大衆車購買促進プログラム導入で新車価格が過去11 年間で最高の値下がり(2023年7月24日付けヴァロール紙)

ルーラ政権が採用した大衆車購買促進プログラムで今年6月の新車価格は2,76%値下がりを記録、過去11年間では最高の新車価格の値下がりを記録している。

しかし自動車業界アナリストらによると、いわゆる大衆車の割引プログラムは短期間の導入に留まったために、新車販売は増加したが、連邦政府は今月初めにこの措置の終了を発表している。

大衆車購入促進プログラムの終了で新車価格を基に戻っているとコンサルタント会社Jato Dynamics do Brasil社のMilad Kalume Neto取締役は説明している。

大衆車購買促進プログラムで今年6月の新車価格は2,76%値下がりは、6月のインフレ指数の広範囲消費者物価指数(IPCA)を0,09%押し下げる効果に繋がり、6月のIPCA指数はマイナス0,08%であった。

ジェツリオ・ヴァルガス財団ブラジル経済研究所(Ibre/FGV)の調査によると、7月の新車価格は0,7%上昇が見込まれており、7月のIPCA指数は0,15%増加が見込まれている。

大衆車購買促進プログラムによる今年6月の新車価格の2,76%値下がりは、ジウマ政権時の2012年6月に記録した工業製品税IPI の引下げによる5,48%の値下がり以降では最高の値下がりを記録している。

現在の新車販売の不振は継続する二桁台の高金利及び延滞率の増加に伴う与信強化であるが、大衆車購買促進プログラム効果で自動車メーカーは販売不振によるレイオフや集団休暇採用による在庫調整は避けられた。

8月開催のブラジル中央銀行の通貨政策委員会 (Copom)でのSelic金利の0,25%引下げは、自動車ローン金利にはほとんど影響が及ばないと予想されている。

6月の新車価格は16の首都圏と大都市圏で下落、特にフォルタレーザ市では5,08%値下がりを記録している。リオブランコ市-4,94%,アラカジュ市(-4,17%),ゴイアニア市(-4,15%)、リオ市(-3,80%)、サンパウロ市(-2,51%),クリチーバ市は(-1,40%の値下がりを記録している。

6月の新車販売台数は、レンタルカー会社向けには、大衆車購買促進プログラム制度が適用外となった影響でブライト社の販売予測である18万2.500台を下回った。 プログラムの最初の 1 か月間は、レンタルカー会社向けなどの法人への直接販売が禁止されていた。

6月6日に開始された大衆自動車プログラムでは当初、車両価格引き下げのため自動車メーカーに対して15億レアルの税額控除が割り当てられ、そのうちトラックとバスには10億レアル、販売価格の上限として12万レアルが設定され乗用車と商用車および軽車両には5億レアルが上限価格で割り当てられた。

連邦政府はより安価な大衆自動車販売促進に焦点を当てていたが、自動車業界は拡販マーケティング活動として、この大衆自動車販売促進プログラムの恩恵を受けないモデルに対しても割引を提供、ピックアップトラックなどのより高価な車両の場合、割引額は 3 万レアルに達していた経緯があった。

当初の大衆自動車販売促進プログラムの規則では、最初の15日間はプログラムの恩恵を受ける車(最大12万レアル)は個人にのみ販売できると定められていた。 しかし、この期限は後にさらに 15 日間延長された。 5億レアルの特別クレジット枠が底をつき、大量に購入するレンタル会社が取り残され、工場のヤードに在庫が積み上がった。

 

 

太陽光発電の生産コストが減少(2023年7月24日付けヴァロール紙)

近年立ち上げられた多数の太陽光発電プロジェクトにより需要のペースを上回る供給の増加に伴って太陽こう発電の生産コストが減少している。太陽光発電による電力エネルギーのオークション価格が太陽光発電の開発プロジェクトに必要な価格よりも低かったため、大口消費者との取り決めに重点を置いて自由市場を模索している。

2020年以降の太陽光発電の電力エネルギー生産は8,4 GWから32 GWと4倍に増加、この期間中、分散型発電のマーケットシェアは総設置容量の 61% から 70% に増加している。

