スエリー・カルダス
サッカー・ワールドカップが終了して応援団たちが家路に向かい、ブラジルに日常が戻るとともに選挙キャンペーンが幕を開けた。テレビでも街頭でも、候補者たちは、国民が繁栄してお金に困らず、食べ物が食卓に並び、子供たちが学校に通い、健康的な家庭に恵まれた幸福な国という幻影を約束するだろう。だが現実の生活において彼らは、机に向き合いながら、次期政権が担う今後4年の作業プランを策定すべきなのを知っている。次期大統領は、ジルマ政権が次の政権に置き土産とした地雷(公共料金の先送りと、財政政策における会計処理の錬金術、経済運営に対する不信など)を撤去回収するのに加えて、戦略と方向性の策定、実効性の確保に向けた目標の設定、更に、レアル計画で想定されつつも中断あるいは着手すらされなかった歓迎すべき対策の推進再開に向け、行動計画を組み上げる必要がある。
この行動計画には、我が国の近代化を促進する改革を再開すること以外にも、公的機関の事務処理と民間経済を加速させること、そして持続的な成長に向かうルートを拡張することも含まれる。これらが不足しているために慢性的な停滞に陥っており、過去20年にわたって経済と社会の発展を脇へ押しやったブラジルは、世界でも最もコストの高い国となり、ここで生み出される財は、高額であると同時にその技術品質は国外と比較して落差がある。フェルナンド・エンリッケ・カルドーゾ(FHC)とルーラは、この問題を手なずけようと国会に幾つかの法案を提出したが、これらは、あらゆる財力を駆使するロビーに対してセンシティブで何事にも楽観的な族議員が受け入れるかどうかに依存していたため、骨抜きにされ、効果を削がれてしまった。
改革の第1歩が政治だと見なされるのだが、これには、政治家というものに対するモラルの涵養と教育の施し、これは政党の合従連衡や利己的な所属政党の変更というものに対してもそうだが、そして、政党公認候補枠の売買への規制と、選挙キャンペーンをより適切にするよう資金調達に関して規制が不可欠だ。だが、上下両院議員たちは、この問題にメスを入れることに抵抗する。唯一、評価できる変化は「フィッシャ・リンパ(汚職議員排除法)」なのだが、これは130万人の国民が署名した大衆イニシアティブによる提案だった。
所得の分配を進めて社会正義の推進に役立つ税制改革は、FHC政権とルーラ政権を通じて進捗せず、現在、国内の税制は、社会に不正義を与えている。つまり、より貧しい者は、所得に対する税負担率で、富める者よりもより重い負担を強いられている。ジウマ・ロウセフ大統領は、年金に対する賦課金を企業が支払う代わりに売上税を納入する対策を講じるに止まり、しかも、その恩恵は広く行き渡るのではなく、選別された一部の業界のみ優遇して運用している。
社会保障改革は、政治的に最も難しいものだが、社会に対して即座に影響を与える。法人の利益と、社会保障サービス(INSS)で民間と比較して公務員が優遇されている問題にメスを入れようとすると、国会では、克服不可能なほどの抵抗を受ける。最終的に、2012年になって公務員の定年に関する規定が、INSSの民間労働者と同じ条件となり、これに伴う減額を補完する年金ファンドが設立されたが、この新制度が適用されるのは、新法施行後に定年退職する公務員だけである。その結果、収支が均衡するのは2040年に入ってからになる。その上、新制度への移行を完了した時点で、我が国の年金システムが命脈を保つためには、新たな改革を必要とするだろう。
労働法と労働組合法の改革は、FHC政権下では特定仲裁官(司法上の教育を受けていない労組役員)の廃止に限定され、ルーラ政権下では、後退した。ルーラが労組の指導者だった頃、常に必要性を論じていた国による組合費の強制徴収は、彼の政権下では廃止されるどころかそれまで交付金を受けていなかった中央労組にまでその一部をばら撒くという判断を下した。個別の法律の寄せ集めで75年の歴史を持つ統合労働法(CLT)に基づく労働法は、時代遅れな上に現実離れしている。この労働法の下で労働組合は公的資金の投入によって命脈を保っているのであって、そのために彼らの自立性も奪われている。
だが、ミクロ経済改革を進めることは、経済活動を迅速かつ効率的にする。例を示そう。現在の官僚的な煩雑な手続きによる障壁で、ブラジルでは法人を設立するのに3か月から6か月を要する。ブラジル国外では、平均すると設立までの期間は3日だ。つまり、変化が必要なのだ。(2014年7月13日付けエスタード紙)
スエリー・カルダス:ジャーナリストでリオデジャネイロ・カトリック大学(PUC-RIO)教授








