セルソ・ミンギ
工業部門を矮小化するオランダ病にブラジルが罹患するのではないかと、マウロ・ボルジェス開発商工大臣が懸念している。
産業を矮小化するオランダ病がブラジルで猛威を振るうのではないかとの懸念が、今回は、マウロ・ボルジェス開発商工大臣に感染した。同大臣は7月第1週、ブラジリアでこの問題に言及した。
このように考える人は、ブラジルがコモディティー輸出を拡大するために当局が過度の通貨安へ急激に誘導するのが不可避だと理解している。この不可避の事態は、ブラジルが石油の輸出国となる今後5年程度の間に、いっそう悪化するのだという。
諸外国の通貨に対してレアルが極度に値上がりすることで、輸入される商品とサービスの値下がりを引き起こす。この結果、過剰に値上がりしたレアルによりブラジルの工業製品は、国内だけでなく国外でも競争力を失い、仮にこの状況への対策を打たない場合、この事態は数年内に現実のものになる。この判断の論拠に基づくならば、こうして工業部門は活力を失う。これは、サンパウロ州工業連盟(Fiesp)の首脳陣らが「ブラジルの脱工業化プロセス」と好んで呼ぶ状況だ。
ブラジル人エコノミストの中でオランダ病という診断を最も好んで使っているのは、元財務大臣のルイス・カルロス・ブレッセル=ペレイラ氏だ。ブラジルが一次産業しか取り柄のない大国にならないように、ブレッセル=ペレイラ氏は、まさに予言者のごとく情熱的に、2つの対策を即時実行するよう訴えている。つまり、(1)ドル為替相場を現在の2.20レアル前後から、工業部門が競争力を取り戻せる水準である3.00レアルへ、レアル安を誘導する、(2)レアル高に再び戻るのを回避するために中銀がドル買い介入できるよう、その資金調達手段としてコモディティーに輸出税(賦課金)を導入する。
同氏はこの賦課金について、連邦収税局が課徴するのと同じだけ為替相場がドル高となり、アグリビジネスも鉱物や石油を生産する資源会社にも影響するようなことはないと主張している。
だがブレッセル氏は、この種の思惑には強い反発があることを理解している。7月4日付バロール・エコノミコ紙に掲載されたコラムで、同氏はこの主張に対する支持が低いことを嘆いた。同氏は、「左派どころか右派のエコノミストも、この問題に適切な対処ができていない。左派は、最初のレアル安が一時的にもインフレを加速させ短期的に所得を縮小することで(これは正論だ)、所得格差を拡大する(これは嘘だ。というのも目減りするのは給与だけでなくあらゆる収入が減少するのだから)と断定して受け入れない。正統派も同様に受け入れないのだが、その理由は、一時的にインフレを加速させ、更に企業が抱えるドル建て債務を拡大することを問題視しているからだ」。
だが実は、これは様々な理由からもっと複雑な問題だと言える。ここでは2つを挙げよう。第1に、オランダ病に罹っているという診断を受け入れられない理由があるということ、そして、だからこそ推薦された治療は受け入れられない。第2に、工業部門を救済する目的で為替を強力に切下げることは、経済全体のバランスを崩しかねない判断の必要を生じさせ、それだけに工業部門の救済に役立つことはなく、先行きの不透明感を増加させ、投資を大きく縮小させる。さて、これ以上の説明は稿を改めよう。次回に続く。(2014年7月11日付けエスタード紙)