規制市場のオークションにおけるエネルギー価格は、2013年の1MWh当たり103ドルから2019年には17.62ドルまで急落しており、2022年の最後のオークションは32.34ドルであった。その結果、100GWを超える建設がまだ始まっていない大型プロジェクトは、投資能力を失っている。それらの一部は、発電補助金付きの再生可能プロジェクトに対する国家電力庁(Aneel)の助成金を利用しなければならず、送電システム(Cust)の使用契約にサインしたが、商業運転には入っておらず、現在は罰金なしで補助金と送電システム(Cust)を完了することができる。

電力エネルギー規制の変更も、この分野を自由契約環境 (ACL) へと推し進めており、その 1 つは、2024 年 1 月から始まる、ピザ屋やガソリン スタンドなどの中高電圧需要家の移行のための最低 500 KW の削減であり、もう 1 つは、分散型発電 (GD) の法的枠組みの規制となっている。

Energisa グループでは、最大 ピーク)容量 231 MW の 59カ所 の太陽光発電所を運営しており、約 4,000 の顧客を抱えている。同社は、GD モードでさらに 49 基の発電所を建設するための融資を BNDES によって承認され、合計でさらに 144 MW に達している。同グループは2019年から太陽光発電のAlsolを買収し、この地域への投資を行っている。

ブラジル国内の太陽光発電能力の推移

今年上半期のスタートアップ企業のM&Aは低迷(2023年7月23日付けヴァロール紙)

ブラジルの低迷するマクロ経済シナリオに対する企業やベンチャーキャピタリストの慎重さを反映して、2023年上半期のスタートアップ企業に対するが合併・買収M&Aペースは勢いを失っている。

スタートアップ企業に対するM&A資金が限られているため、企業は事業拡大に慎重になっており、近年に比べて合併や買収の数が減少していると、オープンイノベーションプラットフォームDistritoのリサーチリーダーのEduardo Fuentes氏は説明している。

今年上半期のブラジル国内のスタートアップ関連のM&A案件成立は前年同期比48,7%減少の61件に留まっている。7月17日までのスタートアップ関連のM&A案件は63件となっている。

Valor社のビジネス Web サイトである Pipeline では、この合併交渉には追加資本なしの株式交換が含まれていた。 Open Co.の共同創設者兼最高執行責任者であるラファエル・ペレイラ氏は、プラットフォームをゼロから構築することなく、事業計画を加速するチャンス到来と説明している。

ブラジル国内の銀行金利が高止まりしてM&A案件は減少しているにも拘らず、フィンテックサービス関連のM&A案件として、6月にはフィンテック企業BizCapitalと Open Co (元Geru)が合併している。

クレジットフィンテックの影響で、小売業や決済手段を扱う新興企業もM&Aの動きで目立っている、とRGSパートナーズのパートナーでM&Aの財務顧問を務めるジョナサン・キム氏は説明している。最近のM&A例としては、6 月に Totvs が販売ソフトウェアのサプライヤーである Exact Sales を 5,100 万レアルで買収したことを挙げている。

今年上半期のブラジル国内のフィンテック関連の合併・買収件数は僅か8件と昨年同期の25件から大幅に減少。またスタートアップ企業の買収案件に占めるフィンテックスの割合は昨年上半期の21%から今年上半期は12,7%と大幅に減少している。

健康関連スタートアップ(ヘルステック)、アグリビジネス(アグリテック)、教育(エドテック)を含む交渉も現時点では依然として魅力的であり、Covid-19 パンデミックの影響で合併または買収されたヘルステック企業の数は2018年の5社から2022年には27社に急増し、その取引額は100万ドルから1億1,400万ドルに増加している。

専門ウェブサイト Crunchbase によると、今年第 1 四半期に世界全体でベンチャーキャピタルファンドの支援を受けた企業とのM&A交渉件数は 491 件と、前年同期の 711 件よりも大幅に減少している。

 

 

マガジン・ルイーザ経営審議会会長を迎えて7月の懇親昼食会開催

2023年7月の懇親昼食会は、2023年7月21日正午から午後2時過ぎまでブルーツリーモルンビーホテルに150人以上が参加して開催、司会は村田俊典事務局長が務めた。

