論評【我々は働きたいのだ】

ゼイナ・ラティフ

労働市場に安定をもたらすサインが出たことは喜ばしい。インフレ圧力を生じさせて債務不履行への懸念を高めるなど、財政危機がリセッションの原因として居座っているものの、経済システムには、労働市場の機能不全といったような、経済危機を一層悪化させるような歪みが存在する。それこそまさに、人々の生活に最も影響し、景気の回復ペースの足かせになり、2018年の政治情勢を決定づける。

不況と、厳しい財務状況に置かれて経済情勢に対して企業がこれまで以上に敏感になる中、労働市場の調整は不可避だろう。この調整が給与の低下によって推進されるほど、解雇が減少するだろう。ナエルシオ・メネーゼス・フィーリョ氏が現在の不況に関して引き合いに出した1996年から2003年には、このような状況は発生しなかった。(インフレを差し引いた)実質賃金の落ち込みはわずか(不況入りしてからの2年間でわずか2%)で、失業率はあまりにも上昇した。

2015年から2016年にかけて、職能別労働組合加入労働者の給与調整は、年間に平均で9%から9.5%であり、サンパウロ大学経済研究所(Fipe)によるとこの間のインフレ率は平均で年率8.9%である。失業率が高い水準にあるものの、わずかながらも所得は実質増なのだ。

それだけにとどまらず、2015年のインフレ率は、電気料金の突発的な値上げに汚染されていたのだから、インフレ率をまるまる給与調整に適用しないことが賢明な判断だろう。生産部門、とりわけ、生産性が低下している企業にとっては持続不可能なコストだ。理想を言えば給与調整は、賃金スライド制を避けて、将来のインフレに対する期待値に照準を合わせるべきだろう。

労働組合員は善意で行っているのだろうが、過去のインフレ以上の実質賃上げを求めることも含めて給与交渉に圧力をかけることは、不況を悪化させて失業率を引き上げ、インフレを頑固にするのに貢献した。

賃金と労働時間の調整の交渉に対して労働者と雇用者の間で大きな自由裁量の余地があれば、2015年以来300万人という過去に例のない規模で人々が職を失うという解雇の嵐は、恐らく、より穏やかだっただろう。それは社会の充足にとってより良い結果をもたらしたはずで、より迅速な景気の回復にも貢献したはずだ。

国家が労使関係を規制することは当然だ。だが、裁判所が900万件以上の労働訴訟を抱えているブラジルは、大きくその範囲を逸脱している。我が国は、欧州諸国のように、労働市場の規制が大きいという伝統を持つ国の一員に数えられる。統合労働法(CLT)と憲法の様々な規定、労働高等裁判所(TST)の凡例は、この市場に計り知れない複雑さと法的不安定性を生じさせている。あまりに多くを守ろうとすることで、不況下で解雇のリスクを高めて回復期に雇用契約を拡大する余地を縮小し、結果的には労働者階級に害をなす。

経済の回復に役立ちそうな2つの喜ばしいニュースがある。

我が国は、危機から教訓を得ている。3月22日、国会は、国会に提出された労働市場を改革する2つの法案の内1法案、外部委託に関する法案を可決した。もうひとつのニュースは、「法の統制に優先する合意」として知られるものだ。労使関係におけるより大きな柔軟性と保護に向かって、考え方が変化したのだ。これらの政策は、雇用の再開を支援するだろう。

別の喜ばしいニュースは、生産部門では解雇拡大への必要性が示唆されるように脆弱にもかかわらず、労働市場に安定をもたらすサインが出たということだ。最近の様々な調査結果で、経済が曲がり角に来たと期待する雇用者が増加していることを示唆している。

労働市場は、2018年の選挙と、従って、改革に対する取り組みの継続に対する鍵を握っている。おそらく社会は、改革がいかに経済成長のために重要かを理解しないのだ。ルルド・ソラが指摘したように、経済に関する議論というものは、一般市民にとっては遠くのどこかの話だ。それだけに、経済の取り組みの変化が雇用の拡大につながる意味のあるものだと国民が認識することは、極めて重要になるだろう。

2018年の選挙でショックを避けるのに十分なほど雇用の回復が時宜を得て強力なものになるか、この目で確かめることになる。(2017年3月23日付けエスタード紙)
 

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