総務委員会・企画戦略委員会共催による第3回フォーラムは、2020年10月8日午前9時から10時50分まで80人以上が参加して開催、進行役は企画戦略委員会の小池智副委員長が担当した。
開催挨拶で村田会頭は、今回3回目のフォーラム開催では情報の共有はAll Japanの日本の力になるので、企業の代表者以外の駐在員や日本本社の担当者への参加を呼び掛けた。
機械金属部会の山田部会長は、『2020年上期の回顧と下期の展望』について、COVID-19の会員企業への影響下での会員企業の状況では、実情は産業・企業で大きな相違、IBGEの公式統計の景況感の違い、需要が底堅い分野も存在。ICT活用によるリモートアクセス、低金利・レアル安、保護貿易の影響などについて説明。
部門別関連指標の推移説明では、初めにブラジルの鉱工業部門生産の対前年比の推移、土木建設指数、V字回復の建設機械。 電力消費量、粗鋼生産、来年の鋼材不足による値上がり予想。自動車並びに建設機械、金利安やデリバリー需要による二輪販売の回復、エンジン、コンプレッサー、汎用機械、農業機械並びに工作機械、石油派生品、紙・パルプ業界別の過去3年間の動向、コロナ発生後の月間生産推移などについて説明。
質疑応答ではCOVID-19はピンチにチャンスと捉える中国企業の動向、建設機械販売の地方都市の状況。自動車業界の四輪需要の状況、米国のブラジルからの半製品に対する輸入制限強化などが挙げられた。
ニッケイ新聞社の深澤正雪編集長は、テーマ『台頭する福音派―ブラジルで起きている聖戦、決戦は2023年』について、初めにボルソナロ大統領とトランプ大統領の共通点、ブラジルの急増する福音派、ペンテコステ派、カトリックとプロテスタントの思想傾向、左派とローマ教皇、ブラジルでのカトリックと福音派支持率の推移予想、カトリック対福音派の構図、PT政権陥落の政治的工作、ボルソナロ大統領家族の宗教的思想、過去30年間で激増した福音派の国会議員及び各宗派代表議員、メディアにおける福音派拡大、日系新興宗教の信者拡大の取り組み、今後のブラジルの政治と宗教の関連性などについて詳細に説明、大半の参加者は、深澤編集長のブラジルの政治と宗教の関連性の説明について「目から鱗が落ちた」とその分析力に感嘆していた。
質疑応答では、南米諸国の聖戦状況、福音派信者のボルソナロ大統領の支持率、福音派信者数がカトリック派信者数を逆転した場合のブラジルの政治、経済や文化への影響、カトリック側の巻き返しの可能性、日系新興宗教の状況などが挙げられた。
企画戦略委員会の吉田伸弘委員長は閉会の辞で、今回3回目のフォーラム開催に対する関係者へのお礼を述べ、COVID-19のブラジル経済への影響やブラジルの政治と宗教の繋がりなど普段聞けない地元メディアの貴重な話に感謝の意を述べた。
『2020年上期の回顧と下期の展望』機械金属部会の山田部会長
『台頭する福音派―ブラジルで起きている聖戦、決戦は2032年』ニッケイ新聞社の深澤正雪編集長