中南米市場セミナーに55人が参加して開催

ジェトロ・サンパウロ事務所(澤田吉啓所長)とコンサルタント部会(澤田吉啓部会長)共催の中南米市場セミナー(チリ・ベネズエラ)が2013年3月12日午後2時から3時30分まで、会場一杯の55人が参加して開催された。

進行役は井上徹哉次長が務め、初めに堀之内貴治サンチアゴ事務所長が中南米の実態、チリの経済事情並びにチリの消費市場について、ジェトロ第13回中南米日系進出企業の経営実態調査から中南米でも太平洋側のペルー、コロンビア、メキシコ並びにチリの在中南米日系企業の景況感は比較的好調、2013年の景況感は中南米全体で回復、今後数年間の事業展開拡大はブラジル、メキシコ並びにコロンビアで拡大していると説明。

直面している経営上の問題として労働コストの上昇、為替変動並びに税制問題が最も大きな頭痛の種となっており、チリは南米唯一のOCED加盟国であり、南米で最も先進国に近い国、腐敗認識指数は米国よりも優れており、世界競争力比較では28位にランクされている。

日智EPAは2007年9月に施行したが、2010年2月のチリ大震災、2011年3月の東日本大震災などの影響で、貿易額は予想を下回っているが、今後は増加が予想されており、日本から70社が進出しているが、製造業はほとんどなく、チリは人口が少なくて地理的にも製造業には不向きであるが、日本からの投資は全体の43%を占めて1位となっている。

チリは世界60カ国とFTAを締結して同国の貿易額の90%を占め、日本車の自動車販売シェアは30%、中国の自動車メーカー20社が進出して10%のマーケットシェアを占め、非耐久消費財の輸入動向では化粧品、即席めん、履物が増加、チリの小売店流通は全国的な流通チェーンを擁するグループが支配して中南米にも進出している。

チリは情報収集に最適な拠点であり、南米のスペイン語圏における営業拠点・総務拠点となり、一人当たりの国内総生産が高いためにブラジルや第3国からの輸出先に適していると強調した。

松浦健太郎カラカス事務所長はベネズエラ一般概要と貿易動向、メルコスール加盟による制度変更、ベネズエラビジネスの留意点並びにポストチャベス政権の行方について、ベネズエラの概要、今年2月に通貨切り下げを発表、90%以上を占める石油の輸出並びに国際石油価格が同国経済を左右、ベネズエラのメルコスール域内関税率、為替管理制度、オフィシャル・レートでの外貨調達の手続きの流れと問題点、外貨準備高の推移などについて説明した。

また松浦健太郎カラカス事務所長は、4月14日に予定されている大統領選挙では与党のニコラス・マドゥロ候補と野党のカプリレス・ラドンスキ候補の勝敗、その後のベネズエラの政治経済の現体制維持もしくは野党が勝てば大きく変わる政治や経済政策、為替管理、石油収入の分配、言論の自由などについて両候補の相違点を説明、最後に井上次長は配布されたアンケート用紙への記入を依頼した。

チリ 競争市場 堀之内貴治サンチアゴ事務所長

ベネズエラの最新経済情報 松浦健太郎カラカス事務所長

会場一杯の55人が参加

 

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