(2014年2月20日13:00~/場所:Tivoli São Paulo Mofarrej)
発表順序: |
||||
前半の司会: 上野秀雄(うえの ひでお)総務委員長 |
||||
13:00~13:05 |
挨拶 |
藤井晋介 |
会頭 |
|
13:05~13:40 |
基調講演: 第一回日伯ICTラウンドテーブルへ向けて |
|||
13:40~14:05 |
①金融部会 |
酒井浩一郎(さかい こういちろう) |
部会長 |
(東京海上) |
14:05~14:30 |
②コンサルタント部会 |
関根実(せきね みのる) |
部会長 |
(個人会員) |
14:30~14:55 |
③自動車部会 |
近藤剛史(こんどう こうじ) |
部会長 |
(トヨタ) |
14:55~15:20 |
④機械金属部会 |
相原良彦(あいはら よしひこ) |
部会長 |
(三菱重工) |
15:20~15:45 |
⑤電気電子部会 |
三浦修(みうら おさむ) |
部会長 |
(ソニー) |
xxxx コーヒーブレイク (15分) xxxx |
||||
後半の司会: 井上徹哉(いのうえ てつや)企画戦略委員会 副委員長 |
||||
16:00~16:20 |
⑥貿易部会 |
伊吹洋二(いぶき ようじ) |
部会長 |
(丸紅) |
16:20~16:40 |
⑦化学品部会 |
友納睦樹(とものう むつき) |
部会長 |
(FUJIFILM) |
16:40~16:55 |
⑧繊維部会 |
上野秀雄(うえの ひでお) |
部会長 |
(クラシキ) |
16:55~17:10 |
⑨建設不動産部会 |
三上悟(みかみ さとし) |
部会長 |
(戸田建設) |
17:10~17:25 |
⑩食品部会 |
山口修一(やまぐち しゅういち) |
部会長 |
(不二製油) |
17:25~17:45 |
⑪運輸サービス部会 |
森田透(もりた とおる) |
部会長 |
(山九) |
17:45~17:50 |
講評 |
福嶌教輝(ふくしま のりてる) 在サンパウロ日本国総領事/ブラジル日本商工会議所名誉顧問 |
||
17:50~17:55 |
コメント |
小林和昭(こばやし かずあき)在ブラジル日本国大使館参事官 |
||
17:55~18:00 |
閉会の辞 |
上野秀雄 総務委員長 |
-
司会 上野秀雄 総務委員長
皆さんこんにちは。本日はお忙しい中、業種別部会長シ ンポジュームにご参加をくださいまして、誠にありがとうございます。お陰様で本日は約140 名のご出席をいただいております。私は前半の司会を務めさせていただきます総務委員長の上 野でございます。よろしくお願いいたします。また後半の司会は井上・企画戦略副委員長にお 願いしております。よろしくお願いいたします。
最初にですね、本日のご来賓を紹介させていただきます 。本日は部会発表の前に基調講演がございます。テーマは「第1回日伯ICTラウンドテーブルへ 向けて」です。ご講演をいただきます総務省情報通信国際戦略局国際経済課長の高地圭輔様を ご紹介いたします。高地様、どうぞよろしくお願いいたします。
続きまして、本日は在サンパウロ日本国総領事、ブラジ ル日本商工会議所名誉顧問の福嶌教輝様にご出席いただいております。福嶌総領事様には部会発表 の終了後ご講評をいただく予定です。総領事様、どうぞよろしくお願いいたします。
また、在ブラジル日本国大使館参事官の小林和昭様にも ご出席をいただいております。小林参事官にもプログラムの最後にコメントをいただく予定で す。よろしくお願いいたします。
それではまず始めに、藤井会頭よりご挨拶を頂戴したいと思います。よろしくお願いいたし ます。 -
ブラジル日本商工会議所 会頭 藤井晋介
どうも皆様こんにちは。商工会議所の藤井でございます 。まず始めにですね、先程ご紹介がありましたけれども、今日、お忙しい中ですね、東京から お出でいただきました高地課長、それから福嶌総領事、それから小林参事官の方にはですね、 当シンポジュームにご出席くださいまして厚く御礼を申し上げたいと思います。
また今日は、こう眺めてみますと、ほとんど会場も一杯 に近いということでございまして、やはりこれも本シンポジュームのですね、クォリティの高 さ、それから皆さんの関心の高さということを物語っているのかなというふうに感じておりま す。
さて、少しですね、最近のブラジルの情勢をですね、見 てみたいと思いますけれども、社会面では、皆さんご存知の通り、昨年6月から大規模なデモ が頻発いたしました。これはですね、一向に改善しない公共サービスですとか、政治腐敗に対 してですね、近年急拡大した中間所得層の不満や怒りが爆発したものだというふうに思われま す。
この中間層というのはですね、調べてみますと、過去10 年程度でですね、何と5000万人近くも増えているんですね。そして今年にはですね、この中間 所得層の人口が、全人口の約59%を占めるに至るというふうに予想されております。
で、今年もですね、この新中間層が中心となって、ワー ルドカップ前、また大統領選前にはですね、大規模なデモを繰り広げるという可能性もあるん じゃないかと思っております。
政治面ではですね、その大統領選がいよいよ今年の10月 に行なわれます。今のところジルマ現職大統領が優勢というふうに報じられておりますけれど も、まあこれもですね、最後まで予断を許さないというふうに思います。ただし、まあ誰が勝 利しようといえど、我々の関心の方は新しい政府がどういった政治経済運営を展開していって くれるかということかと思います。
経済面ではですね、昨年のGDP成長率、これはわずか 2.3%ぐらいに留まったというふうに見られておりますけれども、まあかつての高成長を支えた コモディティ輸出も減速しておりますし、その次にですね、政府が躍起となった消費主導型の 成長モデルもここに来て限界に達しているというふうに見えます。
過去10年ですね、ブラジルの単位労働コストの推移を見 てみますと、その上昇率というのは他国に比べて突出しております。すなわちですね、賃金上 昇の一方で生産性が全く追いついていなくて、競争力が低下してしまうという、いわばですね 、中所得国の罠にですね、このブラジルというのは陥りつつあるんじゃないかというふうに私 は見ております。
抜本的なですね、そこで構造改革の必要性というのは広く認知されていながらも、着手が遅 れているという状態かと思います。しかし、こういった低成長下でも、中間層の拡大によっ て消費者市場の拡大は順調に続いておりまして、今後もですね、志向が高度化、多様化、そし てより高品質の機能やサービスのニーズは増大していくのは間違いないと思います。
まあこういった市場がですね、ここにいる我々にとっても 一つの狙い目ではないかというふうに思っております。
このようにですね、社会不安の背景にあるとも言える中間 層の拡大、それから選挙の鍵を握る中間層の動向、消費を拡大させる中間層、そして、この国 のですね、競争力を低下させる中所得国の罠と。まあこういったことを考えていると、ブラジ ルや我々にとって今年のキーワードというのはですね、ミドルクラス、Classe Mediaではない かというふうに私は思っております。
社会も政治も経済も、このClasse Media とどう向き合 うかによってですね、成否が決まりそうな気もいたします。まあそんなことを考えながら今日 のシンポジュームの発表をお聞きいただくというのも大変興味深いものではないかと思います 。私自身も大変楽しみにしておりますので、皆さんどうぞよろしくお願いいたします。ありが とうございました。
司会
藤井会頭どうもありがとうございました。それでは早速、基調講演に移らさせていただきた いと思います。皆様の関心が大変高い日伯間のICT分野における相互協力の今後の展開などに ついて総務省情報通信国際戦略局国際経済課、高地課長様にご講演をいただきます。高地様、 どうぞよろしくお願いをいたします。 -
基調講演「第1回日伯ICTラウンドテーブルへ向けて」
総務省情報通信国際戦略局国際経済課長 高地圭輔どうも皆さんこんにちは。ただ今ご紹介に預かりました 総務省の高地と申します。本日はどうぞよろしくお願いいたします。
まあ、今後の日伯間の協力関係というにはですね、若干 特定分野の話になってくるわけではございますけれども、私どももブラジルという国の戦略的 な重要性に鑑みまして、今後も情報通信分野のですね、協力関係を拡大していきたいというこ とで、このタイトルにあるような第1回の日伯ICTラウンドテーブルというものを立ち上げてで すね、皆さんとご協力をさせていただきながら両国の経済的な絆を強めていきたいというふう に思っているところでございます。ではよろしいでしょうか。
