論評【生気を失った工業】

地力を失い、覇気もなく、貪欲さも失った状態で、ブラジルの工業部門は、後退期に入った経済に足を引っ張られつつ、失業者を生み出しながら2016年も低空飛行を続けることになる。工業生産指数が2015年に前年比8.3%低下した工業部門だが、市場の予想によると、今年も同指数が3.80%以上も低下する見込みだ。2015年の工業生産指数の下落幅は、2003年に始まった統計史上最悪のもので、第1次ジウマ政権が発足した2011年に始まって以来積み上げてきたミスを、ここでも証明した。これらのミスは、保護貿易主義や第三世界主義、特定のグループや業界を対象にした税制優遇策や金融政策などで、現政権はその大部分を前ルーラ政権から引き継いで延長し、拡張してきた。

金融エコノミストは、経済が回復に向かうのは2017年以降と予想しており、この年の工業生産指数については0.70%から1.50%程度の拡大を見込んでいる。だが、より迅速かつ力強い回復の可能性については、各種の公式データが否定している。インフラと工業用機械設備、そして当然のことながら、近代的な生産システムに適応した熟練労働者に対する投資不足から、ブラジルは、数年にわたって潜在成長率を失ってきた。労働者党政権は、成長戦略を逐一誤っただけでなく、教育政策においては、とりわけ、その多くが不適切に高等教育と呼ばれるものへの参入障壁緩和を目的として、最悪ともいえる判断ミスを犯した。

国家政策が悲惨なまでの悪影響をばらまいたことは、ここへきて、機械設備と呼びならわされる資本財への投資に関する幾つかのデータが明白に示している。ブラジル地理統計院(IBGE)が2月2日に発表した統計によると、資本財の生産は2015年に前年の水準を25.50%下まわった。この下落幅は、実質的に、工業部門全体で記録した平均の3倍にも達するのだ。これに次いで生産が低下したのは、耐久消費財の生産(前年比18.70%低下)で、その原因の多くは、失業の拡大と信用の収縮、自動車及びその他の高額品の購入を後押しするインセンティブの縮小といった事柄で説明できる。国内市場が縮小しているのに加えて為替相場がドル高レアル安に傾いており、工業部門は、為替効果で値下がりした製品を国際市場で販売すべく市場の開拓に乗り出している。こうした手法は過去にも、ブラジルで発生した経済危機において工業部門がしばしば使ってきた。だがこの方向で歩みを進めるには、企業の側も最低限の俊敏さと競争力を確保する必要がある。国際市場で競争に打って出ると決めたメーカーは困難な状況でも輸出を継続する一方、残された企業は競争する活力もなく立ち往生している。2015年の場合、工業製品の輸出は727億9,000万ドルで、営業日1日当たりで比較すると前年比8.16%減少した。

国際市場でシェアを確保できない理由は、機械設備に対する投資額の減少から説明できる。資本財の調達額は、過去数年、国産品だけでなく輸入品においても下降線をたどってきた。機械設備の国内生産は、2014年の時点ですでに前年比9.30%低下していたが、2015年には同25.50%減少、工業部門の中核となる製造業の疲弊は一層深刻になった。国外から調達する資本財が減少したことは、長期的な低迷を反映したデータから確認できる。2015年に資本財の輸入は、前年比21.16%減少したのだ。しかも2014年にも、前年比7.64%減と落ち込んでいた。

これらは、IBGEがこのほど発表した経済統計の中でも、とりわけ深刻な部分である。工業部門は、自動車やその他の消費財の販売が落ち込んだとしても、急速かつ強力に回復できる。だが、生産性向上に対する設備投資が数年にわたって縮小した後では、そう易々とは回復できないのだ。(2016年2月3日付けエスタード紙)

 

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