タイソンフードがトウモロコシ不足の影響でブラジルに進出

 米国食品大手のタイソンフードは、日産28万羽の鶏肉加工をする中堅食品会社ぺーナ・ブランカ社を買収して、年末までにブラジルに進出する予定である。

 米国ではエタノール生産の影響で、とうもろこし価格がトン当たり82.60ドルから2倍近い153ドルまで高騰、鶏肉生産コストはブラジルの43セントに対して、米国は55セントと価格競争力を失ってきており、生産拠点をブラジルに移してコスト削減、米国やメキシコに輸出する。

 タイソンフードのブラジル進出で2010年には、売上50億ドルを予定しており、食品加工業界ではペルジガンやサジアなど食品大手では、業界再編や生存競争が更に激しくなると予想されている。(13日付けエスタード紙)

BNDES銀行のインフレ部門クレジットが増加

 社会経済開発銀行(BNDES)の今年10ヶ月間の融資総額は、前年同期比40%増加の498億レアル、最終12ヶ月間ではインフレ部門への融資が急増して、666億レアルと記録を更新した。

 最終12ヶ月間のインフラ部門への融資は、80%増加の259億レアル、農畜産部門は39%、鉱工業部門は15%、商業・サービス部門は119%とそれぞれ増加した。

 また同時期のインフラ部門への融資承認は、80%増加の379億レアル、内訳は輸送セクターが450%増加の164億レアル、情報通信セクターが176%増加の61億レアル、電力エネルギー79%増加の84億レアル、建設セクターが89%増加の38億レアルとなっている。(13日付けエスタード紙)

ブラジルのソフト輸出は世界5位

2005年のブラジルのソフトやITサービス輸出は、世界10位であったが、今ではインド、中国、マレーシア、タイに次いで5位となっているが、2007年のソフト輸出は、ルーラ政権目標の20億ドルを大きく下回る8億ドルが見込まれている。

ソフトウエアの多国籍企業であるIBM,インド資本タタは、ブラジルからITサービスを輸出、HP及びデル社は世界向けのソフト開発をブラジルで行なっている。

医薬品Rhodia社は、世界中の同社向けのIT技術センターをブラジルに設置、また連邦政府は2010年までにはソフトやITサービス輸出を50億ドルに見込んでいる。(10日付けエスタード紙)

ブラジルはOPEC入りか

先週、ツピー鉱床での石油埋蔵量が、現在の埋蔵量の50%に相当する50億バレから80億バレルの巨大な深海底油田発見が発表され、世界でも10指に数えられる石油国になると予想されているために、石油輸出国機構(OPEC)入りが話題に上っている。

しかしこのツピー油田の操業は、2013年以降と見込まれているために、エネルギー危機が心配されており、電力消費の大きいセラミック、ガラス、製鉄や化学工業部門では、投資による生産増加は見送られる可能性が大きい。

イラン危機で石油価格は120ドルまで上昇すると見込まれており、また今後20年間に亘って、中国及びインドの石油需要が旺盛であるために、石油価格低下のシナリオは見込めない(12日付けガゼッタ・メルカンチル紙)

来年も住宅建設ブーム継続

金利の低下、住宅ローンの長期化やマクロ経済好調で、住宅建設ブームになっているが、来年は更に今年の40%増加の500億レアルの新築住宅が、建設されると業界では見込んでいる。

今年はすでに大手建設不動産会社14社が新規株式上場(IPO)、充分な運転資金を持っているために、建設ブームに拍車がかかると見込まれている。

ブラジルの住宅ローンは、僅かにGDP比2.0%であり、メキシコの12%、米国の100%と比較できないほど少ないが、今後5年間にGDP比10%から15%まで増加すると見込まれている。(12日付けエスタード紙)

ブラジル国民の大半は民営化に反対

Esta-do/Ipsosの調査によると、民営化された電信、道路、電力エネルギーや上下水道部門で、インタビューした25%は民営化でよくなったが、大半はサービスの悪化を指摘している。

1994年の州銀行の民営化では57%は支持していたが、1995年の調査では43%の支持率まで下げており、電力エネルギー部門の民営化でのサービス悪 化は55%に達しており、上下水道は54%、道路コンセッション47%、電信部門は51%とそれぞれ悪化したと調査結果がでている。

またブラジル銀行の民営化調査では反対は77%、連邦貯蓄銀行78%、ペトロブラス石油公社の民営化反対は78%と大半が民営化に反対しており、特に北東地域ではその比率が高い。(11日付けエスタード紙)

