2015年5月にジウマ大統領と代表者が協議したIHIと川崎重工、三菱重工、国際協力銀行(JBIC)が、ペトロブラスにリースを予定するセッテ・ブラジルの設備の85%を引き受ける方向で検討している。
ペトロブラスの石油開発事業を支援する目的でセッテ・ブラジルがエンセアーダ造船に発注した4隻の掘削リグ船を、日本人投資家が引き受けることを検討している。フォーリャ紙が入手した情報によると、この問題については一連の判断を下す前の2015年5月14日、IHIの斎藤保社長と川崎重工の村山滋社長、三菱重工の白木清司中南米統括が国際協力銀行(JBIC)の代表を交え、計画に対しブラジル政府の理解を求めてブラジリアでジウマ・ロウセフ大統領と会談している。
大統領府執務室で行われた会談では、政府側から前向きな回答が得られた模様だ。計画では、この3社にJBICが加わる。ブラジル政府との協議後、日本側の役員はこの計画の検討を進めており、数日以内に結論を下す模様だ。
ブラジル政府の承認を得られれば、これらの日系企業グループが、セッテ・ブラジルが掘削リグ船に85%の比率で保有する資本を引き受ける。さらに残りの15%を保有するオーデブレヒト・オレオ・エ・ガス(OOG)とはビジネス・パートナーになる。
ラバジャット汚職捜査の影響
対象となる4隻の掘削リグ船は、1隻当たりの建造コストが8億ドルで、オーデブレヒト・グループ(35%)とUTC及びOAS(合計35%)、川崎造船(30%)が株主となりリオデジャネイロ州とバイーア州に造船所を保有するエンセアーダ造船に発注されたものである。エンセアーダ造船は現在、ラバジャット汚職捜査による追求が及んだセッテ・ブラジルに回収不能な10億レアルの売掛金を抱えており、同社株主の川崎造船は、他の日本の投資家を説得してこの事業に呼び込む判断を下した。
新規投資家が参入する場合、セッテ・ブラジルはこの4隻の掘削リグ船の建造計画から排除され、OOGと日本の投資家が直接、ペトロブラスにこれをリースすることになる。
歴史的経緯
セッテ・ブラジルは2011年、ペトロブラスが岩塩層下の石油探査で使用する29隻の掘削リグ船船の建造の一部を担う目的で、ペトロブラス自身も含め、銀行や年金ファンドなどが出資して設立された。同社の経営面では、結果的にラヴァ・ジャット作戦で凍結されることになった社会経済開発銀行(BNDES)からの100億レアルの融資を当てにしていた。
だが融資が凍結されたことでセッテ・ブラジルは財務的に行き詰まり、現在、同社の経営計画は見直しが進められている。
6月第2週には、株主がこれまでに84億レアルを出資した同社に対し、経営パートナーと債権者が融資の形で120億レアルの資金を投入することで合意した。
またこれに伴い、建造される掘削リグ船の数は、19隻に削減された。
従って、今回の「ジャパン・ソルーション」は、4隻のリグ船に限定され、その他の契約で同様のスキームが組まれることはない。
エンセアーダはセッテ・ブラジルから、OASと提携してさらに2隻の掘削リグ船の建造を受注している。またこの外の造船会社も、13隻の掘削リグ船の建造を受注している。
今回の交渉に関係した役員の1人によると、セッテ・ブラジルから上記の4隻を除外するのは、同社の財務状況に「リスクを調整するため」に必要だという。
また、セッテ・ブラジルの発注数をさらに引き下げると、「事業計画のバランスが崩れる」と受け止められている。
OOGは、「セッテ・ブラジルから受注した4隻の掘削リグ船の建造継続に向けたエンセアーダ造船と同社の株主である川崎造船の努力に対し、微力ながら協力する」とコメントしている。
なお、セッテ・ブラジルとペトロブラスは、この問題についてコメントは発表していない。(6月17日付けフォーリャ紙)








