全国工業連合会(CNI)の11月の製造業部門生産指数調査では減速を指摘 (2022年12月14日付けヴァロール紙)

全国工業連合会(CNI)の調査によると、2022年11月の製造業部門の生産指数は前月比0.2ポイント上昇の48.7ポイントを記録したにも拘らず、分岐点の50ポイントを依然として下回っている。

この11月の製造業部門の生産指数調査は、12月1日から10日迄全国工業連合会(CNI)加盟の1684企業対象に実施された。

また11月の製造業部門の雇用指数は、前月比マイナス0.6ポイントの49ポイントと分岐点の50ポイントを下回っている。11月の製造業部門の設備稼働率(UCI)は71.0%に留まって、過去2年間の11月の設備稼働率(UCI)を下回っている。

製造業部門の生産は上半期末まで好調に推移していたが、金利の高止まりなどの要因で、企業経営者の投資意欲を削がれていると全国工業連合会(CNI)経済分析担当のMarcelo Azevedoマネージャーは指摘している。

また11月の製造業部門の在庫指数は、51.3ポイントと理想の在庫をわずかに上回っているが、在庫調整のために10月よりも1.1ポイント減少している。

今年12月の輸出見通し指数は前月比1.1ポイント増加の50.7ポイント、需要の見通し指数は、前月の51.4ポイントから50.8ポイントに減少したにも拘らず、引続き楽観的な見方をしている。

また12月の製造業部門の投資見通し指数は、0.3ポイント増加の53.8ポイントと今年初め11カ月間では2番目に低い指数を記録、過去平均の51.4ポイントを上回っているが、今年初め11か月間の月間平均の56.8ポイントを下回っている。

 

10月の経済活動指数(IBC-Br)はマイナス0.05%(2022年12月14日付けヴァロール紙)

14日中銀発表の2022年10月のGDP伸び率の先行指標となる経済活動指数(IBC-Br)は、9月の0.05%増加から一転してマイナス0.05%を記録している。

Valor Data社の10月の経済活動指数(IBC-Br)の最低予想はマイナス0.20%、最高予想は0.60%増加、平均予想は0.30%増加と実際の増加率0.05%を上回っていた。

今年10月の経済活動指数(IBC-Br)は前年同月比3.68%増加、10月の過去12カ月間の累計経済活動指数(IBC-Br)は前年同期比3.13%増加、今年初め10か月間の累計経済活動指数(IBC-Br)は3.41%増加を記録している。

IBC-Br の計算方法は、ブラジル地理統計院(IBGE) が計算する国内総生産の計算方法とは異なり、毎月の頻度の BC 指標は、経済活動の進化をより頻繁にモニタリングすることを可能にし、四半期ごとの頻度の国内総生産 (GDP) は、より包括的な状況を説明している。

10月のサービス部門提供量は前月比マイナス0.6%(2022年12月13日付けIBGEサイトより抜粋)

ブラジル地理統計院(IBGE)の月間サービス生産量調査(PMS)の発表によると、2022年10月のサービス部門提供量(生産性指標)は前月比マイナス0.6%、9月はCovid‐19パンデミック前の2020年2月の水準を11.8%上回っており、過去最高を記録した2014年11月の水準を上回る迄回復してきていたが、一転して減少に転じている。

今年3月~9月迄の7か月間の累計サービス部門提供量は5.8%増加を記録、10月のサービス部門提供量はCovid‐19パンデミック前の2020年2月の水準を10.5%と二桁台の水準を維持している。

今年10月のサービス部門提供量は前年同月比9.5増加、今年初め10か月間の累計は前年同期比8.7%増加、10月の過去12か月間のサービス部門の累計提供量は、9月の8.8%増加から9.0%増加となっている。

10月のサービス部門提供量(生産性指標)は、大枠の5部門のうち3部門で前月比でマイナスを記録、 特に輸送部門はマイナス1.8%、内訳は貨物の陸上輸送部門はマイナス1.0%、海上輸送部門マイナス0.6%、航空貨物輸送部門はマイナス10.1%、輸送・輸送補助サービス・郵便サービス部門提供量は、 マイナス1.2%を記録している。

また教育・研究機関などの公共サービス部門はマイナス0.8%、一般家庭向けサービス部門はマイナス1.5%を記録している。

10月のサービス部門提供量(生産性指標)で増加した部門は、情報・通信サービス部門は0.7%増加、その他のサービス部門は2.6%増加を記録している。

10月のサービス部門提供量の前年同月比の部門別比較では、全ての部門で増加を記録、特に輸送・輸送補助サービス・郵便サービス部門提供量は12.0%と二桁台の増加を記録、教育・研究機関などの公共サービス部門提供量8.3%、情報・通信サービス部門8.3%、一般家庭向けサービス部門11.7%、その他のサービス部門は6.5%それぞれ大幅増加を記録している。

