【市場の開放こそがピビーニョを避ける道だ】

国際的な生産チェーンへの統合が、ブラジルの必要とする生産性に飛躍を与えるだろう

 

現在のブラジルにおける経済的・政治的な討論で、エコノミストのエジマル・バーシャ氏のような明確な立場をとる人物は、わずかといって良い。同氏は、「私がPSDBを支持するのは秘密でも何でもない」と同氏は言う。レアル計画の生みの親の1人であり、現在、リオデジャネイロ市民が集い国益に関して議論する論壇であるカーザ・ダス・ガルサスの理事を務めるバーシャ氏は、現政権が採用するマクロ経済を次期政権が「解体」し、長期的な市場の開放を視野に入れた抜本的な政策を立ち上げることを支持している。

 

バーシャ氏によると、「ピビーニョ(わずかな成長に止まったGDP)」は鎖国の結果である。以下は、「ブラジルが成長する道は、国際貿易に市場を開放する事だと確信している」と主張する同氏とのインタビューである。

 

3月第3週に開催されたレアル計画20周年を祝うイベントで、あなたは、新政権は発足初日に税制改革を再開する必要があるとおっしゃいました。あなたにとり、新政権の取り組みは税制改革に集約されるわけですか?

 

エジマル・バーシャ:それは違う。断言するが、もっと広範囲なものだ。私は要点毎に分析を分けた。最初のポイントは、平均的所得の落とし穴と呼ぶ問題の存在を証明することだ。1981年以降、ブラジルでは、緩やかに上昇してきた。だがこのプロセスは、2004以降、調子が狂ったように見える。そして現在からみると、2004年から2011年に掛けて経済部門が記録した大きな伸びは、国外の状況が安定して推移したことの恩恵を受けただけだというのは明白だ。この期間のコモディティー(国際相場で取引される原材料)相場の値上がりと外資の流入が、並外れた内需の拡大に対する資金を提供した。このサイクルに入った時期は設備に余剰能力を抱えて失業率が高かったため、2011年までの安定期に、ブラジルはそれ以前のサイクルを上回る成長を記録した。そして安定期が転換期に移行したことで、コモディティー相場が値下がりし始め、資金の引き上げが始まり、様々な状況が一転し、ピビーニョが舞い戻った。しかも今回のピビーニョには、通常と異なった問題がある。もしピビーニョにとどまる場合、インフレは低水準に収まるべきだ。だが反対に、ブラジルのインフレは、もはや誰にも判断の付かないアルゼンチンとベネズエラを除いた周辺諸国と比較しても高い水準にある。同じく、ピビーニョには貿易収支黒字が付き物だが、経常赤字も拡大した。これらの一連のデータは、ブラジル経済が病んでいることを意味する。我が国は、低成長と高インフレ、経常収支赤字の複合的な問題を抱え、しかも、これが脱工業化に向かう状況を生み出すという、ブラジル病に直面している。ここで示されているのは、ピビーニョが現政権の産物なのではなく、また周期的なものでもないことだ。これは30年も前のブラジル経済の特性だ。1世紀近くにも及ぶ特性であり、この国は、世界の一等国の仲間入りをするのに限界があるということだ。

 

分析の2番目のポイントとは?

 

エジマル・バーシャ:2番目のポイントは、戦後に、平均的所得から高所得への移行を達成した国々をリストアップしたときに見えてくるものだ。これらの国は、多くはない。ざっと数えておよそ10か国だ。アジアの虎とイスラエルは工業製品の輸出を足掛かりにした。ヨーロッパの周辺国、つまりポルトガルとスペイン、ギリシャ、アイルランドなどは、ヨーロッパのコミュニティーに対して労働力を提供することも含めて、サービスの提供を足掛かりにした。第3のグループは、オーストラリアとニュージーランドだが、私はノルウェーも含めたい。1960年代末まで、ノルウェーは北欧の最貧国だったが、現在では最も富かな国になっている。これら3か国は、1次産品がベースだった。それぞれに異なる方法を採ったが、共通するのは、いずれの国もより大きな市場に参加し、そこから発展につながるニッチを見つけ出したことだ。これは実証的だ。ステップアップは、国際統合を通して発生した。分析的にも、平均的所得から高所得への変移、そのゲームが冠した名前こそ生産性だということは、明確だろうと思われる。それらの国々のいずれもが、現在の中国とインドが努力しているような、都市生活者が農村に生産性の向上を与えるという簡単なステップを既に終えている。都市の環境は農村よりも生産的であり、それだけに、農村経済から都市経済へ単純に移行することは、輸入品を絶えず代替するという文脈において、貧困から平均的な所得への変移を後押しした。

 

ブラジルでは、労働市場のこうした変化は、既に終えているのではないでしょうか? 現在では、人口移動は、もはや大きな原動力にはなり得ない。

 

エジマル・バーシャ:その通り。これこそ、過剰な人件費を生み出した原因だ。あらゆる人が都市生活者であり、しかも人件費がさらに上昇する余地はない。しかしこの文脈において、我々は生産性とは何かを考えなければならない。その一部は、テクノロジーだろう。近代的な資本財と中間投入財を活用する必要もある。生産性は、規模でもある。スケールメリットを享受するためにより大きな市場へのアクセスも必要だ。それは近代的な生産指標の1つだ。第3に、専門化が必要だ。企業は、得意分野に集中すべきだ。第4に、競争が必要だ。これらの要素は、ある国が国際貿易の中に組み込まれて初めて生まれてくる。我々は、自分たち自身の問題に直面している。ブラジルと世界を比較すると、ブラジルがまさに世界の正反対に向かっていることに、多くの人々が驚く。世界銀行がデータを保有している176か国を比較した場合、ブラジルは、GDPに対する輸入の比率が小さな国で、13%なのだ。この事実を、ある昼食の席でリオデジャネイロ・カトリック大学(PUC-Rio)の友人2人に話したところ、彼らから、質問を受けた。そのデータに間違いが無いのかい?とね。もちろんだ。ブラジルという国は、世界銀行がデータを保有していない北朝鮮を除けば、世界に対して最も閉鎖的な国なのだ。そしてそれは、収支の両面から発生している。つまり、輸入だけでなく、輸出においてもそうなのだ。GDPで測ればブラジルは巨人であり、世界7位だ。だが輸出額で見ると、24位の小人なのだ。GDPでブラジルを上回る残りの6か国は、いずれも、輸出大国だ。欧州連合、アメリカ、中国、日本。すべて、こうした特徴を持つ。ブラジルは、輸出のない大国なのだ。もし、ブラジルが置かれている状況についてまだ疑問が残っているというなら、もう1つ、比較の例を挙げて見よう。1960年代と70年代に、韓国は輸入の代替を足掛かりに成長していたが、1974年のオイルショックを受けて戦略を180度転換した。かの国は、輸出促進に対して強力な政策を政治的に実践し始めた。現在、韓国の輸出はGDP比58%だ。一方のブラジルは、輸出がGDPの12%だ。40年も前に、韓国の国民1人当たりGDPはブラジルと事実上同じだった。だが現在、韓国はブラジルの3倍だ。韓国は先端技術を備えた大規模な輸出企業があり、教育も先進的だ。仮に我々が発展に向けた要件のリストアップに着手するなら、その作業は不断のものになる。しばしば、ブラジルでは不備のある全体リストを作りあげる人がおり、そのリストを手にした時には既にタイムラグから深刻な問題に直面する。あちこちを修復する必要があるなら、目標を達成することはできない。だがハーシュマン(アルバート・ハーシュマン、アメリカのエコノミスト)が我々に教えたように、我々は戦略観点から考えなければならない。何が決定的な、つまり残りの再定義が強いられる変数なのか? 私は、ブラジルが成長する道は国際貿易に対する市場の開放だと、あらゆる理由から断言できると確信している。

