(論評)これはなんという国か
(ロベルト・ジアネッテ・ダ・フォンセッカ 2012年6月4日付けヴァロール・エコノミコ紙)
ブラジルに対して憤慨した時や途方に暮れた時などに”これはなんという国か”というブラジル人が良く使うタイトルで書いてみます。
数日前にサンパウロ工業連盟(Fiesp)では、世界的に有名な工業政策の権威である英国ケンブリッジ大学の韓国籍のHá-Joon Chang教授は、ブラジルの企業家を前に、過去10年間の先進国や発展途上国の政治や経済政策について講演した。
ブラジルが正しい投資政策などを導入しているアジアの発展途上国を中心に他の発展途上国にも追い抜かれ、また後塵を浴び続けていることは我々ブラジルの企業家にとっては非常に悲しいできごとであるが驚きではない。これらの国では政府が雇用創出、所得増加、イノベーションテクノロジー政策など企業家をバックアップしている。
最近、プラナルト宮で開催された著名な企業家グループとの会合で、ジウマ・ロウセフ大統領は、1930年代に活躍してマクロ経済学を確立したジョン・メイナード・ケインズ(John Maynard Keynes)を引用して、持続的経済成長のためにブラジルの企業家による更なる投資や雇用の創出を促した。
1970年の韓国の一人当たりのGDPはブラジルよりも少なかったが、今では2倍以上に増加、また韓国の多国籍企業、自動車メーカー、電気製品,機械・装置など世界中に進出して堅調な経済成長を継続しており、ブラジルも持続的経済成長するために、企業活動の足枷となっている状況を変える能力を持っている。
ブラジルは豊富な天然資源、マンパワー、電力エネルギー、巨大な消費市場など計り知れない経済ポテンシャルを擁しているにも関わらず、過去30年から40年間に亘って、未来の国から脱出できないことをChang教授に質問する必要がある。
安定した政治経済で投資適格国入りしているにも関わらず、過去15年以上に亘って高金利が続いているのはなんという国ですか
製造業の競争力を削ぐほど為替高で非工業化プロセスを加速させているのはなんという国ですか
重税や最低の税制構造、なくならない税制訴訟、不安定な裁判、法律や規制がめまぐるしく変更されるのはなんという国ですか
時には10年以上もかかる裁判所の判決プロセス、訴訟当事者に対する個人や法人の財産の差し押さえを許可するのはなんという国ですか
大衆から選ばれた州知事が隣接する州の製造業の雇用削減につながる輸入製品に関する憲法違反の税制インセンチブを正当化しているのはなんという国ですか
減税や手続き簡略に結びついて輸出やイノベーションテクノロジー、生産部門の投資を促すインセンチブよりも処罰の方が多いのはなんという国ですか
世界での経済規模が大きいにも関わらず、教育レベルが低くて、自宅に上下水道が40%しかないのはなんという国ですか
スペースの問題でこれらの質問以上掲載できないが、失望させられる回答しか得られない国は残念ながらブラジルであるが、現在の不条理なビジネス環境から健全で持続的な経済成長を短期間に換える能力を我々は擁しており、最後の質問の回答として、次世代のブラジル人は未来の国に生きているのではなく、現実の国に生きていることを確信している。
ロベルト・ジアネッテ・ダ・フォンセッカ氏はエコノミストで企業家、Kadunaコンサルタント社の社長、Fiespの国際関係並びに貿易部の筆頭取締役








