4月7日に公式ドル為替相場が値下がりし、1ドル=2.20ドルを下回った。年明け以降で見ると、ドル安は累積6.4%に達する。しかも4月最初の6営業日だけで2.7%のドル安である(図表を参照の事)。
2013年にジルマ政権は、現在と全く正反対の効果を確保すべく、つまり、輸入品の価格を吊り上げ、国内工業が競争力を確保できるようにドル高へ誘導していた。ところが現在、逆に為替相場のドル安を祝っている。物価をペッグするために為替を利用する時というわけだ。中央銀行はドル為替相場が値下がりするのを放置しており、結果的にインフレ圧力の低減を図っている。為替のボラティリティーをいかに低減するかを懸念する場合ではなく、もはや、なりふり構わずドル安に誘導することが重要なのだ。
この値下がり(レアル高)は、当局にとり想定外だった。それどころか連邦政府は、レアルの暴落という完璧な暴風が吹き荒れることを懸念して対応を準備していた。だが、この暴風は起こらなかった。米連邦準備銀行(FRB)は、市場に波風を立てないように、自国の通貨政策に対してより慎重な態度で挑んでいる。その結果、再びドル余りが生じた。国外で調達した低利の融資を受けてレアルを買って、国内の金融市場に投資すれば大きな利益が得られるため、ブラジルの金利政策は外資の呼び込みを後押しした。
こうしてゲームの前提が変化し、潤沢なドルという状況が生み出された。インフレを退治するために政府と中央銀行がドル安を利用し始めているのを我々が知っているのは、何も彼らがお祝い騒ぎをしているからではなく、むしろ、為替政策の実施手法を分析したことによるものだ。
暴風への脅威に対処するために、中銀は、外貨建ての支払いを抱える企業に対するヘッジの形成として、ドルの急激な値上がりを阻止する目的で為替リバース・スワップ入札の実施とドルの売却という政策を導入した。読者も見てきたように状況が変化したのだが、中銀は引き続き、まるで何も起こっていないかのように為替リバース・スワップ入札を続けている。
連邦政府に別の目的があるように、事態は推移している。その目的はもちろん、値上がりのオンパレードを避けることだ。為替相場のドル安レアル高は輸入品の価格を引き下げ、国産品との市場競争が拡大することで物価の上昇を阻止する。水力発電所の発電が破たんしたために火力発電所が稼働しており、そこで利用されるディーゼル油を輸入するペトロブラスにとっては、レアル建てで支払いが減少して一息つくことができる。副次的効果としては、国内工業に対する輸出余力の低下がある。だが、少なくとも表面的には、連邦政府にはこの問題で企業と対話していないようだ。物価の保持を最優先課題と判断し、工業部門のパフォーマンスを後回しにしたのである。
市場で流布されている計算によると、ドル安により過去12か月でインフレ率が0.45パーセントポイント引き下げられた。これは、現在のインフレ水準を見る限り、6.5%のインフレ目標の上限突破を回避するのに大いに役立つ水準だと言える。
最後に以下に、あえて質問だけを掲げておく。(1)中央銀行はドル為替相場がどこまで地すべりしていくのを許容するだろうか? (2)サービス・コストが年率8%以上も上昇すると想定する場合、為替ペッグはインフレ目標の上限突破を回避するのに十分だろうか? そして(3)市場で外貨が潤沢という新サイクルはいつまで続くだろうか?(2014年4月8日付けエスタード紙)