 

すると、あなたの説明では、本来向かう方向とはすべての面で逆に進んでいる訳ですね。

 

エジマル・バーシャ:そうだ。現在、我々は非生産的で、高コストな経済状況にあり、膨大な保護政策によって生きながらえている。この国の高いコストは、閉鎖経済の結果だ。このような種々の問題に対する政府の回答は、とりわけ2007年以降がそうだが、更に経済を閉鎖的にするというものだった。脱工業化と我が国の企業の競争力のなさに直面した政府は、輸入税を引き上げる一方で国内で生産された製品、例えば自動車などのようなものへの工業製品税(IPI)の税率を引き下げるという判断を下した。国産化比率と、生産統合、更に保護貿易主義の必要性を謳う政策がある。そこで私は、アナロジーを使って見たい。皆さんは非常に若いし、思い出すこともできないだろうが、まぁ、大丈夫だ。ベロ・オリゾンテ市の「トラム」の間で、1950年代のことだが、シャビエル調整剤が宣伝された。偉大なる女性の友(月経調整剤)だね。ナンバー1は多すぎに。ナンバー2は来ない場合。我々は輸出が不足しており、従って、シャビエル調整剤のナンバー2が必要だ。解放。ところが政府は、調整剤のナンバー1、つまり過多向けの薬を処方しようとしている。どうしてそうなったか、それは輸入が超過だと見たからだ。しかも、業界固有の問題を修正しようと試みている。業界毎に、どこが貿易赤字なのかとね。保健業界では、これは私は知っているが、赤字は110億ドルだ。電子業界、これも私は知っているが、160億の赤字。分野毎の赤字の動きを見て、政府は、社会経済開発銀行(BNDES)の助成的色彩を帯びた融資金を通して、また、国産化比率の規制を通じて、過度に、局部的な保護貿易主義の戦略を組み立てている。これは異常事態だ。しかも、第3の異常事態としてPPB、つまり基礎生産プロセスが存在する。もしあなたが、ブラジルの偉大なる技術的発展の産物である(笑)3穴コンセントの生産に対して助成と保護を求めるなら、1つの提案書を開発商工省(MDIC)に提出するだけで十分で、生産プロセスの諸段階を提示すれば、同省の役員がその製品を生産するのに国産品をどれだけ買わなければいけないかを通知するのだ。どこを向いても同じ対応で、生産性の低いところには政府が非生産性を拡大させ、ごちゃ混ぜの混乱を生み出し、更に拡大させている。些細な例を挙げよう。輸入の波を最も強く被った業界に恩典を与えるような、生産部門の統合政策をどのように深化させるかに関する解析的研究に関心を持つ大学の研究者を対象に、ユネスコ(Unesco)が、プロジェクトのコンテストを開催する。いいかい。ブラジルの誰かがユネスコに対して要請し、かつ資金が援助されたことも間違いのないプロジェクトで、しかも、サンパウロ州の地方都市のある大学だけから、わずか1件の提案しかなされないことも、我々は知っている。我々は、現在のブラジルに存在するこうした数々の悲劇を断ち切る必要がある。

 

保護が必要とする意見の中で、ブラジルが雇用を維持する必要があることや、経済的に脆弱な業界を保護する必要が訴えられています。市場の開放は、苦痛を伴いませんか?

 

エジマル・バーシャ:先ず私は、市場の開放こそ進むべき道だと納得してもらう必要がある。納得してもらえば、戦略を立ち上げなければならないが、この戦略には2つのテストが必要だ。経済政策のテスト、これは、有効性と雇用の創出、技術開発のような基本的要件を達成するもの、そして業界のテストで、過去の戦略が利益団体と主観的現実認識を生み出したことを考慮しなければならないからだ。多国籍企業は、政府が保護主義の水準を引き下げはしないとの暗黙の了解によってブラジルに進出した。私自身、それをこの目で見ている。事業の拡大に関心を持つ化学工業の代表者らと話をすれば、彼らの発言はひとつに集約される。つまり、「ところであなたは、我々が進出した後に輸入税が引き下げられないと確約できますか? 弊社はここで製造したものを輸出できない。もしドライに輸入税が引き下げられれば、弊社は破産、なぜなら国外で極めて安価に生産する競合会社が国内でやりたい放題になりますからな」。どうやって変移するかはひとつの問題だが、達成に向けて私には、3本柱の提案がある。最初の柱はブラジル・コストの削減だ。ブラジルの重い租税負担と複雑な税制に対する財界の不満は、全くその通りだ。物流の不備、港湾と高速道路、空港の脆弱さも、財界のおっしゃる通りだ。そこで最初の柱は、こうした不満に対処することである。そこで私は、次期政権の発足初年度は、見通しをよくして少なくともシステムを単純化するような税制改革に取り組むべきだと考える。ドルネレス(フランシスコ・ドルネレス上院議員)は、国税として税構造全体に影響を与えるVAT(英語のIVA、付加価値税)を提案している。税務当局の要求を満たすために企業必要としている管理部門と法務部門、会計部門、司法担当が煩わされる作業の煩雑さを取り除くという、大きな成果を出すだろう。ただ1つのことなのに、経済の非生産性を増やす。単純化が不可欠なのだ。それは、港湾と空港、高速道路の事業認可プロセスで生産の成果に最低限の条件を盛り込んで肉体に魂を吹き込むことが不可欠なことと同じだ。これは7年 ― 先ずは3年、続いて更に第2次政権で4年 ― の計画になる…。

 

それは、あなたが工業向けレアル計画と呼んだものでしょうか?

 

エジマル・バーシャ:かつて、注目を集めるために私はそう命名したことがある。

 

すると再度、命名されたのでしょうか?

 

エジマル・バーシャ:その名前は、もはや使い古された。レアルは、過去のものだ。私はこの名前を、プロジェクトに注目を引く方法として使い、実際にうまくいった。サンパウロ州工業連盟(Fiesp)、サント・アンドレー市金属労組、外務省、そして上院から、私は、講演に呼ばれたよ。人々は、既にプロジェクトの本質を受け止めている。

 

その他の柱とは何でしょう?

 

エジマル・バーシャ:2番目のポイントは、既に述べたように、保護貿易主義的部分を刷新することだ。つまり、関税、政府調達における優先条件、国産化比率政策、助成的融資などを、為替に置き換える。為替は、自分たちだけには有利に働いてくれるようなものではない。もし自分たちにとってだけ有利になるものだったら、膨張するだろう。君が輸入品のコストを引き下げようとすれば、輸出品の価格がぐっと引き上がる。関税による保護を為替による保護に置き換えるなら、そこでは、既に自然と淘汰が働いている。為替による保護の恩恵を受けるのはより効率的な企業または業界で、輸出余力も大きい。現在のような、マイクロマネジメントの機構を維持する必要はないはずだ。もちろん誘導因子のメカニズムを確保する必要はあるだろう。政府は、何が生来備えたアドバンテージなのか、世界的な技術の動向、貿易における競争原理の確保、どこが参入の容易なところなのかについて気を配る必要がある。すなわち、国際的なバリュー・チェーンにブラジル経済の統合させるという、国家にとって大きな役割になる。それは現在の生産的部門を統合する政策を置き換えるものになるだろう。そして第三の柱は、貿易協定だ。市場を開放しよう。だが、素手でこのゲームに参加するのではない。解放の判断は、一方的かつ漸進的に進める。ブラジルに進出している多国籍企業にとってゲームのルールが変わることは明白だが、彼らにもそれに対処する時間を確保するのも当然だ。すべてを国内で生産する事はできなくなり、子会社と国外の子会社を統合することになる。現在の国際貿易は、ポルトガルはワインを輸出してイギリスの繊維を輸入していた時代、つまりデイビッド・リカルド(イギリスのエコノミストで19世紀の古典派の生みの親の1人)の時代と同じではない。現在の貿易は自動車業界がそうであるように、業界横断的で、そして、企業横断的なのだ。しかも最近では、製品横断的ですらある。iPadを製造しているのはどこだろうか? どの水準を話題にしているのかで違ってくる。この製品は、台湾企業が中国で完成させている。国際貿易は、ブラジルが完全に接触を絶ってきた、これら国際的なバリュー・チェーンによって形成されている。地理的条件に問題があるし、これについては少し専門的に話をしたいが。構わないかな?