初めに特別参加者紹介として、 Luiza Helena Trajano Magazine Luiza経営審議会会長|ブラジル女性グループ会長、桑名良輔 在サンパウロ日本国総領事、日系主要団体から援護協会のパウロ佐々木会長他が紹介された。

小寺 勇輝会頭は会頭挨拶として、7月5日から6日まで開催の第24回日伯経済合同会議の要人出席、世界経済情勢、グローバルチェーン、脱炭素化、INDUST4.0などのテーマを説明。7月7日から9日まで開催の日本祭りでは裏方としてボランティア活動に参加。今日のルイーザさんとのディスカッションは打合せなしの本番の話が聞けると説明した。

小寺 勇輝会頭

総領事館からの案内では、桑名良輔総領事は7月7日から9日の3日間に亘ってサンパウロ・エクスポ・エキシビジョン&コンベンションセンターで開催された第24回サンパウロ日本祭りは、県人会(市川利雄会長)を中心に50を数える団体が各県人会自慢の郷土食を販売、「郷土食広場」のどの県人会ブースにも長蛇の列ができ、18万5000人以上の入場者を記録、7月13日から16日までアニェンビー会場で盛大に開催されたアニメ・フレンズフェスティバルについて説明した。

桑名良輔総領事

講師歓迎の辞では、Chieko Aoki ブルーツリー・ホテルズ&リゾーツ会長兼最高経営責任者は、Luiza Helena Trajano Magazine Luiza経営審議会会長|ブラジル女性グループ会長の国内外で比類希な影響力を持つ女性実業家で、ブラジルで女性の地位向上に努めていると紹介、また討論会のモデレーターを務めた。また小寺会頭は流暢なポルトガル語でルイーザ・トラジャノさんの知恵や経験を学びたい。質の高い社員育成の秘訣を知りたいと紹介した。

Chieko Aoki ブルーツリー・ホテルズ&リゾーツ会長兼最高経営責任者

Luiza Helena Trajano Magazine Luiza経営審議会会長|ブラジル女性グループ会長は、マガジンルイーザの発祥地はサンパウロ州奥地でミナス州に隣接しているフランカ市であったが、あの当時はブラジルでも女性が間口が狭いところで細々と商売をできる条件は限られていたが、叔母と母親の独立精神の影響を受けた。12歳の時から小売業での運転資金調達について学び、他人に雇われることは考えなく、アイデアを出して店舗が拡大することにやりがいを感じていたと説明した。

マガル―の愛称で呼ばれるようになるまでマガジンルイーザを大きくするには幾多の危機を乗り越えてきた。ルイーザ氏は勤勉で実直な日本移民に敬意を称しており、また商売では三方両得をモットーに「商いは、自らの利益のみならず、顧客や社会にとっても満足度が高いものであるべきだ」で顧客満足度の高いステータスを得ている。

強力な物流ネットワークを擁するオンライン小売りプラットフォームを運営するマガジン・ルイーザ社は、積極的にいろいろな分野のEコマースサイト運営会社を買収、美容分野の情報プラットフォームのスチール・ザ・ルック、食品Eコマースのビップコマースや食品デリバリーのトノルクロ、グランドチーフ・イ・プラス・デリバリー。その他、人工知能(AI)を用いてユーザーの効率的な商品検索を可能にする技術を持つスマートヒントの買収により、クラウド型のカード決済システムも導入した。マガジン・ルイーザは国内デジタルサービスの統合と充実したサービス提供の強化を進めている。

またコロナワクチン接種促進のキャンペーンも行い、国内外の女性9万5000人が参加、公共政策や性の平等、雇用、治安、質の高い保健医療などに取り組む、ムリェ―レス・ド・ブラジルというグループのリーダーも務めている。また人種間による社会的格差縮小のための活動も積極的に行っており、名実ともにブラジル実業界の女性のトップリーダーの素晴らしい講演に万雷の拍手が送られた。

