インタビュー:梅田邦夫大使は、両国は非常に高い相互補足関係にある国だと認識している。

梅田邦夫大使は、両国の関係を深める空間の存在をみている。 在ブラジル日本国梅田邦夫大使は、両国の経済関係を深める空間がもっとあると信じている。修好120周年、190万人の日系ブラジルコミュニティ、そして18万人のブラジル人が日本に住んでいることが、世界3位と7位の経済大国同士がビジネスにおいて両国を接近させている。梅田邦夫大使は、Valor紙のインタビューに対し、両国は非常に高い相互補足関係にある国だと答えている。

Valor:日伯のビジネス関係をより良くするには何ができますか。

梅田大使:2つ重要な点がある。1点目は商業政策。今年9月には経団連とCNIが共同で、貿易と投資の自由化に向けた日伯EPAに関する共同調査書を発表した。2点目は改革によりブラジルの競争力を強化していくことだ。ブラジル政府の努力は見られているが、課税への負荷を減らし、労働関連の問題を改善し、ブラジル経済を活性化するだけでなく世界経済へ影響を及ぼすインフラ整備などが挙げられる。日本がブラジル側に期待しているのは、経済特区の設立、優遇税制などを備えた中小企業促進政策、ロジスティクスやインフラ開発、ICMS税改革、そして自動車部品のような製造分野における人材育成にある。これらの提言は、ブラジル日本商工会議所の提言書AGIRにも含まれている。

Valor:どんなブラジルからの輸出商品が、日本で受け入れられるか。

梅田大使:鉄鉱石、鶏肉、コーヒーなどの伝統的な製品は日本で多く消費されている。新製品としては、アサイなどで日本での消費が増えてきている。その他、プロポリスやグラビオラも日本での可能性を秘めている。パラ州のトメアスで生産されているカカオは、環境に適した生産方法として、日本の大手食料メーカーにより取り入れられている。大使館のレセプションではブラジルワインを提供したりしている。

Valor:逆にブラジルに来る日本の製品は。

梅田大使:日本政府が海外進出の柱としているのは、医療機器とサービスの拡大、インフラとクールジャパン製品の輸出。また日本の製品を紹介するだけでなく、いかに付加価値のある製品であるかを強調していく。日本製品のブラジル輸出は、日系企業のコスト削減とブラジル市場へのPRにもかかっている。

Valor:金融経済危機は日伯の関係に悪影響を及ぼしますか。

梅田大使:ブラジルは、困難に直面しているが、法律に守られたデモクラシーを価値の基盤としており、政治基盤は強いと思っている。また国として、国家予算、インフラ開発や税制改革などに取り組む努力を進めている。この困難に打ち勝ち、公平な社会へと成長していくものと信じている。

Valor:ブラジルに対する日本のプロジェクトは継続していくのか。

梅田大使:日本企業の対ブラジル投資は、2008年から2013年の間に増加した。日銀によれば、2008年の1兆5千億円から、2013年には3兆5千億円に達した。既に700社近くの日系企業がブラジルで活躍している。農業インフラ、都市交通、医療機器とサービス、観光サービス、情報や通信などの新しい分野への投資にも注目が集まっている。新しい投資は、いかにブラジルでの難しさを克服するかがキーとなる。日本政府は、中小企業の投資や企業進出を後押ししているが、ブラジルコストを削減する必要がある。JETROと日本政府は、日本企業とブラジル企業のパートナー構築を支援している。JICAも日本の中小企業の製品や技術を、ブラジル企業に紹介する場を持っている。

Valor:出稼ぎは継続されるか。

梅田大使:日本に住む外国人では、ブラジル人は3番目に多い。18万人が日本の社会や経済の発展に貢献してきている。2007年のピーク時には、32万人のブラジル人が日本に住んでいたが、日本の経済状況などで減少してきている。リーマンショック後の2012年に、日本政府の支援を活用してブラジルに戻ってきた人は、日本に戻ることを申請できる。これにより一時的に増えると思う。

Valor:ブラジルワールドカップで、日本の応援団がスタジアムを掃除していたのが注目された。教育においてブラジルが日本から学べることは。

梅田大使:日本では、全生徒が教室を掃除する。学校で毎日掃除の時間がある。また多くの学校では、生徒が昼食を配給し食器を洗う。日本人は自然に掃除し整頓する慣習を身につけている。更に生徒は体育の時間も倫理の時間として、また教訓や規律の大切さを学びながら育っていく。その反面日本人もブラジル人から、ダイバーシティへの尊重、寛容の助長、そして率直に意見を言えることを学ぶことができる。

Valor:シリア、レバノン系と違い、日系人はブラジル政治の代表者になることが少ないが何故なのか。 梅田大使:ブラジルの発展に貢献している日系人は、国会に4人存在する。事実として、ブラジル社会における日系人の比率が少ないことがある。しかし、違う参加の仕方をしていると思っている。将来は、もっと多くの日系人が政治に参加することを期待している。(2015年12月11日付けヴァロール紙より抜粋)

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