今年初め10か月間のサービス部門の累計提供量は、前年同期比8.7%増加。調査対象の5部門のうち4部門で増加を記録、特に輸送・輸送補助サービス・郵便サービス部門提供量は13.9%増加、一般家庭向けサービス部門は27.9%、教育・研究機関などの公共サービス部門提供量7.8%、情報・通信サービス部門は3.7%それぞれ増加を記録している。

 

最終フォーカスレポートは今年のGDP伸び率を3.05%に据置(2022年12月12日付けヴァロール紙)

12日発表のブラジル中央銀行の採取フォーカスレポートによると、今年のインフレ指数の広範囲消費者物価指数(IPCA)は前回予想の5.92%から5.79%に下方修正している。

2023年のIPCA指数は前回同様に5.08%に据置、2024年のIPCA指数は前回同様に3.50%に据置、今年末の政策導入金利(Selic)は13.75%に据え置かれたが、2023年末のSelic金利も11.75%、2024年末のSelic金利も8.50%にそれぞれ据え置かれている。

今年のIPCA指数の中央目標値は3.50%、2023年は3.25%、2024年は3.0%に設定されているが、許容範囲は±1.50%に設定されている。

今年のGDP伸び率は3.05%、2023年は0.75%にそれぞれ据え置かれたが、2024年は1.71%から1.70%に微調整されている。

今年末のレアル通貨に対するドルの為替は前回同様R$5.25 ,2023年末はR$5.25 ,2024年末はR$5.23からR$5.24%に微調整されている。

11月のインフレ指数は0.41%、過去12カ月間では5.90%(2022年12月9日付けヴァロール紙)

ブラジル地理統計院(IBGE)の発表によると、今年11月のインフレ指数の広範囲消費者物価指数(IPCA)は、0.41%と10月の0.59%から大幅に減少している。

Valor Data社が36コンサルタントや金融機関対象の調査によると。11月のIPCAの最低予想は0.45%、最高予想は0.65%、平均予想は0.54%であった。

11月のIPCA指数0.41%は、2018年以降では最低のIPCA指数を記録、昨年11月のIPCA指数は0.95%であった。また今年7月のIPCA指数はマイナス0.68%、8月はマイナス0.36%、9月のIPCA指数はマイナス0.29%と3カ月連続でデフレを記録していた経緯があった。

今年11月の過去12カ月間の累計IPCA指数は、5.90%と10月の6.47%から0.50%以上減少、2021年9月のIPCA指数10.25%から2022年7月の10.07%と11か月間連続で二桁台のインフレ指数を記録していた。

しかし11月の過去12カ月間のIPCA指数は、中銀の今年のIPCA指数の中央目標値3.50%及び許容上限値5.0%を依然として上回っている。今年初め11か月間の累積IPCA指数は5.13%となっている。

全国工業連合会(CNI)は、来年のブラジルのGDP伸び率を1.6%増加予想(2022年12月7日付けヴァロール紙)

全国工業連合会(CNI)では、2022年のブラジルのGDP伸び率は3.1%増加に対して、2023年のGDP伸び率は、今年の半分相当の1.6%増加に留まると予想している。

全国工業連合会(CNI)では、来年のGDP伸び率予想1.6%増加は、今年のサービス部門が継続して牽引すると予想、特に好調なサービス部門の雇用拡大及び所得増加を指摘している。

また2023年の連邦政府のインフレ指数を差引いた実質公共支出は、前年比10.0%増加を全国工業連合会(CNI)では見込んでいる。

来年の鉱工業部門のGDP伸び率は、前年比0.8%増加と2022年の鉱工業部門のGDP伸び率予想の1.8%を大幅に下回ると予想している。

来年の製造業部門のGDP伸び率は、耐久消費財などのクレジットが必要にも関わらず、今現在13.75%と高止まりしている政策導入金利(Selic)では購買力がそがれるために 0.3%増加に留まると悲観的な見方をしている。

全国工業連合会(CNI)では、今年のインフレ指数は5.7%、来年は5.4%、今年末のSelic金利は13.75%、2023年末のSelic金利は11.75%と依然として二桁台の高金利を維持すると予想している。