 

もちろん。ただ、ついでに質問させてください。つまり、メルコスルはどうなるのでしょうか?

 

エジマル・バーシャ:議論は、まさにそれだ。グローバル・チェーンは地理的なロケーションを伴う。欧州連合がある。北米にも、アメリカ周辺地域。3分の1はアジアだ。そして我々は孤立しているのだが、ここで我々自身のチェーンの構築に着手できる。このことは、現在のメルコスルのゆがんだ政策、それはジョゼー・ロベルト(ジョゼー・ロベルト・メンドンサドゥ・バーロス氏、3月12日にレアル計画に関するイベントでこの問題についてコメントした)が指摘したことそのもので、当初の自動車業界の統合のシナリオは、地域の成長を促し、世界に輸出することになる特定の種類の車を生産するというものだった。だがこれは、完全にグダグダになった。彼が言ったように、どれだけのメーカーがブラジルへ更にやってくるのか知らないが、ここで生産された車は輸出できないので、ところてん式に押し出されてくる。それはプライスレスだ。そういう訳で、当初の経済統合、そして南米という物理的統合というプロジェクトに回帰する必要がある。だがそれは、グローバル化を視野に入れた地域統合だ。ECLAC(国連中南米カリブ経済委員会)の本来の目的だった、地域レベルの輸入代替へ向かうのではない。そのように扱うべきではないのだ。我々は、地域の近接性と国々の得意な産業を活かして、生産を補完し、そうすることで2ステージでは、世界との統合が容易になる。

 

あなたはどこかの時点で、この市場開放のプロセスによりブラジルがどれだけ成長できるか試算されましたか?

 

エジマル・バーシャ:2030年には、ポルトガルが到達するところ、(1人当たりGDPが)2万4,000ドルに達することができる。すなわち、我々は長期的な視点で目標を掲げている。この試算には、ベースとして年率約5%の成長も含む。

 

インフレ対策の計画を導入してこれが機能するまでに数十年を必要としました。おっしゃるような市場開放計画を導入するための政治的余地はあるでしょうか。

 

エジマル・バーシャ:1993年にレアル計画の作業のために招集された経済スタッフが非常にいやいやながら作業についたのだと分かって欲しい。と言うのも皆、そんなものに余力を避けるような政治状況ではないと思っていたのさ。そういう訳で、レアル計画が成功してから政治状況が好意的なものになったのだ。「事前の」状態は最悪だった。当時の政権は、副大統領(イタマール・フランコ、前大統領のフェルナンド・コーロル・デ・メーロの弾劾後に正式に就任)には政権担当者としての法的裏付けがなく、国会でも多数派ではなく、しかも政権は残すところ2年で、既に7カ月間で3人の財務大臣が更迭されていた。このような政治情勢などあるだろうか? 全くの災難だったのさ! この種の計画の場合、政権初年度に政治的な基盤があり、かつ、計画で必要とする政策をすべて導入できるだけの基盤がある場合に実施される。なぜ我々が、緊急社会基金の採択前にURV(実質価値単位)を導入する事の必要性を訴えたのか? どうやって、自分たちに有利なプロセスへとつなげたのか? フェルナンド・エンリッケは、3段階で計画を発表した。最初は、国会への憲法改正案の提出だった。もし国会がこれを承認すれば、我々は物価スライド制度を統合する。物価スライド制に移行した後、我々は新しい通貨を導入する。換言すれば、政治家に対する私の主張はこうだ。「その先で、私はあなた方を選出するだろう。だが私があなた方を選出するのは、その前に財政調整を実施する場合に限られる」。こうした流れがあったのだ。当時は1988年憲法で想定されていた物事を導入する改憲時期だったが、君は、その他の憲法改正が1993年に行われたのは知っているか? それだけでなく、外国人教師がブラジルの公立大学で教鞭をとることを禁止する法律にも、我々は終止符を打たせた。私は、セーラ(ジョゼー・セーラ、当時保健大臣)とジョビン(ネルソン・ジョビン、当時法務大臣)とともに、計画遂行に必要な憲法改正の包括政策も作った。当時の改革は、それは膨大な包括政策だった。それらが、少しでも採択されただろうか? いいや。ゼロだ。これは、フェルナンド・エンリッケの第1次政権のプロジェクトになったのだ。

 

貿易の自由化に関する提議はどのように受け止められたのでしょうか?

 

エジマル・バーシャ:実際のところ、反応があまりの好評なことに驚いている。実業家は次の様に受け止めている。つまり、「私はゲームの規定に沿ってプレーする」とね。もしゲームの規定がブラジル・コストの維持という文脈の中で保護と助成金を与えるというものなら、彼らは仕事の多くの時間をブラジリアとリオ市のチリ大通り(BNDES本店)詣りに費やし、時々、工場で仕事をするわけだ。実業家は、もし彼が行かなければ競合会社が同じように関係者詣りをすると知っているのだ。つまり、彼は、政府が仕切る中でプレーしなければならない。しかも、彼はこのゲームには満足できない。これこそ、財界関係者の明らかな不満なのだ。有能な実業家なら十分な能力と効率を備えているし、この規定では生き残れないことを知っている。だから規定を変更すると発表する。すべてにおいて透明性を確保し、調整期を設けて誰に対しても公平な規定へと移行させ、政府も改革の遂行能力があるところを見せれば、財界もその変革に同意するのだ。

 

ではBNDESはどうなるでしょうか?

 

エジマル・バーシャ:経済危機の発生後、BNDESは完全に評価を下げた。資本市場が成長する一方で、BNDESは2つの方向へと進んできた。つまり、民間の融資の補完と、例えばインフラや先端技術のような極めて重要でありながらも民間部門が取り組まないニッチな特殊分野だ。ところが突如、BNDESはあらゆるブラジル人企業家の守護神になった。BNDESに好き放題させるよう国庫財務局の金庫を開放し、BNDESはゴリアテ、いやゴリアテではなくむしろ下僕になった。この贅肉だらけの巨人は、現実には、金融市場を補完する代わりに、金融メカニズムに取って代わりこの国の金融市場の発展を阻害し、リソースの配分を歪ませ、国会の承認が不要な裏予算を創出し、その上、ブラジルの公会計の透明性を失わせている。BNDESはまさに災いとなっており、2008年と2009年の国際金融危機によって引き起こされた誤った認識から異常に膨張する以前の路線へ、回帰する必要がある。

 

あなたの市場開放の提案は、業界選択的、あるいは効率的な業界のみが生き残るということも含むのでしょうか?

 

エジマル・バーシャ:いいえ、ジョアキン・ムルチーニョ(非能率的な生産者を排除した19世紀から20世紀にかけての財務大臣)に戻るのではない。30年を展望する中で、基本的な業種を見据えておくことは必要だ。どこが有望なのか? 工業政策は継続される。だが、それは業界選択的なものではない。業界というものは、ある種、自ずと伸びるのだ。そこで発生するのは、しばらく時間を必要とするが有望な特定領域の特定なのだ。岩塩層下に関連して政府がノルウェーと同じことをやっていると言うのを見ると、それこそ狂気を感じる。ノルウェーは石油に関連した産業を起こしたのだ。国産化比率、保護、助成のメカニズム…、だが、輸出産業を構築するのだという観点でこの業界を有望だと受け止めた。ノルウェーがやったのはそういうことだ。もしブラジルに有望な業界があるとして、一時的に保護が必要なら、それを与えるべきだがこのような見通しの下に実施すべきなのだ。いつかそれが終わり、そして保護された業界が、国際的に競い合っていけるものになるということ。国際的な競合会社競合の価格設定と異なるため、ブラジル企業にとって国内市場は利用できるものではない。

 

これと並行して、マクロ経済政策、税制や為替はどのようなものになるでしょうか?

