9月定例懇親昼食会は2023年9月22日正午から午後2時過ぎまでブルーツリーホテルに約100人が参加して開催、司会は村田俊典事務局長が務めた。
特別参加者として、 元柔道ブラジル男子代表チーム監督の藤井裕子氏、銅メダリスト柔道家のラファエル・シルヴァ氏、 桑名良輔 在サンパウロ日本国総領事、慶応義塾大学名誉教授の渡邊頼純教授、日系主要団体から文協のロベルト・タナカスポート担当理事、アリアンサのCarlos Fujinaga氏などが紹介された。
小寺勇輝会頭は、会頭挨拶 でラグビーやバスケットなど日本のスポーツ界が大いに奮闘しており、監督に外国人を据えて日本のスポーツ選手はパワーやスピードアップ、戦術アップ、適材適所に配置して組織力を高めてきており、会社経営に学べることがあるのではないか。柔道は個人競技であるが、技の切れ具合、試合の駆引き、柔よく剛を制す。藤井裕子氏は女性ながら男子柔道のコーチを務めて苦労があったと思うが、苦労をいかにして乗り越えた話が聞きたい。名誉顧問の桑名良輔総領事の最後の昼食会となるが、会議所活動に尽力して頂いた。したしみやすく寛容な人で名残が惜しいが、新しい門出を祝いたいと述べた。
小寺勇輝会頭
桑名良輔 在サンパウロ日本国総領事は、帰国挨拶でついにこの日が来た。前半はコロナで仕事が思うようにはかどらなかった。今年の7月~ 8月にかけて10数件のイベントに出席、帰国は道半ばで残念な気持ちです。メキシコから赴任してきたが、ブラジルは圧倒的にすべてがメキシコを勝っている世界に類を見ない国と感じている。日本にとってブラジルほど重要な国はなく、ポテンシャルを感じている。赴任中は最大限に日伯関係強化に努力をしてきた。草葉の陰から皆さんの力になりたい。早急に日伯EPA締結してほしい。短期ビザ免除になってよかったと説明した。
桑名良輔 在サンパウロ日本国総領事
代表者交代挨拶では、Japan Airlinesのサンパウロ営業所の今安 毅所長は5年間勤務、前半は運輸サービス部会副部会長、後半は運輸サービス部会部会長と務めたが、コロナで最もダメージを受けた部会であった。日本政府に対して水際対策緩和を要請したことなどを説明した。同後任の初田圭祐所長は8月30日に着任、短期ビザ免除でインバウンド回復が期待できる。日伯関係発展に尽くしたいと説明した。
Japan Airlinesのサンパウロ営業所の今安 毅所長
Japan Airlinesのサンパウロ営業所の後任の初田圭祐所長
新入会員紹介ではHOYA社のCarlos Matos氏は1941年創業、シンガポール、オランダ、米国など60ヵ国に3万7000人の常行員を擁しており、HEALTH CARE & MEDICAL部門の売り上げは全体の66%、エレクトロニクス・イメージング部門は34%などについて説明した。
HOYA社のCarlos Matos氏
特別スピーチとして慶応義塾大学名誉教授の渡邊頼純教授は、テーマ「日本の経済連携」について、FTA大国メキシコとのFTA締結に関わり、日本は初めにシンガポールとFTA締結、2番目はメキシコであったが、農産物分野の交渉は厳しかった。FTA締結交渉前には、産官学で共同研究会の立上を行う。日EUのEPA交渉は価値観の共有で締結した。日本は24ヵ国と二国間協定、 21のFTAを結んでいる。未だに南米大陸の大西洋側が残っている。早々の日本とメルコスールのEPA交渉実現してほしいと説明した。
慶応義塾大学名誉教授の渡邊頼純教授
講師歓迎の辞では小寺勇輝会頭はポルトガル語で略歴を紹介。モデレーターはJICAサンパウロ事務所の江口雅之所長が務め、2018年〜2021年、柔道ブラジル男子代表チーム監督を務めた藤井裕子氏と2016年RIOオリンピックの100キロ超級銅メダリスト柔道家のブラジル男子代表チームのラファエル・シルヴァ氏が座談会形式で参加、初めに藤井氏に対して柔道を始めた動機についての問いに対して、5歳の時に母親が捻挫して整骨院に行ったときに、体格の良かった私に声がかかり、1992年のバルセロナオリンピックで女子柔道が公式種目になったタイミングであった。
またラファエル選手には柔道を始めた動機に対して、日系人多いパラナ州奥地で5歳から空手、15歳から柔道を始めたが、幼少のころから日本的な武道に自然に馴染んでいた。
ブラジルで柔道を指導する時に何を要求されたか-初めに基本をしっかり教えてほしいと要請された。ブラジルはメダリストが多いが、指導者が少なかった。
ブラジルの柔道指導で苦労したことは-日本では指導者の指示通りに練習をするが、ブラジルではなぜこの練習をしなければならないのか、いちいち聞いてくるので、選手を納得させる必要がある。
ラファエル氏は、藤井氏の指導者としての優れたところは-基本練習の反復の大切さ、戦う姿勢を根気よく指導する。
ラファエル氏はRIOオリンピック前に怪我をして手術をしたために半年間練習できなかったが、精神的にどのように乗り越えたか-挫けそうになっても勝つことに対して信念をもって練習に没頭した。藤井氏は怪我をするのは現実で仕方がないが、ラファエルを観察していると復活できる人間が怪我をするのかと思う。
仕事で失敗したり、挫けることはあるが、リーダーとしてどのように部下に声をかけるのかー上司は早く用結果を見たいのでナーバスになるが、忍耐力が大切であり、真剣に部下と向き合うことが大切と説明した。
普段から心がけていることは。指導方法に影響を与えた人物。全く文化が違うところで信頼関係をできた理由。ブラジルの柔道界の発展に必要なことなどが挙げられた。
質疑応答ではブラジルに来てよかったこと。日本発祥の柔道を続けて良かったこと。人間形成で日本の武道は役立つかなどが挙げられた。また藤井紙及びラファエル氏に記念プレとが贈呈された。
左からモデレーターのJICAサンパウロ事務所の江口雅之所長.藤井裕子氏.ラファエル・シルヴァ氏
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