【欧州連合がブラジルの産業的なインセンティブに対してWTOに合わせて働く】

保護貿易主義で差別的との提訴を受けて、世界貿易機関(WTO)がジルマ政権の工業政策に対する判断を下す。

ブラジルを相手取った貿易紛争としては過去最大規模のものと位置づけられており、ブラジルの税制優遇政策に対するこの非難を受けて、国内の工業戦略に見直しが迫られ、自動車業界を中心とした多額の投資に深刻な影響を与える可能性がある。パネル報告に対する採択は2015年になってからだが、弁護士チームに多額の出費を必要とする貿易紛争として、数か月にわたる攻防になる見通しだ。

EU側は、スマートフォンと自動車、その他の製品に対する課税を批判し、ブラジル政府が「競争力のない」国内工業を保護する「盾」にしていると主張する。そのツケを支払うのは、国外でより安価な同一の製品に対して高い対価を支払うブラジルの消費者だというのが、ブリュッセルに拠点を置くEUの意見だ。

「我々は、公正かつ恒久的、適切な解決を希望している」と、EUは声明を通じて警告した。「目的は、差別的、かつ違法な状況を排除することだ」というのがEUの主張であり、ブラジルの開発政策に対して疑問を呈しているのではないと断言する。

選挙の影響

エスタード紙は2014年8月、EUがブラジルに対してパネルの設置を求める方向で検討していたことを報じた。だがEUは、パネル設置を求める最終判断をブラジルの大統領選が終了するまで棚上げした。

それは、ジルマ政権が野党に敗れれば、保護主義的な工業政策が見直される可能性があるという期待感によるものだった。だが現政権が勝利したことで、EUは、速やかに、交渉のテーブルの上にこの問題を持ち出した。

ジルマ大統領の再選からわずか5日後、EUは、ブラジル政府が自動車業界と通信機器業界に対して付与している税制優遇政策に対する判断を仰ぐため、WTOに対してパネル設置の要請を決定した。

EUは、ブラジルが「差別的な」税制を施行していると主張する。「ブラジルの税制は、国内製品を不当に利するものであり、WTO協定に反する」とEUは指摘、あらゆる国が同じ条件で競争することを希望すると意思表示した。

「自動車やIT、機械など、様々な業界に対してブラジルは、高い内国税率を適用している」と指摘する。EUの訴状によると、輸入品と異なりブラジル製品は、工業製品税(IPI)の減税や、免税の恩恵を受ける。

「結果として、ブラジルで販売されるEUの工業製品は、ブラジル製品以上の税率により価格が上昇している」というのがEUの説明だ。

その一例としてEUはWTOに対し、自動車に対するIPIについて説明する。「輸入車に対する税金は、ブラジル国内では車体価格の30%を上回ることがある」とEUは指摘。そして、「関税とその他の内国税は一部の車ではさらに担税率が高く、輸入価格の80%という法外な税率になる」と訴えた。

国産品による代替問題

EUによるもう1つ告発は、税制優遇措置を受ける条件として国産部品の使用を義務付けていることである。EU側は、「これにより輸入品を代替し、ヨーロッパの生産者をブラジルで生産するよう移転させ、国外のサプライヤーを制限している」と指摘した。

また、「このことで、ヨーロッパの完成品とコンポーネントの輸出会社が損害を被っている」と主張した。

EUはさらに、「国際的な競争相手に対して競争力があると言えない工業部門に対して、防衛線を張っている」とブラジルを非難する。それが意味するのは、消費者に対し「より安価な製品という選択肢を制限する」ことだ。

EUはその例として、ブラジル国内のスマートフォンの価格に言及した。EUの主張によると、国内価格はその他の国々の価格と比較して50%も割高である。しかもこの価格は、80%から100%の範囲で減税の恩恵を受ける国産技術を使った製品であるにもかかわらず、なのだ。(2014年10月31日付けエスタード紙)
 

 

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