 

エジマル・バーシャ:ここで議論をしているのは、長期の政策だ。長期プロジェクトは、市場競争の統合を軸に構造化されている。しばしば、短期のマクロ経済政策の要件と違反する事もある。例えば為替だ。輸入税を為替に置き換えることと、為替が完全に自由に変動すべきだという考えを、どうやって両立させられるか? この両立は、うまくいかない。我々の主張は、政府は、発足初年において、この国の工業政策を抜本的に改革すると発表するということだ。今後、政府の活動手段はすべて、国外との競争力を身に着けることを基準として、この国を再工業化する方向を向く。そのために、ここでは、ある年数の長期的な計画を導入するということ。この計画には、例えば、7年後には輸入税が平均で5%、最大で10%になるといったことが盛り込まれる。更に、この政策には、現時点で実施されている国産化比率に関する政策の撤廃も含む。業界毎の貿易収支赤字を基準にしてどの業界をどれだけ保護するかなどという判断は下さない。もし赤字があるなら、輸入の削減ではなく、輸出の増大によって解決する。(月経調整剤の)ナンバー2ではなくナンバー1だ。政治的な決断力と信頼性があるなら、金融関係者はそれを見てこういうだろう。「輸入品であふれかえる」と。仮に私が金融市場にいるなら、こう考える。「何てことだ。今後2年で輸入量が増加する。輸入するにはドルがいる。ドルの需要が高まるぞ。もしドルの需要が高まるなら、来年には、現在2.30レアルのドルが2.80レアルになっている。よし、今ドルを買っておくぞ」とね。それで何が起こるだろうか。ドルが今、2.80レアルになる。もし市場の完全な合理性を信頼するならね。それは、もし人々が何をやっているか、何をするのか、そしてどのような政策条件があるのかを知っている場合だ。金融関係者がやることは何か? 先手を打つことだ。レアル計画がこれほど成功したのはなぜか? 彼らは、こう言っていたのだ。「俺たちをこのゲームに早く参加させてくれ」と。

 

それで、インフレの問題は?

 

エジマル・バーシャ:ペルシオ(ペルシオ・アリーダ、レアル計画の立案者の1人)が既に言ったように、我々は「機能不全になった新しいマクロ経済マトリクス」というコンテクストにおいて過去数年にわたって生じた歪みを、すべて「解消」させる必要がある。機能不全なものの一部には、基礎的料金、とりわけ電力と石油の価格統制を通じてインフレを抑制しようとするプロセスも含まれる。明らかに、解体する必要がある。だがこのプロセスはどのように進めるのか? 一気にするのがいいか、それとも、何らかの調整弁を入れるのか?

 

あなたは、何が適切とお考えですか?

 

エジマル・バーシャ:それは、その時の状況次第だろう。この判断を下すには、マクロ経済の状況を評価しなければならない。君らの出版した本の中に、1970年出版の、インフレーション:漸進主義かショック療法かというのがある。シモンセン(マリオ・エンリッケ・シモンセン、元財務大臣)は、ショック療法を欲した。ブリョンエス(オターヴィオ・デ・ゴウヴェイア・ブリョンエス、同じく元財務大臣)は、漸進主義だった。そして漸進主義が勝った。まさにそのために、我々は、インフレを低減させることができなかった。あの時にショック療法で対処することが最善だったか? そうだ。今ならそういえる。1年か2年は苦渋を味わっただろうが、その後の20年を失わなかった。政治的に、そうすることが可能だろうか? もし野党が政権を取った場合に敵対心が異常なまでに激化することを私たちは知っている。その結果、価格の歪みが悪化したのを埋め合わせるために政府が別の対策と組み合わせるとどうなるか? 生活コストが上昇する。それがインフレ・サイクルへと繋がっていくのを回避するのはどうすれば良いか? これらはすべて、マクロ経済の状況と政治の世界に持ち込まれる政治状況が何なのかを、より確実に評価できるかどうかに依存する。肝心なのは、大衆を動員する事。つまり、「さあ、我々はこれから、それをやるよ」と見せることだ。では、否定的な見通しなくどうやってやり遂げるか? それが透明性のある経済政策という問題なのだ。為替が明日には値下がりすると言われないのは、現在、人々の思うように市場が値下がりしているからだ。見通しがどのように形成されるのか、それをどのように有利に、自分に敵対するものではなく、手なずけて利用しなければならない。

 

ただ、この「解体」プロセスをどのように進めるのが良いのか、説明いただけますか?

 

エジマル・バーシャ:それは再び三本柱を据え直す必要がある。だが同時に、我々はアルミーニオ(アルミーニオ・フラガ中央銀行元総裁)が提示した問題を考慮する必要がある。一度ぐらついたものを再構築した場合、その時点で、金融・財政制度の構築プロセスを継続する必要がある。なぜなら、この3本柱は、ペルシオが指摘したようにふらついているのだ。この制度は驚くほどの高金利をベースに機能していた。そして我々は、国際的な金利水準をベースにこの3本柱が機能することを望んでいる。従って、我々は引き続き、より大きな能力とインフレに対処しながらもより低い金利を可能にするような通貨政策を支援するような制度を構築し続ける必要がある。これについては、私の論説「3本柱に加えて(Alémdotripé)」で所見を述べている。

 

方向性としては?

 

エジマル・バーシャ:公共支出の増加を規制した上で、純負債額と総負債額に上限を設け、長期的なインフレ目標を設定する。このすべては、このプロセスの一部になる。

 

あなたは、2014年の大統領選に立候補を予定する人物の誰かに、これの提案を示したのでしょうか?

 

エジマル・バーシャ:はっきり言って、これについて議論しているよ。君たちは、私とアエーシオ(アエーシオ・ネーヴェス、ミナス・ジェライス州選出の上院議員で共和国大統領選にブラジル民主社会=PSDBから立候補する可能性が高い)の間柄を知りたいのだろう。誰もが知っていることだが、私はPSDB党員だ。だが私は選挙運動には関係していない。アエーシオが私に何か質問すれば、私は自分の考えを答えるだけだ。

 

あなた方は、これについて話をしたのでしょうか?

 

エジマル・バーシャ:いいえ。私がアエーシオと最後に話をしたのは、彼の演説に対してだ。レアル計画に対する彼の取り組みに関する演説だ。

 

あなたは選挙運動についてどのように見ていますか?

 

エジマル・バーシャ:我々の側では、内部的に融和があった。フェルナンド・エンリッケの時代以降では今回が初めて、挙党体制で1人の候補を支援することになる。アエーシオの努力はそこにあったし、目的は達成された。党は一丸となる。今は、地方の調整だ。アエーシオが現時点でコメントしているのはこのことだ。最終ステージは、サッカー・ワールドカップ終了後、テレビの政見放送がスタートする時だ。そこで我々は、公開討論をやる事になる。

 

今回の選挙では、経済問題は大きな比重を持つでしょうか?

