2022年11月の鉱工業部門生産は前月比マイナス0.1%(2023年1月5日付けヴァロール紙)

ブラジル地理統計院(IBGE)の鉱工業部門生産調査(PIM-PF)によると、2022年11月の鉱工業部門生産量は前月比マイナス0.1%と10月の0.3%増加から一転してマイナスに転じている。

昨年11月の鉱工業部門生産量は前年同月比0.9%増加、昨年10月の鉱工業部門生産は前月比1.7%、9月は0.4%、8月は2.8%それぞれ増加を記録していた。昨年初め11か月間の鉱工業部門の累計生産量はマイナス0.6%、昨年11月の過去12か月間の鉱工業部門の累計生産量はマイナス1.0%を記録している。

昨年11月の前月比の鉱工業部門生産の調査対象の大枠4部門のうち2部門で増加を記録、また調査対象の26セクターの内11セクターではマイナスを記録している。

特に鉱業セクターはマイナス1.5%、情報機器・電気製品・光学機械セクターマイナス6.5%、繊維セクターマイナス5.4%、衣類・アクセサリーセクターマイナス3.8%、木材セクターマイナス1.5%、非金属セクターはマイナス1.2%を記録している。

一方食品セクターは3.2%増加、自動車・トラック・輸送機器セクターは4.4%増加、飲料セクターは10.3%と二桁増加を記録、石油派生品・バイオ燃料セクター は2.8%、金属セクター3.1%、木材セクター7.4%、香水・洗剤・衛生用品セクターは3.5%それぞれ増加を記録している。

昨年11月の資本財セクター生産量は前月比0.8%増加、前年同月比0.7%増加、昨年初め11カ月間の累積生産量は前年同期比マイナス0.4%、昨年11月の過去12カ月間の累積生産量は前年同期比マイナス0.1%を記録している。

前記同様中間財セクターは0.4%増加、1.3%増加、マイナス0.5%、マイナス0.8%を記録、また消費財セクターはマイナス0.1%、0.5%増加、マイナス1.0%、マイナス1.7%、そのうち耐久消費財セクターはマイナス0.4%、2.0%増加、マイナス3.2%、マイナス4.3%、また非耐久消費財セクターは0.6%増加、0.2%増加、マイナス0.5%、マイナス1.1%を記録していた。

 

今年の社会保障院(INSS)の赤字は3,630億レアル予想(2023年1月5日付けヴァロール紙)

2019年の社会保障関連改革の実施にも関わらず、2023年度の社会保障院(INSS)の赤字をカバーするために連邦政府は3,630億レアルに達する財政支出を余儀なくされると予想されている。

今年の社会保障院(INSS)自体の赤字は2,672億レアル、連邦政府職員給与向け支出による赤字は473億レアル、連邦政府軍部向け支出は485億レアルの赤字が見込まれている。

この社会保障関連赤字予測は、ボルソナロ前政権の経済チームによって検討、予算案が作成され、昨年8 月に国会に送られ、年末に承認されている。 2022 年末までの社会保障院(INSS)自体の赤字は2,575 億 8,200 万レアルであった。 また昨年11 月までの 12 か月間で、連邦公務員と連邦軍部向け年金赤字は 1,082 億レアルに達している。

社会保障関連分野スペシャリストによると、2019年の社会保障関連改革は爆発的な支出増加を防ぐという目的を達成したことを示しているが、社会保障関連の赤字は依然として高く、財政赤字削減の足枷になっているとカルロス・ルピ社会保障相は指摘している。

Lupi社会保障相は、今週火曜日の就任演説で、社会保障改革の修正を擁護し、連邦政府の社会保障関連専門家と労働市場を騒がせたが、ルイ・コスタ官房長官などの閣僚による発言否定を余儀なくされた。

2022年のブラジルのトウモロコシ輸出は前年比109%増加(2022年1月4日付けヴァロール紙)

ブラジル穀物輸出協会(Anec)の調査によると、2022年度のブラジルのトウモロコシ輸出量は、前年の2,060万トンの109.4%増加に相当する4,310万トンを記録、また昨年12月のトウモロコシ輸出量は、前年同月比75.4%増加に相当する580万トンを記録している。

一方昨年の大豆の輸出量は、前年比マイナス10.2%と二桁台減少の7,780万トンに留まった。また昨年12月の大豆輸出量も前年同月比マイナス40.2%に相当する150万トンに留まっている。

また昨年1年間の大豆かすの累積輸出量は前年比21.0%増加の2,040万トンを記録した一方で、昨年12月の大豆かす輸出は、前年同月比マイナス10.8%に相当する130万トンに留まっている。

昨年の小麦輸出量は前年比188.8%増加の320万トン、また昨年12月の小麦輸出量は、前年同月の53万8,600トンを15万トン上回る68万9,200トンを記録している。

ブラジル穀物輸出協会(Anec)では、2023年1月のブラジルの穀物類輸出を予想、特にトウモロコシ輸出量は前年同月比94.6%増加の430万トンを予想、大豆、大豆粕及び小麦の輸出はそれぞれマイナス42.4%、マイナス15.4%及びマイナス59.6%を予想、また大豆及び大豆粕輸出は130万トン、小麦輸出は28万700トンを見込んでいる。

