経済省は今年のGDP伸び率を1.5%から2.0%に上方修正(2022年7月14日付けエスタード紙)

14日経済省経済政策局の発表によると、2022年のブラジルの国内総生産GDP伸び率は、前回予想の1.5%増加から2.00%増加と0.5%の大幅な上方修正を行っている。

一方ブラジル国内の金融市場関係者とは異なる予想として、経済省では2023年、2024年並びに2025年のGDP伸び率を前回同様のそれぞれ2.5%増加に据置いている。

労働市場及び投資関連データは、2022年と2023年のGDP伸び率予測をサポートするのに役立が、今後も継続してモニタリングする必要がある。また特に、ロシアによるウクライナへの侵攻が及ぼす国際コモディティ商品供給に影響を与える世界的なバリューチェーン、財政状態の悪化、国際貿易とブラジルの支払いのバランスに対する紛争の影響。さらに、経済成長とインフレに対するパンデミックの影響は引き続き注視する必要がある。

中銀の最終フォーカスレポートによると、今年のGDP伸び率は1.59%、2023年のGDP伸び率は僅か0.5%増加、ブラジル国内の金融市場では、2024年のGDP伸び率は1.8%増加、2025年のGDP伸び率を2.0%増加と予想している。

経済省では、今年のインフレ指数の広範囲消費者物価指数(IPCA)を前回予想の7.9%から7.2%に下方修正した一方で、2023年のIPCA指数は、3.6%から4.5%と大幅な上方修正を行っている。中銀の最終フォーカスレポートによると、今年のIPCA指数を7.67%、2023年のIPCA指数を5.09%を予想している。

今年のIPCA指数の中央目標値は3.50%、許容範囲は±1.50%に相当する最低2.00%、最高5.00%に設定されている。また2023年のIPCA指数の中央目標値は3.25%、許容範囲は±1.50%に相当する最低1.75%、最高4.75%に設定されている。

経済省ではサラリー調整の指標となる2022年のインフレ指数の全国消費者物価指数(INPC)は、前回予想の8.10%から7.41%に下方修正、一方2023年の全国消費者物価指数(INPC)は、前回予想の3.70%から4.86%と大幅に上方修正している。

ゼツリオ・バルガス財団(FGV)の今年の総合物価指数(IGP-DI)は、前回予想の11.4%から11.51%に上方修正した一方で、2023年の総合物価指数(IGP-DI)は、前回予想の4.57%から4.55%と若干下方修正している。

5月の経済活動指数(IBC-Br)は前月比マイナス0.11% (2022年7月14日付ヴァロール紙)

20225月のGDP伸び率の先行指標となる14日の中銀発表の経済活動指数(IBC-Br)は、 前月比マイナス0.11%を記録、今年4月の経済活動指数(IBC-Br)のマイナス0.44%に次いで、2ヶ月連続で前月比割れを記録している。

ヴァロールデーター社による今年5月の国内総生産伸び率の最低予想値はマイナス1.1%、最高予想値は0.9%増加であった。

今年5月の経済活動指数(IBC-Br)は前年同月比3.74%増加、今年5月の過去12か月間の累計経済活動指数(IBC-Br)は2.66%増加を記録している。

中銀の経済活動指数(IBC-Brの計算方法は、ブラジル地理統計資料院(IBGE)によって計算される国内総生産GDPの計算方式とは異なり、中銀の経済活動指数(IBC-Brは、毎月ごとの頻度で経済活動の進展をより頻繁でモニタリングできるが、国内総生産(GDP)は、四半期ごとの頻度でモニタリングしている。

 

5月の一般小売販売量は前月比0.1%微増(2022年7月13日付ヴァロール紙)

ブラジル地理統計院(IBGE)の月間小売調査(PMC)によると、20225月の自動車や建材部門を除くインフレ指数を差引いた実質一般小売販売量は、 前月比0.1%微増、5か月連続での増加お記録している。

今年5月の一般小売販売量は前年同月比マイナス0.2%と前月までの3か月連続増加から一転してマイナスに転じている。また今年初め5か月間の累積販売量は1.8%増加、今年5月の過去12か月間の累積販売量はマイナス0.4%を記録している。

今年5月の自動車や建材部門を含む実質広範囲小売販売は、前月比0.2%増加、今年3月から5月の月間平均販売量は0.2%増加、今年初め5か月間の累積販売量は1.0%増加、5月の過去12か月間の累積販売量は0.3%増加を記録している。

今年1月の一般小売販売は前月比2.3%増加、2月は1.4%増加、3月は1.4%増加、4月は0.8%と4か月連続で増加を記録、5月も0.1%微増を記録して、202112月の水準を6.0%上回っている。

今年5月の一般小売販売の8セクターのうち6セクターで前月比増加を記録、特に書籍・雑誌・印刷物・製本セクターは5.5%増加、医薬品・香水・化粧品・医療機器セクターは 3.6%増加、繊維、衣類・履物セクターは3.5%増加、燃料・潤滑油セクター2.1%増加、事務用品・情報通信機器セクターは2.0%増加、ハイパー・スーパーマーケット・食料品・飲料・嗜好品セクターは1.0%増加を記録している。

