【予算法案がSシステムの収支の透明性確保に照準】

国庫から公的社会支援諸機関(Sシステム)に交付される巨額の資金が、国会審議の標的になっている。2018年の年次予算法案の歳入に関する見通しを国会に提出するアタイーデス・オリベイラ上院議員(PSDB:ブラジル民主社会党=トカンチンス州選出)は、諸機関向けに集金された資金も国家予算に計上する項目に編入する方針だ。目的は、全国産業職業訓練機関(Senai)や社会商業サービス機関(Sesc)、零細・小企業支援サービス機関(Sebrae)などのSシステムの機関に振り向けられる資金の使途の透明性を高めて、資金を目減りさせないことである。

2016年だけを見ても、連邦収税局は総額164億レアルをSシステムの11機関に交付した。この資金は、職業訓練活動と零細企業開発、レジャー及び保健活動の振興の支援を目的として、企業から、給与支払総額に対して業種により0.2%から2.5%の範囲で集められる。2017年の場合、1月から9月にかけて、税務当局は128億レアルの納付を受け、Sシステムの各機関に交付した。

この情報を予算に含めるには、各機関が受け取る金額、そして、各機関が受け取った資金の使途を、明らかにする必要がある。このようにすることで、連邦会計検査院(TCU)のような監督機関の査察が容易になる。

狙い

 オリベイラ上院議員は、Sシステムを構成する機関の多くが、金融や不動産といった市場で事業活動を行い、果ては政治家の支援や選挙キャンペーンに対する資金援助を行っていると指摘する。これらの機関は、同上院議員によると、正真正銘の「腰かけ用の雇用の場」として機能しており、本来の目的を果たしていない。

Sシステムを構成する機関の資金の流れを明らかにしようという動きは、同上院議員による今回の対応が初めてではない。だが過去の改正に向けた取り組みは、財界の強い抵抗を受けて頓挫した。

ジョアキン・レヴィー元財務大臣は、2015年にSシステムに振り向ける資金を30%削減して社会保障院の赤字の補填に充当すると発表まで行った。だが財界はこれに対し「戦争も辞さず」と脅し、対策が実施されることはなかった。

オリベイラ上院議員は自身の意見書について、まだ合同予算委員会(CMO)で可決される必要があるが、既に、上院の予算及び査察、管理査問部会に対して検討書を提出している。エスタード紙が入手した文書では、Sシステムに交付される社会分担金を税金と位置付けている。そして査問部会も、公会計法と国家税法のいずれにおいても、歳入と歳出のすべてを予算に含める必要があると定めているのは明白だとしている。

上院査問部会は更に、これらの機関の資金はいずれも、全額が連邦収税局により徴収された資金であるべきで、その使途にはより厳しい管理が求められるべきであるとした。現在、連邦政府の財源から多額の資金が交付されているにもかかわらず、その資金の一部は、これらの機関が独自に確保しているために税務当局の管轄外に置かれている。TCUは、この管轄外となっている金額は2017年に総額320億レアルに達すると推算している。

全国工業連合会(CNI)と全国財・サービス・観光・商業連合(CNC)、全国農業連合会(CNA)、全国輸送業連合会(CNT)、Sebraeは、本件の取材に応じなかった。(2017年10月14日付けエスタード紙)

 

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