【ブラジル=アメリカ・フォーラム」工業部門の生産性と貿易協定に関して議論】

今回のイベントでは、官僚的な煩雑な手続きによる障壁を超えてブラジルとアメリカが関係を一層緊密化させるためのソリューションについて協議した。

アリセ・アスンソンとイザベラ・バーロス(Fiespインドゥスネット通信)

サンパウロ州工業連盟(Fiesp)が主催した「ブラジル=アメリカ・フォーラム」が6月6日午前に開催され、ブラジルとアメリカの通商が拡大することで国内工業は成長する可能性を高めることについて、大いに議論が交わされた。このイベントは、Fiesp国際通商部(Derex)のマリオ・マルコニーニ副理事の司会で進行した。

討論には、ゼツリオ・バルガス財団(FGV)ブラジル経済研究所(Ibre)のアルマンド・カステラル応用経済調査コーディネーター、タンデム・グローバル・パートナーズの共同経営者で元中央銀行国際問題担当理事のパウロ・ヴィエイラ・ダ・クーニャ氏、コロンビア大学(ニューヨーク)教授でカリフォルニア大学名誉教授のアルバート・フィッシュロー教授など、名だたるメンバーが参加した。

この他にも、元在米ブラジル大使でFiesp貿易上級評議会(Coscex)議長のルーベンス・バルボーザ氏、マイアミ大学西半球政策センターのスーザン・カウフマン・パーセル理事、ワシントンにあるユーラシア・グループのラテンアメリカ専門シニア・アナリスト、ジョアン・アウグスト・デ・カストロ・ネーヴェス氏らが参加した。

研究のオープニング当たって、アルマンド・カステラル氏は、ブラジルのGDP成長率が2013年に2.4%を記録すると指摘した。一方、工業部門の景況も、2012年よりも改善するとコメント。「商業部門は、労働市場に由来する問題で、種々の困難に直面するだろう。これまで余り議論されてこなかった問題として、消費者に対する信用供与の成長が、実質ベースでストップしたことが挙げられる」とカステラル氏は分析。

工業部門に関する討論では、アルバート・フィッシュロー教授が、同様に、生産性をベースにした成長戦略の構築の重要性を強調した。40年以上にわたって研究を続けてきた集大成として「新しいブラジル(O Novo Brasil)」を著した同教授は、70年代の国内工業救済の狙いは誤りとし、現在では、技術の進歩に歩調を合わせた工業生産に投資するほうがより効率的だとコメントした。「かつての工業部門の重要性を維持している唯一の国はドイツである」と同教授は言う。

さらに同教授は、「アメリカとイギリス、フランスなどにおいては、工業部門の比重が縮小しており、助成を実施して関税を引き上げるなど過去に導入された政策に回帰することでこのような潮流を回避でき得ると単純に考えることが、私には適切とは思えない」と説明した。

同教師によると、工業の構造改革を実施することは、1980年代に製造業が最盛期を迎えた当時に記録したような、国内総生産(GDP)に対して28%近くを占めるまでにこの業界を復興させることを意味しない、と言う。「工業部門は定期的に生産性を引き上げる必要がある。それが成長のベースになる」。

ブラジルがより高い生産性を獲得する必要性があることには、パウロ・ヴィエイラ・ダ・クーニャ理事も賛同する。「ブラジルの生産性は低く、投資を促進するための戦略も欠いている」と説明。「生産性を向上させるということは、わずかばかり頑張ってみるというものではないはずだ。私たちは、ブラジルの投資における生産性を向上させる必要がある」と結んだ。

通商の拡大

「ブラジル=アメリカ・フォーラム」の第2部は、2国間の貿易に関するプレゼンテーションが行われ、注目を集めた。ルーベンス・バルボーザ大使は、ブラジルとアメリカの2国間貿易を促進することへの関心は、両国政府の外交機関と貿易機関から表れてきているものではないと言う。

バルボーザ元大使は、「協定締結への具体的な関心は、例えば、USブラジル・ビジネス・カウンシルと、ブラジルに進出したアメリカ企業からきている」と断言する。さらに、「先ずは関係を構築してその後に政府が提携するよう我々が協定締結に向けどこに関心を持つか示すか、あるいは、座して何も得ないかのどちらかだ」と指摘した。

バルボーザ氏によると、この問題を協議し2国間の通商における現実的な障害を取り除くために、2国間協定が公式に発効するのを待つ必要など何もないと言う。「いずれも官僚的で煩雑な手続きが障害になっている。それでも、いつの日か、貿易協定が締結されるのだ。現在、投資を保証すること、あるいは二重課税に対する見解の確認は一切行われていないが、ブラジルの対アメリカ貿易は約600億ドル規模である」。

同元大使は、ブラジルとアメリカの通商拡大に向けて、目的重視の手段を模索するという適切な進路を進んでいるという見解を示す。さらに、現時点でより適切な方向として、「既に存在する具体的な機会を確認し、その後、障壁なくこれらを合法化する用政府に依頼すべきだ」と強調した。

民間イニシアティブについても、ジョアン・アウグスト・デ・カストロ・ネーヴェス氏が次のように強調した。「この分野のシナリオの1つは、政府がより大きな経済的課題に直面し、より多くの資金と投資を必要とするというものだが、この場合、民間部門を呼び込む提案を打ち出し、民間部門をさらに取り込むことを模索するところから着手することが重要だ」。

スーザン・カウフマン・パーセル理事のプレゼンテーションは、現在締結されている貿易協定に関して考察した。「不幸にもブラジルの隣国は、通商に対して見解を異にする国々だ」と、同理事はコメント。マイアミ大学西半球政策センター理事の同氏は、ブラジルにとって先進国と新たな貿易協定を締結するための解決策は、ブラジルがメルコスルから脱退することだと話す。「貿易の上でも経済的にもメルコスルにチャンスがないと言いたいのではない。私は単に、競争力を一層高めるというブラジルの努力に対して地域協定が足かせになると考えているに過ぎない」と結んだ。(Fiespレポート 2013年6月6日 サイトwww.fiesp.com.brに掲載)

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