2022年の納税金額は前年比11.5%増加の約2兆9,000億レアル(2022年1月4日付けヴァロール紙)

ジャイール・ボルソナロ大統領の再選を目指した各種の免税政策の導入や製品やサービス価格の上昇を招く高止まりするインフレにも拘らず、2022年の国庫庁への納税総額は、過去の記録を更新する税収を記録している。

サンパウロ商業会(ACSP)のサンパウロ市ダウンタウンに設置されているブラジルの累積納税計測カウンターImpôstometroによると、2022年の累積納税総額は2兆8,900億レアルと過去最高を更新している。

累積納税計測カウンターImpôstometroによる総計は、連邦政府、州政府、地方自治体の 3 つのレベルでの徴収総計で、これには手数料、拠出金、罰金、利子、および金銭的修正を含み、2.6 兆レアルが徴収された 2021 年と比較して 11.5% の増加に相当している。

ジャイール・ボルソナロ大統領の再選を念頭に置いた燃料、電力エネルギー料金や通信関連の大幅な減税政策の導入にも関わらず、2022年の納税は、連邦税が牽引したとサンパウロ商業会(ACSP)Instituto Gastão Vidigal協会エコノミストのUlisses Ruiz de Gamboa氏は指摘している。

高止まりしているインフレで、製品やサービス料金が上昇とUlisses Ruiz de Gamboa氏はコメント、ブラジルの税負担率は、新興国の基準からすれば非常に高い。 税負担を軽減するには行政改革と公共支出の抑制が不可欠と指摘している。

 

2022年の海外投資家のB3の株式投資残高は1,000億レアル突破(2022年1月4日付けヴァロール紙)

2022年の海外投資家によるサンパウロ証券取引所(B3)の株式取引投資金額は1,000億レアルを突破、昨年12月29日の最終日までの1年間の投資残高は1,008億2,000万レアルの黒字を記録している。

また昨年12月の月間の株式投資残高は137億7,000万レアル、29日の投資残高は1億2,490万レアルの黒字を記録している。

昨年1年間の法人機関によるサンパウロ証券取引所(B3)の株式取引投資金額は 1,425 億 1,000 万レアルのマイナス残高で年を終えた。 また12 月の株式投資残高は 205 億 3,000 万レアルのマイナスを記録。29 日株式投資残高は 5 億 7,660 万レアルのマイナスを記録している。

一方で昨年1年間の個人投資家によるサンパウロ証券取引所(B3)の株式取引投資残高は18億9,000万レアルの赤字を計上、12月の投資額は3億460万レアル、29日の投資額は1億210万レアルを記録している。

2022年のブラジルのベストセラーカーはフィアット社のStrada車か(2022年1月2日付けヴァロール紙)

2022年のベストセラーカーの正式発表は、1月5日に自動車販売代理店が加盟する全国自動車販売業者連盟(Fenabrave)から予定されているが、フィアット社のピックアップStrada車が獲得すると予想されている。

2022年の自動車メーカーのブラジル国内のマーケットシェアトップは、フィアット社でブラジル国内の21.9%のマーケットシェア確保すると予想されている。

全国自動車販売業者連盟(Fenabrave)の昨年12月初めの発表では、昨年11月までの同社のバスやトラックを除く自動車の国内マーケットシェアは22.13%と2位にGM社の14.75%に大きく水を開けていた。

フィアット社の昨年11月までのブラジル国内の自動車販売では、レンタカー会社などの法人向け直販のマーケットシャアは26.97%とコンペチターに追従を許さない勢いで席捲、特にピックアップStrada車がベストセラーカーとなっていた。

昨年11月までのレンタカー会社向け直販ではMobi車の新車登録台数がトップを記録、昨年の新車販売の50%近くは自動車ディーラーを通さない直接販売が占めていた。

フィアット社の発表によると、レンタカー会社向け直販で頭角を現しているMobi車の販売台数はベストセラーカーの5位に上昇したと予想している。

今年下半期にM&A案件は勢いを取り戻しているが、来年は財政リスク次第(2022年12月19日付けヴァロール紙)

今年上半期の企業の買収・合併案件は弱含みで推移していたが、下半期は活力を取り戻しており、来年はルーラ新政権の投資計画の環境次第で、今年を15.0%~20.0%上回る可能性を金融市場関係者は指摘している。

2022年のM&A案件は、記録を更新した2021年の1627件並みを米国のコンサルタント会社Kroll 社は予想している。また投資銀行は、来年のM&A取引で外国資本の参加が増えると予想している。

今年初め11か月間のM&A案件は前年同期比マイナス6.0%の1,389件、今年1年間では1,600件前後をKroll 社は予想している。

Eurofarma社は 7 億 2,500 万レアルを投資して、Valdaブランドなどを擁する製薬会社を買収、 米国資本Alligned が100億レアルを投資して Pátriaファンドのデータセンター企業Odata を買収している。