資料の方をご覧いただきますと、2ページ目に地デジの 地図がついております。この地図ですが、まあ世界にはですね、実は地上デジタル放送という のは方式が4つありまして、北米、それからヨーロッパ、中国、日本という4つの方式がござい ます。ご覧いただきますと、南米はほとんどですね、オレンジ色に塗られているわけでござい ますけども、これが日本で開発されましたISDB-Tという放送方式になります。
一番最初にですね、南米の中でも採用を行なったのがこ こブラジルということでございます。私どもとしては、この地デジで作った協力関係をベース により幅広いICTの分野に拡大していきたいと、そういうような基本的な考え方を持っており ます。
ブラジルがですね、一番最初に採用を行ないまして、そ の後、まあペルーをはじめとする南米の他の国々、そして現在では、アフリカにボツワナとい う国がありますけれども、こちらダイヤモンドとか石炭が出る大変な資源国なんですけれども 、日本方式を採用していると。
さらにアジアではですね、フィリピン、それからスリランカが今日本方式の採用の検討の最 終的な段階にございます。このほか、モルディブとかですね、アジアにも採用国があると。
それから中米を見ていただきますと、まあ小さい国ばかりですけれども、今まさにですね、 去年であればグァテマラ、それからホンジュラスが日本方式の採用を決定しております。残っ ておりますのが、エルサルバドルとかニカラグアといった国々ですけども、こういうところも 間もなく日本方式を決めるのではないかという状況になっております。この、私どものですね、情報通信国際戦略局の私国際経 済課というところにいるんですけれども、元々の仕事はこの地デジの日本方式の展開をすると いうことになっておりまして、ここが今回の話の出発点になっているわけでございます。
次のページをご覧いただきますと、すみません、資料の 方は字が若干潰れているんですけども、こちらの方が見やすいかもしれないと思うんですが、 先程簡単にご説明したようにですね、地デジの日本方式の展開というものをこれまで行なって きた過程で、私ども、その採択国、まあ相手国側の政府との間ではですね、非常に強い関係が 築けてきているのではないかなというふうに思っております。
特にブラジルであればブラジルの通信省という省庁がこ の放送分野を監督しているわけでございますけれども、こちらとは年に1回ですね、作業部会 というようなものを開きまして、まあこのデジタル放送の分野の両国の協力とか、あるいはブ ラジルの中でですね、普及拡大していくための課題であるとか、まあそういったことについて 議論を重ねてきております。
16カ国で6.1億人ほどの人口があるわけですが、こうい う規模のですね、市場というとちょっと生々しい話になりますけれども、サイズの母集団がで すね、地デジの日本方式というものに、まあ関わっていると言いますか、見ているということ になる訳でございます。
次のステップとしましてですね、地デジで培った協力関係を拡大していくということで、ま あ関連市場への進出というふうに書いてあります。送信システムであるとか放送コンテンツで あるとかソリューションという言葉が並んでおります。まず送信システムに関しましてはですね、まあ今までの 状況を見せていただきますと、日本の企業もかなりやれているのではないかなというふうに考 えております。まあ元々この南米とか中米という地域は北米の影響の強い地域でありますし、 また、まあ旧宗主国と言いますか、ヨーロッパとも非常につながりが深いということで、まあ 送信機メーカーで言いますとHarrisさんとかですね、Rohde & Schwarzさんとか、そういうよ うな企業が中心的な役割を果たしてきたわけでございますけれども、そこへ日本企業もこの地 デジの日本方式というものをきっかけに出て行っていただいているということではないかなと 思っております。
それから放送のコンテンツの分野ですけれども、これは 中々、まあ言葉も違いますし文化も違うので難しいところがあるんですけれども、特に、この 日本方式の特徴の一つとしてデータ放送というものが可能であるということがあります。日本 では2001年の放送開始以来ですね、データ放送というものに取り組んできておりまして、色ん なノウハウの蓄積がございます。こういったものを、この南米でもですね、ある程度活かして 何か協力ができるのではないかというふうに思っているところでございます。
また、データ放送絡み、あるいはワンセグという、これ も日本方式の最大の特徴の一つなんですけれども、携帯電話でテレビがまあ受信できるという 特徴がございますので、その特徴を例えば防災の分野に活かしていくとかですね、そういうこ とが現に日本では行なわれていると。例えば2011年の震災の際はですね、まあ電力の供給が途 切れたような地域であっても信頼度の高い情報が入手できるということがございました。
そういう地デジの方式の特徴を活かしながら関連のソリ ューションにつなげていくということもできるのではないかなというふうに思っておるところ です。今後の展開というのが一番、右側にございますけれども、まあ地デジのその協力関係を ICT分野全体へ拡大していきたいということでございます。
例えばでございますけれども、教育分野にICTを適用す ることで、まあ分かりやすい話としては遠隔教育みたいなものが考えられると思いますし、こ のほか、ITS、高度な交通システムにITを活用するといったことであるとか、あるいは食料品 、まあ農産物のトレーサビリティーの問題とかですね、それから地デジに関わらない防災の ICTというものへのニーズも高まっているのではないかなというふうに思っています。
こういう社会的課題の解決にICTを活かしていくという ことについてですね、まあ私ども政府間で話をしている限り非常に、まあニーズが高いという ふうに感じておるところでございまして、地デジ日本方式を採択あるいは検討している国々と の間でですね、まあこういった地デジに限らない分野での協力関係を作っていこうというふう に今話をしているというところでございます。
当然、そういうことをやることで相手国政府の様々な政 策的な課題というものの解決に役に立つという面もあろうかと思います。私どもこれをやって いくためにですね、色んなリソースを投入していこうというふうに思っております。一つは、 戦略的なODAの活用というふうに書かせていただいていますが、これは政府全体でもですね、 インフラ輸出という文脈で色んな議論が進んでおりますので、私どももそういう場に参加して 考えて参りたいと。
それから、積極的なトップセールスというふうに書いて ありますけれども、まあ現政権、非常にですね、海外に出かけて日本の様々な技術であるとか 、商品サービスであるとか、そういったものを売り込むということに積極的でございます。私 どもの総務省もですね、まあ政務が非常に高い頻度で海外に出かけまして、様々な働きかけを 行なっております。そういうような活動を通じましてですね、民間の方々との協力関係をベー スに、また日本が世界に出て行こうというふうな流れを強化していきたいというように考えて おります。
これはもう釈迦に説法以外の何物でもないと思うんです けれども、ブラジルという国に目を向けますとですね、非常に経済規模が大きいというところ がまあ大きな魅力かなと思っております。まあ最近、最近に限らないんですけれども、民間の 方々、日本から非常に近いということもありまして、またここにありますように成長余力があ るといいますか、経済の成長率を見るとASEAN諸国、平均で大体5.5%ぐらい過去8年ぐらいの間 成長を続けております。
経済規模としては、ミャンマーはちょっと統計がないの で除いているんですが、全体で2.27兆ドルぐらいあるということです。これに対しまして、ブ ラジル1カ国でですね、一国で2.25兆ドルで、成長率も最近ちょっとマクロ経済の調子は非常 に落ちているということですが、まあ過去のトレンドを見ますとかなり高い成長率を維持して きたということがございます。
まあこのような事情を考慮いたしまして、また私どもが 地デジの関係で培ってきた協力関係というものをベースに何か仕掛けて行きたいというふうな 思いがあるわけでございます。