 

エジマル・バーシャ:確実に、そうなる方向に進んでいる。不満がくすぶっている。それは広範囲にわたる不満である。雇用はまだ堅調だが、他方、価格は統制できない状態になりつつある。約束された将来に対する不安が存在する。公共サービスの質に対する強い不満もある。変化が求められている。それは世論調査に表れ始めている。人々は不満を持ち、何か新しいことを欲しているのだ。(2014年3月15日付けエスタード紙、アレクサ・サロモン記者・ヴィニシウス・ネーデル記者)

国際的な生産チェーンへの統合が、ブラジルの必要とする生産性に飛躍を与えるだろう

 

現在のブラジルにおける経済的・政治的な討論で、エコノミストのエジマル・バーシャ氏のような明確な立場をとる人物は、わずかといって良い。同氏は、「私がPSDBを支持するのは秘密でも何でもない」と同氏は言う。レアル計画の生みの親の1人であり、現在、リオデジャネイロ市民が集い国益に関して議論する論壇であるカーザ・ダス・ガルサスの理事を務めるバーシャ氏は、現政権が採用するマクロ経済を次期政権が「解体」し、長期的な市場の開放を視野に入れた抜本的な政策を立ち上げることを支持している。

 

バーシャ氏によると、「ピビーニョ(わずかな成長に止まったGDP)」は鎖国の結果である。以下は、「ブラジルが成長する道は、国際貿易に市場を開放する事だと確信している」と主張する同氏とのインタビューである。

 

3月第3週に開催されたレアル計画20周年を祝うイベントで、あなたは、新政権は発足初日に税制改革を再開する必要があるとおっしゃいました。あなたにとり、新政権の取り組みは税制改革に集約されるわけですか?

 

エジマル・バーシャ:それは違う。断言するが、もっと広範囲なものだ。私は要点毎に分析を分けた。最初のポイントは、平均的所得の落とし穴と呼ぶ問題の存在を証明することだ。1981年以降、ブラジルでは、緩やかに上昇してきた。だがこのプロセスは、2004以降、調子が狂ったように見える。そして現在からみると、2004年から2011年に掛けて経済部門が記録した大きな伸びは、国外の状況が安定して推移したことの恩恵を受けただけだというのは明白だ。この期間のコモディティー(国際相場で取引される原材料)相場の値上がりと外資の流入が、並外れた内需の拡大に対する資金を提供した。このサイクルに入った時期は設備に余剰能力を抱えて失業率が高かったため、2011年までの安定期に、ブラジルはそれ以前のサイクルを上回る成長を記録した。そして安定期が転換期に移行したことで、コモディティー相場が値下がりし始め、資金の引き上げが始まり、様々な状況が一転し、ピビーニョが舞い戻った。しかも今回のピビーニョには、通常と異なった問題がある。もしピビーニョにとどまる場合、インフレは低水準に収まるべきだ。だが反対に、ブラジルのインフレは、もはや誰にも判断の付かないアルゼンチンとベネズエラを除いた周辺諸国と比較しても高い水準にある。同じく、ピビーニョには貿易収支黒字が付き物だが、経常赤字も拡大した。これらの一連のデータは、ブラジル経済が病んでいることを意味する。我が国は、低成長と高インフレ、経常収支赤字の複合的な問題を抱え、しかも、これが脱工業化に向かう状況を生み出すという、ブラジル病に直面している。ここで示されているのは、ピビーニョが現政権の産物なのではなく、また周期的なものでもないことだ。これは30年も前のブラジル経済の特性だ。1世紀近くにも及ぶ特性であり、この国は、世界の一等国の仲間入りをするのに限界があるということだ。

 

分析の2番目のポイントとは?

 

エジマル・バーシャ:2番目のポイントは、戦後に、平均的所得から高所得への移行を達成した国々をリストアップしたときに見えてくるものだ。これらの国は、多くはない。ざっと数えておよそ10か国だ。アジアの虎とイスラエルは工業製品の輸出を足掛かりにした。ヨーロッパの周辺国、つまりポルトガルとスペイン、ギリシャ、アイルランドなどは、ヨーロッパのコミュニティーに対して労働力を提供することも含めて、サービスの提供を足掛かりにした。第3のグループは、オーストラリアとニュージーランドだが、私はノルウェーも含めたい。1960年代末まで、ノルウェーは北欧の最貧国だったが、現在では最も富かな国になっている。これら3か国は、1次産品がベースだった。それぞれに異なる方法を採ったが、共通するのは、いずれの国もより大きな市場に参加し、そこから発展につながるニッチを見つけ出したことだ。これは実証的だ。ステップアップは、国際統合を通して発生した。分析的にも、平均的所得から高所得への変移、そのゲームが冠した名前こそ生産性だということは、明確だろうと思われる。それらの国々のいずれもが、現在の中国とインドが努力しているような、都市生活者が農村に生産性の向上を与えるという簡単なステップを既に終えている。都市の環境は農村よりも生産的であり、それだけに、農村経済から都市経済へ単純に移行することは、輸入品を絶えず代替するという文脈において、貧困から平均的な所得への変移を後押しした。

 

ブラジルでは、労働市場のこうした変化は、既に終えているのではないでしょうか? 現在では、人口移動は、もはや大きな原動力にはなり得ない。

 

エジマル・バーシャ:その通り。これこそ、過剰な人件費を生み出した原因だ。あらゆる人が都市生活者であり、しかも人件費がさらに上昇する余地はない。しかしこの文脈において、我々は生産性とは何かを考えなければならない。その一部は、テクノロジーだろう。近代的な資本財と中間投入財を活用する必要もある。生産性は、規模でもある。スケールメリットを享受するためにより大きな市場へのアクセスも必要だ。それは近代的な生産指標の1つだ。第3に、専門化が必要だ。企業は、得意分野に集中すべきだ。第4に、競争が必要だ。これらの要素は、ある国が国際貿易の中に組み込まれて初めて生まれてくる。我々は、自分たち自身の問題に直面している。ブラジルと世界を比較すると、ブラジルがまさに世界の正反対に向かっていることに、多くの人々が驚く。世界銀行がデータを保有している176か国を比較した場合、ブラジルは、GDPに対する輸入の比率が小さな国で、13%なのだ。この事実を、ある昼食の席でリオデジャネイロ・カトリック大学(PUC-Rio)の友人2人に話したところ、彼らから、質問を受けた。そのデータに間違いが無いのかい?とね。もちろんだ。ブラジルという国は、世界銀行がデータを保有していない北朝鮮を除けば、世界に対して最も閉鎖的な国なのだ。そしてそれは、収支の両面から発生している。つまり、輸入だけでなく、輸出においてもそうなのだ。GDPで測ればブラジルは巨人であり、世界7位だ。だが輸出額で見ると、24位の小人なのだ。GDPでブラジルを上回る残りの6か国は、いずれも、輸出大国だ。欧州連合、アメリカ、中国、日本。すべて、こうした特徴を持つ。ブラジルは、輸出のない大国なのだ。もし、ブラジルが置かれている状況についてまだ疑問が残っているというなら、もう1つ、比較の例を挙げて見よう。1960年代と70年代に、韓国は輸入の代替を足掛かりに成長していたが、1974年のオイルショックを受けて戦略を180度転換した。かの国は、輸出促進に対して強力な政策を政治的に実践し始めた。現在、韓国の輸出はGDP比58%だ。一方のブラジルは、輸出がGDPの12%だ。40年も前に、韓国の国民1人当たりGDPはブラジルと事実上同じだった。だが現在、韓国はブラジルの3倍だ。韓国は先端技術を備えた大規模な輸出企業があり、教育も先進的だ。仮に我々が発展に向けた要件のリストアップに着手するなら、その作業は不断のものになる。しばしば、ブラジルでは不備のある全体リストを作りあげる人がおり、そのリストを手にした時には既にタイムラグから深刻な問題に直面する。あちこちを修復する必要があるなら、目標を達成することはできない。だがハーシュマン(アルバート・ハーシュマン、アメリカのエコノミスト)が我々に教えたように、我々は戦略観点から考えなければならない。何が決定的な、つまり残りの再定義が強いられる変数なのか? 私は、ブラジルが成長する道は国際貿易に対する市場の開放だと、あらゆる理由から断言できると確信している。

 

