3月のブラジルの貿易収支は110億ドルの黒字計上(2023年4月3日付けヴァロール紙)

開発商工サービス省(MDIC)の発表によると、2023年3月のブラジルの貿易収支は、前年同月比37.7%増加の110億ドルの黒字を計上、輸出総額は7.5%増加の330億6,000万ドル、輸入総額はマイナス3.1%の221億ドルであった。

今年初め2か月間の累積輸出総額は、前年同期比3.4%増加の764億ドル、累積輸入総額はマイナス1.9%の604億ドル、貿易総額は1.0%増加の1,368億ドルを記録している。

今年3月の中国、香港並びにマカオ向け輸出は12.3%増加、アジア向け輸出は9.6%増加、北米向け輸出は6.2%増加、南米は9.2%増加、ヨーロッパは7.4%増加、中近東はマイナス10.5%、アフリカは変わらず、中米及びカリブ地域は16.8%増加している。

今年3月のブラジルの農畜産物輸出は6.3%増加、鉱業は20.6%増加、製造業は1.6%増加、一方農畜産物の輸入はマイナス19.7%、鉱業マイナス23.8%、製造業部門の輸入はマイナス0.8%であった。

 

最終フォーカスレポートは今年のインフレ指数を5.96%に上方修正(2023年4月3日付けヴァロール紙)

3日ブラジル中央銀行の最終フォーカスレポートによると、2023年のブラジルの正式なインフレ指数の広範囲消費者物価指数(IPCA)は、前回予想の5.93%から5.96%に上方修正している。

2024年の広範囲消費者物価指数(IPCA)は、前回同様4.13%、2025年のIPCA指数も前回同様に4.00%にそれぞれ据え置いている。また2023年末の政策導入金利(Selic)を12.75%、2024年末のSelic金利は10.00%、2025年末のSelic金利は9.00%に据え置いている。

中銀の今年のインフレ指数の中央目標値は3.25%、2024年及び2025年は3.00%、許容値は±1.50%に設定されている。今年のGDP伸び率は前回同様0.90%に据え置いている。また2024年のGDP伸び率は1.40%から1.48%、2025年のGDP伸び率は1.71%から1.80%それぞれ上方修正している。

今月2日のブラジル地理統計院(IBGE)の発表によると、2022年のブラジルの国内総生産GDP伸び率は前年比2.9%増加したが、昨年第4四半期のGDP伸び率はマイナス0.2%を記録していた。

今年末のレアル通貨に対するドルの為替は前回同様R$5.25 、2024年末及び2025年末のドルの為替も前回同様R$5.30に据え置いている。

今年2月のブラジルの財政プライマリーは265億5,300万レアルの赤字計上(2023年3月31日付けヴァロール紙)

3月31日にブラジル中央銀行の発表によると、2023年2月の中銀、国庫庁並びに社会保障院(INSS)で構成される中央政府並びに州政府並びに市町村で構成される地方政府を合わせたブラジルの財政プライマリーは265億5,300万レアルの赤字計上したが、昨年2月の財政プライマリー赤字34億7,100万レアルの8倍以上に膨張している。

今年2月の中央政府の財政プライマリーは、392億3,800万レアルの赤字を計上していた一方で、地方政府の財政プライマリーは9億3,800万レアルの黒字を計上していた。

今年2月の過去12カ月間の累積財政プライマリーは、GDP比0.93%に相当する932億5,000万レアルの黒字を計上しているが、今年1月の財政プライマリーはGDP比1.23%と大幅な黒字を計上していた。また今年初め2か月間の累積財政プライマリーは、725億6,000万レアルの黒字を計上している。

今年2月の利払いを含む名目財政プライマリーは、906億6,000万レアルの赤字を計上、昨年2月の名目財政プライマリーは、225億4,500万レアルの赤字の4倍以上の赤字を計上している。

今年2月の名目財政プライマリーは265億5,300万レアルの赤字に加えて、利払い総額は641億5,300万レアルに達している。

今年2月の過去12か月間の累積名目財政プライマリーは、GDP比5.62%に相当する5,658億6,300万レアルと1月のGDP比4.97%を大幅に上回っている。前記同様利払いはGDP比6.54%、1月はGDP比6.2%であった。

 

今年2月の四半期の平均失業率は8.6%に上昇(2023年3月31日付けIBGEサイトより抜粋).

