8月の一般消費者の景況感指数(ICC) は、前月比4.1ポイント上昇して83.6ポイント(2022年8月25日付けヴァロール紙)

ジェツリオ・バルガス財団(FGV)の消費者動向調査によると、2022年8月の一般消費者の景況感指数(ICC) は、前月比4.1ポイント上昇して83.6ポイントを記録、6月から8月の四半期の一般消費者の平均月間景況感指数(ICC) は2.7ポイント増加の80.7ポイントを記録している。

8月の一般消費者の景況感指数(ICC)が前月比4.1ポイント上昇した要因として、労働市場の改善及びインフレ指数の減少で、今後数か月間の先行き景況感指数の上昇が一般消費者の購買意欲を高めており、特に富裕層では顕著となっている。

8月の一般消費者の先行き景況感期待指数(IEC)は、6.0ポイント上昇の92.6ポイントとCovid‐19パンデミック直前の220年2月以降では、最高の先行き景況感期待指数(IEC)を記録している。

また今年8月の一般消費者の現状景況感指数(ISA)は、前月比1.4ポイント増加の71.7ポイントと2020年11月以降では、最高の現状景況感指数(ISA)を記録している。

一般消費者の景況感指数(ICC) の改善を押上げたのは、耐久消費財購入指数が11.3ポイント増加の79.0ポイントと二桁台の伸び率を記録、2019年12月に記録した81.7ポイント以降では最高指数を記録している。

8月の一般消費者の景況感指数(ICC)の所得別調査では、月収が2,100レアルから4,800レアルの中間層の一般消費者の景況感指数(ICC)が前月比5.4ポイント増加の77.8ポイント、2020年9月に記録した78.3ポイント以降では最高指数を記録している。

今年の鉄鋼生産は下方修正も非常に順調(2022年8月24日付けヴァロール紙)

2021年のブラジルの鉄鋼業界は、2013年以降では最高の業績を記録したが、今年の鉄鋼業界の業績見直しは来週発表されるが、若干下方修正されるにも拘らず、過去10年間では昨年に続く業績が予想されている。

昨日ブラジル鉄鋼協会(IABr)会長に就任したArcelorMittal Brasil社の Jefferson De Paula社長は、 IABrでは今年の鉄鋼販売、生産、輸出などの見直しを行っているが、昨年の突出した業績は下回るが、楽観的な業績を見込んでいる。

ブラジル鉄鋼協会(IABr)では、今年の国内消費が1.5%増加すると仮定して、国内の鉄鋼製品販売は、前年比2.5%増加、生産は2.2%増加を見込んでいたが、若干の下方修正を余儀なくされると見込まれている。

2021年のブラジルの粗鋼生産は3,600万トン、圧延鋼生産は2,600万トン、国内の鉄鋼製品消費は、予想を大幅に上回る前年比23.0%の大幅増加を記録していた経緯があった。

ブラジル鉄鋼協会(IABr)のマルコ ポーロ デ メロ ロペス現会長は、仮に国内売上高が 前年比7.0% 減少したとしても 、今年の年間売上高は、過去 10 年間の平均年間を 4% 上回ると説明している。

ブラジル鉄鋼業界は、2023年から2026年までの4年間で、生産能力の拡大、設備の近代化、国際競争力強化のために525億レアルの投資を予定している。設備稼働率が70%にも達していないにも関わらず、今後10年間でブラジル国内の鉄鋼製品消費は、2倍に拡大すると予想されている。

ブラジル国内の一人当たりの鉄鋼製品の平均年間消費は、125キログラムに留まっており、世界平均の230キログラムの半分であり、今後の伸びしろが大きいと De Paula社長は指摘している。

2020年はサービス業関連企業1万5,000社が廃業に追い込まれた(2022年8月24日付けヴァロール紙)

ブラジル地理統計院(IBGE) の2020年度サービス業調査によると、COVID-19パンデミックが猛威を振るっていた2020年のブラジル国内のサービス業部門関連企業は、2019年の1383,000社から14544社少ない1368,000社と大幅な減少を記録している。

2020年のサービス業部門の14544社が業界から撤退を余儀なくされたのは、一般家庭向けサービス業は、2019年の417,600社から59,800社少ない35万⒎800社に減少、減少率は14.3%と二桁台の減少を記録している。