すると、あなたの説明では、本来向かう方向とはすべての面で逆に進んでいる訳ですね。

 

エジマル・バーシャ:そうだ。現在、我々は非生産的で、高コストな経済状況にあり、膨大な保護政策によって生きながらえている。この国の高いコストは、閉鎖経済の結果だ。このような種々の問題に対する政府の回答は、とりわけ2007年以降がそうだが、更に経済を閉鎖的にするというものだった。脱工業化と我が国の企業の競争力のなさに直面した政府は、輸入税を引き上げる一方で国内で生産された製品、例えば自動車などのようなものへの工業製品税(IPI)の税率を引き下げるという判断を下した。国産化比率と、生産統合、更に保護貿易主義の必要性を謳う政策がある。そこで私は、アナロジーを使って見たい。皆さんは非常に若いし、思い出すこともできないだろうが、まぁ、大丈夫だ。ベロ・オリゾンテ市の「トラム」の間で、1950年代のことだが、シャビエル調整剤が宣伝された。偉大なる女性の友(月経調整剤)だね。ナンバー1は多すぎに。ナンバー2は来ない場合。我々は輸出が不足しており、従って、シャビエル調整剤のナンバー2が必要だ。解放。ところが政府は、調整剤のナンバー1、つまり過多向けの薬を処方しようとしている。どうしてそうなったか、それは輸入が超過だと見たからだ。しかも、業界固有の問題を修正しようと試みている。業界毎に、どこが貿易赤字なのかとね。保健業界では、これは私は知っているが、赤字は110億ドルだ。電子業界、これも私は知っているが、160億の赤字。分野毎の赤字の動きを見て、政府は、社会経済開発銀行(BNDES)の助成的色彩を帯びた融資金を通して、また、国産化比率の規制を通じて、過度に、局部的な保護貿易主義の戦略を組み立てている。これは異常事態だ。しかも、第3の異常事態としてPPB、つまり基礎生産プロセスが存在する。もしあなたが、ブラジルの偉大なる技術的発展の産物である(笑)3穴コンセントの生産に対して助成と保護を求めるなら、1つの提案書を開発商工省(MDIC)に提出するだけで十分で、生産プロセスの諸段階を提示すれば、同省の役員がその製品を生産するのに国産品をどれだけ買わなければいけないかを通知するのだ。どこを向いても同じ対応で、生産性の低いところには政府が非生産性を拡大させ、ごちゃ混ぜの混乱を生み出し、更に拡大させている。些細な例を挙げよう。輸入の波を最も強く被った業界に恩典を与えるような、生産部門の統合政策をどのように深化させるかに関する解析的研究に関心を持つ大学の研究者を対象に、ユネスコ(Unesco)が、プロジェクトのコンテストを開催する。いいかい。ブラジルの誰かがユネスコに対して要請し、かつ資金が援助されたことも間違いのないプロジェクトで、しかも、サンパウロ州の地方都市のある大学だけから、わずか1件の提案しかなされないことも、我々は知っている。我々は、現在のブラジルに存在するこうした数々の悲劇を断ち切る必要がある。

 

保護が必要とする意見の中で、ブラジルが雇用を維持する必要があることや、経済的に脆弱な業界を保護する必要が訴えられています。市場の開放は、苦痛を伴いませんか?

 

エジマル・バーシャ:先ず私は、市場の開放こそ進むべき道だと納得してもらう必要がある。納得してもらえば、戦略を立ち上げなければならないが、この戦略には2つのテストが必要だ。経済政策のテスト、これは、有効性と雇用の創出、技術開発のような基本的要件を達成するもの、そして業界のテストで、過去の戦略が利益団体と主観的現実認識を生み出したことを考慮しなければならないからだ。多国籍企業は、政府が保護主義の水準を引き下げはしないとの暗黙の了解によってブラジルに進出した。私自身、それをこの目で見ている。事業の拡大に関心を持つ化学工業の代表者らと話をすれば、彼らの発言はひとつに集約される。つまり、「ところであなたは、我々が進出した後に輸入税が引き下げられないと確約できますか? 弊社はここで製造したものを輸出できない。もしドライに輸入税が引き下げられれば、弊社は破産、なぜなら国外で極めて安価に生産する競合会社が国内でやりたい放題になりますからな」。どうやって変移するかはひとつの問題だが、達成に向けて私には、3本柱の提案がある。最初の柱はブラジル・コストの削減だ。ブラジルの重い租税負担と複雑な税制に対する財界の不満は、全くその通りだ。物流の不備、港湾と高速道路、空港の脆弱さも、財界のおっしゃる通りだ。そこで最初の柱は、こうした不満に対処することである。そこで私は、次期政権の発足初年度は、見通しをよくして少なくともシステムを単純化するような税制改革に取り組むべきだと考える。ドルネレス(フランシスコ・ドルネレス上院議員)は、国税として税構造全体に影響を与えるVAT(英語のIVA、付加価値税)を提案している。税務当局の要求を満たすために企業必要としている管理部門と法務部門、会計部門、司法担当が煩わされる作業の煩雑さを取り除くという、大きな成果を出すだろう。ただ1つのことなのに、経済の非生産性を増やす。単純化が不可欠なのだ。それは、港湾と空港、高速道路の事業認可プロセスで生産の成果に最低限の条件を盛り込んで肉体に魂を吹き込むことが不可欠なことと同じだ。これは7年 ― 先ずは3年、続いて更に第2次政権で4年 ― の計画になる…。

 

それは、あなたが工業向けレアル計画と呼んだものでしょうか?

 

エジマル・バーシャ:かつて、注目を集めるために私はそう命名したことがある。

 

すると再度、命名されたのでしょうか?

 

エジマル・バーシャ:その名前は、もはや使い古された。レアルは、過去のものだ。私はこの名前を、プロジェクトに注目を引く方法として使い、実際にうまくいった。サンパウロ州工業連盟(Fiesp)、サント・アンドレー市金属労組、外務省、そして上院から、私は、講演に呼ばれたよ。人々は、既にプロジェクトの本質を受け止めている。

 

その他の柱とは何でしょう?

 

エジマル・バーシャ:2番目のポイントは、既に述べたように、保護貿易主義的部分を刷新することだ。つまり、関税、政府調達における優先条件、国産化比率政策、助成的融資などを、為替に置き換える。為替は、自分たちだけには有利に働いてくれるようなものではない。もし自分たちにとってだけ有利になるものだったら、膨張するだろう。君が輸入品のコストを引き下げようとすれば、輸出品の価格がぐっと引き上がる。関税による保護を為替による保護に置き換えるなら、そこでは、既に自然と淘汰が働いている。為替による保護の恩恵を受けるのはより効率的な企業または業界で、輸出余力も大きい。現在のような、マイクロマネジメントの機構を維持する必要はないはずだ。もちろん誘導因子のメカニズムを確保する必要はあるだろう。政府は、何が生来備えたアドバンテージなのか、世界的な技術の動向、貿易における競争原理の確保、どこが参入の容易なところなのかについて気を配る必要がある。すなわち、国際的なバリュー・チェーンにブラジル経済の統合させるという、国家にとって大きな役割になる。それは現在の生産的部門を統合する政策を置き換えるものになるだろう。そして第三の柱は、貿易協定だ。市場を開放しよう。だが、素手でこのゲームに参加するのではない。解放の判断は、一方的かつ漸進的に進める。ブラジルに進出している多国籍企業にとってゲームのルールが変わることは明白だが、彼らにもそれに対処する時間を確保するのも当然だ。すべてを国内で生産する事はできなくなり、子会社と国外の子会社を統合することになる。現在の国際貿易は、ポルトガルはワインを輸出してイギリスの繊維を輸入していた時代、つまりデイビッド・リカルド(イギリスのエコノミストで19世紀の古典派の生みの親の1人)の時代と同じではない。現在の貿易は自動車業界がそうであるように、業界横断的で、そして、企業横断的なのだ。しかも最近では、製品横断的ですらある。iPadを製造しているのはどこだろうか? どの水準を話題にしているのかで違ってくる。この製品は、台湾企業が中国で完成させている。国際貿易は、ブラジルが完全に接触を絶ってきた、これら国際的なバリュー・チェーンによって形成されている。地理的条件に問題があるし、これについては少し専門的に話をしたいが。構わないかな?

