異業種交流委員会(吉田伸弘委員長)主催のオンラインセミナーは2022年5月25日午前10時から11時まで約50人が参加して開催、講師に日系2世の斎藤俊男氏を迎えて、テーマネギ王・斎藤俊男様の逆転人生」で講演、進行役は湯原慶副委員長が務めた。
長葱の名産地で知られる埼玉県深谷市で、日本国内最大級の長葱農家を経営する斎藤俊男さんは、パラナ州テーラ・ボア生まれの二世で、1990年2月にデカセギとして訪日した。
斎藤さんは自分の会社を作る目標のために、給与の良い危険な高圧電気工事でがむしゃらに働いて1995年に有限会社設立。人材派遣、業務請負、不動産業務、保育園など手広く経営。2008年のリーマン危機で会社は壊滅的な影響を受け、税金滞納相談に税務署に行く途中に、跡継ぎのいない多くの放棄されている荒れた農地を見て、農業参入のチャンスが閃いた。
農業経験のない斎藤さんにとって、日本での農業参入には色々なハードルの高い問題を克服して、日本1の目標を掲げて色々な作物栽培から機械化による一年中供給できるネギ栽培に切り替えた悪戦苦闘の経緯を説明した。現在の栽培面積は東京ドーム40個分、1日の出荷量は10トン、長ネギ生産は日本だけであり、世界1の生産量を誇っている。
斎藤さんは経営者に必要なものとして、自分のことを信じる。継続力。正直。信用。そしてナンバー1を目指す不屈の精神力を挙げた。斎藤さんは最後に兎に角、目標を定めたらナンバーワンを目指して努力してくださいとエールを送った。
質疑応答では、日本とブラジル間のビジネスをより活性化するには何が足りないのか。斎藤さんのパワフルな人生の原動力は。日本とブラジルの経営者の従業員に対する向き合い方の違いは。保育園や学校など手広く経営しているが、斎藤さんの次のチャレンジは何かなどが挙げられた。
講師略歴
1990年 訪日し岐阜県や埼玉県の自動車部品工場に就労
1995年 人材派遣会社ティ・エス、学校法人ティ・エス学園設立
2012年 ティ・エスファーム設立
2018年 ティ・エス財団設立 (奨学金制度).その他、埼玉県上里町青年会議所理事長、本庄市青年会議所副理事長、上里ロータリークラブ地区委員などを歴任。
2021年 ニッケイ新聞主催「第64回プレミオ・パウリスタ賞」で特別賞受賞
講演中の斎藤俊男さん
講師の斎藤さんを囲んで異業種交流委員会メンバーと記念撮影