Luiza Helena Trajano Magazine Luiza経営審議会会長

小寺会頭は、マガル―は誰でも知っているが、先日初めて店舗に入ったが、広いスペースに家具や家電がきれいに展示されており、販売員が生き生きと仕事をしている。サイトには各店舗の販売員の名前と写真が掲載されている。ルイーザさんには質の高い社員を育てる秘訣を聞きたい。社員のエンゲージメントを高めるためにどのようなことを実施しているのか尋ねた。ルイーザさんは従業員のモチベーションを高めることを常に考えて行動していると回答した。

異業種交流員会の長野昌幸副委員長は、どんな困難でも乗り越えるチャレンジで何時も学ぶところがあると説明されたが、顧客や従業員の行動で感動したことをたずねると、ルイーザさんは顧客の立場に立って考えると回答した。

質疑応答では、女性従業員をリクルートするうえでのコンセプト。マガル―の従業員の満足度が高い環境を作る秘訣。女性従業員だけの職場に男性従業員を雇用するメリット・デメリット。経営者がリタイヤする時の後任に適するキャラクターなどについて挙げられた。

写真左からChieko Aoki ブルーツリー・ホテルズ&リゾーツ会長兼最高経営責任者。小寺 勇輝会頭。Luiza Helena Trajano Magazine Luiza経営審議会会長。異業種交流員会の長野昌幸副委員長

代表者交代挨拶では、YKK社のTeppei Ohashi氏は、海外駐在はニューヨーク、上海、スペインに勤務。ブラジルYKKは50年間い亘ってファスナーを主に生産、また所有する農場ではコーヒー栽培を行っていると紹介した。

着任挨拶では、Mitsui & Co. (Brasil) S.A.社の  Shigeo Yanai氏は5月に着任、モビリティ部門のGM。南米勤務は初めてで、先日訪れた移民史料館では日本移民の苦労が理解できた。ブラジルの経済発展に微力ながら貢献したいと説明した。

3分間スピーチでは、Personal Tax社ジャヤパンデスクのDANIEL KIATAQUI責任者は、主な業務は外資系企業向けの税務コンサルティング、日本語、英語及びポルトガル語で対応、主要顧客30社のうち日系企業は5社、user-friendlyテクノロジー活用を説明した。

Personal Tax社のDaniel Kiataqui氏及びRoberto Terra氏は、顧客対応はポルトガル語、英語、日本語で日系企業も多数顧客、きめ細かい対応で喜ばれていると説明した。

Beyond HR社の Marcos Haniu氏は23年間在籍後8年間のブランク後に再入会、地場企業副委員長を拝命したと説明。社長のCamila Tsibana氏はイノベーションに力を入れており、20人の女性ばかりの従業員の平均年齢は24年。顧客の半数は商工会議所会員と説明した。

 

 

7月の労働問題研究会開催

企業経営委員会(島田領委員長)の労働問題研究会は、2023年7月19日午後4時から5時30分まで81人が参加して開催、進行役はリカルド佐々木副委員長が務めた。

初めにd Stüssi-Neves Advogadosの三原フェルナンドData Protection Officer (DPO) は、テーマ国家データ保護局(ANPD)による検査、違反、管理手続き、罰金およびその他の制裁の適用』“Fiscalizações, infrações, processos administrativos e aplicação de multas e outras sanções pela Autoridade Nacional de Proteção de Dados – ANPD” 。続いてMachado Meyer Advogadosの労働法担当の のDANIEL ALVES DOS SANTOSぱーとなーは、テーマ『法律 14.611/23 ~ 男女同一賃金と報酬基準を保証するための新しいメカニズム~』“A Lei 14.611/23 e os novos mecanismos para garantia da igualdade salarial e critérios remuneratórios entre mulheres e homens”についてそれぞれ講演した。

PDF anexos:
1. “Fiscalizações, infrações, processos administrativos e aplicação de multas e outras sanções pela Autoridade Nacional de Proteção de Dados – ANPD”
2. “Lei 14.611/2023 – Igualdade salarial e de critérios remuneratórios entre mulheres e homens”

今年上半期のブラジルの粗鋼生産及び消費共に減少(2023年7月19日付けヴァロール紙)

ブラジル鉄鋼協会(IABr)の発表によると、2023年上半期のブラジル国内の粗鋼消費は前年同期比マイナス1.6%に相当する1,150万トンに留まり、また粗鋼消費はマイナス0.1%、今年1年間の粗鋼消費はマイナス2.6%の2,290万トンに下方修正されている。