ブラジル地理統計院(IBGE)の継続的全国家庭サンプル調査(Pnad Continua)の調査結果を発表によると、2022年12月~2023年2月までの四半期の月間平均失業率は、8.6%と昨年9月~12月の四半期の月間平均失業率8.1%よりも0.5%上昇したが、前年同期比の11.2%の失業率よりも2.6%の大幅な減少を記録している。

2022年12月~2023年2月までの四半期の月間平均失業者数は、前四半期比5.5%に相当する48万3,000人増加の920万人に達しているが、1年前の同期比では23.2%に相当する280万人の減少を記録している。

前記同様労働者総数は、1.6%に相当する160万人減少の9,810万人、前年同期比では、3.0%に相当する290万人増加している。

また14歳から65歳までの労働人口に対する労働者総数は、前四半期比1.0%減少の56.4%、前年同期比では1.2%増加している。

今年2月の四半期の月間平均の労働手帳に記載される正規雇用者総数は、2.6%に相当する34万9,000人減少の3,680万人、前年同期比では6.4%に相当する220万人増加している。

前記同様労働手帳に記載されない非正規労働者総数は、2.6%に相当する34万9,000人減少の1,300万人、前年同期比では、5.5%に相当する67万8,000人増加している。

 

今年1月の鉱工業部門生産量は前月比マイナス0.3%(2023年3月30日付けヴァロール紙)

ブラジル地理統計院(IBGE)の鉱工業部門生産調査(PIM-PF)によると、2023年1月の鉱工業部門生産量は前月比マイナス0.3%、昨年12月の鉱工業部門生産量は前月比同率から悪化している。

今年1月の鉱工業部門生産量レベルは、Covid-19 パンデミック前の2020年2月の水準を2.3%下回っており、また過去最高水準であった2011年5月よりも依然としてマイナス18.8%に留まっている。

今年1月の鉱工業部門生産量は前年同月比0.3%増加、今年1月の過去12カ月間の累積鉱工業部門生産量はマイナス0.2%、昨年11月~今年1月の四半期の月間平均生産量はマイナス0.1%を記録している。

今年1月の鉱工業部門生産は前月比マイナス0.3%、調査対象の4部門のうち3部門でマイナスを記録、また25セクターのうち11セクターでもマイナスを記録している。

今年1月の鉱工業部門のセクター別調査でマイナスを記録したのは、医薬品セクターはマイナス13.0%、自動車・トラック・輸送機器セクターはマイナス6.0%、食品セクターマイナス2.1%、石油派生品・バイオ燃料セクターはマイナス1.5%、化学製品セクターはマイナス1.3%、金属セクターはマイナス2.8%、機械・装置・電気材料セクターはマイナス3.2%、情報機器・電気製品・光学機械セクターはマイナス3.5%、紙・パルプセクターはマイナス1.3%を記録している。

一方鉱工業セクターは1.8%増加、ゴム・プラスティックセクターは1.6%増加、非金属製品セクターは2.1%増加を記録している。

今年1月の鉱工業部門生産は前月比マイナス0.3%、前年同期比0.3%増加、過去12カ月間ではマイナス0.2%を記録、前記同様に資本財部門はマイナス4.2%、マイナス6.6%、マイナス0.4%を記録している。

また中間財部門はマイナス0.8%、マイナス1.7%、マイナス0.6%、消費財部門は0.1%増加、5.0%増加、0.6%増加を記録している。

消費財部門のうち耐久消費財部門はマイナス1.3%、13.9%増加、マイナス0.3%、非耐久消費財部門は0.1%増加、4.6%増加、1.0%増加を記録している。

金利高を背景に2月の銀行クレジットは減少(2023年3月30日付けヴァロール紙)

低調なブラジルの国内経済活動、高止まりしている銀行金利や欧米の銀行破綻やコンペチターによる合併などの要因で、2023年2月の銀行のクレジット部門の再度の悪化信号が点灯している。

