スエリー・カルダス
ここに至って、国内4大年金ファンドはしかるべき扱いを受けるようになった。すなわち、警察による捜査だ。しかも今回の容疑は、ラヴァ・ジャット作戦のセルジオ・モーロ判事の不当捜査などと不満を表明できるようなものではなく、ブラジリア裁判所の措置であり、嫌疑が掛けられた80億レアルの凍結も認められている。この金額は告発済みだ。連邦警察によるグリーンフィールド汚職捜査で最も印象的なことは、巨額の資金が動いていただけでなく、その不正がおよそ10年という長期にわたり、かつ、その間にも監督機関がそれを見抜いて責任者を処罰できなかったということだ。年金ファンドの事業に対する政府の介入と、投資として贈賄する企業、制度に対して敬意の片鱗もない政治家と組合関係者、脆弱な審査体制、政府の思惑を優先する事大主義といったもろもろが積み重なり、長年にわたり絶望的な金額の損失を生じさせ、ここへ来てようやく連邦警察の捜査の手がかけられた。
過去数年、ブラジル銀行員年金ファンド(Previ)とペトロブラス従業員年金ファンド(Petros)、連邦貯蓄銀行員年金ファンド(Funcef)、郵便公社従業員年金ファンド(Postalis)は、総額で530億レアルにも達する信じ難い累積損失を計上してきた。これら国内4大年金ファンドには31万5,000人が加入しており、FuncefとPostalisの場合、連邦貯蓄銀行と郵便公社の従業員と年金受給者が、損失を補填するために給与あるいは給付額が減額されている。次は、ペトロスで同様の措置が講じられるだろう。その経緯に目を転じれば、これは、直接的に監査に責任を負い社会保障院総裁直属の国家民間年金庁(Previc)だけが責任を負うというものではなく、金融取引を監督する証券委員会(CVM)も不正行為に見向きもしなかったかこれを見落としていたのだ。中央組合とこれらの企業の労組は、街頭に出て年金ファンド理事会に対して抗議しファンドの権利を要求し、関係者を追い出すべく説得すべきだ。なぜそう言えるのか?
単純に、彼らが損害に関係し、かつ利害関係者であり、責任者であるという理由だ。現在の規定に基づけば、ファンド・マネージャーの理事会の半数はファンド支援企業が指名し、残り半数を公社社員を代表する組合が指名する。そのため労組幹部も、グリーンフィールド汚職捜査でこれから何人かが逮捕されるような不正行為に対して、同じく責任がある。リスクに気づかなかったという主張はできないはずだ。なぜなら、彼らが金融取引を行った時点でその債券は既に虫食い状態だった。ベネズエラの国債、完全に不履行状態のアルゼンチンの国債、あるいは、取引直後に廃校し多数の学生を卒業証書を持たせずキャンバスから放逐したガマ・フィーリョ大学の無担保社債。PetrosとFuncef、Previは、ペトロブラス向けのリグ船を供給するはずだったが民事再生に至ったセッテ・ブラジルに対する投機で、33億レアルを失った。
ルーラ政権が発足した2003年の時点で既に、捜査対象になっている4大年金ファンドの内3団体が、労働者党(PT)の党員である労組関係者と、ラヴァ・ジャット作戦で逮捕された別の労働者党員ジョアン・バカーリ・ネット被告が当時理事を務めていたサンパウロ銀行労組出身者の手に移された。すなわち、9月第2週に連邦警察に証言したセルジオ・ローザ容疑者がPrevi理事長となり、Funcef理事長は、同様に数日前にエスピリト・サント州で逮捕されたギリェルメ・ラセルダ容疑者、Petros理事長にはワグネル・ピニェイロ氏が就任したのだ。この3人は、行動の足並みを揃え、ファンドの資金を使ってPTを支援する活動を考え出した。それは結果的には推進はされなかったが、バカーリ・ネット容疑者が理事長を務めた銀行協同組合をモデルに、当時はPTに所属していたマルタ・スプリシー・サンパウロ市長が率いるサンパウロ市に関連した住宅組合を設立するというアイデアなどだった。
民間年金ファンドの管理運営を金融資産運用の専門家に任せ、理事会に政治家や労組理事の指名を難しくさせようとする法案は、上院で可決済みだ。だが中央労組は、審議を下院に差し戻すことに成功した。同法案は進歩と言えるが、しかし、査察の厳重化という面では敗北を喫した。誠意に欠ける理事たちを抑制するには、インターネット上にそれぞれの年金ファンドの業績掲載するのをPrevicに義務付け、それらの企業の労働者と年金受給者に対して彼らの資産の運用を監査する機会を与えることが効果的だろう。(2016年9月11日付けエスタード紙)
スエリー・カルダス ジャーナリスト、リオ・カトリック大学(PUC-RIO)教授








