2014年11月に在任期間を終えるバローゾ委員長と10月に選挙を控えたジウマ大統領が、交渉再開に対して楽観的な見方を示した。
欧州連合(EU)とメルコスルは難局に直面している。大きな期待が寄せられてきた両経済ブロックの貿易協定だが、双方が、交渉の遅れの責任について非難の応酬をする状況に発展している。
政府関係者によると、メルコスル側は提案を提出可能な状態にまとめられているが、EU側は双方が提案を持ち寄る協議の具体化を希望していないという。メルコスル側が予定する譲歩の内容が不明なままで、EUの代表者らは28か国の間で協議に骨身を砕くようなことをしないとブラジルの閣僚たちに表明したという。
外務省の高官はEUの交渉担当者から、協議だけ残された状態だが、交渉のテーブルに載せられる提案内容を把握せずに無駄に協議を重ねるつもりはないと聞かされたという。EU域内の交渉は、欧州委員会のメンバーが在任期間中に加盟28か国を代表して発言するため、メルコスルの交渉のように内容ごとに持ち帰って個別に合意を取り付ける必要がなくシンプルである。
EU側の対案が示されない限りは、ブラジルだけでなく域内諸国も、条件を提示する予定はない。事前に交渉の手の内を相手側に伝えることになるためだ。ブラジルのある外交官は、「我々の側も同様に、相手側が実際に関心を抱いているという証拠が必要だ。一方的に止まるものであってはならない」と言う。
両経済圏の「批判合戦」はこれまで、交渉の推進剤になっていた。だが2013年12月にEUが、両経済圏の提案書の交換を予定していた2014年1月の協議を先送りするように要請する。このことはメルコスルが交渉の中断の原因がEU側にあると主張する根拠になっているが、実際のところ、EUが受け入れられる水準の提案をメルコスルが取りまとめたのは2014年6月に入ってからである。現在、今後12年を掛けて関税を撤廃する品目リストは、アルゼンチンを含めて、全体の87%に達しており、交渉の前提と期待される水準の範囲内に収まっている。
協議について7月18日に行われた欧州委員会のジョゼー・マヌエル・ドゥラン・バローゾ委員長とジウマ・ロウセフ大統領の会談では、メルコスル側の取り組みが、重要な議題として取り上げられた。メルコスル側は、提案を既にまとめており、今後の提案書の交換の日程がEUの対応に委ねられていることを明確に示した。これに対してバローゾ委員長は、その状況ならこの問題は推進される、というものだった。だが同委員長は在任期間の末期にあり、現時点で約束通りに交渉をリードしていくだけの影響力を保持していない。
18日のバローゾ委員長の訪問に当たってルイス・アルベルト・フィゲイレド外務大臣は、交渉を再開に向けて可能な限りの努力を払うという認識を示した。「我々は、年末までに双方が提案書を交換することを期待している」と言う。これに対してEU側は、具体的な日程は決まっていないものの2014年内に何らかの進捗があるはずだと応じた。だが同委員長はブラジリア大学の名誉博士号授与式の終了後、「双方が可能な限り迅速に交渉を推進したいと希望している。しかし現実問題として、欧州は8月にバカンスシーズン入りし、10月以前に対応するのは難しい」と付け加えた。
もっとも、一連の交渉でバカンスシーズンが挟まったのは欧州だけではないのだ。しかもドゥラン・バローゾ委員長は10月30日に委員長職を辞任し、後任は中道右派で、ルクセンブルグの元首相、ジャン=クロード・ユンケル氏が就任する予定だ。他の委員の人事も予定されており、交渉の上で、2つの不確定要素になっている。
同様に、ブラジルの選挙も不確定要素である。次期大統領が判明するのは10月末になってからであり、ジウマ大統領が再選されたとしても、経済スタッフそのものが入れ替えられる。行ったり来たり、自由貿易協定を巡ってメルコスルとEUは、20年前から協議している。(2014年7月19日付けエスタード紙)