また今年上半期のブラジル国内の粗鋼生産はマイナス8.9%に相当する1,597万トン、6月の鉄鋼メーカーの設備稼働率は前年同月比マイナス6.1%の62.7%まで落ち込んでおり、ブラジル国内の鉄鋼メーカーの粗鋼生産能力は5,100万トンを擁するにも拘らず、3,400万トンの生産に留まっているとブラジルArcelorMittal社のJefferson de Paula社長は指摘している。

今年上半期のブラジル国内の鉄鋼製品販売はマイナス5.7%の960万トン、圧延鋼販売はマイナス3.8%、棒鋼販売はマイナス8.0%とそれぞれ減少している。

今年上半期のブラジル国内の鉄鋼製品販売がマイナス5.7%の960万トンに留まっている要因として、消費の82.5%を担う主な粗鋼販売先の建設業部門や耐久消費財部門、自動車部門の消費が落ち込んでいるためとJefferson de Paula社長は指摘している。

ルーラ大統領は更新した大衆住宅建設“私の家、私の暮らし”(MCMV)プログラムの暫定令MP発令で、政権終了する2026年迄の4年間に200万軒の大衆住宅建設及び100万人の新規雇用創出を謳っているが、この大衆住宅プログラムによる鉄鋼需要は今年下半期から効果が表れるとブラジル鉄鋼協会(IABr)のJefferson de Paula経営審議会会長は説明している。

今年6月初めに開始された連邦政府主導による大衆自動車販売促進プログラムによる鉄鋼メーカーの粗鋼販売は、トラックやバス、農業機械販売が低調に推移しているために、限定的と鉄鋼業界では見込んでいる。

今年上半期のブラジル鉄鋼メーカーの鉄鋼製品輸出はマイナス4.2%に対して、鉄鋼製品の輸入は43.2%と大幅な増加を記録している。

今年上半期の鉄鋼製品の輸入が43.2%と大幅な増加している要因として、レアル通貨に対するドル安の為替、過剰な世界的な粗鋼生産の拡大で過当競争になっているとJefferson de Paula経営審議会会長は説明している。

2023年のブラジル国内の見かけの粗鋼製品の消費量は2.6%減少す、粗鋼生産量は5%減少の3,238万トン予想、設備稼働率は6月に記録された値よりわずかに上昇し、63.6%となる見込みにも拘らず、2022年と比較すると3.3ポイント低下が予想されている。

今年のブラジル国内の粗鋼販売はマイナス6.0%の1,900万トンと年初予想の1.9%増加から大幅なマイナス予想に下方修正されている。また輸出はマイナス0.3%の1,190万トンと年初予想の2.5%増加から下方修正されている。

一方今年の粗鋼製品の輸入は25.6%増加の420万トンと年初予想の2.5%増加から大幅な輸入増加が予想されている。ブラジル鉄鋼協会(IABr)では現在上院議会で審議されている税制改革法案はブラジル産業界やサービス業界の進展に繋がると支援している。

ヴァーレ社の今年第2四半期の鉄鉱石生産は前年同期比6.3%増加 (2023年7月19日付けヴァロール紙)

資源大手ヴァーレ社の2023年第2四半期の鉄鉱石生産は、パラー州カラジャス鉱山の北山脈のS11D鉱山の鉄鉱石生産が記録を更新した影響で前年同期比6.3%増加の7,870万トンを記録している。今年第2四半期のS11D鉱山の鉄鉱石生産は前年同期よりも260万トン増加の1,910万トンに達している。

また今年第2四半期のヴァー社所有のミナス州の鉄鉱石生産も好成績を残しており、南東部システムの鉄鉱石生産は前年同期の1,950万トンを11.4%上回る2,180万トンを記録している。

また今年第2四半期のヴァー社所有のミナス州の南部システムの鉄鉱石生産は前年同期比8.5%増加の1,680万トンを記録、南部システムの鉄鉱石は地理的条件が整っているリオ州の港湾から輸出される。