 

もちろん。ただ、ついでに質問させてください。つまり、メルコスルはどうなるのでしょうか?

 

エジマル・バーシャ:議論は、まさにそれだ。グローバル・チェーンは地理的なロケーションを伴う。欧州連合がある。北米にも、アメリカ周辺地域。3分の1はアジアだ。そして我々は孤立しているのだが、ここで我々自身のチェーンの構築に着手できる。このことは、現在のメルコスルのゆがんだ政策、それはジョゼー・ロベルト(ジョゼー・ロベルト・メンドンサドゥ・バーロス氏、3月12日にレアル計画に関するイベントでこの問題についてコメントした)が指摘したことそのもので、当初の自動車業界の統合のシナリオは、地域の成長を促し、世界に輸出することになる特定の種類の車を生産するというものだった。だがこれは、完全にグダグダになった。彼が言ったように、どれだけのメーカーがブラジルへ更にやってくるのか知らないが、ここで生産された車は輸出できないので、ところてん式に押し出されてくる。それはプライスレスだ。そういう訳で、当初の経済統合、そして南米という物理的統合というプロジェクトに回帰する必要がある。だがそれは、グローバル化を視野に入れた地域統合だ。ECLAC(国連中南米カリブ経済委員会)の本来の目的だった、地域レベルの輸入代替へ向かうのではない。そのように扱うべきではないのだ。我々は、地域の近接性と国々の得意な産業を活かして、生産を補完し、そうすることで2ステージでは、世界との統合が容易になる。

 

あなたはどこかの時点で、この市場開放のプロセスによりブラジルがどれだけ成長できるか試算されましたか?

 

エジマル・バーシャ:2030年には、ポルトガルが到達するところ、(1人当たりGDPが)2万4,000ドルに達することができる。すなわち、我々は長期的な視点で目標を掲げている。この試算には、ベースとして年率約5%の成長も含む。

 

インフレ対策の計画を導入してこれが機能するまでに数十年を必要としました。おっしゃるような市場開放計画を導入するための政治的余地はあるでしょうか。

 

エジマル・バーシャ:1993年にレアル計画の作業のために招集された経済スタッフが非常にいやいやながら作業についたのだと分かって欲しい。と言うのも皆、そんなものに余力を避けるような政治状況ではないと思っていたのさ。そういう訳で、レアル計画が成功してから政治状況が好意的なものになったのだ。「事前の」状態は最悪だった。当時の政権は、副大統領(イタマール・フランコ、前大統領のフェルナンド・コーロル・デ・メーロの弾劾後に正式に就任)には政権担当者としての法的裏付けがなく、国会でも多数派ではなく、しかも政権は残すところ2年で、既に7カ月間で3人の財務大臣が更迭されていた。このような政治情勢などあるだろうか? 全くの災難だったのさ! この種の計画の場合、政権初年度に政治的な基盤があり、かつ、計画で必要とする政策をすべて導入できるだけの基盤がある場合に実施される。なぜ我々が、緊急社会基金の採択前にURV(実質価値単位)を導入する事の必要性を訴えたのか? どうやって、自分たちに有利なプロセスへとつなげたのか? フェルナンド・エンリッケは、3段階で計画を発表した。最初は、国会への憲法改正案の提出だった。もし国会がこれを承認すれば、我々は物価スライド制度を統合する。物価スライド制に移行した後、我々は新しい通貨を導入する。換言すれば、政治家に対する私の主張はこうだ。「その先で、私はあなた方を選出するだろう。だが私があなた方を選出するのは、その前に財政調整を実施する場合に限られる」。こうした流れがあったのだ。当時は1988年憲法で想定されていた物事を導入する改憲時期だったが、君は、その他の憲法改正が1993年に行われたのは知っているか? それだけでなく、外国人教師がブラジルの公立大学で教鞭をとることを禁止する法律にも、我々は終止符を打たせた。私は、セーラ(ジョゼー・セーラ、当時保健大臣)とジョビン(ネルソン・ジョビン、当時法務大臣)とともに、計画遂行に必要な憲法改正の包括政策も作った。当時の改革は、それは膨大な包括政策だった。それらが、少しでも採択されただろうか? いいや。ゼロだ。これは、フェルナンド・エンリッケの第1次政権のプロジェクトになったのだ。

 

貿易の自由化に関する提議はどのように受け止められたのでしょうか?

 

エジマル・バーシャ:実際のところ、反応があまりの好評なことに驚いている。実業家は次の様に受け止めている。つまり、「私はゲームの規定に沿ってプレーする」とね。もしゲームの規定がブラジル・コストの維持という文脈の中で保護と助成金を与えるというものなら、彼らは仕事の多くの時間をブラジリアとリオ市のチリ大通り(BNDES本店)詣りに費やし、時々、工場で仕事をするわけだ。実業家は、もし彼が行かなければ競合会社が同じように関係者詣りをすると知っているのだ。つまり、彼は、政府が仕切る中でプレーしなければならない。しかも、彼はこのゲームには満足できない。これこそ、財界関係者の明らかな不満なのだ。有能な実業家なら十分な能力と効率を備えているし、この規定では生き残れないことを知っている。だから規定を変更すると発表する。すべてにおいて透明性を確保し、調整期を設けて誰に対しても公平な規定へと移行させ、政府も改革の遂行能力があるところを見せれば、財界もその変革に同意するのだ。

 

ではBNDESはどうなるでしょうか?

 

エジマル・バーシャ:経済危機の発生後、BNDESは完全に評価を下げた。資本市場が成長する一方で、BNDESは2つの方向へと進んできた。つまり、民間の融資の補完と、例えばインフラや先端技術のような極めて重要でありながらも民間部門が取り組まないニッチな特殊分野だ。ところが突如、BNDESはあらゆるブラジル人企業家の守護神になった。BNDESに好き放題させるよう国庫財務局の金庫を開放し、BNDESはゴリアテ、いやゴリアテではなくむしろ下僕になった。この贅肉だらけの巨人は、現実には、金融市場を補完する代わりに、金融メカニズムに取って代わりこの国の金融市場の発展を阻害し、リソースの配分を歪ませ、国会の承認が不要な裏予算を創出し、その上、ブラジルの公会計の透明性を失わせている。BNDESはまさに災いとなっており、2008年と2009年の国際金融危機によって引き起こされた誤った認識から異常に膨張する以前の路線へ、回帰する必要がある。

 

あなたの市場開放の提案は、業界選択的、あるいは効率的な業界のみが生き残るということも含むのでしょうか?

 

エジマル・バーシャ:いいえ、ジョアキン・ムルチーニョ(非能率的な生産者を排除した19世紀から20世紀にかけての財務大臣)に戻るのではない。30年を展望する中で、基本的な業種を見据えておくことは必要だ。どこが有望なのか? 工業政策は継続される。だが、それは業界選択的なものではない。業界というものは、ある種、自ずと伸びるのだ。そこで発生するのは、しばらく時間を必要とするが有望な特定領域の特定なのだ。岩塩層下に関連して政府がノルウェーと同じことをやっていると言うのを見ると、それこそ狂気を感じる。ノルウェーは石油に関連した産業を起こしたのだ。国産化比率、保護、助成のメカニズム…、だが、輸出産業を構築するのだという観点でこの業界を有望だと受け止めた。ノルウェーがやったのはそういうことだ。もしブラジルに有望な業界があるとして、一時的に保護が必要なら、それを与えるべきだがこのような見通しの下に実施すべきなのだ。いつかそれが終わり、そして保護された業界が、国際的に競い合っていけるものになるということ。国際的な競合会社競合の価格設定と異なるため、ブラジル企業にとって国内市場は利用できるものではない。

 

これと並行して、マクロ経済政策、税制や為替はどのようなものになるでしょうか?

