【Fiespはボリバル主義者なのか?】

国内で 最も重要な財界の2団体、全国工業連合(CNI)と工業開発分析研究所(Iedi)が、このほど、ブラジルは新しい貿易協定を模索するか、あるいは孤立す るかだと、警告を発した。ブラジルはメルコスルの加盟国なのだが、この貿易協定は、欠点だらけの対外関税と、一般的におおよそ取るに足りない貿易パート ナーとの特恵貿易協定によって、域内を保護する貿易主義が支配的である。CNIのロブソン・ブラガ・デ・アンドラーデ会長は18日、現在のメルコスルにつ いて、国際的な判断を下す場合に、重要な意味を持つ組織であるよりは障害物になっていると発言した。彼の意見と大きく異なる見解を、サンパウロ州工業連盟 (Fiesp)がこのほど発表した研究に見ることができる。このレポートによると、メルコスルにブラジルが加盟していることを、特恵貿易協定の障害になる と受け止めることは、指摘すべき問題を誤っていると理解すべきだという。その上、南米南部の隣国たちについては、「ブラジルの貿易政策にとって優先的に扱 うべき国々だ」と指摘する。

CNI会長の言葉は、彼の主張への反対意見よりも、現実的だ。Fiespの見解は、むしろ政府の見解に沿った ものであり、さらに言えば、アルゼンチンの保護貿易主義の首魁、ギジェルモ・モレノ大臣との親和性が高いと見た方が適切だ。メルコスルに関連したプライオ リティーを正当化する余り、このレポートの執筆者たちは、ブラジルにおけるメルコスル加盟国との通商関係の拡大まで指摘する。メルコスルの発足から 2011年までに、その貿易高は45億ドルから470億ドルへ、「工業製品が極めて大きな比重を占めつつ」拡大した。だが、この経済ブロックが自由貿易圏 として、統一関税に関する約束事と制限がない状態で維持されていた場合には貿易高がはるかに小さかったという証明が、この主張には不足している。

そ うなのだ。こうした制限は、より多様な国際協定や、より有利な貿易協定の締結に向けた可能性の芽を摘む。もしブラジル政府が、第三世界の政治の殻に閉じこ もるのではなく、より積極的にこうした協定を求めていたなら、上記のような制限は、より明確になっていたはずだ。CNIがこのほど発表した声明では、「ブ ラジルは、22か国と特恵貿易協定を締結しているが、その大部分は、注目すべき相手ではない」と指摘。チリとコロンビア、メキシコ、ペルー は、それぞれの国が50か国以上、それも重要な国々と特恵貿易協定を締結している。

Fiespの研究によると、ブラジルは、メルコスル の他の加盟国が緩やかな統合を進めるために、「個別に適用を廃止する特例のリストとその日程からなる、広範囲にまたがる合意をまとめるべきだ」という。別 の言葉で言い表すなら、こうだ。自由貿易協定とは程遠い積極性のない約束事を通じて統一関税の制限を迂回することができ、常に、他の加盟国の統合が緩やか に進められることを考慮し続けなければならない。そして、アルゼンチンの抵抗という大きな課題が、例えばヨーロッパ連合との交渉締結に対する最大の障害と なるように、今後も残される。

さらにFiespの研究によると、ブラジルは、その経済規模から、メルコスル以外のその他の国、あるいはそ の他の地域と交渉するに当たり、「メルコスルをリードするための条件が完全に備わっている」のだという。そのような条件を備えているなら、なぜ、ブラジル は今日まで、それを行使せずに来たのだろうか? 非常に明快で実際的な言葉で言うなら、Fiespのレポートは、過去10年における壊滅的な商業外交の保 全を図るものだということ。

しかも、このレポートには前述の反論しておくべき問題と非現実的な提案より重大な物が盛り込まれている。「加 盟国が抱える優先的課題に適応するため、メルコスルの規定が充分に柔軟というだけではなく、各国の個別の事情に合うよう建設的なものになっている」。何と もお粗末で、この表現は支離滅裂だ。Fiespは、ベネズエラを裏口から加盟させるためにパラグアイを打ちのめしたことを、柔軟性の一例とみなしているの だろうか?

もしそれが柔軟性と言うなら、5流の経済外交というパターンに当てはめるだけでは済まないものだ。しかも地域の民主主義にとっ て大きな脅威になっている政府を支援する政策に拍手を送ってもいる。Fiespは、もしかするとボリバル主義なのだろうか?(2013年6月20日付けエ スタード紙)

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