ヴァーレ社の今年の鉄鉱石生産は3億1,000万トン~3億2,000万トンが予想されている。今年第2四半期の鉄鉱石生産は7,870万トンに対して、鉄鉱石販売は6,330万トンと生産量よりも1,540万トン少なかった。

今年第2四半期の含有量が高い1トン当たりの鉄鉱石の平均コモディティ価格は前年同期比マイナス13.1%に相当する98.5ドルに留まっている。

ヴァーレ社では数年前から、鉄鉱石の生産拡大ではなく、より多くの収益を確保する含有量の高い鉄鉱石生産に重点を置く戦略を優先してきている一方で、ヴァーレ社は鉱山の環境ライセンス取得における困難に直面しており、2019年1月のブルマジーニョでの悲劇の後、さらに困難になった経緯があったが、同社は昨日、ミナス州内の「トルト」ダムの運営ライセンス認可を取得している。

ヴァーレ社から分社化して新会社設立を進めている金属分野の業績も好調に推移。 今年第2四半期の銅生産量は前年同期比41%増加の7万8,800トンに達し、ニッケル生産量は7.9%増加の3万6,900トンで、今年の銅生産量33万5,000トンから37万トンの目標を維持する一方、ニッケルについても目標16万トン~ 17万5,000 トンを見込んでいる。

 

コンサルタント部会オンライン懇談会開催

コンサルタント部会(天野義仁部会長)オンライン懇談会は2023年7月19日午前10時から8人が参加して開催、進行役は天野部会長、三上副部会長が務め、8月29日の部会長フォーラム発表資料作成では、

テーマ:2023年度上期の振り返り並びに今後の展望 副題:ブラジル・中南米における今後の事業展開~ルーラ新政権の経済政策・外交政策を踏まえて~に対して、参加者からの発表議題として、現在上院で審議中の税制改革法案の今後の動向やスケジュール、間接税の変更、移転価格税制、メルコスールとEUとのFTA動向、熱帯雨林伐採削減や食糧増産、牧場土壌の改善、経済安全保障、グローバルサウス、男女賃金統一、M&Aなどが挙げられた。

参加者
KPMG  天野氏
KPMG  三上氏
KPMG      Henry Murata氏
個人会員 平田氏
Sol Nascente 赤嶺氏
JICA ブラジリア事務所 青木所長
在ブラジル大使館 林書記官
サンパウロ総領事館 吉田副領事

最大手工作機械メーカーROMIの今年第2四半期の売上並びに純益とも減少(2023年7月18日付けヴァロール紙)

最大手工作機械メーカーROMI社は、6月の製造業部門の企業経営者の僅かな景況感指数改善で、今後数カ月間のビジネス環境改善に期待している。

サンパウロ州サンタ・バルバラ・ダ・オエステ市の本社を構える最大手工作機械メーカーROMI社は、今年第2四半期の売上並びに純益とも減少している上に、受注残が前年同期比マイナス41.0%と大幅に減少している。

ROMI社経営陣は、第2四半期の売上高の減少にも関わらず、利益率が維持されていることを強調しており、6月の全国工業連盟(CNI)加盟の製造業部門の企業経営者の景況感指数(Icei)は回復、7月の企業経営者の景況感指数(Icei)は51.1ポイントと分岐点の50ポイントを上回っていると指摘している。

2022年10月の大統領選挙後、製造業部門の企業経営者の景況感指数(Icei)は60.2ポイントから48.8ポイントに急落し、現在は回復が鈍化している。7月の製造業部門の設備稼働率(UCI)は、下半期からより健全な水準への回帰の始まりとなる可能性がある。

世界的なインフレと高金利のシナリオで、海外市場は投資を実行するためのより困難な環境となっているため、ブラジル国内での回復が重要となっている。

海外不況の影響により、Romi 機械部門の受注は 25% 減少しました。このような不利な状況下で、同社はドイツの子会社であるBurkhardt-Weber社の受注は19%増加を達成と指摘している。

今年第2四半期の収益悪化が堅調であったのは鋳造・機械加工部品部門で、受注が85%減少し、電力価格の下落で風力エネルギー分野の撤退や投資延長の見直しを余儀なくされている。