今年1月のスーパーやレストランの売上は前年同月比マイナス2.7%(2022年3月22日付けエスタード紙)

2022年1月のスーパーマーケットやレストランの売上は、オミクロン株の感染拡大、インフレ圧力の上昇、実質所得の減少や消費習慣の変化のインパクトを受けた。

経済調査院(Fipe)及びクレジットカードAlelo社の共同調査によると、2022年のスーパーマーケットやレストランの売上は、前年同月比マイナス2.7%を記録している。

今年1月のレストランの消費指数(ICR) は、前年同月比マイナス0.7%、レストラン軒数はマイナス2.5%と外食部門はCOVID-19パンデミックによる一般消費者の生活習慣の変化をAlelo社のCesario Nakamura社長は指摘している。

また今年1月のスーパーマーケット消費指数(ICS)調査では、スーパーマーケット軒数は前年同月比5.5%増加、売上は6.6%増加を記録している。

今年1月のレストラン消費指数(ICR) のCOVID-19パンデミック前の2019年1月との比較では、純益はマイナス25.0%、売上はマイナス40.3%を記録した一方で、レストラン軒数は1.7%増加している。

また今年1月のスーパーマーケット消費指数(ICS)調査では、売上は前年同月比9.8%増加、スーパーマーケット軒数は14.1%増加したが、販売量はマイナス1.3%を記録している。

2021年のスーパーマーケットの販売は、COVID-19パンデミック前の2019年比では約10%減少していたが、今年1月の販売は、COVID-19パンデミック前の2019年1月比では僅かマイナス1.3%まで回復している。

スーパーマーケット消費指数(ICS)調査対象は、がスーパーマーケット、八百屋、食料品店、hortifrutis、食料品店で行われる取引を調査する一方で、レストラン消費指数(ICR) 調査は、バー、スナックバー、パン屋、配達サービスとテイクアウトサービスを対象に調査しているが、レストランなどでの調理済み料理の内食の消費拡大による食習慣の変化を指摘している。

2021年の食品部門の実質売上は前年比3.2%増加(2022年2月16日付けヴァロール紙)

ブラジル食品工業会(ABIA)の発表によると、2021年の食品部門のインフレ指数を差引いた実質売上は、原材料並びに包装関連の供給不足による影響で前年比3.2%増加に留まった。

しかし昨年の食品部門のインフレ指数10.6%を考慮しない名目売上は前年比16.9%の大幅増加の9226億レアルを記録、食品部門の生産は前年比1.3%微増に留まっていた。

昨年の食品部門は農畜産の国際コモディティ価格上昇による原材料の製造コスト及び包装関連コスト上昇にも拘らず、製造コスト上昇分の最終消費者への価格転嫁ができず、収益を圧迫された。

昨年の食品部門は、COVID-19パンデミックの影響でレストランやバーの外食部門の売上は減少した一方で、巣籠需要による食品販売が大幅に増加していた。

今年のブラジルのGDP伸び率が0.5%~1.0%増加に留まる予想では、食品部門の実質売上は前年比1.5%~2.0%増加に留まると予想されている一方で、食品部門の輸出は昨年並みの450億ドルが見込まれている。

昨年のブラジル国内の食品部門の実質売上は前年比1.8%増加、食品部門生産は1.0%増加。昨年の総売上高は、2020年に24.3%減少した家庭外食品チャネルからの売上高が26%増加の6,785億レアルに達している。

昨年のインフレ指数は二桁台の上昇を記録、昨年初め9か月間の一般消費者の買い物の習慣に変化が表れており、食品の購入頻度は前年比マイナス2.1%、1回の購入額もマイナス1.8%を記録、この期間の食料品価格は11.8%上昇した一方で、購入金額は9.7%増加に留まっている。

昨年の食品価格は国際コモディティ価格の上昇に伴って値上げを余儀なくされたが、特にコーヒー価格は60%高騰、パームオイルは55%、大巣は43%それぞれ増加している。

国家配給公社(Conab)によると、2021/22年度の穀物生産は、南部地域の旱魃の影響で大豆の大幅な減産が見込まれているが、最終予想は、1月の2億8,440万トンの予想を大幅に下回る2億6,820万トンに下方修正されたにも関わらず、昨年の生産を5.0%上回る予想で、記録更新が見込まれており、食品価格の値上がりは昨年を下回ると予想されている。

 

Kraft HeinzはHemmerを買収(2021年9月23日付エスタード紙)

ケチャップで有名なハインツ社と、米国の食品大手のクラフト・フーズ社が合併して2015年に誕生したクラフト・ハインツ社は、ブラジル系食品会社Hemmer社の買収で合意した。

Kraft Heinzは、1915年にサンタ・カタリーナ州で創業されたHemmer社の買収で、ケチャップ、マヨネーズ、オリーブの実、ヤシの芯やキュウリなどの瓶詰などポートフォーリオ拡大が見込まれている。

23日米国食品大手のKraft Heinz社は、Hemmer社の買収を足掛かりに新興国でのマーケットシェア拡大を図るが、 日本の公正取引委員会に相当する経済防衛行政審議会(Cade)の承認を得なければならない。

創業106年でサンタ・カタリーナ州ブルメナウ市に本社を置くHemmer社の従業員数は700人、昨年の売上はCOVID-19パンデミックにも拘らず、3億⒎000万レアルを記録、Heinz社の製品価格帯はプレミアム級の一方でHemmer社の製品価格帯は中級程度、傘下のQueroブランドの価格帯は低価格帯となっている。

Hemmer社の製品を取扱う店舗数は2万店舗に過ぎないが、Kraft Heinz社による買収で、配送や配給センター、Kraft Heinz社と取引のあるレストランやバーへの拡販が見込まれている。

Kraft Heinz社によるHemmer社の買収は、特にHemmer社の地盤であるブラジル南部地域でのマーケットシェア拡大及び製品が競合するケチャップ、からしなどの製品で、シナジー効果が期待できるとFood Consulting社のSérgio Molinari共営者は説明している。