 

エジマル・バーシャ:ここで議論をしているのは、長期の政策だ。長期プロジェクトは、市場競争の統合を軸に構造化されている。しばしば、短期のマクロ経済政策の要件と違反する事もある。例えば為替だ。輸入税を為替に置き換えることと、為替が完全に自由に変動すべきだという考えを、どうやって両立させられるか? この両立は、うまくいかない。我々の主張は、政府は、発足初年において、この国の工業政策を抜本的に改革すると発表するということだ。今後、政府の活動手段はすべて、国外との競争力を身に着けることを基準として、この国を再工業化する方向を向く。そのために、ここでは、ある年数の長期的な計画を導入するということ。この計画には、例えば、7年後には輸入税が平均で5%、最大で10%になるといったことが盛り込まれる。更に、この政策には、現時点で実施されている国産化比率に関する政策の撤廃も含む。業界毎の貿易収支赤字を基準にしてどの業界をどれだけ保護するかなどという判断は下さない。もし赤字があるなら、輸入の削減ではなく、輸出の増大によって解決する。(月経調整剤の)ナンバー2ではなくナンバー1だ。政治的な決断力と信頼性があるなら、金融関係者はそれを見てこういうだろう。「輸入品であふれかえる」と。仮に私が金融市場にいるなら、こう考える。「何てことだ。今後2年で輸入量が増加する。輸入するにはドルがいる。ドルの需要が高まるぞ。もしドルの需要が高まるなら、来年には、現在2.30レアルのドルが2.80レアルになっている。よし、今ドルを買っておくぞ」とね。それで何が起こるだろうか。ドルが今、2.80レアルになる。もし市場の完全な合理性を信頼するならね。それは、もし人々が何をやっているか、何をするのか、そしてどのような政策条件があるのかを知っている場合だ。金融関係者がやることは何か? 先手を打つことだ。レアル計画がこれほど成功したのはなぜか? 彼らは、こう言っていたのだ。「俺たちをこのゲームに早く参加させてくれ」と。

 

それで、インフレの問題は?

 

エジマル・バーシャ:ペルシオ(ペルシオ・アリーダ、レアル計画の立案者の1人)が既に言ったように、我々は「機能不全になった新しいマクロ経済マトリクス」というコンテクストにおいて過去数年にわたって生じた歪みを、すべて「解消」させる必要がある。機能不全なものの一部には、基礎的料金、とりわけ電力と石油の価格統制を通じてインフレを抑制しようとするプロセスも含まれる。明らかに、解体する必要がある。だがこのプロセスはどのように進めるのか? 一気にするのがいいか、それとも、何らかの調整弁を入れるのか?

 

あなたは、何が適切とお考えですか?

 

エジマル・バーシャ:それは、その時の状況次第だろう。この判断を下すには、マクロ経済の状況を評価しなければならない。君らの出版した本の中に、1970年出版の、インフレーション:漸進主義かショック療法かというのがある。シモンセン(マリオ・エンリッケ・シモンセン、元財務大臣)は、ショック療法を欲した。ブリョンエス(オターヴィオ・デ・ゴウヴェイア・ブリョンエス、同じく元財務大臣)は、漸進主義だった。そして漸進主義が勝った。まさにそのために、我々は、インフレを低減させることができなかった。あの時にショック療法で対処することが最善だったか? そうだ。今ならそういえる。1年か2年は苦渋を味わっただろうが、その後の20年を失わなかった。政治的に、そうすることが可能だろうか? もし野党が政権を取った場合に敵対心が異常なまでに激化することを私たちは知っている。その結果、価格の歪みが悪化したのを埋め合わせるために政府が別の対策と組み合わせるとどうなるか? 生活コストが上昇する。それがインフレ・サイクルへと繋がっていくのを回避するのはどうすれば良いか? これらはすべて、マクロ経済の状況と政治の世界に持ち込まれる政治状況が何なのかを、より確実に評価できるかどうかに依存する。肝心なのは、大衆を動員する事。つまり、「さあ、我々はこれから、それをやるよ」と見せることだ。では、否定的な見通しなくどうやってやり遂げるか? それが透明性のある経済政策という問題なのだ。為替が明日には値下がりすると言われないのは、現在、人々の思うように市場が値下がりしているからだ。見通しがどのように形成されるのか、それをどのように有利に、自分に敵対するものではなく、手なずけて利用しなければならない。

 

ただ、この「解体」プロセスをどのように進めるのが良いのか、説明いただけますか?

 

エジマル・バーシャ:それは再び三本柱を据え直す必要がある。だが同時に、我々はアルミーニオ(アルミーニオ・フラガ中央銀行元総裁)が提示した問題を考慮する必要がある。一度ぐらついたものを再構築した場合、その時点で、金融・財政制度の構築プロセスを継続する必要がある。なぜなら、この3本柱は、ペルシオが指摘したようにふらついているのだ。この制度は驚くほどの高金利をベースに機能していた。そして我々は、国際的な金利水準をベースにこの3本柱が機能することを望んでいる。従って、我々は引き続き、より大きな能力とインフレに対処しながらもより低い金利を可能にするような通貨政策を支援するような制度を構築し続ける必要がある。これについては、私の論説「3本柱に加えて(Alémdotripé)」で所見を述べている。

 

方向性としては?

 

エジマル・バーシャ:公共支出の増加を規制した上で、純負債額と総負債額に上限を設け、長期的なインフレ目標を設定する。このすべては、このプロセスの一部になる。

 

あなたは、2014年の大統領選に立候補を予定する人物の誰かに、これの提案を示したのでしょうか?

 

エジマル・バーシャ:はっきり言って、これについて議論しているよ。君たちは、私とアエーシオ(アエーシオ・ネーヴェス、ミナス・ジェライス州選出の上院議員で共和国大統領選にブラジル民主社会=PSDBから立候補する可能性が高い)の間柄を知りたいのだろう。誰もが知っていることだが、私はPSDB党員だ。だが私は選挙運動には関係していない。アエーシオが私に何か質問すれば、私は自分の考えを答えるだけだ。

 

あなた方は、これについて話をしたのでしょうか?

 

エジマル・バーシャ:いいえ。私がアエーシオと最後に話をしたのは、彼の演説に対してだ。レアル計画に対する彼の取り組みに関する演説だ。

 

あなたは選挙運動についてどのように見ていますか?

 

エジマル・バーシャ:我々の側では、内部的に融和があった。フェルナンド・エンリッケの時代以降では今回が初めて、挙党体制で1人の候補を支援することになる。アエーシオの努力はそこにあったし、目的は達成された。党は一丸となる。今は、地方の調整だ。アエーシオが現時点でコメントしているのはこのことだ。最終ステージは、サッカー・ワールドカップ終了後、テレビの政見放送がスタートする時だ。そこで我々は、公開討論をやる事になる。

 

今回の選挙では、経済問題は大きな比重を持つでしょうか?

 

エジマル・バーシャ:確実に、そうなる方向に進んでいる。不満がくすぶっている。それは広範囲にわたる不満である。雇用はまだ堅調だが、他方、価格は統制できない状態になりつつある。約束された将来に対する不安が存在する。公共サービスの質に対する強い不満もある。変化が求められている。それは世論調査に表れ始めている。人々は不満を持ち、何か新しいことを欲しているのだ。(2014年3月15日付けエスタード紙、アレクサ・サロモン記者・ヴィニシウス・ネーデル記者)

 

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