消費者を「保護」する者はどこに?

過去数年で国際貿易が大きく成長したことを受け、ブラジル国内の種々の産業で保護貿易主義者たちが勢いづいている。その主張の大部分は、一般に言って、消 費者の利益を無視している。政府が政策として輸入品から国内産業を保護することで国産品の価格が上昇するという見解は、アナリストの間で一致している。そ して、そのコストを負担することになるのがブラジルの消費者、とりわけ低所得の人たちだ。

これこそが、現在進められている保護貿易に関する法令の見直し作業に、消費者の利益を代弁する団体の参加を義務付け、その団体が恒久的に参加するよう、ブラジル貿易会社協会(Abece)が開発商工省(MDIC)に対して提案している最たる理由だ。

国産品の適切な保護はすでに輸入関税を通じて行われており、その税率は、特定の業界に対して国際協定に基づいて最大で35%と定められている。これの意味すると ころは、輸入品はすでに製品が国内市場に入る時点で保護措置のための高いマージンによる関税がかけられているということ。別の税金を「カスケード(連鎖的 に)」して適用する場合、輸入品に対して常に、必要以上に大きな課税が行われているということだ。国際的な海上輸送コストとブラジルの高い港湾コストが相 まって、関税を利用したブラジルの保護政策は、実際のところ、輸入された製品の価格を国際水準と比較して50%かそれ以上も引き上げる。

ところが一部の業界では、これだけでは不十分と主張しており、輸入をさらに難しくするための別の対策を導入するよう要求している。これらの提案の数々は、 輸入許可証の自動発行の停止や価格統制、輸入関税の徴収方式の変更、技術的な障壁の導入など、官僚的な手続きによる統制だ。こうした取り組みの目的が、ビ ジネス環境を悪化させるためだというのは言わずもがなの了解事項。次から次へと持ち上がる難題に輸入業者は、いよいよ、国外のサプライヤーと契約を交わし たオペレーションを断念する。

これらの措置は、ブラジルが署名している国際協定に反している。その上、すでに保護貿易主義的措置の打撃を受けているメルコスルの条約にすら抵触する。そし て、国外においてブラジルのイメージを傷つける。歴史的に根深いものを持っている保護貿易主義のバイアスを取り除くことは、容易ではない。そのバイアスと はつまり、数十年にわたって輸入品を国産品に置き換える努力が払われ、計画は素晴らしい成果を上げたのは皆さんもご存じのところだが、80年代の危機と、 国際市場においてブラジル経済が競争にさらされその成果が四散した、というものだ。
この保護貿易論者の実験台になった最新のケースは、輸入衣類に対する関税の徴収方法の変更だ。ルーラ政権下で、メルコスルに加盟するパートナーの国々を相手に、この品目に対する関税率を35%に引き上げることを認めさせるべく多大な努力が払われた。この税率は、単価が高いものと低いものを保護する。異なる 所得層にある消費者を等しく扱うのだ。

繊維・衣類の大手小売りチェーンを代表するブラジル繊維製品小売業協会(Abvtex)はこのほど、もし従量税(衣類の重量に対して課税するシステム)が 導入されれば、最大の打撃を受けるのは低所得の消費者だとの声明を発表した。輸入衣類の購入にあたって、低所得層の消費者は、ブティックで衣類を購入する ような消費者よりも相対的に大きな比重の税金を負担する。購買力の大きな消費者が支払う税金は、より小さなものになるだろう。より購買力のある人たち向け のブランド衣類の輸入に、拍車がかかることになる。

ブラジルの産業界、とりわけこうした高い課税率がすでに導入されている業界には、これほど大規模な追加的な保護を導入する必要はない。保護貿易主義的な対策を拡大させることは、現状に充足する空気を醸成し、技術革新と効率化を追求する新規投資への挑戦を無きものにしてしまう。(2012年1月27日付エスター ド紙)

イバン・ラマーリョ エコノミスト、ABECE会長、元MDIC事務次官。

消費者を「保護」する者はどこに?