特に輸送・輸送補助サービス・郵便サービスセクター は、2019年の17万6,900社から1万社以上少ない166,800社まで減少を余儀なくされていた。

2011年のサービス業部門関連企業数は1109,000社であったが、2020年は23.4%増加に相当する1368,000社まで増加していた経緯があった。

昨年オンサービス業関連企業の総売上は18,000億レアル、純売上は11,000億レアル、サービス業部門の総従業員数は1,250万人、サラリー総額は3,735億レアルであった。

2020年のサービス業部門で最も従業員の削減を余儀なくされたのは、食品関連サービスセクターで329,200人減少、また最も従業員削減比率が高かったのは旅行関連オペレーターや旅行社セクターの28.4%であった。

高止まりするインフレは460万人を負債支払い困難に導く(2022年8月23日付けヴァロール紙)

銀行業務集中サービス会社(Serasa Experian)の調査によると、2021年8月の過去12か月間の累計インフレ指数が二桁台を記録、また中銀による政策誘導金利(Selic)の引上げも一般家庭の負債支払いを困難にさせている。

昨年8月の負債支払い遅延をきたしていたのは6,220万人であったが、インフレ指数の上昇に伴って、1年後の現在は、460万人増加の6,680万人に膨れ上がっている。

インフレ及び金利上昇に伴って、一般家庭の金融機関関連の支払い遅延以外にも、上下水道、光熱費、都市ガスなどの公共料金支払い遅延及び小売販売の支払い遅延が増加してきている。

2021年8月の過去12か月間の累計インフレ指数の広範囲消費者物価指数(IPCA)は、9.68%と辛うじて一桁台を維持していたが、2021年9月の過去12か月間の累計指数は10.25%と二桁台に上昇、一般消費者の支払い遅延増加に結びついている。

2年前からウーバー運転手を生業にしている53歳の Carlos Pinto氏の場合、生活必需品の購入を優先させるために、8ヶ月前から3,500レアルのクレジットカード支払いの停止を余儀なくされているが、現在の負債総額は5,600レアルに膨れ上がっている。

インフレ及び金利上昇に伴って、昨年8月の一般消費者の負債総額は2,446億レアルであったが、今年7月末には、15.04%増加の2,814億レアルまで増加していると銀行業務集中サービス会社(Serasa Experian)の調査で判明している。

昨年8月の成人の負債比率は38.9%であったが、今年7月には41.4%に相当する6,680万人に増加、そのうち男性は3,350万人、女性は3,330万人、26歳から40歳は2,380万人で最多、41歳から60歳までは2,290万人、高齢者は1,150万人、平均負債額は昨年8月の3,928.8レアルから4,211.8レアルに増加している。

ラテンアメリカ地域の製造業部門の生産回復は2023年以降(2022年8月23日付けヴァロール紙)

ゼツリオ・バルガス財団ブラジル経済研究所(FGVIbre)の調査によると、ラテンアメリカ地域の製造業部門の生産回復は、依然として原材料供給問題の影響を受けており、調査対象の企業経営者の60%は供給問題が正常化するのは2023年以降になると回答している。

ラテンアメリカ地域の製造業部門対象の調査によると、85.3%は依然として原材料供給問題が継続していると回答。そのうち深刻な供給問題に直面していると回答したのは23.1%に達している。

また原材料供給問題が正常化する時期として、2023年上半期と回答したのは35.6%、2023年下半期は26.4%、2022年第4四半期は10.2%、2022年第3四半期は3.9%、2024年以降と回答したのは9.5%に達している。

ラテンアメリカ地域の経済状況指数調査では、今年第2四半期は67.3ポイントであったが、今年第3四半期は54.7ポイントとマイナス12.6ポイントを記録、前記同様現状経済状況指数は48.8ポイント、44.3ポイントとマイナス4.5ポイントを記録している。

今後の見通し経済状況指数は、87.2ポイントから65.5ポイントとマイナス21.7ポイントと悲観的な数字が表れている。

今年第2四半期から第3四半期にかけて、ラテンアメリカ地域の原材料供給問題など不透明感の増加で先行き見通し景況感が65.5ポイントまで減少したのは、20089月のリーマンブラザーズ破綻による世界金融危機後の2009年第1四半期の35.4ポイント以降では最悪となっている。

