【WTOが210億レアルの助成を見込む産業振興策を協定違反と認定】

WTOは、ブラジル政府が推進している7件の産業振興策について、国際貿易協定に違反しているとするパネル報告書をまとめた。そのひとつのイノヴァル・アウトについてWTOは、2010年以来、250億レアルのインセンティブが与えられたと分析した。自動車とIT、情報通信といった産業を対象にした7件の産業振興策について、国際貿易協定に違反していると認定。これらの産業振興策では、2019年までに少なくとも210億レアル規模で税控除等の租税支出が行われる。

ブラジルは8月30日、世界貿易機関(WTO)において重大な敗北を喫した。自動車産業やIT産業、情報通信産業などを対象にした国内の産業振興策に対してWTOは、国際貿易協定に違反しているとするパネル報告を採択したためだ。予算指針法の見通しに盛り込まれたデータに基づくと、これらのプログラムに伴って2019年までに少なくとも210億のレアルの租税支出が行われる。2017年だけに限定しても、その額は680億レアルになる。

このように協定違反とされ、WTOがこれらの計画の変更を求めているにもかかわらず、ブラジルがその影響を即座に受けるわけではない。公式には、違反が認定された国がこれらの助成を撤廃するプロセスに、パネルの報告書が採択されてから90日の期限が与えられる。実際のところ、ブラジル政府に12月までにこれらの政策を修正しなければならないことを意味する。だが、外務省は上級審に申し立てする方針を固めており、この場合、WTOの判断が確定するのは2018年、場合によっては2019年になる。

自動車業界向けの技術開発投資振興計画イノヴァル・アウトとテクノロジー分野を対象にしたIT法などを含めた振興策に対する提訴は、2013年、欧州連合(EU)と日本が行った。この過程でブラジルの国内法が、国際的な貿易協定の規定に「違反している」こと、ブラジルが署名済みの協定の観点からは違法、つまるところ「禁止された助成」である免税だということが確認された。

その問題の柱は、低い税率を設定することで国内企業に恩恵を与えるためにブラジル政府が求めた規制である。例えばそのひとつは、自動車メーカーに国内生産を促すことだった。この規定に関してWTOのパネリストは、ある種の偽装された助成であると位置づけた。

弁護する側のブラジルは、これを社会的、環境的、厚生的な側面を持つ支援策とし、「公共道徳」を守るという点からも導入されたと主張した。WTOの判断は、2010年以降、7件の産業支援策によって民間部門が、総額250億レアル規模の恩恵を受けたと考えられると判断した。

今回の判断がWTOにおけるブラジルの過去に例のない大敗北ではないかという質問を受けた外務省のカルロス・コゼンディ経済金融問題担当事務次官は、ブラジルは小さな問題で標的となり、わずかばかりの敗北を喫したのだと指摘。「すなわち、過去には一層複雑な問題に対処したことがあり、また今回の問題はまだ終わったわけでもない」とコメントした。ブラジルは今回、国際貿易協定への違反とされたものの、財政赤字の削減に取り組む政府経済スタッフにとっては、この判断が追い風になるという見方もある。専門部会は既に、企業に対する減税と国益との比較を含め、特別税制の見直しに取り組んでいる。(2017年8月31日付けエスタード紙)

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