ソフトバンクは今年4月迄のブラジルのスタートアップ投資の20%を占めている(2022年8月9日付ヴァロール紙)

孫正義率いるソフトバンクグループ傘下のラテンアメリカ市場のテクノロジー企業に特化した私募ファンドのラテンアメリカファンド1及び2は、2022年1月から4月迄にブラジル国内のスタートアップ企業に総額24億6,000万レアルを投資したが、ブラジルのスタートアップ企業への投資に20%に相当する金額を記録している。

2021年のブラジルのスタートアップ企業への投資総額は、502億2,000万レアル(昨日8日の為替換算では98億ドル相当)、そのうちソフトバンクの投資ファンドによる投資は全体の28.3%に相当する142億レアルを記録している。

昨年の同社はラテンアメリカ地域では、5社に達する創業10年以内に10億ドル以上の評価額が付けられている非上場企業のユニコーン企業に投資を果敢に行っている。

この投資先グループには、ブラジルの仮想通貨取引所メルカド ビットコイン社(Mercado Bitcoin)、顔認識スタートアップのユニコ(Unico)、小売業者のマデイラマデイラ(MadeiraMadeira)、オンライン ストアで株式を購入するメキシコ資本の小売業者メラマ(Merama)、および道路輸送プラットフォームのカレガンド コム(rodoviário Frete.com.)が含まれている。

また前記5社以外のユニコーン企業として、ソフトバンクが投資しているのは、デジタル バンクのInter社 並びにNubank社、不動産会社のLoft社とQuinto Andar社、e コマース テクノロジー企業のVtex社、ジム アプリのGympass社、ロジスティクス スタートアップ企業のLoggi社とフィンテックのCreditas社、配達を行うコロンビア資本のRappi社、中古車再販のメキシコ資本のKavak社 などを擁している。

ソフトバンクのラテンアメリカファンドによる今年上期の投資は88件、そのうち上場企業は7社だけであり、残り81件は非上場企業のスタートアップ企業などとなっている。

6月の鉱工業部門生産は15地域のうち10地域でマイナスを記録(2022年8月9日付ヴァロール紙)

ブラジル地理統計院(IBGE)の地域別鉱工業部門生産調査(PIM-Regional)によると、2022年6月のブラジル国内の調査対象の15地域のうち10地域で前月比マイナスを記録している。

今年6月のブラジルの鉱工業部門の平均生産量は前月比マイナス0.4%に留まり、マット・グロッソ州、リオ州並びにエスピリット・サント州の鉱工業部門の生産減少が顕著となっている。

今年6月のマット・グロッソ州の鉱工業部門生産は前月比マイナス2.8%、リオ州マイナス2.4%、エスピリット・サント州マイナス2.3%、マナウスフリーゾーンを抱えるアマゾナス州マイナス1.6%、セアラー州マイナス1.4%、北東部地域マイナス0.6%、南大河州はマイナス0.5%と全国平均のマイナス0.4%よりも減少を記録している。

しかしブラジルの鉱工業部門を牽引するサンパウロ州は0.8%増加、鉱業部門が牽引するパラー州は9.8%と大幅増加でトップの伸び率を記録、また5月のマイナス13.3%から一転してほぼ二桁増加を記録している。

今年6月の鉱工業部門の対前年同月比の生産比較では、調査対象の15地域のうち5地域でマイナスを記録、全国平均ではマイナス0.5%を記録している。

リオ州の6月の鉱工業部門生産は、鉱業部門並びに鉄鋼部門が不振で前年同月比マイナス4.0%、ミナス州は自動車、トラック、紙・パルプが不振でマイナス3.8%、パラー州は、鉱業部門が不振でマイナス3.6%している。

一方マット・グロッソ州は食品部門、石油派生品及びバイオ燃料が牽引して18.8%、バイア州は石油派生品及びバイオ燃料が牽引して11.9%それぞれ二桁台の伸び率を記録している。

7月のインフレは統計を取り始めた1980年以降では最大のマイナス0.68%を記録(2022年8月9日付ヴァロール紙)

ブラジル地理統計院(IBGE)の発表によると、2022年7月のインフレ指数の広範囲消費者物価指数(IPCA)は、6月の0.67%増加から一転してマイナス0.68%と統計を取り始めた1980年以降では月間最低記録となっている。

今年7月の広範囲消費者物価指数(IPCA)がマイナス0.68%を記録した要因として、ガソリン価格は15.48%、エタノール価格は11.38%それぞれ値下げされたことが物価指数のマイナスを牽引している。