まあちょっと余談になりますけれども、真ん中にペルー 、チリ、コロンビアというのを並べていまして、こちらも非常にですね、自由主義経済といい ますか市場原理の導入に積極的ですし、また高い成長率を持っている。3カ国合わせれば相当 な経済規模があるということで、南米に関して言いますと、私ども、この3カ国もですね、ま あ準重点国といいますか、そういうふうに位置づけて取り組みを強化していきたいというふう に考えているところでございます。
今申し上げたようなことをちょっと字で書いてございま すが、大きな方針としてはですね、日本の方式、これは地デジの日本方式ですが、これを採用 した国に対する支援というものを行ないながら、ICTでの協力拡大を模索すると。ブラジルで あれば、先程の冒頭のお話にございました通り、やはり中間層の拡大というのが一つ大きな特 徴になっております。彼らが抱える社会的課題の解決のためにICTをより活用していく余地は 非常に大きいのではないかというふうに思っております。まあこういった分野でですね、具体 的なプロジェクトといったようなものをできれば作っていきたいなと思っております。
下の赤いところに書かせていただいてますけれども、ブ ラジルで成功事例を創出し南米諸国へ展開というような絵を描けるのかなというふうに思って おります。我々の立場からすると、地デジの日本方式の南米への展開の一つの大きな要因はで すね、やはり日本方式をまずブラジルが採用したと。で、ブラジルが採用し、両国が協力して 、それを他の国々に広げることによって、まあ今や10カ国でですね、採用が広がっていると、 そういう形が作れているというように思われる訳でございまして、まあこのようなパターンで ですね、他の国も攻められるのではないかというふうに期待をしております。
こちらは昨年の7月に総務省の新藤総務大臣がブラジル を訪問いたしまして、ブラジルの通信省のベルナルド通信大臣との間で会談を行ないました。 その中で基本的な方向性について合意した事項を簡単に書いております。左上から見ていただ きますと、これは今ずっと申し上げているような基本的な方向性の話で、これに合意したと。 それから、ブラジルではですね、今デジタル放送に関しましては人口カバー率で50%を超えた ぐらいのところでございます。
まあまだまだ道は長いわけでございますけれども、ただ 来年にですね、アナログの放送をまあ止めると。これはいっぺんにもちろん全部止めるわけで はなくて、段階的に停止をしていくというような線を引いておられるんですけども、来年から 具体的な取組みを始めるということで、非常に、まあこの時期ですね、日本がアナログ放送を 停止したと、そのやり方についてですね、高い関心を示されておられます。
その下にございますのが、防災のICT、遠隔教育、医療 といったような、これも日本方式のデータ放送の機能というものを使うことでかなりのところ までの取組みは可能でありますので、まあこういったようなことも一緒にやっていきたいとい うことでございます。
それからICTを活用した農業とかインフラ管理とか、海 洋資源探査とか、あるいは次世代の放送技術が並んでいますけれども、まあこういう先端的な IT技術に関しますその研究開発面での協力とかですね、そういったことも話題になりまして、 協力関係を強化しましょうということで合意を得ております。
最後に、次世代の放送技術をですね、ここブラジルの大 きなスポーツイベントでありますワールドカップ、これはもう今年開催ですが、それから2年 後のオリンピックにおいて、まあ日本サイドとしてはその技術というものをデモンストレーシ ョンしたいと。ブラジル側も基本的にはそういった活動を行なっていくことに異存はないとい うことでございますし、まあ最後に日本に来てくれなんていう話も出たわけでございます。
この会談のアウトプットをいかに具体化していくかとい うのが、本日のタイトルになっています日伯ICTラウンドテーブルというふうに位置づけてお ります。
ちょっと細かい字で線表みたいなものが書いてあります が、上からかいつまんでご説明しますと、左上に2006年、ブラジルによる地デジの日本方式の 採用というのがございます。それから2013年の7月、これは今ご説明した大臣間の会談の話で ございます。それを踏まえましてですね、我々としては今年の、ちょっと資料の修正が追い付 いていなくて申し訳ないんですが、4月の下旬、具体的に言いますと4月の22日を候補にしてお りますけれども、日伯のICTラウンドテーブルをサンパウロで開催したいというふうに思って おります。
これを、一つのきっかけといいますか、相互のマッチン グの場として活用しつつですね、真ん中に縦書きで書いてありますが、日伯ICT共同プロジェ クトというものが書いてございますけれども、こういうようなものも立ち上げたいと。さらに 来年度以降もですね、このラウンドテーブルを継続いたしまして、中々一回こっきりでは何か 生み出すというのは難しいと思いますし、また、一発ホームランみたいなものも望みにくいと 思いますので、少なくとも何年かはこのラウンドテーブルを継続することで、両方のその理解 を深めつつですね、新しいビジネスを生み出せるような場として行きたいというふうに我々と しては思っております。
これは概要でございますが、ここも修正が漏れておりま すが、日程に関しましては4月の22日の火曜日を考えております。まあどういったことをテー マとして取り上げるかというのは、今回の出張でも私どもここへ来る前にブラジリアに参りま して、その前はクリチバ市の方へお伺いしたりして、色々意見交換をさせていただいたところ なんですけれども、まあそういったことを踏まえてですね、もう少し絞り込んでいきたいとい うふうに思っています。現時点で想定しているものとしては、次世代の放送技術であるとか、 あるいはブロードバンドの技術、それからセキュリティとか、まあ交通に関わる話だと思いま すがモバイルペイメント、それから地理空間情報のようなものですね、こういったようなもの も考えられるのではないかなと思っております。
出席者として想定しておりますのが、日本側としては、 まあざくっと、総務省、それからJICAさん、JETROさん、それから民間企業さんということを 書かせていただいております。これはテーマとも当然関わってくるお話ですし、また皆様の関 心度合によっても変わってくるということだろうと思いますけども、このようなことを書かせ ていただいています。
それからブラジル側はですね、通信省さん、それから規 制機関ですが、国家通信庁、ANATELという組織がございます。また、まあクリチバ市のような ですね、地方政府。それからテレブラスとかですね、サンパウロの工業連盟ですね、ブラジル 工業連盟というよりも。それから放送通信事業者であったり、また研究機関というような方々 の参加を想定しております。
このラウンドテーブルをやって何を決めて行きたいかと いうことなんですが、一つは先ほど申し上げたような、プロジェクトをまあ何とか育てていき たいということがございます。これに対する支援措置というものも用意していきたいというふ うに思っております。で、このICTラウンドテーブルを定例的に開催したいというふうに思っ ております。こういったことがひとまずアウトプットになり得るのかなというふうに思ってお ります。
で、ざくっと、このラウンドテーブルの性格というかですね、そういったものを絵にしてみ たものがこのスライドでございます。左上にブラジルの様々な課題を並べております。インフ ラであるとか、医療教育、セキュリティ、それからまあ色々な物流面での課題とかですね、そ ういったものが挙げられると思います。それからブラジルの、私どものカウンターパートであ る通信省さんの関心事としては、デジタル放送の関連、これはアナログをどういうふうに止め て行くかみたいなことも含めましてございます。 それからデータセンターといったような、クラウドコンピューティングとかビッグデータに関 わるような話。それから光ファイバー網、これはブロードバンドを何とか高速化したいという 話だと思いますが。あるいはラストワンマイルというようなキーワードもございましたけれど も、こういったことに関心があると。さらにセキュリティとか、あとは本当のそのソリューシ ョンの世界ですね、こういったものも関心を示されたということでございます。