また全国工業連合会(CNI)では、ブラジル中央銀行は2024年並びに2025年のインフレを目標値の範囲以内に抑えるために、来年9月までSelic金利を現在の13.75%を維持すると予想、その後は1.0%ずつの切下げで来年末には11.75%を見込んでいる。

また CNIでは、来年の法人向けクレジット部門は高止まりしている銀行金利の影響で、ブラジル国内の経済活動の活性化を阻害するために、個人向けクレジット部門の伸び率を下回ると予想している。

一般消費者に対するクレジット部門の足枷要因として、クレジット部門の高止まりしている延滞率、インフレ指数を下回る給与調整による実質賃金の目減り、返済に苦慮している負債額などが挙げられる。

また今年の平均失業率は9.3%、2023年の平均失業率は8.9%と減少傾向にも関わらず、来年の失業率の減少スピートは、今年を下回る速度に減速すると予想している。

またCNIでは、今年の財政プライマリー収支はGDP比1.6%の黒字予想に対して、ルーラ新政権は政権公約を実施すれば大幅な財政支出を余儀なくされるために、2023年の財政プライマリー収支は、GDP比2.0%の赤字に転落すると予想している。

CNIは今年のブラジルの経常収支を432億ドルの赤字計上予想に対して、2023年の経常収支は408億ドルの赤字を継続すると予想している。また今年の貿易収支は559億ドルの黒字予想に対して、2023年の貿易収支も今年同様の559億ドルを見込んでいる。

 

11月の先行雇用水準は2020年7月以降で最低(2022年12月6日付けヴァロール紙)

就労・失業者管理センター(Caged)の統計を基にした経済省の発表前に実施されるゼツリオ・バルガス財団ブラジル経済研究所(FGV/Ibre)の先行雇用(IAEmp)調査によると、今年11月の先行雇用指数(IAEmp)は6.7ポイント減少の73.1ポイントと大幅に減少している。

今年11月の先行雇用指数(IAEmp)73.1ポイントは、COVID-19パンデミック中の2020年7月に記録した66.1ポイント以降では最低の先行雇用指数(IAEmp)を記録、今年9月~11月の月間平均先行雇用指数(IAEmp)は、3.1ポイント減少の78.9ポイントとなっている。

11月のIAEmpの結果は前月に続く減少を記録。 先行雇用指数レベルは低水準に戻り、パンデミックの初期段階に近づいている。 一部の産業セクターですでに観察されている経済減速の予想と、大統領選挙期間中の先行き不透明感がIAEmp をさらに悪化させている。

今後数か月の雇用傾向は依然として不確実であるが、2023年の変わり目に記録されるはずの景気減速から雇用市場が無傷で通過するとは想像しがたいと、FGV IbreのエコノミストのRodolpho Tobler氏は指摘している。

11月の先行雇用指数(IAEmp)調査の 7つの構成要素すべてが、悪化しており、特にビジネストレンド指数は1.3ポイント減少、サービス部門先行雇用指数は1.0ポイント減少、 景気動向指数と業界景気動向指数もそれぞれ1ポイント減少、消費者未来地域雇用指数は0.9ポイント減少している。

歳出上限を無視するとして批判を集めているルーラ次期政権の政権移行PEC(憲法補則案)で公共負債はGDP比90%に達する可能性(2022年12月5日付けヴァロール紙)

来年1月から政権を担当するルイス・イナシオ・ルーラ・ダ・シルバ (PT) 新大統領の連立与党が政権移行PEC(憲法補則案) 規模を縮小することを受け入れたとしても、ブラジルの公的債務残高は今後数年間、力強い上昇軌道をたどり続けると見込まれている。

新たな財政枠組みの欠如、歳出上限を超える新たな歳出額、歳入の力強さの喪失などの要因で、公的債務は引き続き圧迫される傾向が見込まれている。 当初提案された条件に基づく移行PECだけで、2023 年の公的債務残高はGDP比4 %~ 5%を引き上げる可能性が指摘されている。

先週金曜日に、下院議会の PT党 リーダーのReginaldo Lopes 下院議員は、上限を超える 1,500 億レアルの新しい費用は、予算を再構成するために必要な最小限度と説明。 移行PEC のテキスト原文では1,980 億レアルになると規定されている。

主な懸念は、新たな財政支出を補うために歳入増加の図り、連邦政府の公的債務の爆発的な増加を回避することとGenoa Capital社チーフエコノミストのIgor Velecico氏は説明している。