一方今年5月の一般小売販売量が前月比でマイナスを記録したセクターとして、日用雑貨・装身具類セクターはマイナス2.2%、家具・家電セクターはマイナス3.0%とそれぞれ前月比ではマイナスを記録していた。

また今年5月の広範囲小売販売の二輪・四輪・部品セクターは前月比0.2%微増した一方で、建材セクターは マイナス1.1%を記録している。

今年5月の一般小売販売の8セクターのうち5セクターで前年同月比増加を記録、特に書籍・雑誌・印刷物・製本セクターは25.8%増加、医薬品・香水・化粧品・医療機器セクター は9.2%増加、繊維、衣類・履物セクターは 8.3%増加、燃料・潤滑油セクターは 7.1%増加、事務用品・情報通信機器セクターは 2.0%増加を記録している。

一方家具・家電セクターはマイナス12.6%と二桁台の大幅な落込みを記録、日用雑貨・装身具類セクターはマイナス7.1%、ハイパー・スーパーマーケット・食料品・飲料・嗜好品セクターはマイナス0.5%を記録している。

今年5月の広範囲小売販売の前年同月比の比較では、二輪・四輪・部品セクターは0.8%増加した一方で、建材セクターはマイナス7.7%と大幅な落込みを記録している。

今年のコンピューター販売は大統領選挙やサッカーワールドカップなどの影響で低迷予想(2022年7月13日付ヴァロール紙)

10月の大統領選挙や11月のサッカーワールドカップ開催によるイベントは消費者の気をそらす可能性があるために、今年下半期のコンピューター販売は低迷する可能性が指摘されている。

コンサルタント会社 IDC社の調査によると、2022年第1四半期のブラジル国内のコンピューター販売は前年同期比6.0%増加を記録しているにも関わらず、今年下半期のコンピューター販売は、大統領選挙やサッカーワールドカップ開催の影響を受けると IDC Brasil社アナリストの Daniel Voltarelli氏は指摘している。

COVID-19パンデミックによる労働形態の変化に伴ってコンピューター需要が急増して、昨年の前例のない程の販売増加に比べて、今年のブラジル国内のコンピューター販売は、前年比3.2%減少に相当する846万台に留まるとIDC Brasil社では予想している。

2019年のブラジル国内のコンピューター販売は、前年比3.0%増加の585万台を記録。 COVID-19パンデミック開始の影響で、ホームオフィス形態の労働環境への移行に伴って、2020年の販売台数は前年比9.4%増加の640万台に達していた。

IDC社は2023年のブラジル国内のコンピューター販売は、前年比マイナス2.1%の828万台、2025年のコンピューター販売は、750万台に留まると予想している。

世界のコンピューター販売は、2021年の前年比14.8%と二桁台の急増の34,900万台を記録していたが、2023年は前年比マイナス0.9%の34,600万台、2024年は1.45%増加の35,100万台、2025年は前年比0.6%微増の35,300万台を予想している。

 

(ZOOM)7月の法律委員会月例会開催 

日伯法律委員会(岩尾 玄委員長)主催のオンライン月例会は、2022713日午後4時から530分まで60人が参加して開催、司会Cláudio Augusto Vaz副委員長が務めた。

初めに Saeki AdvogadosLuiz Renato Moura Leiteパートナー及びMariana de Souza Ramosシニア弁護士は、テーマ 「税務上の影響の調整」について、PwC BrasilOrlando F. Dalcinパートナ―及び Laura Malmegrinシニアマネージャーは、テーマ「累積ICMSクレジット:eCredacに関連する実用的なトピックス」についてそれぞれ講演した。

PDF anexos:

1. “Modulação de efeitos em matéria tributária”
2. “Crédito acumulado de ICMS: Temas práticos relacionados ao eCredac”

 

太平洋貿易株式会社の石井社長が会議所を訪問 

2022年7月12日、太平洋貿易株式会社の石井広之代表取締役社長が同行した一般社団法人BRAZILIAN BUSINESS GROUPの橋本秀吉代表と会議所を訪問。

応対した平田藤義事務局長と新規ビジネスのFSやブラジルの各種規制などについて意見交換を行った。

左から橋本代表、平田藤義事務局長、石井社長

フォレスト株式会社一行が会議所を訪問 

左から日下野総務担当、Ivan国際営業部長、平田藤義事務局長、岡本常務取締役、沖野営業担当

 

2022年7月12日、フォレスト株式会社の岡本登幸常務取締役及び沖野秀樹営業担当、Forest kk do BrasilのIvan R. Yamasaki国際営業部長が会議所を訪問した。

同社の主事業はキッチン扉製造であるが、ブラジルにおいては現在温水洗浄便座 For Washの販売を行っている。本年度の日本祭り(Festival do Japão)にてブースを設置、各種製品を紹介する。

一行は応対した平田藤義事務局長及び日下野成次総務担当と昨今のブラジル情勢などについて意見交換を行った。

5月のサービス部門提供量伸び率は前月比0.9%増加(2022年7月12日付IBGEサイトより抜粋)