ヴァロールダータ―社の36金融機関対象の調査では、今年7月のIPCA指数の最低予想はマイナス0.88%、最高予想はマイナス0.48%、平均予想はマイナス0.65%であった。

今年7月の過去12か月間の累計IPCA指数は、10.07%と2021年9月の10.25%から依然として二桁台を維持している。ヴァロールダータ―社の36金融機関対象の調査では、今年7月の過去12か月間の累計IPCA指数の最低予想は9.85%、最高予想は10.29%、平均予想は10.10%であった。

今年初め7か月間の累計IPCA指数は4.77%、昨年7月のIPCA指数は0.96%であった。7月のガソリン価格は15.48%、エタノール価格の11.38%それぞれ値下げ効果はIPCA指数のマイナス1.04%となっている。

7月のIPCA指数マイナス0.68%の内訳は、食品・飲料部門は1.30%増加、住居関連部門はマイナス1.05%、生活用品部門は0.12%増加、衣類部門は0.58%増加、輸送部門はマイナス4.51%、健康・パーソナルケア部門は0.49%増加、個人消費部門は1.13%、教育部門は0.06%増加、通信部門は0.07%増加を記録している。

ブラジル地理統計院(IBGE)のIPCA指数調査は、ゴイアニア市、カンポ グランデ市、リオ ブランコ市、サン ルイス市、アラカジュ市及びブラジリア市の地方自治体に加えて、10大都市圏の40最低賃金までの所得を擁する一般世帯の消費バスケットに基づいて算出している。

7月の化学部門輸入は57.3%増加の83億ドルで記録更新(2022年8月9日付ヴァロール紙)

ブラジル化学工業協会(Abiquim)の発表によると、2022年7月のブラジルの化学部門の輸入量は、前月比5.8%増加の600万トン以上を記録、前年同月比では13.8%の二桁増加を記録している。

また今年7月のブラジルの化学製品輸入総額は、前月比4.5%増加の83億ドルに達し、月間記録を更新、前年同月比の輸入総額は57.3%大幅増加を記録している。

今年7月のブラジルの化学製品輸出は、前月比9.5%増加の15億3,000万ドル、化学品輸出量はマイナス13.9%の120万トン、今年初め7か月間の化学製品輸入金額は、前年同期比54.5%増加の469億ドル、一方同期の輸出金額は34.0%増加の103億ドル、平均輸出金額は40%増加している。

今年初め7か月間のブラジルの化学製品の貿易収支は、前年同期比70.3%増加の365億ドルの赤字を計上、7月の過去12か月間の貿易収支赤字は601億ドルに達し、記録を更新している。また2022年の化学製品の貿易収支は、650億ドルの赤字が見込まれている。

 

ディーゼル燃料の国際コモディティ価格下落で、1リットル当たり0.64レアル値下げの可能性(2022年8月8日付ヴァロール紙)

ペトロブラス石油公社は、傘下の石油製油所のディーゼル燃料価格の1リットル当たりの卸値価格を5日から3.5%に相当する20センターボス値下げの5.41レアルに設定、同社のディーゼル燃料価格は約50日間にわたって据置されていたが、国際コモディティ価格並みの価格への変更で交渉が行われていた経緯があった。

8日のブラジル燃料輸入業者協会(Abicom)の発表によると、ペトロブラスが傘下の石油製油所のディーゼル燃料価格を1リットル当たり0.2レアル切下げて4日が経過したが、石油の国際コモディティ価格の減少及びレアル通貨に対するドルの為替の減少で、ブラジル国内のディーゼル燃料価格は、海外よりも14.0%と依然として大幅な価格差が生じている。

ブラジル国内のディーゼル燃料価格を海外との価格差を失くするためには、1リットル当たりの国内のディーゼル燃料価格は0.64レアル値下げする必要があるが、ペトロブラスは、今月5日からディーゼル燃料価格は3.5%引き下げていた経緯があった。

ロシアによるウクライナ侵攻の影響で、石油の国際コモディティ価格の変動が激しにも拘らず、最近の石油の国際コモディティ価格は、1バレル当たり100ドルを割り込んで推移している。

今年7月末にペトロブラスは2回連続で値下げ、1リットル当たり0.35レアル値下げしたが、ブラジル国内のガソリン価格は、メキシコ湾岸価格よりも依然として8.0%に相当する1リットル当たり0.28レアル高い。

昨年末に民営化されたMataripe製油所をコントロールしているAcelen社は、ブラジル国内の石油派生品の14.0%のマーケットシェアを持っているが、毎週ガソリン及びディーゼル燃料価格を調整。同社の卸売価格は海外市場価格よりも僅か5.0%高いが、ペトロブラスの価格を下回っている。

