ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻の影響を受けて、先週末のブラジルの1トン当たりの鉄鋼製品価格は740ドルであったが、今では1トン当たり最低でも780ドルでの取引価格に上昇している。
ロシアがウクライナに対する軍事侵攻に踏み切って1週間が経過、今後のロシアとウクライナの戦況次第では、世界5位の粗鋼生産のロシアやウクライナの粗鋼生産に影響を及ぼす恐れがあるために、今後の平板鋼や鋼板の供給国の減産による世界の鉄鋼製品の値上がりが避けられない可能性が濃厚となってきている。
ブラジル国内の輸出用平板鋼メーカーとして、Techintグループ傘下のTernium社、ヴァーレ社並びに韓国資本のDongkuk社及びPosco社のペセン製鉄所CSP、アルセロール・ミタル・ツバロン社、Gerdau社も余剰スラブを輸出している。
粗鋼や鉄鋼メーカー向け原材料は値上りしており、1トン当たりの圧延鋼の中国のFOB価格は、800ドルから880ドルに上昇している。また鉄鋼メーカー向け1トン当たりの石炭価格は250ドルから400ドルに高騰している。
2021年のロシアの粗鋼生産は7,600万トン、ウクライナの粗鋼生産は2,100万トンと世界の85%の鉄鋼メーカーが加盟している世界鉄鋼協会(Worldsteel)では発表している。
ロシア及びウクライナの鉄鋼製品の輸出相手国は、ヨーロッパ連合及びアジア諸国、またブラジルはロシアから粗鋼製品を輸入している。また両国は鉄鉱石や付加価値の高い高炉向けパレットの中国及びヨーロッパ連合向け輸出国でもある。









