アルミール・パジアノット・ピント*
2016年末に大統領に提出された提案は、不備よりもむしろ盛り込み過ぎという問題をはらんでいた。
ミシェル・テーメル大統領のブレーンらは、労働関連の不安定性というのは法整備の不足からではなくむしろ過度の法規制から来るのだと理解すべきだ。統合労働法(CLT)が施行された1943年5月以来、雇用者と被雇用者の関係に国家がより深く介入する以外のことは何も行われてこなかった。そして922条からなるCLTは、生まれながらの肥満児だった。
メキシコやボリビア、ベネズエラといった国々が労働法を制定し、国際労働機関(ILO)が国際労働基準の制定に取り組んでいた時期に相当する。学術理論の域を出なかったとして法律専門家と国会議員らを批判したオリヴェイラ・ヴィアナ氏の記述を引用するなら、これは「虚空に構築された純粋芸術」として扱われた。
都市人口がわずかで少しばかりの工場労働者しかいなかった農業国のブラジルにとって、CLTは、労働の質にイノベーションを巻き起こした。しかしそれは、例えば専門職の身分証に撮影日の日付が映しこまれた写真を使用するとか、報酬にチップを含めることを義務付けるとか、夜勤では52分30秒を1時間に換算するとか、工具間の設置間隔80cmとし機械の可動部分には130cmの間隔を置くと言ったように、余りにも冗長だという欠点にあふれていた。
70年という長い期間の中で、我が国のニーズに応じたわずかな法律のひとつに、勤続期間保障基金(FGTS)の設立があり、その来歴については、ルイス・ヴィアナ・フィーリョ氏が著述した「カステロ・ブランコ政権」という本に詳しい。だがこれは、安定した雇用の継続を目的とする「法定福利費という美徳のために真綿で首を絞められた」公社の買収と売却、合併につながった。国立エンジン製造工場で起こったことがまさにそれで、「赤字など許し難い、経済に何らの貢献もしないし、トラックなどは民間企業で生産できるものではないか」。
支払いの日割り計算の有効性、あるいは労働時間管理システムといった重要な問題が解決の見通しの立たない状態で放置され、裁判所と労働裁判所は不満を持った受益者の不平の大合唱で埋め尽くされている。
労働制度改革を幸先よくスタートするために、テーメル政権は、2件の措置に早急に進めるべきだ。すなわち、 1)不可解にも上院で審議が止まっている外部委託法案の認可と、 2)憲法第7条第XXVI項の規定に従い、協約及び団体労働協約を尊重することである。
外部委託について、私は、意見を差し控える。この問題は既に広範囲に議論がなされている。下院で可決した法案は優れたものだ。より洗練することもできたろうが、利害関係者間で十分な議論を尽くした結果だ。
団体労働協約の妥当性に対する修正では、まげて解釈するような余地はない。協約及び団体労働協約を尊重するための要件を示したCLT表題VIを改正し、労働省に対しては単に書類を登記するだけとなる(CLT第614条)。目的及び内容があると見做された場合には、あらゆる交渉が有効となる。これは国際労働機関(ILO)の勧告第194号として出されたもので、イタマール・フランコ大統領が採択を宣言して1994年9月29日の行政命令第1,206号として施行された。第1条は次のようになっている。「国際労働機関の勧告第154号は、1981年6月19日にジュネーブで締結され、団体労働協約にインセンティブを与えるものであるが、本行政命令に複写するがごとく、その内容を完全に包含している」。
高名なロナルド・ノゲイラ労働大臣に敬意を示して申し上げるが、2016年末に大統領に提出された提案は、不備よりもむしろ盛り込み過ぎという問題をはらんでいた。平準化せずに進められたことで、例えば、法律第6,019/74号で一時雇用について扱い、憲法第8条で作業場への雇用者側の代表を置くことが想定されるなどしている。
一時雇用契約に関して言えば、法律第6,019/74号で規定する一時雇用契約についていえば、時に労働雇用省の規制を受けるが、明確かつ簡潔、客観的な法令モデルだと受け止められている。同法の内容は平和的かつ安定的で、唯一論争になっているのは部分は、準憲法時限法(ADCT)第10条第1項b号で想定する妊娠中の従業員に対する恩典についてこのほど労働裁判所が、一時的な受託業務者に対して不適切にも拡大した部分である。このような過度の創作的運用さえなければ、同法は、一時的な受託業務に関連して大きな波風を立てないものであり続けるだろう。
企業内の従業員の代表については、憲法第11条が、この問題について十分に対応している。同条では、次のように説明している。「200人以上を雇用する企業において、雇用者と直接的に協議を取りまとめることだけを目的として代表者を1人選出することを保証する」。そこでは、規則の必要性について言及していない。それは利害関係者によって解決するべき問題として扱われる自己管理的な性質と位置付けられている。
社内の代表に対する安定性の付与は、憲法の枠組みで想定していない保証の提供であり、雇用者側からの強い反発を生じさせるだろう。全国労働会議において、憲法修正案第369/05号(PEC 269/05)の附則である労働組合関連法案に労使の双方から激しい非難を引き起こしたのは、まさにこれが原因だ。
失業者が1,200万人以上を数える状況で、連邦政府はいばらの道を進むというリスクは取りたくないだろう。そうした中で勇気をもってロナルド・ノゲイラ閣下が発表した法案を、私は支持する。もっとも私は、無条件にそれを支持することはできないが。(2017年1月10日付けエスタード紙)
*アルミール・パジアノット・ピント 弁護士で元労働大臣・労働高等裁判所(TST)元長官