過去数年で国際貿易が大きく成長したことを受け、ブラジル国内の種々の産業で保護貿易主義者たちが勢いづいている。その主張の大部分は、一般に言って、消 費者の利益を無視している。政府が政策として輸入品から国内産業を保護することで国産品の価格が上昇するという見解は、アナリストの間で一致している。そ して、そのコストを負担することになるのがブラジルの消費者、とりわけ低所得の人たちだ。

これこそが、現在進められている保護貿易に関する法令の見直し作業に、消費者の利益を代弁する団体の参加を義務付け、その団体が恒久的に参加するよう、ブラジル貿易会社協会(Abece)が開発商工省(MDIC)に対して提案している最たる理由だ。

国産品の適切な保護はすでに輸入関税を通じて行われており、その税率は、特定の業界に対して国際協定に基づいて最大で35%と定められている。これの意味すると ころは、輸入品はすでに製品が国内市場に入る時点で保護措置のための高いマージンによる関税がかけられているということ。別の税金を「カスケード(連鎖的 に)」して適用する場合、輸入品に対して常に、必要以上に大きな課税が行われているということだ。国際的な海上輸送コストとブラジルの高い港湾コストが相 まって、関税を利用したブラジルの保護政策は、実際のところ、輸入された製品の価格を国際水準と比較して50%かそれ以上も引き上げる。

ところが一部の業界では、これだけでは不十分と主張しており、輸入をさらに難しくするための別の対策を導入するよう要求している。これらの提案の数々は、 輸入許可証の自動発行の停止や価格統制、輸入関税の徴収方式の変更、技術的な障壁の導入など、官僚的な手続きによる統制だ。こうした取り組みの目的が、ビ ジネス環境を悪化させるためだというのは言わずもがなの了解事項。次から次へと持ち上がる難題に輸入業者は、いよいよ、国外のサプライヤーと契約を交わし たオペレーションを断念する。

これらの措置は、ブラジルが署名している国際協定に反している。その上、すでに保護貿易主義的措置の打撃を受けているメルコスルの条約にすら抵触する。そし て、国外においてブラジルのイメージを傷つける。歴史的に根深いものを持っている保護貿易主義のバイアスを取り除くことは、容易ではない。そのバイアスと はつまり、数十年にわたって輸入品を国産品に置き換える努力が払われ、計画は素晴らしい成果を上げたのは皆さんもご存じのところだが、80年代の危機と、 国際市場においてブラジル経済が競争にさらされその成果が四散した、というものだ。
この保護貿易論者の実験台になった最新のケースは、輸入衣類に対する関税の徴収方法の変更だ。ルーラ政権下で、メルコスルに加盟するパートナーの国々を相手に、この品目に対する関税率を35%に引き上げることを認めさせるべく多大な努力が払われた。この税率は、単価が高いものと低いものを保護する。異なる 所得層にある消費者を等しく扱うのだ。

繊維・衣類の大手小売りチェーンを代表するブラジル繊維製品小売業協会(Abvtex)はこのほど、もし従量税(衣類の重量に対して課税するシステム)が 導入されれば、最大の打撃を受けるのは低所得の消費者だとの声明を発表した。輸入衣類の購入にあたって、低所得層の消費者は、ブティックで衣類を購入する ような消費者よりも相対的に大きな比重の税金を負担する。購買力の大きな消費者が支払う税金は、より小さなものになるだろう。より購買力のある人たち向け のブランド衣類の輸入に、拍車がかかることになる。

ブラジルの産業界、とりわけこうした高い課税率がすでに導入されている業界には、これほど大規模な追加的な保護を導入する必要はない。保護貿易主義的な対策を拡大させることは、現状に充足する空気を醸成し、技術革新と効率化を追求する新規投資への挑戦を無きものにしてしまう。(2012年1月27日付エスター ド紙)

イバン・ラマーリョ エコノミスト、ABECE会長、元MDIC事務次官。

https://camaradojapao.org.br/jp/?p=36153