それからですね、そこへ日本企業さん、様々なバックグ ラウンドあるいはこれまでのビジネスの実績をお持ちだと思うんですけれども、そういったも のをまあぶつけてみたいというように思っております。
私どもとしては、通信省だけではですね、これは中々具 体的なプロジェクトが組みにくい面もあるかなというふうに感じておりまして、まあ公的な性 格の強い企業さんであるとか、あるいは地方自治体であるとか、そういった方々にも参加いた だいて、意見交換をしたいというふうに思っております。
ラウンドテーブルの、中の方に書いてあるのは先程ちょ っと申し上げたような話でございますけれども、光ファイバーの関連の話であるとか、モバイ ルペイメントとか交通網の改善の関係であるとか、データ放送機能を活用した教育分野の取組 みであるとか、まあこういったようなことが具体的な取組みといいますか、議論を深めて行く テーマの候補として考えられるのではないかなと思っております。
できれば双方の、まあニーズと、それから供給の方をで すね、すり合わせまして、日伯の共同プロジェクトというものを作っていきたいと。さらにそ れを事業化するということまで進めて行きたいというふうに考えているところです。
具体的にどんなものが出てくるかというのは、これは当 然これからやってみてですね、あるいはこのラウンドテーブルというものを挟んで色々な話が 行われるのではないかというふうに期待しているんですけれども、私どもとしては、これ鶏、 卵の問題もですね、そこここで見受けられるところもありますので、何かお手伝い、単に場を 用意する以上のお手伝いができるのではないかということで検討をしております。
具体的に言いますと、一つは財政面での支援といいます か、総務省もですね、これまで地デジの展開を行なうに当たりまして採択国で実証実験という ものを行なっております。具体的には国営放送さんみたいなところに送信機を持って行きまし て、実際に電波を出して、それをさらにデータ放送みたいなことを行なってですね、活用して みると。それをきっかけに採択国の具体的な放送の開始というものが加速されると。こういう 目的の実験を重ねてきたわけでございますけれども、このICTの分野の協力を考えて行くにあ たってもですね、何かそういう種になるような支援を行ないたいということで検討しておりま す。
ブラジルの通信省と話をしたところ、まあ彼らもあまり 大きな予算はないんだけれども、なにがしかの、具体的にはFuntelという名前をおっしゃって いましたけども、そういうファンドがあるということで、お付き合いいただけるのではないか なというふうに思っております。
また官民連携支援ということで、これは、ここに参りま す前にJICAさんと相談をさせていただきまして、彼らにこういうPublic Private Partnership の事業を推進するためのフェーズ調査のスキームがあるということで、仮にブラジル側のです ね、例えば地方自治体というような方々が関わってくるような形でございますと、こちらの JICAさんのスキームというものも考えていくことができるのかなというふうな感触を得ている ところでございます。
また、まあブラジル側と話すとですね、まあ何か買わさ れるだけではというようなことは特に、政府間の対話ではよく話題になるところでありまして 、技術移転であるとか人材育成の支援というものも非常に彼らとしては重要視している面でご ざいます。私どもとしても、招へいであるとか、あるいは専門家の紹介、派遣であるとか、人 材育成のプログラムといったものを開発して提供するというようなことを、まあ特に見込みが ありそうなものについては積極的に進めて行きたいというふうに思っているところでございま す。
現時点では、今申し上げたような、枠組みしか決まって いないんですけれども、この枠組みをまず第1回のラウンドテーブルでしっかり固めながら、 ラウンドテーブルをはさんで官民が一体となって協力関係を強化していくことでですね、先に つなげていきたいなというふうに考えております。
本日ご出席の皆様、もしご関心がありましたらですね、 ぜひこのラウンドテーブルの方にご参加いただきたいというふうに考えておりますし、また日 程とかアジェンダ、場所といったような詳細が固まりましたら、できればこの商工会議所を通 じましてまた情報提供をさせていただきまして、ご検討をいただきたいというふうに思ってお りますので、何卒どうぞよろしくお願いいたします。
最後はまあ、4月に再びお会いしましょう、ということ で、4月22日に開催を予定しておりますので、ぜひご検討賜ればというふうに思っております 。どうもありがとうございます。
司会 高地様どうもありがとうございました。それでは4月のまたのご来伯を心よりお待ち申し上 げております。皆様もう一度大きな拍手をお願いいたします。 さて、本日の業種別部会長シンポジュームですが、テーマは「2013年の回顧と2014年の展望 」です。副題としまして、「どうしたブラジル経済~ワールドカップと総選挙のインパクト」 を設定いたしました。各部会長ならびに部会員の皆様にはこのテーマに沿って部会懇談会を行 ない、活発な討議をされて本日の発表に備えていただいたことと思います。各部会長、部会の 皆様のご尽力とご協力に対しまして厚く御礼を申し上げます。
本日は11の部会より発表していただきます。ほとんどの 業種を網羅していまして、ここにいながらにしてブラジルのビジネスの最前線の様子や課題が 見えて来ると思います。午後6時までの大変長い時間ですが、どうぞ最後までお聞きいただき ますようにお願いを申しあげます。
それでは最初にプレゼンテーションをお願いいたします 。トップバッターは金融部会です。酒井部会長、よろしくお願いいたします。
-
金融部会 酒井浩一郎 部会長
皆様こんにちは。金融部会、東京海上の酒井でございま す。冒頭を務めさせていただきますが何卒ひとつよろしくお願い申し上げます。
それでは早速でございますが、金融部会の方より2013年の回顧と2014年の展望というテーマ で、マクロ経済、銀行業界、保険業界についての発表をいたします。昨年8月のシンポジュー ムでもこのような機会がございましたが、その時には2013年上期の回顧としてブラジルの変調 をお伝えしたわけでございますが、今回これからのご説明の後、やはり13年の全体の回顧、そ れから14年の展望につきましても、あまり明るい、すばらしいメッセージというのはお伝えで きないのかなというのが全体的な状況でございます。
まず2013年のブラジル経済を簡単に総括いたしますと、このスライドでまとめてございます 。経済活動は一部セクターの工業生産が牽引したものの、個人消費が減速いたしまして、まあ 全体としては停滞気味。
インフレは、当初、食品インフレと言うんですかね、これが続きまして、まあ終息したんで すが、その後輸入インフレ、通貨の変動によりまして輸入インフレ等もありまして高止まり。 それから金利につきましても、インフレ対策もあり、年末には10%まで引き上げられておりま す。
また景気対策に伴う財政支出が政府財政を圧迫いたしまして、これがレアル安の進行の原因 となりました。まあ政治面でも、皆様ご存知の通り、昨年6月の全国的なデモといった不安定 要因も発生いたしまして、全体としましては2013年はブラジルにとって厳しい1年であったと 言えるのではないかと思います。
こうした2013年のブラジル経済を、過去数年分のデータをまとめてみたものがこのスライド でございます。時間の関係で全てのところをご説明することはできませんが、いくつかの点に つきまして触れてみたいと思います。
まずGDPの成長率でございます。先程藤井会頭からもお話ございましたが、まあまだ確定値 ではないんですけれども、前年の0.9%より改善はしたものの、2013年度の成長率は2.3%の程度 の見込みということになっておりまして、年初の見込み、すなわち3%台の成長には大きく届き ませんでした。
そのほか、経常収支は、これは79.6USD/Biでございますが、赤字幅が拡大してございます。 またインフレの進行に伴いまして、政策目標金利であるSelicは年末までに10%まで引き上げら れるといった点などは、厳しい1年であったことを如実に数字も物語っていると言えます。
さてここからは少々個別に見て行きたいと思います。このグラフはですね、GDPの成長率と 工業生産高の推移になっております。工業生産につきましては、政府の景気対策としての製造 業設備投資資金貸出プログラムでございますPSIや、低所得者等の住宅取得促進、IPI減税延長 等が効果を上げまして、まあ主にトラックですとか農機、自動車といったようなものが牽引を いたしました。
