ジエゴ・ボノモ
ブラジルの工業は外国市場へのアクセス拡大を必要としている。国内市場に目を向けると2年にわたって景気が後退し続けていることから、国内企業は、ビジネスモデルに国際市場を組み込み始めた。大企業か小企業かは別にして、製品とサービスを販売し、中間投入財と技術を輸入し、提携先や外国人投資家を探している。
ブラジルが世界から孤立していることを示すデータは、広く知られている。こんにち、ブラジル企業が調達において輸入税が免除されるのは、国際貿易全体のわずか8%に限られるのだ。しかもブラジルは、経済規模のランキングと輸出規模のランキングの差が、G20の中で最も大きい。GDPが世界第7位でありながら輸出が25位にとどまる状況は、ブラジルがいかに世界経済から孤立しているかを如実に物語っている。
こうした状況をベースに、工業部門は2012年、ブラジルが貿易協定の交渉計画を再開することの重要性をブラジル政府に納得させるため、コミュニケーション及びポジショニングに関するキャンペーンを大々的に展開した。新共和国の誕生以来、この計画は、3つの異なる段階を踏んできた。
第1段階は、軍政から民政の移管期に始まり、イタマール政権で修了した。目標の中核に据えられたのは、アルゼンチンとの地政学的競合問題を解決し、ブラジルの輸出拡大に向けた経済的な余地を確保することだった。こうした役割を全うするため、外務省を中心にしてブラジル政府は、ウルグアイと、続いてアルゼンチン、パラグアイを含むメルコスールの基礎を築いた創立メンバーとの貿易交渉を行ったのだ。この段階は、経済圏の対外共通関税(TEC)の導入を定めたオウロ・プレット議定書調印で終了した。
第2段階は、カルドーゾ(FHC)政権とルーラ政権にわたり推進された。主な目的は、実際のところ、「南米の自由貿易圏」を確立することだった。再び外務省の指導体制の下、この戦略は、自由貿易協定を通して、メルコスールと南米大陸の非加盟の国々を結び付けるという戦略を推進した。このモデルは、ボリビアとチリ、コロンビア、エクアドル、ペルー、ベネズエラとの交渉にに適用された。
このステージの終了後、ブラジルが積極性と目標を失ったかのような、第3段階が幕を開けた。エジプトとメキシコのようなパートナーと重要な貿易協定の交渉を進めたかと思えば、ブラジルは、イスラエルとパレスチナ、IBAS(インド・ブラジル・南アによるワークグループ)のような極めて政治色の強い相手と協定の締結も模索した。これらは一定の進捗を見たが、計画そのものは、何より協議が事実上の棚上げになってもドーハラウンドの交渉完結にこだわったことで支離滅裂なものになった。
結局、貿易協定は、2015年に国家輸出計画(PNE)を発表してようやく締結に向けた交渉の俎上に舞い戻った。今回は商工サービス省(MDIC)が全体をまとめており、PNEは、民間部門と協議し歩調を合わせる広範囲にわたる努力によって、新たな貿易協定に向け、明確な指針と現実的な目標を再設定した最初の公文書だった。
テーメル政権が導入した貿易面での優先課題と、経済及び政治情勢を背景に、交渉は大規模に進められている。こうした流れを受けて工業部門は、我が国の貿易計画再建に向けた外務省とMDICの共同作業に、大きな期待をかけている。
この新段階では、計画は工業部門が優先課題とする分野に集中することになる。すなわち、アメリカと欧州連合(EU)の自由貿易協定に向けた交渉;カナダとメキシコとの追加合意を通じた北米市場との統合;ラテンアメリカ諸国との協定の拡大と強化、新規締結に向けた交渉;そしてアフリカとアジア、中東でのビジネスチャンスの探究である。
目標の達成は容易ではないが、可能ではある。あらゆる経済大国がジレンマに直面しているが、そのいずれも、新たな市場の探求においてブラジルほど時間を無駄にしているところはない。(2016年9月13日付けエスタード紙)
ジエゴ・ボノモ:全国工業連合会(CNI)の貿易担当常務理事