また不正会計発覚の小売大手「ロージャス・アメリカーナス」は大手サプライヤーや信用保険会社に対して、200億レアルに達する一貫性にかけた不可解な不正会計の対応に追われており、ブラジルの国内銀行の与信強化や融資に慎重に成っている一因となっている。

ブラジル中銀の発表によると、今年2月の銀行クレジットは前月比マイナス0.1%の5兆3000億レアルに縮小、過去2カ月連続で銀行クレジットが減少したのは2018年1月及び2月であり、この時期は、ブラジルは利下げのサイクルにあったにも拘らず、金融市場は前の期間の金融引き締めの影響をまだ受けていたが、特に社会経済開発銀行(BNDES)の業務縮小もクレジット縮小につながった。

経済活動と密接な関係を持つ傾向にあるクレジットと個人及び法人の資金調達では、2月の季節調整済みデータで1月と比較して2.2%減少。 2 月の金融業界の営業日数は、 1 月よりも 4 日少なかったことがクレジット縮小につながっている。

今年2月の銀行クレジットの延滞率は1月の3.2%から3.3%と微増したが、昨年2月の延滞率2.5%よりも大幅に上昇している。融資先が自由に選択できる個人向け自由クレジットの延滞率は6.1%と前月比並みで推移したが、2016年9月以降では最高の延滞率を記録している。

今年2月の自由クレジット向け金利は前月比0.7%上昇して年利は44.2%、銀行の平均金利は31.2%、融資先が限定されている限定クレジット金利は0.8%減少、スプレッドは0.2%上昇している。

Zensho do Brasil Comércio de Alimentos Ltda. (ゼンショー)の原昭吾社長と後任の青山昇弘新社長が訪問

写真左からNorihiro Aoyama, Shogo Hara e Toshifumi Murata

Zensho do Brasil Comércio de Alimentos Ltda. (ゼンショー)の原昭吾社長と後任の青山昇弘新社長は、2023年3月30日に商工会議所を訪問、原昭吾社長は、応対した村田俊典事務局長に後任の青山昇弘新社長を紹介した。またCovid-19 パンデミックによる働き方や食生活の変化などについて意見交換した。

2023年上期の第5回部会長シンポフォーラム開催

生活産業部会並びに電機・情報通信部会共催の2023年上期の第5回部会長シンポフォーラムは、2023年3月30日9時から10時まで開催、司会は近藤フォーラム委員メンバーが務めた。

初めに生活産業部会の川頭部会長は、テーマ2022年下期の振り返りと今後の展望について、建設部門、不動産部門、商業賃貸市場及びエネルギー関連部門の受注金額推移、セメント価格・生産量の推移、新規住宅建設の推移、建設業新規従事者数、リモートワークによる住居変更、高齢者オーナーの資産処分増加、ポストコロナでの環境の正常化による案件増加、客先の設備拡大・事業地域拡大による案件増加、建設不動産の受注金額は堅調などについて説明。繊維関係の2023年上期の振り返り及び今後の展望では、綿花・綿糸相場の推移、今年の繊維分野は売上落込み予想、原材料高騰及び為替の影響などについて説明。また最後に高インフレの影響を乗り越えるための施策を説明。質疑応答では建設業界はコロナパンデミックの影響が軽減であった理由が挙げられた。

続いて電機・情報通信部会の水守部会長は、テーマ2022年下期の回顧と今後の展望について、アンケート結果では、業界の販売伸長及び縮小の要因、最優先経営課題、投資や経費の変化、今後の展望では予想の要因及び最優先経営課題、世界的な市況変化によるビジネスへの影響と対策、DX・SDGs関連取組、アンケートから見る経済展望などについて説明した。

市場概況では、設置機械稼働状況及び工作機械輸入金額傾向、ブラジルの冷蔵庫販売台数の推移、プリンターのタイプ別販売実績及び傾向、ブラジルの5G状況、パブリッククラウド状況、 サイバーセキュリティ対策のトレンド、XRの世界市場予測及びブラジルのXR事例などについて説明した。