全体としましては、資本財が対前年比13%と大幅に増加したのですが、その一方、消費財の 低迷をその資本財の方がカバーをしたという形になってございます。その結果、トータルとし ましては、まあ1.3%の増加と12年のマイナス成長から、ここにちょっと書いてございますが、 プラスに回帰いたしましたということでございます。
続きましてこちらのスライド、小売売上高となっていますが、個人消費の伸び率の推移を示 してございます。ご覧いただきますと、中間層の拡大により5%ぐらいの伸びは確保できている ものの、まあ明らかに、ちょっと矢印で書かせていただきましたが、鈍化傾向にあるのが分か ります。原因としましては、一つは後ほどでも触れますが食品インフレ等の物価上昇による実 質購買能力の低下、もう一つは家計における借入比率の増大というのが挙げられると思われま す。
このグラフは家計に占める借入比率ということで、サラリーに対する返済負担率を示してご ざいます。継続的に右肩上がりになっておりまして、13年では45.4%まで達しております。家 計に占める借入の割合が大きくなり、借入返済、金利支払いが相当家計に負担をかけている、 まあクレジットによる購入が難しくなりつつある状況が見て取れます。
続きまして、インフレと金利政策についてでございますが、2013年上半期は食品価格の上昇 をきっかけにインフレが進行したため、ブラジル中央銀行は2013年4月にそれまでの投資消費 促進のための金利政策を転換いたしまして、利上げに転じております。
その後食品価格の上昇に伴うインフレは鎮静化したのですが、年央には急速なレアル安によ るインフレ圧力が新たに加わりまして、ブラジル中銀としましてはSelic、すなわち金利の引 き上げを断続的に継続しまして、結局1年間で7.25%から10%まで2.75%の引き上げを行なうこと になりました。
そして景気低迷の金利引き上げという苦渋の政策が一方功を奏しまして、まあ物価指数は、 ここには書いてございませんが、5.91%ということで、前年5.8%ぐらいなんですけども、その 並みの水準で着地をさせることができたということが言えます。
続きましてインフレについてでございます。この内訳についてなんですが、全体を示すCPI は、消費者物価指数は5.9%程度となってございますが、一方サービス業を示すこの一番上の数 字でございますが、この紫の線でございますが、これは例年ずっと高い位置を占めてございま して、こちらはサービス業を示すものになってございます。8.7%ということで、構造的に物価 上昇圧力の大きな原因になっているということが見て取れます。
続きましては財政でございます。工業生産、先程ご説明させていただきました、そこでも触 れさせていただきましたが、政府の景気対策、まあすなわちこれは政府金融と減税についてな んですけれども、政府金融につきましては社会経済開発銀行、BNDESと言われますが、こちら への国庫からの拠出金の増加、また減税は政府の歳入減という形で財政に悪影響を及ぼしてご ざいます。
その結果、国の財政を示す、このプライマリー収支というものでございますが、こちらは1.9% 、ここですね、1.9%の黒字ということで、この2009年、この時はリーマンショックの年でござ いますが、それを下回る、それ並みの低い水準に留まっているということでございます。来年 はさらに、というところもここちょっと出てございますが、そういった状況でございます。
こちらのグラフでございますが、政府債務・公的金融機関向け拠出ということで、こちらの グラフでこの色のついた部分はBNDESを含みます公的金融機関への政府からの拠出金の推移で ございます。ブラジル政府は過去数年、景気対策のためにBNDESや他の公的金融機関を通じた 拠出金の拡大、すなわち最終的には民間への貸し出し拡大を実施しており、2013年もその傾向 は続いております。
公的金融機関を通じた貸出拡大は政府からの拠出金増大につながりますので、この赤の折れ 線グラフが示します政府の対GDP比の債務比率なんですが、これ58%ぐらいということで高止ま りをしているということが言えます。
続きましてソブリン格付ということでございますが、政府債務の高止まりや景気低迷を受け まして、昨年の6月にS&Pがブラジルのソブリン格付のアウトルックを安定的から弱含みに下げ ております。また昨年、同じく10月にはムーディーズもアウトルックを強含みから安定的に引 き下げました。
このソブリン格付というのは何なのかと言いますと、各国の中央銀行が発行する債券や債務 に関わる返済能力ですとか、まあ返済意思の高さを表すとされていますけれども、今回のアウ トルックの引き下げはまさしくブラジルの低成長と財政悪化を問題したためと考えられます。 格付見通しの変更から実際の変更までには通常2年程度かかると言われておりますけども、S&P によりますと、まあ財政悪化が加速する場合格付変更を前倒しする可能性もあるとのコメント もございまして、プライマリーの推移については今後も注意が必要と思われます。
お手元の資料ある方、ちょっと前に戻らせていただきます。為替についてのご説明でござい ますが、先程、4枚ほど前のスライドに戻らせていただきますが、為替レート、これにつきま しては、まあ昨年の中からですね、一気にレアル安が進みまして、8月22日でございましたが 、一時1ドル=2.4454レアルというところまで下落しました。
複数の要因が考えられますけども、まあ低調な貿易収支による経済収支の赤字拡大ですとか 、先程もご説明させていただきましたが、国の財政悪化に伴う格付のアウトルック引き下げ、 格付会社によるアウトルックの引き下げ、あと米国による金融緩和の縮小の決定に伴いまして 世界的な資金の流れの変化、すなわち新興国、我々新興国コモディティから先進国への回帰等 がレアル安に影響したと思われます。
レアル安に対しまして政府、中央銀行は政策金利を上げ、市場介入をし、海外からの債券投 資に関わる金融取扱税の撤廃等によりまして抵抗しましたが、結局ですね、非公式な想定レン ジ、為替の想定レンジの上限とされております1.23レアルを超える水準までレアル安が進んだ ということが言えます。
また戻りまして、失業率というスライドになります。こちら失業率なんですが、非常に景気 低迷で民間需要が伸びないんですけれども、まあブラジルの場合皆さんご存知の通りでござい ますが、公的セクターがこの雇用の部分は下支えしておりまして、年平均5.6%ぐらいというま あ非常に、歴史的にと言ってもいいかもしれませんが、低い水準を維持しているということが 言えます。
今までご説明した内容、2013年についてのまとめでございますが、2012年の0.9%に比べまし てGDPは2.3%程度と改善した一方で、ここに書いてございますがレアル安に伴いましてインフ レ圧力が拡大したと。で、対抗策のために、利上げですね、政策金利を引き上げまして、それ によりまして投資が低迷をするという形になりまして、そのことによりプライマリーバランス が悪化しまして政府債務が増加。それにより格下げリスクと信用不安が拡大し、それがまたレ アル安を招くと。こういったサイクルに入っておりまして、まさしく負のサイクルにはまった 2013年と言えるのかなというのが総括でございます。
続きまして2014年の展望を見て行きたいと思います。2014年はレアル安進行、金利引き上げ 、景気停滞継続といった負のサイクルからは結局抜け出せませんが、まあ鈍化は見られるもの の、中間層の拡大、冒頭にもちょっとございましたけども、に伴い、成長する個人消費に支え られまして、低飛行ながらもプラスの成長を続けるというふうに見てございます。
まずGDPについてでございますが、最新のブラジル中央銀行のフォーカス、すなわちアナリ ストの予想によりますと、2014年の成長率は1.79%と、2.3%であった昨年2013年を下回る予想 となっております。また今年は2013年に資本財の消費を後押しした減税効果ははげ落ちる一方 、為替安、インフレ回避のための利上げ、それに伴う投資不足等がマイナス影響を及ぼすもの と考えております。他方、個人消費につきましては、先程も述べましたように、伸びは鈍化す るものの引き続き中間層を中心とした堅調な動きが予想されております。
