編集部2018年7月9日午後3時55分 2018年7月10日午後2時57分修正
本記事に関連する法案
• PDS 26/2018
• PDS 57/2018
• PDS 69/2018
• PLC 76/2018
• PLS 188/2014
• PLS 513/2017
7月10日(火)の本会議の最初の審議に、清涼飲料水の生産に使用される濃縮液(シロップ)に対する工業製品税(IPI)の税率を変更する大統領令の効力を停止させる法令案が取り上げられる。本会議は、午後2時から。
法令案第57/2018(PDS 57/2018)は、アマゾナス選出の上院議員らが起草したもので、5月に公布された大統領令第9,394/2018号(Decreto 9.394/2018)を一時的に失効させることを目的にしている。同大統領令は、清涼飲料水の製造に使用される濃縮液に対するIPIの税率を、20%から4%に引き下げるという内容。問題は、最終生産物である清涼飲料水に対する税率が4%であること。この課徴率の差は、大統領令の施行前、タックス・スペアリング・クレジットとして清涼飲料水業界の支払うIPIと相殺されていた。連邦政府は、税負担のバランスを調整するために税率を引き下げるインセンティブであり、原料への課税(20%)は製品に対する課税(4%)よりも大きかったねじれを解消するものだと主張している。だがアマゾナス州選出のオマル・アジズ上院議員(PSD:社会民主党)とヴァネッサ・グラジオチン上院議員(PC do B:ブラジル共産党)は、税制優遇措置の恩恵を削減することでこの大統領令がマナウス・フリーゾーン(ZFM)に対する介入となり同州の利益を害すると主張している。
この問題に関する業界団体の意見も、憲法・法務委員会(CCJ)の意見招請で明らかなように、2分している。地場の清涼飲料水メーカーを代表する団体は、コカ・コーラとアンベブのような大手メーカーがアマゾナス州に工場を集中させることで割安な製品を流通させて国内各地の支社の税負担を相殺していると批判する。それだけでなく、これらの団体によると、遠くマナウスから離れた場所に工場を持つ地場メーカーにはこうした税制優遇措置はなく不当競争を強いられていると主張する。
経済問題
外にも、1月1日付で小・零細企業向け税及び賦課金統合納付制度(Simples)の適用外となった個人零細事業主と零細・中小企業を同制度適用企業への復帰を認める補足法案第76/2018号(PLC 76/2018)も審議される。
同法案は、経済検討委員会(CAE)において全会一致で承認され、同法案を上院特別委員会に提出したジョゼー・ピメンテル上院議員(PT:労働者党)の要請を受けて本会議での優先的議題として認められた。
この外にもこの日の本会議では、連邦収税局による権利放棄の恩恵を受けたすべての法人・個人の名前を公表する権限を連邦政府に認める上院提出法案第188/2014号(PLS 188/2014)の表決も予定される。この場合、恩赦と、価額変更、助成、推定による前決め学でのタックス・スペアリング・クレジットの付与、免税、税あるいは社会賦課金の納付額減額につながる税率の変更あるいは税算出基準価額の変更などを連邦収税局による権利放棄の恩恵と位置付ける。2018年の場合、この間接的な支出(租税支出)はGDP比4%に相当する2,834億レアルが見込まれる。
国際協定
航空サービスに関する8件の国際協定も、同様の今回の本会議で審議される。そのひとつは、2015年5月に締結されたブラジルとメキシコの合意を批准する法令案第26/2018号(PDS 26/2018)で、両国の航空会社が離発着の運用に特権を与えるものである。
この協定は、一般的に「オープンスカイ」協定として知られるもので、2か国が相互に相手国の上空を離陸せずに通過する、商用飛行を目的としない便数の規模を引き上げる、双方の航空当局が旅客便と貨物便、あるいは郵送便の離発着に対して合意した範囲内で特別便のルートの規模を引き上げるといったことを可能にする。
メキシコに関しては別の、法令案第69/2018号(PDS 69/2018)も今本会議で表決を行う。同法令案は、ブラジル国内でテキーラとして販売されるすべての飲料がメキシコで生産されたものであること、同様に、メキシコで販売されるすべてのカシャッサがブラジルで生産された者であることを定める。
コミュニティー・ラジオ
さらに本会議では、地域あるいは集落への放送を目的としたコミュニティー・ラジオに対して、従来の1局ではなく3局を対象に、25Wではなく200Wに出力を引き上げることを認めるべくエリオ・ジョゼー上院議員(Pros:社会秩序共和党)が提出した上院提出法案第513/2017号(PLS 513/2017)も審議する。
上院の科学技術・イノベーション・コミュニケーション・情報技術委員会(CCT)に同法案を提出したウァルデマル・モカ上院議員(MDB:ブラジル民主運動)は、現行の出力では周囲1kmしか届かず包装の役割としては限定的で、想定されるオーディエンスのニーズに多くの場合は答えられないと主張した。パウロ・ロッシャ上院議員(PT:労働者党)は、同法案の支持を表明、コミュニティー・ラジオは数100万人の情報を入手できない人たちに情報を届け、ブラジルの民主化に向けた取り組みで戦略的な役割を担うとコメントした。
上院報道部(Agencia Senado)