最後に商工会議所、ブラジル政府、日本政府への要望として、日本‐メルコスール間のEPA交渉の促進。各国メルコスール関連の最新情報の発信、政治・財政の安定化、各種改革(税制・民営化等)の加速。為替安定化施策の実行。INMETROのオペレーション改善、国内製造業保護政策の強化、ブラジル経済、市況動向の情報共有を要請した。質疑応答ではXR導入に関する日本とブラジルの相違点が挙げられた。

生活産業部会発表資料 PDF

電機・情報通信部会発表資料 PDF

3月の労働問題研究会開催

企業経営委員会(島田領委員長)の労働問題研究会は、2023年3月29日午後4時から5時30分まで48人が参加して開催、進行役は鈴木ワグネル委員長、フェルナンド三原副委員長、リカルド佐々木副委員長が務めた。

初めにAoki, Ferreira, Mattioli & Yamashita Propriedade IntelectualのAlexandre Fukuda Yamashitapaパートナーは、「特許と工業意匠による技術革新の累積的保護」 “Proteção cumulativa das inovações tecnológicas por patentes e desenhos industriais”.続いて TozziniFreire AdvogadosのBianca Bilton Signorini Antacli パートナー及びClara Pacce Pinto Servaパートナーは、「ESG、社会環境の持続可能性、グリーンウォッシング: 課題か機会か?」 “ESG, sustentabilidade socioambiental e greenwashing: desafio ou oportunidade?”についてそれぞれ講演した。

ビデオ視聴は右クリック→Acesse aqui

PDF anexos:
1. “Proteção cumulativa das inovações tecnológicas por patentes e desenhos industriais”
2. “ESG, sustentabilidade socioambiental e greenwashing: desafio ou oportunidade?”

海外投資家のサンパウロ株式市場からの資金逃避が加速(2023年3月29日付けヴァロール紙)

米国の銀行の倒産やブラジル国内ではルーラ新政権の舵取りの不透明感などの要因で、今年1月迄株式市場を牽引していた海外投資家は、今年2月からサンパウロ証券取引所B3からの資金逃避が加速してきている。

今年2月の海外投資家によるB3からの資金逃避は、昨年9月以降では初めて投資額を上回り、今年3月の資金逃避は2月を大幅に加速している。

B3の発表によると、今年3月1日~24日迄のB3からの資金逃避総額は、2月の16億8,000万レアルの2倍以上に相当する35億1,000万レアルに達しており、資金逃避が加速してきている。

2022年3月の海外投資家のB3への投資総額は、引揚げ総額を213億6,000万レアル上回っていた。また昨年初め3か月間の投資総額は、引き揚げ総額を653億3,000万レアル上回っていた。

一方今年初め3か月間の海外投資家のB3への投資総額は、引上げ総額を73億6,000万レアル上回っているが、昨年同期の653億3,000万レアルとは比較にならない程少ない。

今年、海外のテクノロジーセクターは好調の一方で、コモディティおよびバリュー企業のパフォーマンスは低調に推移した要因で、海外投資家のB3からの投資引揚げが加速しているとAshmore社調査部門責任者の Gustavo Medeiros氏は指摘している。

主にテクノロジー部門の企業によって形成される米国のナスダック指数が 今年現在まで 11.94% 上昇する一方で、サンパウロ平均株価指数(Ibovespa)は、7.79% 下落していると Gustavo Medeiros氏は指摘している。

米連邦準備制度理事会 (FRB) をはじめとする各国の中央銀行による利上げが行われる中で、年初から続いていた世界的なリスク回避の動きは、ここ数週間、米国のSilicon Valley Bank 及びSignature Bankの倒産、クレディ・スイス銀行の売却で最高潮に達した国際金融の混乱が海外投資家によるB3からの資金逃避の背景となっている。

J.P. モーガンのラテンアメリカ株式市場ストラテジストのEmy Shayo Cherman,氏は、米国で信用懸念が表面化し始めて以来、過去2週間に亘って新興国市場への資金流入がマイナスになっていると指摘している。

2022年2月~2023年3月迄の海外投資家によるサンパウロ証券取引所の投資金の増減