続きましてインフレについてでございますが、こちらも引き続きレアル安に伴うインフレ圧 力や、構造的なサービス業のインフレ圧力によりまして、ブラジル中央銀行の目標レンジであ る4.5%、±2%と言われていますが、その上限である6%近辺のところでの水準を予想しておりま す。
あと金利につきましては、すでに今年に入りましてさらに1月15日に0.5%引き上げられまし て、現在10.5%となっておりますが、引き続き高い水準での率が予想される、引き続き高いイ ンフレが予想されることからさらなる引き上げが予想されております。
また財政につきましては、今年は大統領選挙の年ということもありまして、まあややもする と色んな意味での、ばらまきと言っていいのか、まあ財政出動が行われることが予想されます ので、財政支出はまあ増加しまして、それによりましてプライマリー収支が対GDP比で1.9%と 、まあ昨年も低水準であったんですけども、さらに下回る可能性が高いと予想しております。 その結果、格付会社が問題しております財政悪化に対する歯止め策につきましては、15年、ち ょっと先の話になりますが、新大統領の就任を待って、ということが必要になるかと思ってお ります。
また為替につきましては13年の回顧でもご紹介しましたが、景気低迷、財政悪化に伴う信用 不安や、米国金融の緩和縮小がレアル安に触れさせる要因になるため弱含みを予想しておりま す。また後ほど述べますが、最近ございましたアルゼンチンに端を発します新興国通貨不安の 高まりがブラジルの信用不安をさらに煽る可能性があると考えております。
また失業率につきましては、こちらは引き続き低水準で推移するものと予想してございます 。ただし、景気低迷、投資不足を受けて、今後は緩やかに失業率の上昇が始まるのではないか と考えております。
それ以外にも色々な要因があると思うんですけれども、まあ考えられるプラス要因としまし ては、米国を中心としました先進国の経済の回復、これがブラジル経済にも輸出等の拡大での 影響があるかどうか。マイナス要因としましては、やはり先程も述べましたアルゼンチン問題 に端を発する新興国の通貨不安のブラジルへの悪影響等が考えられます。
ただしですね、この新興国の通貨不安につきましては、まあブラジルも財政悪化を問題視さ れ、格付のアウトルックを下げられるなどの状況にあるので、まあ余波を受ける可能性は否定 はできないと思います。ただし、ここに示させていただきましたが、同じ新興国でもブラジル はですね、アルゼンチンやトルコに比較しますと、まあ経常収支は赤字であるものの、外貨準 備高が潤沢にございまして、こうした点が市場の評価を受ければまあ資金の大幅な流出等大き な問題は回避できるのではないかと見てございます。
さて、前回同様、主要な経済指標につきましての予想、これを金融部会各行に提出していた だきまして、記載させていただきました。ちょっと細かい数字で恐縮でございます。各項の詳 細説明は時間の関係で控えさせていただきますが、全体を通じますと、GDPの成長率の予想は まあ1%台から2%前半程度。インフレは6%前後、まあ現在と同じようなレベル。金利はもう一段 の引き上げといったようなところがこの全体の傾向から読めて参ります。
また、今回このシンポジュームのですね、副題にもございます、ワールドカップと総選挙の インパクトということでございまして、金融部会につきましてもこの点について議論の上、各 行からのコメントをいただきました。こちらも詳細説明は控えさせていただきますが、まあ全 体的に見てみますと、ワールドカップはサービス業や観光産業でプラスにはなるものの、一方 他の業界におきましては営業日数減少等のマイナス影響もあり、総じて一過性のイベントであ りまして、経済への影響は軽微という意見が多いようです。
また大統領選につきましては、財政支出が増えるため、景気にはプラスになるんですけれど も、財政の悪化をもたらすというマイナスの影響もあり得るということが各行の総括でござい ます。
続きまして、マクロ経済のパートは終わりまして、銀行業界、その後保険業界の状況につき まして簡単にご説明させていただきます。
まず銀行業界についてでございますが、貸出残高につきましては個人向け、法人向け共に増 加しておりますが、伸び率を見ていただきますと、昨年と比較していただきますといずれも鈍 化しているということでございます。ただしBNDES、政府系の金融機関からの貸出については 16%ということで、引き続き大きく伸びているということが言えます。
このグラフは銀行貸出残高の対GDP比率になります。こちらも最後ここらへんでちょっと鈍 化は見られるもののですね、貸出残高は増加を続けてございまして、対GDP比で55%ぐらいの伸 びで来ております。
この55%というのはどうなのかというところでございまして、これは他の国の水準と比較し てみますとブラジルはこのぐらい、中庸ぐらいになってございまして、まあ必ずしも突出して 高い水準ではない。国によりましては100%を大きく超えている国なんかもあるんですけども、 まあそういうレベルであるということが見て取れます。 まああまり大きくこれがなりますと、ちょっと経済が膨らんでいるんではないかといったよう なことになるんですけども、そういった意味では国際的に見ても中ぐらいの位置を占めている ということが言えます。
このグラフは不良債権の比率を民間金融機関と公的金融機関に分けて見たものになります。 こちらが民間のものになりますけども、民間では低下傾向が明らかでございまして、まあ不良 債権問題が落ち着いてきていることを示しているということが言えます。一方、ローンの審査 が厳しくなっているというような現場での意見、私も聞いたことがあるんですけれども、こう いったこともあると個人消費の鈍化につながる可能性もあるのかなと思ったりしております。
続きまして保険業界の市場動向について簡単にご説明申し上げます。ブラジルの保険監督庁 であるSUSEPの統計データによるんですけれども、ちょっとまだ12月までの数字は出てござい ませんで、11月までの11ヶ月間の比較でございますが、全種目合計で18.4%増ということにな っておりまして、まあ経済成長が鈍化する中でも保険マーケットは引き続き堅調に推移してい る状況でございます。
損害率につきましては、これも運送保険で前年より損害率が悪化しておりますが、全体では 前年同期比でほぼ横ばいという状況が言えると思います。前回三浦様からもコメントいただき ましたが、若干運送保険の方がですね、悪化しているということがあるようでございます。全 体として見ますと、保険業界としましては成長率とあと収益性も意識した形での保険引き受け 業務を行なっているのかなということが言えるのかと思います。
最後になりますが、今後の保険業界の成長予測をご報告させていただきます。ブラジル経済 は、まあ安定的な低成長ということになるかと思うんですけれども、保険業界につきましては 、ここ数年の自動車の新車販売の増加などに伴いまして自動車保険を中心とした保険の契約者 数が増えていることもありまして、今後とも10%台での成長を見込んでおります。私も保険業 界におりますが、まだまだ保険普及率も他の先進国に比べますと低いということもございまし て、こういった伸びが期待できるのかなというふうに思っております。
すいません。非常に時間の制約もありまして駆け足にな ってしまいましたが、以上で金融部会からの報告にさせていただきたいと思います。ご清聴あ りがとうございました。
司会
酒井部会長、どうもありがとうございました。マクロ状況は厳しいですけど、非常に、保険 業界だけは二桁増でたいへん景気のいいお話を最後に。そうしましたら、特にご質問がありま したら挙手をお願いいたします。よろしいですか。じゃあどうもありがとうございました。続きましてコンサルタント部会の発表に移らさせていた だきます。関根部会長よろしくお願いいたします。
-
コンサルタント部会 関根実 部会長
皆さんこんにちは。コンサルタント部会は、公認会計士 、証券アナリスト、リクルーター、それから経営コンサルタントと、まあ専門職の人たちのグ ループなんですけども、前期を回顧いたしますと、やはり昨年の後半から新しい話が減ってき ております。リクルーターにつきましては、まあ件数こそ減っておりませんですけども、お客 様のニーズがマネージャークラスからより下の給料の安い人たちへシフトするというようなリ ストラの動きも出ておりまして、まあ全体的には取り扱い金額が減っていると。
