の輸出金額シェアは全体の25.2%、鉱業部門4.7%、製造業部門は25.2%を占めている。

昨年の農畜産部門の国際コモディティ価格は34.0%増加、輸出量は僅か2.6%増加、前記同様に製造業部門は15.7%増加、8.0%増加、鉱業部門はマイナス0.4%、マイナス3.5%であった。

昨年のブラジルの輸出を牽引したのは大豆、続いて原油、鉄鉱石であったが、鉄鉱石輸出は輸出量並びに輸出金額ともにマイナス35.3%を記録していた。昨年はロシアによるウクライナ侵攻、気候変動問題に関連する農産物供給問題による農産物の価格が上昇、鉱業部門では、世界的な鉄鉱石需要の不振を受けて価格と輸出量が後退。 製造業部門の貿易赤字は、2009 年以降継続している。

2023年の世界経済は前年を下回る予想で、ブラジルのGDP伸び率は1.0%以下が予想されており、輸出及び輸入ともに前年割れが予想されている。

今年のブラジルの農産物輸出は、中国向けに左右されるが、中国のCOVID-19ゼロ政策の終焉で、今年の中国のGDP伸び率は5.0%前後が予想されている。

 

最終フォーカスレポートは、今年のGDP伸び率を若干下方修正(2023年1月16日付けヴァロール紙)

16日のブラジル中央銀行の最終フォーカスレポートは、今年のGDP伸び率を前回予想の0.78%から0.77%と若干下方修正している。

また2024年のブラジルのGDP伸び率は前回同様に1.50%に据え置いている。一方2022年のGDP伸び率は前回予想の3.03%から3.02%に微修正している。2022年のブラジルの正式なGDP伸び率及び昨年第4四半期のGDP伸び率は3 月 2 日にブラジル地理統計院(IBGE)から発表される。

2023年のインフレ指数の広範囲消費者物価指数(IPCA)は前回予想の5.36%から5.39%と若干上方修正されたが、2024年の IPCA指数は3.70%に据置、2025年は3.30%から3.50%に上方修正されている。

今年末の政策導入金利(Selic)は前回予想の12.25%から12.50%に上方修正されたが、2024年末のSelic金利は9.25%に据置、2025年末のSelic金利は8.00%から8.25%に上方修正されている。

今年の連邦政府のIPCA指数の中央目標値は3.25%、2024年及び2025年は3.00%、許容範囲は±1.50%に設定されている。また今年末のレアル通貨に対するドルの為替はR$5.28%に据置、2024年末及び2025年末のドルの為替はR$5.28に据え置かれている。

的中率の最も高いトップ5の今年末のIPCA指数は5.12%から5.44%と大幅に上方修正された一方で、2024年末のIPCA指数も3.45%から3.47%に若干上方修正された一方で、2024年末のIPCA指数は3.18%から3.00%に下方修正されている。

またトップ5の今年末のドルの為替は前回予想のR$5.25からR$5.40、2024年末はR$5.26からR$5.41、2025年末はR$5.30からR$5.65に修正されている。