【外部委託の業種制限撤廃を政府が支持へ】

上院の法案は、外部委託をあらゆる業種に認めることを想定している。大統領府は、この法案の年内成立を目指して後押ししている。

テーメル政権が、2015年の初頭に下院で提案され、上院の審議に回された外部委託の対象業種の規制撤廃に関する法案の可決に向け、これを支援する。

経営団体から賛同を得ている一方で中央労組の非難の的になっているこの法案について、大統領府は、年金制度改革と歩調を合わせて年内に可決することを期待している。

ロナルド・ノゲイラ労働大臣によると、連邦政府は国会に同一の問題に関係する別の法案を提出する予定だが、それでも、連邦政府が下院を通過し上院に提出されたこの法案を支持する考えには変わりがないという。これについて同大臣は、時間を短縮して生産部門に対して可能な限り迅速に、コストの削減につながる具体的な対策を提示するのが連邦政府の目的だからだと説明する。

外部委託の再定義は、大統領府内で「雇用関係の近代化」と呼ばれる対策ポイントの1つである。労働制度改革では、労使の団交による合意が法律の規定に優先することを認める。これを前提とすることで、労働時間や給与の削減、PLR(従業員への利益と成果の分配)のような憲法によって柔軟な適用が認められている条件以外にも、休暇と13か月給与、最低賃金、夜勤手当、勤続期間保障基金(FGTS)など、他の恩典も交渉可能になる。

エスタード紙が入手した情報に基づけば、市場と関係閣僚の間で、ノゲイラ労働大臣の評価は芳しくない。同大臣は、労働制度改革を推進するだけの実力はなく、テーメル政権が主張する政府立法を取り消すよう、大統領府から責任を負わされるだろう。労働大臣は、作業部会で協議後に、外部委託に関連した連邦政府の対応を固めると中央労組に対して約束している。だがその作業部会は、設立されたもののこれまで1度も会合を実施していない。

テーメル大統領直属のスタッフは、労働時間が週44時間未満の雇用形態及び時間比例給与制度という部分的・間欠的な労働に対する正規の労働契約という新たな2区分を導入することも希望している。

外部委託をあらゆる業種に開放する法律の成立に向け与党会派が国会内で確保している票数について質されたゲデル・ヴィエイラ・リマ国家統合大臣は、エスタード紙に対し、「これらの法案のいずれも全会一致で可決されるとは、誰も考えていない」と応じた。さらに、「世界の民主国家ではいずれも労働基準の改定について協議をしているし、社会保障関連では常に激論を交わしている」と付け加えた。

しかし同大臣によるとこれらの対策は、長期的な成長を確実なものにするために不可欠なものだという。その上で、「あらゆるブラジル国民に幻想を抱かせてきた時期、すなわち国際情勢が国内経済の追い風になっていた時期と今は異なる」と指摘した。

法案は、当時のエドゥアルド・クーニャ下院議長(PMDB:ブラジル民主運動党)が卓越した政治能力を発揮して可決させた後、罷免されたジルマ・ロウセフ大統領ら当時の労働者党(PT)政権から切り離された。テーメル政権は今後、下院で承認された法案を大筋で受け入れるよう、レーナン・カリェイロス上院議長(PMDB)を説得する必要がある。

一方のレーナン上院議長は、労働条件が非正規雇用化するような条件がある法案には賛同しない考えを示す。特別委員会に同法案を提出したパウロ・パイン上院議員(PT)でさえ、同じ意見だ。同上院議員は、外部委託労働下にある国内1,300万人のブラジル人労働者に基本的権利を確保するため、新たな内容のものを提出するという。

「下院の法案は、外部委託の限度を示していない。その意味において、この法案は上院を通過することはないだろう」とパイン上院議員は断言した。パイン上院議員は、国内の全ての州都に足を運び、下院を通過した法案を拒否すべきだという「全会一致の意見」が寄せられたとしている。

審議中の法案
1. 外部委託が可能な業種は?

民間企業はすべての業務で外部委託が可能である。公共部門は周辺業務に限り外部委託することが可能。

2. どのような事業活動を外部委託可能か?

民間企業の事業活動のすべて。

3. 労働費用の責任はどこにあるのか?

委託業務先。委託元は支払いが適切に行われているかを確認し、社会保障サービス(INSS)の雇用者負担を事前に差し引く。

4. 労働訴訟になれば?

労働費用が支払われていない場合、契約当事者が委託先と訴訟に対応する。

5. 新法は施行後の新規契約のみに有効なのか?

違う。大統領の裁可から6か月後をめどに現行の契約も新たな規定に対応して修正できる。

6. 統合労働法(CLT)に基づく正規社員を解雇して外部委託の形で再契約できるか?

できる。ただし下院の法案に基づけば、このような雇用形態の変更が可能になるのは法律の施行から1年後となる。

7. 単一の雇用主だけを相手にした作業の場合は労働契約に相当しないのか?

しない。だが法案では、外部委託された人たちは、仮に外部委託がCLTの適用に基づく雇用関係を回避するのが目的とする場合には裁判所への提訴が可能だとしている。(2016年9月5日付けエスタード紙)
 

 

https://camaradojapao.org.br/jp/?p=42366