まあこれらは、今金融部会からご報告ありました通り、 ブラジルの基本的なファンダメンタルが悪くなっているが故なんですけれども、マクロ的な数 字は今ご紹介がありましたので、金融部会につきましては、まあ外資の流入、主に国際収支面 でもって認識統一するための議論を行ないましたので、これから発表させていただきます。
このグラフは昨年中の主な国の株式指数の変動率です。 先進国が概して昨年は成績が良くて、一番良かったのはアベノミクス効果が出ました日本で、 52.4%も株価が上がりました。で、一番成績が悪かったのが我々のブラジルのBOVESPAでマイナ ス15.5%ということです。
これまでブラジルはBRICSの雄ということで言われてき ましたですけれども、このBRICSと言いますのは2001年の年末にゴールドマンサックスが新興 国への投資を勧誘するために作った新しい言葉で、ブラジル、ロシア、インド、チャイナ、こ の4カ国の頭文字を取って最初BRICsと言っていましたんですけども、後に南アフリカが加わり まして、このBRICSブームというのがまあ約10年間続いた訳です。
ところが昨年の5月にアメリカが金融緩和を徐々に引き 締めるという示唆が出まして、今度はモルガン・スタンレーがネガティブな意味で新興国の、 今度は劣等生を五つ選んだ訳ですね。Fragile5とか、あるいは頭文字を取ってBIITSと言われ ていますけれども、トルコ、ブラジル、インド、インドネシア、それからサウス・アフリカと 。これに先月騒ぎを起こしましたアルゼンチンが加わっていますけれども、今度はネガティブ な意味でモルガン・スタンレーはこれらの新興国への投資は要注意であると。
今月の11日に新しい米国の連銀議長のイエレン議長が国 会で証言された時にですね、一番注意を要するのはトルコであると、次にブラジルであるとい うことで、非常に今アメリカの評価は落ちております。
先月の24日にブラジル中銀は国際収支の統計値を発表し ておりますけれども、この数字がそうなんですが、昨年中にブラジルから流出した外資はネッ トで123億ドルであると。意外に小さい数字なんです。これが2002年の130億ドル以来の多額の 流出であると。2002年と言いますのは、ルーラ政権、第1期の前の年の選挙の年でして、1ドル が4レアルまで瞬間的に上がって、大量に外資が出た年です。
この表がブラジル中銀が発表した数字なんですけれども 、真ん中の2013年を見ていただきますと、貿易収支がわずか26億ドルのプラス。実体はプラス 、若干はマイナスではなかったかと言われております。
問題は貿易外収支。サービスおよび所得なんですけれど も、これがマイナスの840億ドルという大量の赤字を計上しまして、これを合計したものが経 常収支になるわけですけれども、マイナスの814億ドルと、2001年以降では最大の赤字を計上 した訳です。
従来からブラジルの場合は経常収支は赤字基調でして、 それを外資の流入で資本収支のプラスで埋めるという構造なんですけれども、昨年の場合は資 本収支が738億ドル。前年比38億ドルプラスということで、私はこの数字非常に意外な結果だ と。実感としてはブラジルから外資が出たんじゃないかと思っていた訳ですけれども、このプ ラスの結果が出ているんですね。
で、中身を見ますと、直接投資が横ばいです。で、その 他投資というのはこれは貿易金融のシッパーズユーザンスと、まあ主に短期の民間企業なんで すけども、これは大きくマイナス195億ドルと減っております。逆に増えましたのが証券投資 、258億ドル。これ中身はほとんど外国人投資家の債券投資なんですけども、何故これがこん なに増えたのかということをこれから検証したいと思います。
総合で、国際収支としてはマイナス59億ドルと。マイナ スではありますけれども、まあまあ、昨年の大きな変動に対しては良い結果の国際収支が出て おります。ブラジル中銀は外貨準備高を二つの概念で公表しておりまして、一つはLiquidez、 Liquidityというものと、もう一つはCaixa、Cash。まあこの差は中央銀行が民間銀行に対しま して期限付きで出しております短期の融資を入れるか入れないかという違いなんですけども、 厳密に即使えるキャッシュベースの外貨準備の方を捉えておいた方がより安全かと思います。
ブラジル中央銀行が他の中央銀行に比べまして活発に行 っている取引で、スワップという取引があります。スワップといいますのはドルの先物の売り なんですけども、中央銀行はこの数字をなるべく公表したくないようで、国際収支の統計を見 ても出てきておりません。で、財政収支のレポートが別途出ましたですけども、その最後にス ワップ残高がレアルベースで1754億レアルとこっそりと書いてあります。これを昨年の年末レ ートで引き直しますと、749億ドルにも上ります。これは外貨準備の20%に相当します。
このスワップ取引といいますのは中央銀行がInterbank Marketでもって先物を売っていると。で、民間銀行はそれに対して直物で売ると。短期資金が 3ヶ月、6ヶ月、1年、で、この短期資金がブラジルに期限付きで流入すると。民間銀行はバッ クには外国からの投資家、ファンドを中心とする投資家が控えている訳ですけれども、まあそ れらの短期資金を積極的に取っていると。言いかえれば、そういう短期の、不安定な資金を、 ブラジル中央銀行が為替レートを先物で保証することによって外貨準備を積み上げているとい うことなんですね。
このスワップ取引自体は決して悪いことではないんです けども、まあブラジル中銀がトリプルBの格付けを維持するために、外貨準備を非常に無理し て取り上げていると。一方、外国からのファンド等の投資家にとってみれば、まあ現在のマー ケット水準で行きますと市場金利が10.5から11%。で、ドルの調達コストは1.5から2%というこ とで、まあざっくりと9%近い利鞘が稼げるということで、まあファンドにとっては非常におい しい商売な訳です。
ですからこのスワップ取引というのがなくなることはな いんですけども、中央銀行が一方でそれに対して高い金利を、まあ国債を発行して払っている と。現時点で10.5%ですけども、最終的にその高いコストのつけは国民に回って来るという意 味で問題があると言えると思います。
BRICSブームにブラジルは乗ってきた訳ですけども、 2007年にアメリカでサブプライム住宅ローンの債務問題が発生しました。で、翌2008年にリー マンショックというのが起きました。アメリカの連邦準備銀行が量的緩和を、慌てまして始め たわけです。市場にある国債を買い上げるということで始めたんですけども、結果論ですけど もこれをやり過ぎたと。で、やり過ぎた資金が中国、ブラジルはじめ新興国に流入した訳です ね。
5年経過しまして、アメリカの住宅債務問題もようやく 整理できたところで、昨年の5月、前連銀議長のバーナンキ議長が徐々にアメリカは流動性を 縮小していくということを示唆、示唆しただけで、大きな動きが去年の5月から8月にかけて起 こった訳です。
同時に中国経済が減速してきて、まあ8%成長から7%台に 移ってきたと。この二つのアメリカと中国の要因が重なりまして、新興国から先進国への資金 の逆流というのが起き、結果的にBRICSが終わったという訳ですね。
ブラジルについて見ますと、ちょうどルーラ政権の2期 。1期が2003年の初め、2期の終わりが2010年末ですけども、この8年間は非常に好調であった と。まあ結果論ですけども、ルーラ大統領という人は非常にラッキーな人だったと言える訳で す。
新興国の市場というのが非常に大きくなっておりまして 、グローバル化で一つのマーケットになっておりますけども、その中で新興国債券が占める割 合というのが急膨張いたしました。20年前の93年時点では新興国の債券、合計で4220億ドル程 度だったんですけども、現在ではこれが10兆ドルも超えていると。加えて金融、エンジニアリ ングの発達で債券とか株価のIndex Fundもできておりまして、まあ一つのグローバルマーケッ トの中で毎日のように2大経済国のアメリカ、および中国の経済指標で一喜一憂して、リスク オン、リスクオフと、ボラティリティが大きなマーケットになってきている。その影響をブラ ジルも直接受けている訳です。
これから、今年の展望なんですけども、世界銀行とか IMFとか非常に楽観的な数字を今年は出しております。これは世界銀行が先月初めに発表した 数字ですけども、2014年、真ん中の欄のところを見ていただきますと、全世界で3.2%の成長。 で、これをリードするのはアメリカ、日本、EUの先進国。日本はアベノミクスが一時的にはげ 落ちて1.7から1.4に減るかもしれないと。EUはマイナスがプラスに転じるであろうと。
