【リオ・グランデ・ド・スル州政府が中国系トラック会社への出資を交渉】

リオ・グランデ・ド・スル州政府が中国のトラック・メーカーと株式の取得に向けて交渉している。同州政府は、フォトン(福田汽車)の株式に対し4,800万レアルを投資する意向を示す。もしこの交渉がまとまれば、この種の取引としては1970年以降で初めての、地方自治体による民間企業への出資案件になる。

適用する税制優遇政策を巡るイデオロギー論争の末にフォードの工場誘致でバイーア州に敗れたリオ・グランデ・ド・スル州政府が、労働者党(PT)政権としての主張を変節し、中国最大のトラックメーカー、フォトンに出資する可能性が出てきた。

タルソ・ジェンロ知事が、ポルト・アレグレ市近郊のグァイーバ市に工場を建設する同社への出資を交渉している。専門家によると、1970年代にロンドン・パチェコ州知事が同様に州政府が出資することでミナス・ジェライス州へフィアットを誘致して以降で初めてのケースになる。

同州のマウロ・キニジニク開発局長は、「我々の取引は、こちらに企業を誘致すること。資本参加し、その後、事業が軌道に乗れば資金を引き揚げる。この規模のグループに対して、我々は大きな関心を寄せている」とコメント。

この取引に向けて同州政府は、年末年始に掛けてトラック生産に対する税制優遇政策関連の法律を承認している。この新法により、リオ・グランデ・ド・スル州政府は、フォトン株の取得に最大4,800万レアルを投資することに道を開いた。これは、2億5,000万レアルと推算される同社のブラジル事業の約20%に相当する。

同社を支援する包括政策は更に広範囲なもので、工場用地の提供、公的資金からの融資、州税の控除までを含む。

リオ・グランデ・ド・スル州は負債が歳入の2倍に達しており、財政責任法で定められた債務限度額を突破している唯一の州である。こうした状況にもかかわらず、州開発局によると、この交渉に当たって州政府は、州財務局と州開発銀行の(Bandepe)、あるいはどちらかで起債する方針。リオ・グランデ・ド・スル州政府は、フォトンの進出に伴い中国企業の新たな投資を喚起し、工場団地の形成につながると期待している。

「ごく最近まで、リオ・グランデ・ド・スル州は、国全体を不幸にする税制戦争の撲滅に取り組んできた。だが、我が州がこの問題について理解を求めようと努力している間に企業は、税制優遇措置を提供する他州に目を向けることになった」と、キニジニク局長は言う。

フォトンの子会社の誘致を巡っては、最後の最後までリオデジャネイロ州ともつれ、リオデジャネイロ州政府が工場誘致を発表したこともあった。リオ・グランデ・ド・スル州政府同様に、リオデジャネイロ州政府も、フォトンに対して出資を提案した。

フォードの元社長で自動車研究センター(CEA)理事長のルイス・カルロス・メーロ氏は、「州政府による助成金の付与はこれまでもあったが、出資するというケースはこの数十年は聞いたことがない。自動車メーカーの事業リスクをかぶるのは実業家の役割であって政府の役割ではない」と指摘する。

プライスウォーターハウスクーパース(PwC)の経営パートナー、マルセーロ・シオッフィ氏も、「トラック工場への投資は、州政府の役割に含まれない」と断言する。

【論争】フォトンの工場は、1990年代末にフォードへ寄付を予定していたのと同じ土地に建設される。当時のフォードは、現タルソ・ジェンロ知事と同じPT所属のオリヴィオ・ドゥットラ知事が、前任知事の付与したインセンティブを過剰だと指摘して最高賞を求めたことを受け、同州への進出を断念した。

この議論は現在も尾を引く問題になっており、PT関係者は、フォードがバイーア州に進出先を変更した理由について、同州政府がより大きなインセンティブを提供したのに加え、当時のフェルナンド・エンリッケ・カルドーゾ(FHC)大統領が移転を支援したというのが真相だと主張している。

今回の議論は、フォーリャ紙のコラムニストで実業家のルイス・カルロス・メンドンサ・デ・バーロス氏が相手だ。FHC政権下で社会経済開発銀行(BNDES)総裁を務めたバーロス氏は、フォトンのブラジル子会社の社長を務めるとともに、同社の進出先も同氏が判断を下す。

フォトンのオルランド・メルルッジ副社長によると、同社は現在、3月内に発行される予定の、工場建設に向けた環境ライセンスを待ち受けている段階。フォトンの工場は、3.5トンから24トンのセグメントを中心に、月間2万1,000台のトラック生産能力を確保する。

今後7年で市場で5%のシェアを確保し、ブラジル子会社を輸出プラットホームへと成長させることが目標だ。「州政府にとっては絶好のビジネスであり、そのためにも州政府は我々とともに支出する」と、メルルッジ氏は言う。更に、「これは、リオ・グランデ・ド・スル州がこれから惹き付ける中国からの大規模投資の始まりに過ぎない」と付け加えた。(2014年3月11日付けフォーリャ紙、デイビッド・フリートレンダー記者)

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