中堅建設会社が、工事の受注だけでなく、高速道路と空港、港湾のコンセッション入札で大手ゼネコンが「退場」した後に空いたスペースの確保に向けて動き出している。
建設業界の国盗り合戦で、大手ゼネコンがこれまで担ってきたインフラ分野の投資家としての地位を奪おうと中堅建設会社が狙っている。これらの企業は、建設工事の受注にとどまらず、高速道路と空港、港湾のコンセッション入札、更に基礎公衆衛生事業における官民パートナーシップ投資計画(PPP)でも、参入の機会をうかがっているのだ。
だが、これらの事業で中堅建設会社による下克上が成功するには、連邦政府が規模の小さい企業が参入できるよう障壁を緩和する必要がある。第1に、事業そのものの規模を縮小する必要がある。コンサルティング会社KPMGのマウリシオ・エンドウ氏に言わせると、高速道路の事業認可区間を細分化して中堅建設会社が扱うキャッシュの規模に収まるようにするのだ。この場合、コンセッション事業はよりシンプルになり、高速道路や空港などでは地下鉄事業以上に、これまで以上に小規模のグループに受注のチャンスが拡大すると同氏は言う。
建設会社バルボーザ・メーロの持ち株会社のブルーノ・セナ社長は、「当社は技量を備えてはいるが、現在の民営化モデルで求められるような極めて大きな投資を進めるだけの会社規模を持たない」と話す。同社は、ラヴァ・ジャット作戦が始まる前の2013年、コンセッションとPPPの事業入札に応札しようと、建設事業部門を立ち上げた。
2015年、ベロ・オリゾンテ市役所と交わしたのが最初の契約だ。同社は今後20年で、コンソーシアムへの参加企業として、5億レアルを投資してミナス・ジェライス州の州都で、街灯のメインテナンス事業を推進する。さらに同社は、国内最大のボトルネックの1つと位置付けられる高速道路と空港、港湾、下水処理事業も有望だと受け止め機会をうかがっている。「市場は現在、浮き沈みの激しい状況。そして、市場がやせ細った状況だからこそ、バルボーザ・メーロのような保守的な企業が頭ひとつ抜けていくことができる」とセナ氏は言う。
このように強い関心を寄せているにも関わらず、中堅建設会社の経営陣は、連邦政府の投資計画の進め方は明瞭さを欠いていると不満を述べる。その上、ラヴァ・ジャット作戦の捜査対象となったゼネコンだけでなく、業界全体に対する信頼性も失われている状態だ。「良く練られていない計画を、私は一切信じない」とトニオロ・ブスネロのウンベルト・セーザル・ブスネロ取締役は話す。同社は過去に、サンパウロ州とパラナ州、リオ・グランデ・ド・スル州の高速道路事業入札に参加した経験がある。
こうした状況下で、将来予定されている事業入札でパートナーを組むべく、外資系企業による建設会社の調査も行われている。今のところ、これらはすべて、対話段階にとどまる。「より深い分析は、入札図書が公示されてからになるだろう。その時になって、事業入札に応札できる条件が備わっているかどうかが判明するだろう」。
照準
ただし、一部の建設会社は事業内容を多様化するのではなく、建設工事の受注拡大に照準を合わせている。SAパウリスタの公共工事の専門家、ジャイメ・ジュラスゼキ氏は、「当社のビジネスは飽くまで建設事業だ」と話す。同社は2016年、高速道路と鉄道の建設工事において、連邦政府の受注額で第3位に入った。
SAパウリスタとは逆に、ドイツのホッホティーフのDNAには、公共工事の文字はない。ブラジル経済の奇跡と呼ばれた60年代にブラジルに進出して以降、同社は、民間部門からの受注ンに中心にしてきた。それ以降、様々な浮き沈みを経験し、2009年には業界の寡占傾向が強まったことで、ブラジルから撤退する瀬戸際まで追い込まれた。だが同社は、自社の立ち位置を確保するためには適切な時節の到来まで辛抱することを知っていた。
同社のデトレフ・ドラレ社長によると、2015年に大手ゼネコンが市場から姿を消したことで、ホッホティーフは総額13億レアルの工事を受注し、国内第14位の建設会社へと浮上した。「2015年は、当社の歴史上最高の1年だった」。同社長は、ブラジルでは投資を進めていくのに小規模の企業と足並みを揃えていく必要があると受け止めている。だが、中小の建設会社には限界がある。BMAの経営パートナー、エドゥアルド・カヴァリャエス氏は、大規模な工事には、小規模の建設会社が備えていない事業能力が求められると言う。このような場合、プロジェクトを細分化することも選択肢のひとつと指摘した。(2016年9月12日付けエスタード紙)








