公会計の調整はあらゆる企業と同様に支出削減を通じて達成する必要があるとブレガ氏は話す。
家電ブランドのブラステンプとコンスルを展開する電気電子機器メーカーで国内最大手のワールプールのジョアン・カルロス・ブレガ・ラテンアメリカ担当社長は、ブラジルが信用危機に見舞われていると指摘する。同社長は、増税を通じて連邦政府が問題を解決するのを批判する。「全ての企業がそうであるように、財務の調整は支出に軸足を置くべきだ。調整には奇跡はなく、税の均衡は限界に達している」。以下は、同社長とのインタビューである。
エスタード ブラジルの状況をどのように受け止めておられるでしょうか?
ブレガ 事態がどのように推移しているのかを正確に分析するため、私は、これほど多くの友人や人々と意見を交換したことがない。ブラジルは、財政調整が求められていたが、財政調整そのものが問題なのではなかった。状況としては、政治危機が経済に打撃を与えたが、対処が遅れたことで信用と信頼の危機につながった。現在の問題は、信頼性だ。
エスタード 何に対する信頼性でしょうか?
ブレガ 将来だ。実業家がビジネスを始める、あるいは生産能力を増強する理由は何だろうか? それは、販売が拡大することに信頼を置くからだ。この人は銀行へ行き、融資を求める。銀行は実業家が将来返済することを信頼し、融資する。消費者は、雇用の観点から融資への信頼性を担保している。こうして、経済という自転車のペダルが回っている。だが消費者が失業する、あるいは失業しそうになっていることで、この歯車のチェーンが外れてしまった。
エスタード この信頼危機をどのように解決すべきでしょうか?
ブレガ 第1に、現実を直視することだ。私たちは財政の黒字を欲している。にもかかわらず税負担がGDP比でほぼ40%にも達しており、これ以上、税負担を引き上げる余地は残されていない。歳出の側で調整して民間投資の投資を後押しする必要がある。2014年12月に連邦政府は、レインテグラ(Reintegra:輸出業者向け租税還付特別制度)に3%の還付率を設定した。ところが翌1月には、財政が赤字になると主張して1%に縮小した。その後、給与税減税の終了を発表し、金融収益に対する社会統合基金(PIS)及び社会保険融資納付金(Cofins)を課徴する制度を導入した。その舌の根も乾かない内に今度は金融取引暫定賦課金(CPMF)を再導入すると言う。財政調整には奇跡など存在しないし、税の均衡は限界に達している。増税することでパイが小さくなり、歳入は縮小するだろう。一時的な税収の代わりに、私たちは、一時的な歳出削減を働きかけるキャンペーンを立ち上げるべきだ。
エスタード しかし連邦政府は増税の準備を整えていますが…。
ブレガ だから私は、遺憾なのだ。
エスタード あなたは、信頼性を構成する要素の1つが政治とおっしゃりました。その「膠着」を解消する方法は何でしょうか?
ブレガ 私は、その問いに対する答えを持ち合わせていない。弊社はサンパウロ州工業連盟(Fiesp)とサンタ・カタリーナ州工業連盟(Fiesc)、全国工業連合(CNI)の加盟企業で、これらの財界団体の活動は政治的部分を足場にしておらず、むしろ、ブラジルにおいてという考えを共有している。私たちの取るべき方向性は、インフラへの取り組みや、文字通り過去に例のない重大な損失を我が国が回避するために必要とされるいくつかの問題について真剣に議論することにあるだろう。だがそれは、歳入増という選択肢であるはずがない。私は、FiespとFiescが議論を進めていると受け止めている。
エスタード あなたは弾劾に賛成でしょうか?
ブレガ いいえ。なぜなら、我が国には政権を4年間担当して終える人物を選出するための憲法があるからだ。仮に意に添わなければ、次の選挙で正しいほうに投票すればいい。どう投票するかを学ぶべきだ。次の、市会議員・市長選から始めればいい。このような弾劾というシナリオは、私にはあり得ない。現在、連邦政府には39人の大臣がいる。ジョアキン・レヴィー財務大臣だけに注目しても始まらない。彼は財務大臣であり、金庫番で、「経理部長」だ。彼には政策に干渉する権限が与えられていない。もし彼が増加の話を始めるなら、歳出で身動きが取れなくなっているからだ。むしろ、全体を見ることこそ正しい議論。連邦政府は、9%の歳出増を盛り込んだ2016年の予算を国会に提出した。インフレ目標を4.5%に設定した一方で、連邦政府は予算作成でインフレが6.5%に達すると想定しているのだが、なぜ現実を見据えて4.5%あるいは6%とコメントしないのか? これらは、最低限の、対話のきっかけになる。仮にあなたが変化を求めるなら、指導者は変わる必要があり、それなりの態度を示す必要がある。
エスタード 大統領と財務大臣の行政手腕をどう評価していますか?
ブレガ 私はこの問題に踏み込んで発言するべきではないだろう。ジルマ大統領は、国民が評価したからこそ選出されたのだ。そして、今、「それなら辞めさせろ」というのは悪ふざけが過ぎる。
エスタード では、レヴィー財務大臣については?
ブレガ 彼の職歴は、財界人としてだけでなく、とりわけリオデジャネイロの局長など公人としても申し分がない。学歴においても、注文の付けようがない。むしろ私たちは、彼に対して何を求め要求できるのかについて、理解すべきなのだ。こういう言葉がある。「軍使を殺害しても何も解決しない」。私たちは、この軍使としてのレヴィーに銃弾を浴びせている。38だか39だかもある省局と1人の大統領がいるのだ。この部隊は、単純明快さを持ち合わせつつ、極めて包括的に提案を進める必要がある。そうでなければ、私たちは、近視眼的な対処に終始することになる。私は、レヴィー大臣の近視眼的な発言に注意を払っている。近視眼的な対処は税金分野に集中している。だが私は、これについては逆が本筋だろうと考える。私たちは、歳出面に注力するべきで、幾つかの対策を十分に理解した上で、安易だが解決につながらない増税中毒に陥らないようにすべきだろう。なぜなら、増税は歳入の増加につながらないからだ。来年度予算の前提として一定のGDP成長率を掲げるようなものだ。それは、私たちが掲げるべき前提とは言えない。
エスタード あなたの見通しはどのようなものでしょうか?
ブレガ 景気は横滑り、あるいは若干の落ち込みがあるだろう。これこそ、先行きの不透明感につながっている。連邦政府はこうした状況を正面から受け止めていない。こっちの方へ進んでいこうと呼びかける人がいないのだ。こうした人こそ、私たちが必要としているのであり、それは批判しているのではないのだ。
エスタード では、ブラジルが変化するにはどういう展望がありますか?
ブレガ ブラジルは終わったわけではない。この不況の中にも良いニュースがあると学んだ。つまり、不況には終わりがある。わずかに足りないものがあるなら、それがいつか、ということだ。今後、2つの論点をよく議論すべきだろう。つまり、この終わりの到来を早めること、そして、次の上昇期を勢いがあり持続的にするということだ。2017年までは、経済成長は見込めないだろう。2016年には市長と市会議員の選挙が控えている。選ばれた市長の勢力図は、次の大統領選挙にとって、優れた足場になる。市長選の結果がどうなるかが、次の大統領選の選挙運動につながっていく。景気が力強く回復するのは、2018年の選挙後だ。2016年と2017年までは、現在の状況の延長線で、目を見張るような状況は期待できない。(2015年9月14日付けエスタード紙)








