モーガン・スタンレー銀行の予想では、メキシコとコロンビア、ペルー、チリにより組織された太平洋同盟は、2014年に平均で4.25%成長する見通しで、しかも、インフレ率は低水準、外資による投資も強力に進められる。同銀行は一方で、ブラジルとアルゼンチン、ベネズエラというメルコスルの主要3か国について、経済成長は平均でわずか2.5%に止まると予想する。その上、ブラジルの成長率に至っては更に緩やかなものと予想しており、彼らの見通しは1.9%だ。自由貿易を採用したラテンアメリカと、国家統制と保護貿易主義、更に介入主義を選択したラテンアメリカの間で成長率が極端なコントラストを描いているのは、こうした展望によっても証明された。
ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が指摘するように、この差は、同じ大陸で、しかも比較的類似した条件の下で実施された、適切な開発モデルを探るコンクールとして、さらに、ある種の「統制経済の実験」として見ることができる。
過去10年にわたってブラジルとアルゼンチン、ベネズエラによるグループは、コモディティー相場の上昇と税制優遇政策の付与を可能にするマクロ経済の諸条件が整っていたことで、勝ち組になるだろうと受け止められていた。ギド・マンテガ財務大臣は、国際経済危機が最悪の時期を迎えた2009年、「エマージング諸国が導入した新たな経済モデルに向かって、先進国も進むべきである」と提案したほどだ。しかも2010年には、先進諸国が景気の低迷にあえぐ中、ブラジル経済は経済危機の波及を避けただけに止まらず、7.5%の経済成長を達成した。
だが、ほどなく、この勝利の幻想は霧散した。石油と鉄鉱石、大豆を輸出するラテンアメリカ諸国経済は、成長への原動力だった中国経済が成長を鈍化させる可能性や、その結果として相場が下落することを考慮せず、同国経済の成長を過度に信用したためだ。エマージング諸国の「成功モデル」は、軽はずみな陶酔に浸ってしまい、中国経済に大きく依存しない経済に脱皮するという必要な改革を先送りした。
こうした中で、米州大陸の貿易政策の基軸であるアメリカを敵視することを好んだペチズム(労働者党主導の大衆主義)とキルチネリズム(キルチネル大統領によるアルゼンチンの大衆主義)の共同戦線により、2005年には米州自由貿易地域(FTAA)の成立には至らなかったが、これを受けて、政策運営にポピュリズム主義がそれほど幅を利かせていなかったラテンアメリカ諸国は、アメリカに歩み寄った。こうして、太平洋同盟は数年にわたり、アメリカ市場へ優先的にアクセスするというアドバンテージを享受した。一方のブラジルはこの間、メルコスルの貿易関係を歪ませたアルゼンチンの硬直的な保護貿易政策に直面した上、この問題に今後も煩わされることに疑問の余地はない。
こうして、ブラジルとアルゼンチン、ベネズエラの各国政府がイデオロギーに基づく公約に縛られていたのを尻目に、太平洋同盟は新たな時代に向けて準備を進めた。銅の流通に依存することで知られるチリは、輸出の多様化に向けて努力している。輸出に占める工業製品の比率がブラジルでは4%だというのに、メキシコの場合は全体の25%を占める。
アルゼンチンとベネズエラも含めて比較すると、この差異は更に明確になる。世界有数の埋蔵石油資源を保有するベネズエラの場合、「21世紀の社会主義」を掲げるという精神錯乱の結果、慢性的な品不足と年間50%台のインフレに直面している。
アルゼンチンの場合は、外国為替市場において同国通貨が、2013年に公定為替レートで32%ものドル高ペソ安となった。同国政府が数字を粉飾しているインフレ率は、政府が広範囲に価格統制を実施しているにもかかわらず、年間30%前後だ。政府が電気料金の調整をせき止めたことで電力会社の投資が不足し、連日のように停電に見舞われている。
WSJは現在の状況について、ブラジルがアルゼンチン化しつつあり、アルゼンチンはベネズエラ化しつつあること、そしてベネズエラがジンバブエ化しつつあると示唆している。誇張があるかもしれないが、太平洋同盟と比較する限り、それは、恥さらしな真実だ。ペルーのペドロ・パブロ・クチンスキー元財務大臣の言葉を引用するなら、「いよいよ総括する段になると、この2つの経済ブロックの成果は、より良いモデルが何なのかという議論に答えを出してくれる」が、「それにしても誤った考えというものに引導が渡されるまでには随分と時間がかかる」ということだ。(2014年1月17日付けエスタード紙)