5日 Acelen社はディーゼル燃料価格を7.5%、ガソリン価格を9.0%それぞれ値下げ、ペトロブラスの価格をそれぞれ下回っている。

7月の一般家庭の負債金額及び延滞率は記録更新(2022年8月8日付ヴァロール紙)

全国商業財・サービス・観光・商業連合(CNC)の消費者の負債・返済調査によると、2022年7月の一般消費者の負債金額及び延滞率は、4月~6月にかけて減少していたが、一転して上昇に転じて記録更新している。

今年7月の一般家庭の負債率は、6月の77.3%から78.0%に上昇、2021年7月の71.4%から6.6%上昇、統計を取り始めた2010年以降では最高の負債比率を記録している。

また今年7月の負債返済が遅延しているのは、6月の28.5%から29.0%に上昇、2021年7月の25.6%から3.4%も上昇して記録を更新している。

今年4月から6月の負債及び延滞率が低下した要因として、勤続期間保障基金(FGTS)預金からの追加の引出や 年金・恩給受益者への13 回目の給与などの特別所得支援措置が、第 2 四半期に集中したために、一般消費者は負債返済に充てたと、全国商業財・サービス・観光・商業連合(CNC)の José Roberto Tadros会長は指摘している。

また7月の調査では、返済期日を超えている負債返済の分割払いが出来ないと回答したのは10.7%と6月の10.6%よりも微増、今年7月のクレジットカードによる負債は全体の85.4%を占めている。

最終フォーカスレポートでは今年のGDP伸び率を1.98%に上方修正(2022年8月8日付ヴァロール紙)

ブラジル中央銀行の最終フォーカスレポートによると、2022年のインフレ指数の広範囲消費者物価指数(IPCA)は、燃料関連減税の影響を受けて、前回予想の7.15%から7.11%に下方修正した一方で、2023年のIPCA指数は5.33%から5.36%に上方修正している。

今年のGDP伸び率は、6週間連続となる前回予想の1.97%から1.98%に上方修正。2023年のGDP伸び率は0.40%、2024年のGDP伸び率は1.70%それぞれ据え置かれている。

今年第1四半期のGDP伸び率は、前四半期比1.0%増加を記録したが、9月1日に発表される今年第2四半期のGDP伸び率は、不安定な海外情勢、不透明な大統領選挙、高止まりしているインフレ指数や高金利など阻害要素が多い。

2023年のIPCA指数は、前回予想の5.33%から5.36%と18週間連続で上方修正されている一方で、2024年のIPCA指数は前回同様3.30%に据え置かれている。

今年末の政策導入金利(Selic)は13.75%、2023年は11.00%、2024年のSelic金利は8.00%予想、先週の中銀の通貨政策委員会(Copom)では、Selic金利を12回連続で0.5%引き上げて13.75%に決定したが、2016年12月から2017年1月と同じ水準に達している。

今年のIPCAの中央目標値は3.50%、2023年は3.25%、2024年は3.00%、許容範囲は±1.50%、今年末のレアル通貨に対するドルの為替はR$5.20 2023年はR$5.20、2024年はR$5.10に設定している。

的中率が最も高いトップ5の今年末のIPCA指数は、前回予想の7.17%から7.10%に下方修正、2023年は5.37%から5.42%に上方修正したが、2024年のIPCA指数は3.10%に据え置いている。またトップ5の今年末のドルの為替はR$4.90 ,2023年及び2024年末のドルの為替はR$5.00を予想している。

今年7月の新車販売台数は3.7%増加の18万2,000台(2022年8月5日付けヴァロール紙)

全国自動車工業会(Anfavea)の発表によると、2022年7月のバスやトラックを含む新車販売は前年同月比3.5%増加の18万2,000台を記録、今年初め7か月間の累計新車販売は。前年同期比12.0%減少の110万台に留まっている。

全国自動車工業会(Anfavea)では、今年の新車販売の最終予想の214万台を達成するために、残り5月間の月間平均販売は、今年初め7か月間の累計販売を48%以上上回る必要が不可欠となっている。

今年下半期の月間平均の新車販売は、8月はヨーロッパ諸国が夏休み休暇で生産調整を余儀なくされ、ブラジルへの自動車向け半導体供給が増加するために、今年初め7カ月間平均の13.0%増加の可能性を全国自動車工業会(Anfavea)のMárcio de Lima Leite会長は指摘している。