来年はすでに増加しているブラジル国内の金融サービス分野などが注目を集めるとKroll 社ファイナンスディレクターのAlexandre Pierantoni 氏は指摘している。

7月末、カナダ資本Brookfield社はQuantum社を通じて、5 つの送電権を Energía Bogotá グループ (GEB) に約 43 億レアルで売却。 また再生可能エネルギー分野では、北大河州のSeridó 風力プロジェクトを18億レアルで買収している。

石油・天然ガスの企業買収や合併では、ペトロブラス石油公社がコア事業以外の傘下企業の放出を継続しており、今年は傘下の社を Cosanグループに売却している。

 

インフレの不透明な先行きで先物金利は僅かに上昇(2022年12月19日付けヴァロール紙)

. フォーカスレポートによると今週月曜日の金融市場は、インフレの先行きも通し不透明感及び下院議会での政権移行PEC(憲法補則案)の投票待ちで先物金利は僅かに上昇している。

今日午前9時40分の2024年1月決裁の銀行間預金ファンド(DI)の金利は13.94%から13.965%に上昇、2025年1月決裁の銀行間預金ファンド(DI)の金利は、13.77%から13.825%に上昇している。

また2026年1月決裁の銀行間預金ファンド(DI)の金利は、13.685%から13.74%、2027年1月決裁の銀行間預金ファンド(DI)の金利は、13.62%から13.655%それぞれ僅かに上昇している。

金融市場関係者は、下院議会での政権移行PEC(憲法補則案)の承認に向けた議論が本格化する中で、承認内容に注目が集まっている。

2023年のインフレ指数の広範囲消費者物価指数(IPCA)は、前回予想の5.08%から5.17%に上方修正された一方で、2024年のIPCA指数は前回同様3.50%に据置されている。また2025年のIPCA指数は3.02%から3.10%に上方修正。2024年末のの政策導入金利(Selic)は8.5%から9.0%に上方修正されている。

今年初め9か月間の製造業部門の貿易収支は470億ドルの赤字計上(2022年12月16日付けヴァロール紙)

工業開発分析研究所(Iedi)の調査によると、2022年初め9か月間のブラジルの製造業部門の貿易収支は、既に470億7,000万ドルに達しており、今年の製造業部門の貿易収支は、2015年~2016年にかけての経済リセッション以降では最悪の赤字収支が見込まれている。

今年初め9か月間の製造業部門は輸出の再開にも関わらず、ロシアによるウクライナ侵攻の影響で、肥料や燃料の国際コモディティ価格上昇による輸入金額の上昇が赤字収支拡大に繋がっている。

今年初め9か月間の製造業部門の交易赤字470億⒎000万ドルは、2014年の500億ドル強の赤字以降では最高の赤字を計上、昨年同期の貿易収支赤字は373億ドルであった。

今年初め9か月間の製造業部門のセクター別貿易収支では、ハイテクセクターは320億4,000万ドル、ミディアムハイテクセクターは630億2,000万ドルと統計を取り始めた1997年以降ではそれぞれ最高の赤字金額を計上している。今年初め9か月間の製造業部門の輸出は1,359億3,000万ドルに対して輸入は1,830億ドルに達している。

2023年の製造業部門は、ブラジル国内の需要の冷え込みが予想されるにもかかわらず、肥料と燃料の輸入が依然として上昇傾向で、輸出は減速、輸入は引き続き回復しているため、貿易収支の大幅な赤字が継続すると予想されている。

CSN は来年初めから鉄鋼製品販売価格を10%値上げ(2022年12月15日付けヴァロール紙).

鉄鋼価格は、過去 30 日間にわたって世界的に全般的な回復を示しており、これに伴い、ナショナル製鉄所CSNは、2023年1月1日から自社の鉄鋼製品の10%値上げを同社営業担当重役のLuiz Fernando Martinez氏は示唆している。

過去30日間の米国、ヨーロッパおよび中国での鉄鋼製品価格は回復傾向を示し、利益率回復に繋がっている。しかし2023年のブラジル国内の政治経済情勢は不透明にも関わらず、来年のブラジル国内の鉄鋼製品需要の回復を見込んでいる。

米国の国内の鉄鋼製品需要は、インフラ整備部門の投資プランの見直し、自動車部門を直撃している半導体の供給問題の正常化などの要因で、2023年7月のトン当たりの粗鋼価格は800ドルから820ドルに達すると予想されている。

中国ではこれほど多くの鉄鋼メーカーが損失を被ったことは過去に一度もなく、利益率と業績を回復したいという熱意があるとマルティネス氏は指摘している。

来年第1四半期及び第2四半期は、ブラジル国内の粗鋼の需要回復が見込まれており、現在の1トン当たりのブラジル国内の粗鋼価格は575ドルから585ドルで推移、プレミアムは11.0%前後で推移している。

CSNは来年1月1日から1トン当たりの鉄鋼製品価格を10%値上げ、プレミアムは12.0%を維持するとマルティネス氏は説明している。

ブラジルの鉄鋼製品の輸入は依然としてCSNにとって大きな障害になっているが、保護主義を擁護するわけではないが、競争力に関しては対称的であるとマルティネス氏は指摘している。