アウキミン元知事を迎えて懇親昼食会

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田中会頭からプレート贈呈された講演者のアウキミン元聖州知事

 日本ブラジル商工会議所の11月懇親昼食は9日正午から、クラウン・プラザホテルに140人が参加して開催、ゲストスピーカーに親日家のジェラウド・アウキミン元聖州知事が「経済について」と題して講演した。

 アウキミン元知事は初めに、最終20年間のブラジルの経済成長率(GDP)は年平均2.5%、世界の平均GDP伸び率の5.0%と大幅に世界平均を下回っており、またブラジルの人口増加率は、年平均3.0%をGDPの伸び率を上回って、持続的経済成長を達成するためには雇用創出、投資及び貯蓄の増加が必要である。

また持続的経済成長達成するためには、垂流しの公共支出の減少、民営化の促進、連邦政府、州政府や市町村のコストカットによる支出削減、4つの構造改革、絶対的優先改革は、社会福祉制度及び税制改革であり、その次に労働法・組合法改革、司法改革並びに、40政党以上あるブラジルの政党制度などを変える政治改革であると指摘した。

 
 税制改革では第二次大戦後の1947年の税率は、GDPの13%であったが、昨年は37%まで達しており、福祉国家の多いヨーロッパ並みであり、米国の30%、日本の21%をも大幅に上回る税率となっているが、ブラジル国民は先進国なみの重税に対する恩典は、殆ど受けていないと述べた。

 ブラジルも医療技術・医薬品の発達、栄養・衛生面向上で、乳児死亡率は低下してきており、1980年の人口構成はピラミッド型であったが、2000年にはすでに高齢化及び少子化社会突入で、先進国並みの楕円形となってきており、今後益々僅かな労働人口が多くの高齢者を支えなければならない、社会問題発生が火を見るより明らかであり、年金改革や社会福祉改革が必要であると強調した。

 医療や健康分野では乳児死亡率が飛躍的に減少してきており、1940年の農村地帯では1,000人当り104人であったが、今では23人に減少、都市部では13人まで減少してきているが、北東地域では南部や南東部地域に比較して、医療や栄養面で遅れているために死亡率が高い。

 ブラジルの男性の癌では皮膚癌、前立腺癌、肺癌、女性では皮膚癌、乳房癌、消化器系癌が多いが、1940年の平均寿命は僅かに41.5歳、2005年は72歳で、女性は男性よりも7年平均寿命が高く、今後の医療技術の発達や新薬開発などを考慮すると、男性の平均寿命は100歳まで延びる可能性があり、女性は死亡しなくなるとユーモアを効かせて、会場を爆笑の渦にした。

 しかしブラジルの現状として、公共支出は大判振る舞いで増加の傾向にあり、社会福祉関係の赤字は年間1,200億レアル、対内公共負債は1兆レアル、世界で最も高い金利や社会福祉関係への投資は、ほぼゼロに等しいと厳しい現状を説明した。

 しかしブラジルは天然資源や広大で肥沃な国土に恵まれているお陰で、砂糖、コーヒー大豆、オレンジジュース、鶏肉、鉄鋼や鉱物資源では、世界のリーダーの位置を占めて、明るい未来が約束された土地であるが、全国的に上級連邦・州政府公務員本給が政府支出を圧迫しているが、サンパウロ州ではその比率低下が顕著になってきている。

 またサンパウロ州では繊維製品、履物、食料加工品の商品流通サービス税(ICMS)を18%から12%にそれぞれ下げ、小麦、パンやパスタは7%から免税、エタノールやワインを25%から12%に下げたが、減税したことによって脱税が低下したため、税収が増加したと説明して、減税による効果はアングラ経済への潜水を阻止して、経済活動を活性化させると説明した。

 また零細・小企業向けパウリスタ簡易納税法では、61万6,800社が恩恵を被っており、アングラ経済からの脱出に役立っており、また2000年から開始した電子入札システムでは、45億レアルが成約したが、人件費や印刷物削減などによるコスト減は、計り知れないと説明した。

 治安悪化が問題になっているが、サンパウロ州では逆に殺人犯罪件数は、1999年の1万2,818件から毎年低下してきており、昨年は半分以下の6,161件に低下、また連邦政府は大学や大学院への教育投資を盛んに行なっているが、ブラジルのような発展途上国の教育は,低・中学年教育への投資が重要であり、サンパウロ州では中等教育の脱落率が顕著に低下してきていると述べ、ブラジルの諺「天気の良い日は屋根の瓦の修理をしなければならない」を引き合いに出して、好調なブラジルのマクロ経済や世界経済、金利の低下、膨れる外貨準備高、為替など燦燦と輝く晴天に恵まれた現在、時間のかからない政治改革の近代化や組合改革などを早急に行なわなければならないと述べた。