ゼツリオ・バルガス財団ブラジル経済研究所(FGVIbre)のラテンアメリカ地域の10カ国対象の調査のうち唯一ウルグアイは、28.6%が軽度の部品供給問題に留まっていた一方で、為替危機に見舞われているアルゼンチンは、調査対象の60%が部品供給問題で大きな困難を抱えている。

2022/23年度の大豆及び棉栽培面積は拡大予想(2022年8月23日付けヴァロール紙)

大豆及び綿花の国際コモディティ価格の上昇に伴って生産者にとっては収益性が高い農産物となってきているために、種子や農薬、肥料などの生産コスト上昇にも拘らず、 2022/23年度の作付け面積は大幅に増加すると予想されている。

2022/23年度の作付け用大豆の種子は既に90%以上予約済みで、大豆の作付け面積は前年比4.0%増加をBasfラテンアメリカ社の Hugo Borsari取締役は予想している。

また綿花の2022/23年度の作付面積は前年比5.0%から10.0%と大幅増加を予想、特にブラジル国内生産2位のバイア州の棉植え付け開始は11月、ブラジル国内トップのマット・グロッソ州は昨年1月からとなっている。

棉の作付面積拡大のトップはマット・グロッソ州が見込まれているが、1980年代に害虫発生及び労働者不足で棉栽培から撤退していたパラナ州でも来年から再度棉栽培の気運が高まってきている。

パラナ州綿花生産者協会 (Acopar)の Milton Martinez副会長は、 2022/23年度は北パラナのロンドリーナ市及びイビポラン市近郊の2,000へクタールでの棉の試験栽培を予定している。

今年7月のクレジット部門は前月比0.8%増加、過去12か月間では16.3%増加(2022年8月22日付けヴァロール紙)

ブラジル銀行協会連盟(Febraban)によると、2022年7月の個人向けクレジットは1.4%増加、7月の過去12か月間の累計クレジット伸び率は21.5%増加、一方法人向けクレジットはマイナス0.2%、過去12か月間では9.3%増加を予想している。

個人および法人を合わせた7月のクレジット部門伸び率は前月比0.8%増加、7月の過去12か月間の累計クレジットは、16.3%増加とブラジル銀行協会連盟(Febraban)では見込んでいる。

今年のクレジット部門のインフレ指数を考慮しない名目伸び率は、6月の予想の16.9%増加を下回ると予想、7月のインフレ指数の広範囲消費者物価指数(IPCA)は、6月の0.67%増加から一転してマイナス0.68%と統計を取り始めた1980年以降では月間最低記録となっている。

今年7月の法人向けクレジットはマイナス0.2%予想、そのうちクレジット先が自由に選択できる自由クレジットはマイナス0.6%、融資先が限定されている限定クレジットは、連邦政府による小零細企業向け融資制度である国家零細・小規模企業支援プログラム(Pronampe)の支援向け新規クレジットプログラムが牽引して0.6%増加している。

 

ユーカリ材不足で新規パルプ工場建設は2028年以降に先送り(2022年8月21日付けヴァロール紙)

過去24ヶ月以内に操業開始したパルプ工場や建設中のパルプ工場では、ブラジル国内のパルプの原料となるユーカリ材の調達は可能となっているが、ユーカリ材の価格が急上昇しており、新規パルプ工場の建設は、今後のユーカリ植林から伐採可能となる2028年以降への先送りを余儀なくされている。

ブラジルのユーカリ材を原料とする短繊維パルプは世界のパルプ生産を牽引しているが、既にユーカリ材の需要は供給を上回る分岐点に達しているために、新規パルプ工場の建設は、ユーカリ材の伐採が可能となるのは植林後6年から7年後であり、新規パルプ工場の建設は2028年以降を余儀なくされている。

先週、サンパウロで開催された Fastmarkets RISI Latin American会議に参加した業界幹部は、限られたユーカリ材の供給と価格の上昇で、今後数年間の新規パルプ工場プロジェクトにブレーキがかかると予想されている。