今年10月末のブラジルの公的債務の主要な指標である連邦政府の総債務残高(DBGG) はGDP の76.8%に達しており、国際通貨基金 (IMF) によると、ブラジルの公的債務残高は昨年初めからの下落にもかかわらず、指数は新興国の平均であるGDP比65.1%を依然として 10 ポイント以上上回っている。

このような不確実な財政支出状況では、上限を超える支出が毎年1,750 億レアル増えると考えられ、DBGGは2022 年末のGDP比74% から 2026 年にはGDP比 82.1% に上昇。2030 年には GDP比86.5% に達する可能性が指摘されている。

Banco AlfaチーフエコノミストのLuis Otávio de Souza Leal氏 は、上限を超える 2,000 億レアルの年間支出で、ブラジルの公的債務残高は 4 年間で 12%~15%増加でGDP比90% になる可能性を指摘している。

最終フォーカスレポートは2023年末のSelic金利を11.75%上方修正(2022年12月5日付けヴァロール紙)

5日のブラジル中央銀行の最終フォーカスレポートによると、2022年のブラジルの正式なインフレ指数の広範囲消費者物価指数(IPCA)は、前回予想の5.91%から5.92%と若干の上方修正している。

また2023年の広範囲消費者物価指数(IPCA)は5.02%から5.08%に上方修正された一方で、2024年の広範囲消費者物価指数(IPCA)は前回同様3.50%に据え置かれている。

今年末の政策導入金利(Selic)は13.75%に据え置かれたが、2023年末のは11.50%から11.75%に上方修正、2024年末のSelic金利も8.25%から8.50%に上方修正されている。

中銀の今年最後の通貨政策委員会(Copom)は今週開催されるが、今年のIPCA指数の中央目標値は3.50%、2023年は3.25%、2024年は3.0%に設定されているが、許容範囲は±1.50%に設定されている。

今年のブラジルのGDP伸び率は前回予想の2.81%から3.05%と大幅に上方修正、2023年のGDP伸び率は0.70%から0.75%、2024年のGDP伸び率は1.70%から1.71%とそれぞれ若干上方修正されている。

2022年第3四半期のブラジルの国内総生産(GDP)伸び率は前四半期比0.4%増加、前年同期比では3.6%増加、今年初め9か月間の累計GDP伸び率は3.0%増加、過去12カ月間では3.2%増加を記録している。

今年末のレアル通貨に対するドルの為替は前回予想のR$5.27からR$5.25 、2023年末は前回同様R$5.25据置かれたが、2024年末はR$5.20からR$5.23%に若干修正されている。

2021年のブラジルの一人当たりのGDPはCovid‐19パンデミック前の水準を上回っている(2022年12月2日付けヴァロール紙)

2021年及び2020 年の国内総生産の新たな計算の見直しにより、1 人あたりの国内総生産 (GDP) のシナリオが改善されている。ブラジル地理統計院(IBGE)が発表した新たなデータによると、パンデミックの最初の年2020年のGDPはマイナス3.9%からマイナス3.3%に修正、2021 年のGDP伸びは4.6%から5.0%増加に上方修正されている。

ゼツリオ・バルガス財団ブラジル経済研究所(FGV/Ibre)では、2021年の1人あたりの GDP伸び率はCovid‐19パンデミック前の水準に回復しており、2022 年の一人当たりのGDP伸び率は 2019 年との比較では 2.3% を上回る見込みとなっている。

今後のブラジル経済のパフォーマンスへの懸念に加えて、1 人あたりのGDPは 2015年と2016 年の不況時の損失をまだ回復しておらず、経済危機が始まる前の2013年の水準よりも依然として4.7% 低いレベルに留まっている。

今年第3四半期のブラジルの国内総生産(GDP)伸び率は前四半期比0.4%増加、前年同期比では3.6%増加、今年初め9か月間の累計GDP伸び率は3.0%増加、過去12カ月間では3.2%増加を記録している。

今年第3四半期の一人当たりのGDP伸び率は0.2%増加に相当する4万2625レアル、今年第1四半期の一人当たりのGDP伸び率は1.1%増加、第2四半期は0.8%増加している。

今年のGDP伸び率は3.0%増加、2023年のGDP伸び率は0.2%増加をブラジル地理統計院(IBGE)のSilvia Matosコーディネータは予想している。

今年のブラジル経済は、高止まりしているインフレ指数及び13.75%を継続している誘導金利(Selic)は現在のGDP伸び率をさらに抑制する可能性があったが、大統領選挙向けの貧困層対象のバラマキ政策で歯止めがかかっていた。