 最後にアルキミン元知事は小泉純一郎首相とグアタパラ移住地の上空をヘリコプターで飛んだ時に、小泉首相に手を振っている移住地の人々に感激した小泉首相は感激して、ヘリコプターを降りさせて、皆と感激し合った現場に一緒にいた自分も感激、親日家のアウキミン元知事は、言葉も習慣の天と地ほど違う日本から来た日系移民の農業への貢献は計り知れないと結んで、割れんばかりの拍手を受け、田中信会頭から記念のプレートが渡され、気さくなアルキミン元知事は、次々と写真撮影に応じて人気の高さを証明した。

 昼食会は平田事務局長が司会を務め、初めに特別参加者のアルキミン元聖州知事、ジョアン・カルロス・メイレーレス元聖州経済・科学技術・観光開発局長、マコト・イグチ元連邦議員/元フェーラス市長、ブラジル・アフリカ商工会議所のアダルベルト・カマルゴ会頭/ブラジル・ナイジェリア商工会議所会頭、カルロス・ケンジ・フクハラ州儀典長補佐/ブラジル日本イミン百周年記念協会儀典担当、西林万寿夫総領事、旭日双光章受賞した後藤隆顧問を紹介した。

 連絡事項として渡邉裕司コンサルタント部会長はコピー商品の横行で知的財産問題に対する保護や防衛対策として他国の商工会議所と連携して連邦政府への陳情のためのアンケート調査への協力依頼及び11月6日から7日にかけて実施されたミナス州産業視察ツアー報告を行い、続いて山田唯資監事会議長は第3四半期会計監査及び常任理事選挙日程などについて報告、3分間スピーチではトラドブラス社のウイリアム・イシイ社長は日本酒の輸入販売及び昼食会での酒ピリーニャやカクテルなども提供した。

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田中信会頭からプレート贈呈された講演者のアウキミン元聖州知事

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講演するアウキミン元知事

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田中会頭/アウキミン元知事/平田事務局長

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熱心に講演を聞く参加者

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旭日双光章受賞した後藤隆顧問/山田監事会議長/寺本専務理事

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平田事務局長/元聖州メイレーレス経済科学技術観光開発局長/フクハラ元聖州儀典長補佐

トレドブラス社の新企画

William Carlos Ishiyトレドブラス社のウイリアム・イシイ社長は日本から日本酒を輸入、日本食ブームを巻起しているブラジルで、更に日本酒の良さを広めるために、酒ピリーニャ、カクテル、冷酒など、色々な飲み方や酒の歴史などの日本酒の素晴しさの啓蒙に努めている。

(写真:トレドブラス社のウイリアム・イシイ社長)

チリ資本Cencosudが BGarbosaを買収に成功

チリ資本のスーパーチェーン網Cencosud社は、ブラジル北東部地域のセルジッペ州、バイア、アラゴアス州で48店舗のスーパーチェーンを経営するBGarbosa社買収で、パン・デ・アスーカルとカーレフールと激しく争っていたが、総額4億3,000万ドルでの買収に成功、消費市場の巨大なブラジルに進出する。

Cencosud社はスーパー357店舗、21のショッピングセンターや金融会社などをチリやアルゼンチンで手広く経営しており、今年の売上は70億ドルを予想されており、今後4年間でBGarbosa社に12億ドルを投資して、チェーン網や売上を拡大する。

北東地域のスーパー業界は、ウォール・マートが118店舗でトップ、パン・デ・アスーカルが47店舗、カーレフールもアタカダンを傘下に収めて市場獲得に凌ぎを削っている。(8日付けエスタード紙)

2007年度異業種交流委員会議事録(11月)

日時:2007.11.08(木)
場所:ブラジル日本語センター
出席者(ABC順):ABE・AKAMINE・ITAGAKI・MATSUDA・MINAMI・
NISHIOKA・OHNO・TAKEDA・YAMASHITA

記 ABE

【議事録】
1.次回12月度担当者
・会場/連絡係 西岡・大野
・会計係   竹田

2.本日の勉強会テーマ(参加者:19人)
ブラジルでの小荷物の受け取り方(山下副委員長)
サッカーの日伯の違いについて(大野さん)

以上