今年初めから現在まで自動車向け半導体の供給不足で、ブラジル国内の24カ所の自動車生産工場では操業停止を余儀なくされ、延べ操業停止に数は408日間に達して生産減少を余儀なくされていた経緯があった。

また半導体供給不足問題による新車販売減少の要因として、金利高止まりによる自動車向けクレジットの与信強化が障害になっており、7月のクレジットの月賦販売は35.0%と大幅に減少している。新車販売の80.0%は月賦販売となっている。

また今年7月の新車販売のうち50%は、レンタカーなどの自動車メーカーからの直接販売が占めている。昨日全国自動車工業会(Anfavea)の首脳陣は、パウロ・ゲーデス経済相に対して金融取引税(IOF)の減税を要請していた。

今年7月の新車生産は、前年同月比33.4%増加の21万9,000台、今年初め7か月間の累積新車生産は、前年同期比0.2%微増の131万台を記録している。一方半導体不足による未完成の新車は、営業日数換算で25日間に相当する15万台に達している。

7月の新車輸出は、輸出先トップのアルゼンチンの経済危機にもかかわらず、チリ及びコロンビア向け新車輸出が好調に推移して前年同月比76.3%増加、輸出金額は61.5%増加の9億250万ドルを記録している。

また今年初め7か月間の累積新車の輸出台数は、前年同期比28.7%増加の28万8,200台、輸出総額は37.4%増加の57億ドルに達している。

今年7月のアマゾン地域の違法森林伐採面積は1,476平方キロメートル(2022年8月5日付けヴァロール紙)

2022年7月のアマゾン地域の違法森林伐採面積は1,476平方キロメートルに達し、ジャイール・ボルソナル政権発足以来では、少なくとも6番目の違法森林伐採による森林破壊の警告となっている。

今年7月の最後の 2 日間の違法伐採面積はまだ統計に組込まれていないが、ブラジル国立宇宙調査研究院(INPE)の衛星データを利用したアマゾン伐採監視システム(Prodes)調査によると、この期間に 1,476 平方キロメートル の森林が伐採されたことを示している。

毎年7月は、アマゾン地域の乾季の真っただ中の時期であり、違法森林伐採者にとっては、違法伐採行為の実施が容易であり、伝統的に最悪の伐採率を記録している。 データがほぼ完成したため、森林破壊を測定するための基準となる昨年8 月から翌年 7 月までの期間の違法伐採面積は 8,581平方キロメートルに達している。

今年の違法伐採面積は、昨年同様に過去15年間で最悪の状況を示している。過去5年間にブラジル国立宇宙調査研究院(INPE)の衛星データを利用したアマゾン伐採監視システム(Prodes)調査では、天候の悪い雲に覆われた時期を加味して平均2分の3の違法伐採面積をキャッチしていると予想されており、1年間では最低1万平方キロメートル、最大1万4,000平方キロメートル、平均では1万2,500平方キロメートルと予想されている。

パリ協定の下で2005年から2025年までに温室効果ガス排出量を37%削減すると強気の発言をしていたにも拘らず、アマゾン地域の違法伐採がコントロールできていないなどの要因で、達成の見込みは非常に少ないと予想されている。

(ZOOM)オンラインコンサル部会懇談会開催

コンサルタント部会(天野義仁部会長)のオンライン懇談会は、2022年8月5日午前9時から10時まで9人が参加して開催、進行役は 天野部会長が務め、825日開催のカマラフォーラムでの発表内容について意見交換した。

ブラジル経営環境概況では、中国や韓国企業によるM&A投資内容、スタートアップ企業への投資や出資、ESGへの投資の関心増加。ウクライナ危機によるブラジルへの影響では、ロシアによるウクライナ侵攻に対する地政学的有利なブラジルへの投資誘致、ロシア、ウクライナの対ブラジル貿易への影響。在ブラジル日本大使館の中野公使による大統領選挙への展望についての講演など多岐に亘って意見交換された。

コメントを求められた平田事務局長は、今までの部会長フォーラムでは、ゲストは講評やコメントだけであったが、今回初めてゲストによる時期的に的を得た講演を組み入れたのは素晴らしい構成と評価。また中国の台湾を取り囲む軍事演習が及ぼすブラジルの貿易やサプライチェーンに影響もできれば知りたいとコメントした。

参加者
天野氏(KPMG)
三上氏(KPMG)
安岡氏(Deloitte)
原所長(ジェトロサンパウロ事務所)
久森参事官(日本大使館)
渡邊副領事(総領事館)
吉田調査員(総領事館)
平田事務局長(商工会議所)
大角編集担当(商工会議所)