ブラジル地理統計院(IBGE)の月間サービス生産量調査(PMS)の発表によると、20225月のサービス部門提供量(生産性指標)は、前月比0.9%増加を記録、今年初め5か月間のサービス部門の累計提供量は9.4%増加、今年5月の過去12か月間のサービス部門の累計提供量は11.7%増加を記録している。

また今年5月のサービス部門提供量レベルはCOVID-19パンデミック前の20202月の水準を8.4%上回っている一方で、201411月の過去最高水準よりも依然として2.8%下回っている。

今年5月のサービス部門提供量は前年同月比9.2%増加、過去15か月間連続で増加を記録、過去12か月間のサービス部門の累計提供量は、4月の12.8%増加から11.7%増加に縮小している。また3月の13.6%増加から継続して2ヶ月間連続で減少している。

今年5月のサービス部門提供量調査では、大枠の5部門のうち5部門全てで増加を記録、情報・通信サービス部門は、前月比0.9%増加と4月のマイナス2.5%から一転して増加を記録している。

また今年5月の情報・通信サービス部門は0.9%増加、過去3か月間の累計提供量は3.4%増加を記録している。またその他のサービス部門は3.1%増加、教育・研究機関などの公共サービス部門は1.0%増加を記録、前期同様に一般家庭向けサービス部門は1.9%増加を記録している。

今年3月から5月の四半期のサービス部門の前年同期比の月間平均提供量比較では、一般家庭向けサービス部門は2.6%増加、情報・通信サービス部門は1.1%増加、教育・研究機関などの公共サービス部門は0.8%増加、輸送・輸送補助サービス・郵便サービス部門提供量は0.6%増加、その他のサービス部門は0.5%増加を記録している。

また今年5月の前年同月比のサービス部門提供量比較では、15ヶ月連続となる9.2%増加を記録、特に輸送・輸送補助サービス・郵便サービス部門提供量は12.5%増加、一般家庭向けサービス部門は、レストラン、ホテル並びに外食部門、貨物の陸上輸送部門、一般航空旅客部門並びに海上輸送部門が牽引して39.0%の大幅増加を記録している。

前期同様に教育・研究機関などの公共サービス部門は9.6%増加、情報・通信サービス部門は4.0%増加、特にレンタカー、電子決済、エンジニアリングサービス部門、アルバイト部門、プロバイダーサービス、コンピュータープログラム開発部門などが牽引している。

 

今年のセメント販売は前年割れ予想(2022年7月12日付ヴァロール紙)

全国セメント工業組合(SNIC)の発表によると、経済動向の指標の一つである2022年のブラジル国内のセメント販売は、2019年から2021年間の3年間連続増加から一転して、前年比1.0%~2.0%減少が予想されている。

今年上半期のブラジル国内のセメント販売は、前年同期比マイナス2.7%に相当する3,080万トンに留まっていると全国セメント工業組合(SNIC)の統計に表れている。

今年6月のブラジル国内のセメント販売は、前年同月比マイナス5.3%の520万トンに留まっており、6月の1日当りの平均セメント販売は、マイナス5.1%に相当する225,300トンに留まっている。

全国セメント工業組合(SNIC)のPaulo Camillo Penna 会長は、2009年のルーラ政権の経済成長加速プログラム(PAC)の大衆住宅建設私の家、私の暮らし Minha Casa Minha Vida”に替わる“ブラジルシンボルカラー大衆住宅 緑と黄色の家 Casa Verde e Amarela”プログラムを批判、連邦政府による早期の大衆住宅向けの新規優遇制度の導入の必要性を指摘している。

先週7日の勤続期間保障基金(FGTS)理事会による“ブラジルシンボルカラー大衆住宅 緑と黄色の家 Casa Verde e Amarela”プログラムによるクレジット上限枠は、7,000レアルの家族収入を僅か8,000レアル迄の引上げに留まったことをPaulo Camillo Penna 会長はセメント販売の増加に繋がらないと指摘している。

2015年~2018年迄の4年間のブラジル経済のリセッションによるセメント業界にとって暗黒の時代から2019年のセメント販売は前年比3.4%増加、2020年は10.6%増加、2021年は6.6%増加の6,440万トンを記録していた。20217月から20226月の過去12か月間のセメント販売は6,350万トンに留まっている。

一般家庭の負債拡大、高止まりするインフレ指数、13.25%の二桁台のSelic金利による住宅ローン金利の上昇などの要因で、建設不動産業界は住宅向け銀行ローンの与信強化、新規住宅販売向けリリース軒数の減少を余儀なくされている。

2021年のセメントメーカーの設備稼働率は68.9%に達していたが、今年のセメントメーカーの設備稼働率は、販売予想の下方修正に伴って67.6%に留まっている。

全国セメント工業組合(SNIC)では、今年のブラジルの国内セメント販売は前年比1.0%~2.0%減少に相当する65万トン~130万トン減少を見込んでいる。またセメント生産するためのコークスや電気エネルギーなどの原材料価格は、過去12か月間で73.5%と大幅な上昇を記録して収益性を圧迫しているとPaulo Camillo Penna 会長は指摘している。