スエリー・カルダス
ジウマ・ロウセフ大統領と論争中のレーナン・カリェイロス上院議員(PMDB:ブラジル民主運動党=アラゴアス州選出)が、攻勢に出る判断を下し、法律として中央銀行(中銀)の独立性を保障するようを提案した。これは既に2013年に提案されていたことなのだが、実現することなく葬られていたものだ。当時、上院議長とPMDB上層部は、この問題を真剣に扱い、かつ、立法府における議論と票決を加速させるために、持てる力を発揮することはなかった。この問題を今になって蒸し返したことは、この問題でブラジルが立ち遅れていること、インフレをコントロールし通貨の価値を守るという中銀の使命を脅かす政治的介入から国民を確実に守るということに誠実かつ真摯に対応する意思があるというよりは、労働者党(PT)とジウマ大統領への新たな挑発(あるいは交換条件を引き出す口実だろうか?)のように思われる。4月1日にPMDBは、上半期中に法案を票決して法制化すると意気込みレーナン上院議長はさらに、中銀総裁の在任期間を5年にして共和国大統領の在任期間と重ならないようにすることを提案した。望むらくは、PMDBの改心が単なるジェスチャーの日和見主義などではなく、今回はその狙いが達成されて中銀の独立性が最終的に法律で定められることだ。
世界的に見ると諸外国では、少なくとも半世紀前から独立性を獲得した中銀が存在する。ブラジルではこの問題は最民主化に伴い1980年代に議論が始まったのだが、詐欺的で既に棺桶に入っていたと思われていた超時代遅れのイデオロギー的バイアスがかかった主張をPTが蘇生させ、2014年の選挙キャンペーンにおいて思慮の足りない有権者を説得させる方法として、ぶっきらぼうで粗暴、不誠実なやり方で、中銀が独立性を確保することは政府を銀行家に与え労働者の食卓から食料を奪うことだと主張したのである。当時、世論調査で支持率の伸びが報告され、中銀の独立性を支持していたマリーナ・シルバ候補を打破するためなら、彼らはあらゆる手段を講じたのだ。
結局のところ、中銀の独立性に反対しているのは誰だろうか? 第1に、政治家の大部分と彼らが所属する政党で、彼らは、自らの利益に反する中銀の決定に干渉する権力の喪失を恐れている。こうした人々は、例えば、再選を狙って利下げを要求する共和国大統領や、既に公債額が限界にきているのに新たな公債の発行をゴリ押しする州知事や市長、自身あるいは中銀の監督を受ける銀行家の知人に有利になるようなことを求める下院議員あるいは上院議員である。結局、あらゆる政党の政治家たちが、我が国の通貨の世話をする銀行に対して影響力を行使できる権力の放棄を拒絶するのだ。中央銀行の独立性というのは、通貨の価値を守るという使命に対立する権力者の利益に反した判断を自律的かつ躊躇することなく下せる独立した中銀という世界中で発展してきた概念を、有害な政治的嫌がらせからの隔離することに他ならない。
そして、判断に対して中銀理事が責任を負うため、この判断に反対して権力を持った者からの報復、あるいは政治的な意趣返しから彼らを保護する必要がある。そのため、中銀が独立性を持つには次のような決まりが必要だ。1)中銀の理事は一定の年数限りで交代し、中銀総裁の在任期間を国家元首の在任期間と合わせない(通貨の安定性を保証するためには選挙の結果に左右されずに判断を継続することが不可欠)、2)解任の事由を事前に法律で定め(例:インフレターゲットの未達成)、理事の解任は彼らに弁護の権利を保障した上で上院の公開審議によって承認される必要がある、3)インフレの年間目標の設定を国家通貨審議会(CMN) ― 従って共和国大統領 ― の責務とし、中銀に対しては自由かつ独立性を与えて目標を達成する任務を負わせる。
レーナン上院議長の提案に反論するためにジウマ大統領とPTに祭り上げられたアロイージオ・メルカダンテ大臣は、ルーラ前大統領とジウマ大統領は中銀の運営の独立性を尊重し、理事の判断に干渉していないとコメントした。ではなぜ、2014年の選挙期間を通じて中銀は利上げを凍結し、選挙終了後、即座に利上げしたのだろうか? そして、中銀の独立性という概念を支持し、肯定的に受け止めているのであれば、なぜ法律を制定しないのだろうか?
メルカダンテ大臣は、この問題が25年も前から国会の議題になっていると言う。大臣、この議論はもっと古くからのものであり、もはや行き着くところまで来ているし、この制度上の遅れから我が国が解放されるべき時はとうに過ぎているのだと理解いただきたい。もし、中銀の独立性の法制化についてPMDBが誠意をもって決断したのであれば、早急に法案を採択すべきだ。(2015年4月5日付けエスタード紙)
スエリー・カルダス ジャーナリストでリオデジャネイロ・カトリック大学(PUC-RJ)教授。








