【新労働法の施行を受け反倫理的行為にかかわる損害賠償と安全リスクに対する補償を求める訴訟が事実上姿を消す】

2017年11月に労働法が改正されたことで、「いちかばちか」で賠償を求める労働訴訟が事実上、姿を消した。新法では、原告である労働者の主張が認められなかった場合、労働者に企業が支払った弁護士費用の負担が命じられるのだ。

労働制度改革に伴う新法が施行されてから満3か月が経過し、この間に新たに法廷に持ち込まれた労働訴訟の件数が、前年同期の57万1,000件から29万5,000件へと半減した。しかも訴因は、この数字以上にシンプル化した。反倫理的行為にかかわる損害賠償と安全リスクに対する補償を求める訴状が事実上、姿を消したのだ。

新法では、労働者が原告として企業を訴えその主張が認められなかった場合、企業の弁護士費用を労働者が負担することになる(弁護士費用の敗訴側負担)。反倫理的行為にかかわる損害賠償と安全リスクに対する補償の要求はその証明が難しく、新たな規定に基づくと訴訟において真っ先に否認される案件と位置付けられることから、弁護士たちはクライアントである労働者に対して、新たな訴訟にその主張を含めないこと、係争中の案件の場合はその訴因を取り下げることを進めている。また労働制度改革により月給が2,200レアルを上回る労働者には、無料で提訴できる権利もなくなった。

労働裁判の起訴状の訴因には、伝統的に、残業代と解雇予告手当の支払い、さらには反倫理的行為にかかわる損害賠償の要求がコンビを組んで並んでいた。LOバプチスタ弁護士事務所の経営パートナー、ファビオ・チョン・デ・リマ弁護士は、「労働者にとって当時は何かを請求されるようなことは一切なくゼロ・リスクだったので、頻繁に提訴しており、中には全く理にかなっていない主張まであった」と話す。だが、「こうしたいちかばちかの訴訟は終わった」。

例えば、反倫理的行為にかかわる損害賠償は、主に原告の主張に頼るために証明が難しい。他方、健康リスクに対する補償は裁判所が指名した専門家による技術的検証が求められ、しかも労働者が敗訴した場合には、同様にそのコストも、この場合には裁判所に納める形で負担しなければならない。

ジアムンド・ネット弁護士事務所の経営パートナー、ルイス・フェルナンド・ケヴェドは、「過去の労働裁判には無責任で、ある種の行き過ぎた要求があった。だが今、その要求は、原告が証明できる要件に照準を合わせている」と言う。またジョアン・アカシオ・ムニス・ジュニオール弁護士も、「これに伴い、以前なら歩けば棒に当たると言えるほどありふれた、反倫理的行為にかかわる損害賠償を請求する訴訟が、払底した」と話した。

既に企業を提訴していた労働者も、訴因からこれらの項目を取り下げるよう請求し始めた。「判決は、正当な権利があり証明できると労働者が確信している訴因に対してのみ維持される」と、CSMV弁護士事務所のテレーザ・クリスチーナ・カルネイロ弁護士は説明する。

多くの弁護士事務所が、違憲であると見なされるポイントについて最高労働裁判所(TST)が態度を示すのを待ち受けて公判を停止している。アガメノン・マルチンス・ソシエダーデ弁護士事務所は、200件もの公判停止案件を抱えている。

サン・ベルナルド・ド・カンポ市に本社を置く同弁護士事務所は、労働裁判だけを扱う有数の弁護士事務所だ。過去数年、処理した訴状が月間2,000通に達していた。アガメノン・マルチンス氏は、「弁護士費用の敗訴側負担か専門家による技術的検証コストかにかかわらず、顧客に対して偶発的に発生しかねないリスクを負担することを当弁護士事務所は判断した」とコメントした。(2018年4月1日付エスタード紙 クレイデ・シルバ記者)

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