フィンランド資本 Pöyry社の発表によると、昨年のブラジルのパルプ生産は2,250万トン、2030年迄の新規プルプ工場建設による生産は、ユーカリ材の短繊維パルプ増産が牽引して3,000万トンを突破すると予想されている。

ユーカリ材市場にも変化があり、パルプや紙以外の部門での需要が急増しており、需要の60%は製鉄所で使用される木炭の生産、または電力エネルギー向けバイオマス発電に使用されている。

2020年のユーカリ材の新規植林面積は747万ヘクタール、2020年から2025年には年間平均700万トンのユーカリ材を供給するためには、毎年80万ヘクタールから100万ヘクタールに植林する必要がある。

最終フォーカスレポートでは、今年のインフレ指数を6.82%に下方修正(2022年8月22日付けヴァロール紙)

中銀の最終フォーカスレポートによると、2022年のインフレ指数の広範囲消費者物価指数(IPCA)は、前回予想の7.02%から6.82%に下方修正している。

また2023年の広範囲消費者物価指数(IPCA)も5.38%から5.33%に下方修正したが、2024年の IPCA指数は前回同様3.41%に据え置かれている。

今年末の政策導入金利(Selic)を前回同様に13.75%に据置、2023年は11.0%、2024年の Selic金利は前回同様8.00%に据え置かれている。

中銀の前回の8月3日の通貨政策委員会(Copom)では、12回連続となるSelic金利を0.5%引上げて13.75%と2016年12月の水準に達している。次回の通貨政策委員会(Copom)は、9月20日及び21日開催が予定されている。

中銀の今年のインフレ目標値は3.50%、2023年は3.25%、2024年は3.00%、それぞれ許容範囲は±1.50%となっている。今年のGDP伸び率は前回予想の2.00%から2.02%微増に修正されている。

また2023年のGDP伸び率は、前回予想の0.41%から0.39%と若干下方修正されたが、2024年のGDP伸び率は、前回同様1.80%に据え置かれている。

今年末のレアル通貨に対するドルの為替はR$5.20 、2023年末はR$5.20 ,2024年はR$5.10それぞれ据え置かれている。

的中率が最も高いトップ5の今年のIPCA予想は7.08%、2023年は5.42%それぞれ据え置いたが、2024年のIPCA指数は、前回予想の3.10%から3.35%に引き上げている。

またトップ5の今年末の為替は、前回予想のR$4.90からR$5.10 、2023年及び2024年末の為替は、前回同様R$5.00に据え置いている。

連邦貯蓄金庫の第2四半期の純益は70%減少も住宅向けクレジット残高は記録更新(2022年8月18日付けヴァロール紙)

連邦貯蓄金庫の2020年第2四半期の純益は、傘下のCaixa Seguridade社の新規株式公開(IPO)及びPan銀行の持株放出などの要因で、前年同期比マイナス70.7%の18億レアルと大幅減少を記録、また前四半期比でもマイナス27.9%を記録している。

今年第2四半期の同行のクレジット部門の延滞率は減少したにも拘らず、不良貸付残高(PDD)対応の貸倒引当金は、前年同期比78.1%増加の46億800万レアルの手当てを余儀なくされたことも純益の減少につながっている。また前四半期比も44.4%増加している。同金庫のPedro Guimarães総裁は、従業員に対するセックスハラスメントで7月初めに辞任を申し出ていた。

今年第2四半期末の住宅購入向けクレジット残高は、前年同期比11.0%増加の5,952億レアルを記録して業界トップを維持しており、また前四半期比では3.3%増加している。

今年第2四半期末の農畜産業向けクレジット総額は308億レアル、そのうち個人向け農畜産クレジットは、前年同期比253.9%増加の196億レアルに達している。過去12カ月間では202.3%増加、前四半期比では45.1%増加している。

連邦貯蓄金庫の今年第2四半期末のクレジット部門総額は、過去1年間で13.7%増加の9,282億レアル、今年第2四半期だけのクレジットは18.6%増加の1,278億レアルを記録、前年同四半期末比では17.5%増加している。

今年第2四半期末のクレジット部門の延滞率は、前年同期比0.57%減少の1.89%まで低下、前四半期比では0.44%減少、不良貸付残高(PDD)対応の貸倒引当金のカバー率は244.6%であった。