新興国につきましては全体的に5.3%と、引き続き成長を 続けるであろうと。で、これをリードするのは中国、インド。ブラジルはロシアとともに従来 通り、安定的ではありますけども2%そこそこの低成長であると。まあこれでも我々から見ると 世銀の予想はやや楽観的ではないかと思います。
先月の23日にアルゼンチン中銀が突如、一時的に外国為 替取引を停止しまして、また新興国問題が再度注目を浴びた訳ですけども、ブラジルは今年の 初め2週間にPetrobrasとBNDESが大きな起債をしております。Petrobrasはユーロ市場で38億ユ ーロ。応札が120億ドルもあったということで大変人気を集めまして、4年、7年、11年、まあ こういう金利で発行しております。まあイタリアの10年国債3.82に比べますと11年の4.8、や や高いですけども、そこそこ良い結果だったと思います。BNDESについても応札が多く、人気 を博しました。
今年の我々のビジネス環境とそれに対してどう対応する かということなんですけども、まあ不確定要因が多い。政治的には10月の総選挙。PT、PMDBの 連立与党が勝つという予想が大勢ですけども、議席数は減ってその政治力は低下するのではな いかと。
その前に6月から7月にかけてワールドカップサッカーが ある訳ですけども、これも先程から出ています通り、大混乱に陥るとかいうことがありますと 、選挙に対してマイナス要因になるのではないかと。金利につきましては先ほど、ブラジル中 銀がスワップをやるがために高金利を維持せざるを得ないということで、高金利。それから為 替についてはレアル安。この基調は変わらないであろうと。
こういう不確定要因が多い情勢下では、まず対応として 、投資は直接投資も証券投資も控えざるを得ないだろうと。で、高金利が予想されますので、 資金調達コストを抑えるためにキャッシュフローの管理強化をやって、まあきめ細かな資金繰 りが必要になってくるであろうということです。
最後にコンサルタント部会からの提言としてなんですけ ども、ブラジルらしい成長をすべきであると。先程申し上げました通り、グローバルマーケッ トになっておりまして、マーケットが非常に神経質でリスクオン、リスクオフの変化が激しい もので、まあブラジルで言いますDinheiro Facil、Easy Moneyはもうブラジルには来ないと認 識すべきかと思います。
最近11年間PT政権は国民所得の再配分という、政治的に 平等分野に重点施策を置いてきました。その結果、先程もご紹介ありました通り、D層E層の低 所得層がC層に上がってきて消費力を底上げするという結果は大変な功績だった訳です。一方 で成長政策の方は置き去りにされております。中国がとった政策とまるっきり逆なんですね。 中国についてはインフラおよび輸出振興への前向きな投資で成長を遂げてきたと。これに対し てブラジルは中間層を増やして内需を刺激するということをやってきた訳ですけども、中国が これから内需を刺激するという政策転換を図ろうとしております。
で、ブラジルは、あまり出てきておりませんけども、む しろ消費は抑えて、インフラ、輸出振興への前向きな投資をすべきではないかと。それらの分 野は従来から言われています通り、公共交通の整備、道路・港湾・電力等のインフラ整備です ね。加えて一般市民が要求しています病院とか学校、公共住宅の補助と。いくらでも投資のチ ャンスはあって、ここら辺の分野に我々もどう参画していくかというのが課題かと思います。
外資の無駄遣いと、ちょっと左の一番下に書いてありま すけども、海外旅行が昨年の場合、ブラジル人が海外に出て使った金額が250億ドルと中銀が 公表しております。一方、外国人がブラジルに来て落としていった金額がそれの4分の1の70億 ドルしかないと。180億ドルが昨年の旅行収支のマイナス結果です。
以上がコンサルタント部会の中での検討結果のご報告な んですけども、最後にこのÂnimoというのを入れましょうという意見が出まして、Ânimoと言い ますのは和訳しますと元気を出して頑張ろうという意味なんですけども、まあ今までの、黙っ ていても入ってきた外資はもうブラジルには来ないと。元のブラジルに戻ったんだと。基本に 戻って元気を出して頑張ろうというのが私どもコンサルタント部会の結論でございます。ご清 聴ありがとうございました。
司会
関根部会長、どうもありがとうございました。コンサル部会さんの発表に対してご質問のあ る方いらっしゃいますでしょうか。よろしいですか。どうもありがとうございました。
続きまして自動車部会のプレゼンに移らさせていただきます。近藤部会長、どうぞよろしく お願いいたします。 -
自動車部会(近藤剛史部会長) 代理 伊藤氏(トヨタ・ド・ブラジル社)
皆様どうも、こんにちは。自動車部会の方からご報告さ せていただきます。私、トヨタの伊藤と申します。社長の近藤の命を受けて今日は報告をさせ ていただきたいと思います。
自動車部会につきましても、他の部会と同じテーマで13年のレビューと14年の展望という格 好でご報告させていただきます。最初に四輪業界の動向についてご報告させていただきま す。 まずこのグラフでございますけれども、ここ11年間のですね、四輪自動車の市場の動きを示 してございます。見ていただければ分かりますけれども、ずっと成長してきた訳でございます けれども、まあ400万台に近づいてきておりましたけれども、昨年、13年に関しては元々の予 測の393万6000という数字があったんですけれども、それを下回る376万7000台ということで、 10年ぶりでございますけれども、前年を割り込むというような実績になりました。
続きまして13年の振り返りということで、少し中身につ いて見て行きたいなというふうに思います。13年はですね、IPI、税金の動きにかなり影響を 受けた年でございました。元々IPIの減税措置につきましては12年の末で終了して、当初は 2013年に段階的に通常税率に戻ると、そういう予定になっておりまして、第一段階として1月 の税率戻し、これが実施されました。ここの部分ですね。13年、1回目の税率戻しがあったと ころでございますが、その1回目の税率戻しがありまして、その結果どういうふうになったか と申し上げますと、まあ2月3月の部分、前年を割り込むという格好で市場が低迷するという結 果になりました。
業界全体の在庫もですね、その結果増える格好になりま して、まあ業界として政府の方にお願いして、このIPIの減税戻しを少しサスペンドしてくれ ないかという話をした結果、この上がっていく予定だったものがまあ13年の末まで維持すると いうことが決まりまして、3月の31日にそれが公示されたというのが昨年、13年の出来事でご ざいました。
その結果月別の販売台数の推移がどうなったかというと 、このグラフでございます。2月、3月、先程申し上げたように前年を割り込むような数字にな りまして、一旦戻ったんでございますけれども、その後やはり、まあストップしたと、サスペ ンドしたということで4月、5月は回復しましたが、クレジット等の引き締めが影響もございま してその後は低迷すると。前年を下回るような格好になりました。その結果、一番最初に申し 上げましたけれども、自動車の総市場は376万7000ということで10年振りに前年を割り込むと いう結果になりました。
続きましてこれ、参考でございますけれども、四輪車の 支払いの形態を表したグラフでございます。ローン支払いがこの5年間拡大傾向にありまして 、昨年は53%ということで2%増えました。逆にキャッシュでの支払いは2ポイント減るという格 好になりました。 続きまして、韓国車がどのような販売の推移をしているかというのを少しご報告させていた だきたいと思います。
2013年はHyundaiは販売を大きく伸ばしまして、また工 場に3直の体制を導入しました。逆にKIAでございますけれども、これは新自動車政策の影響を 受けて減るという格好になりました。
続きまして四輪の生産、それから輸出台数の推移につい てご報告させていただきます。生産につきましては前年比110%と過去最高を記録しました。輸 出に関しては、まあレアル安、先程からご報告があったと思いますけどもレアル安の影響を受 けまして、前年比124と回復する格好になりました。それから輸入については、まあ前年の台 数を下回るというような格好になりました。
続きまして、カテゴリー別に輸出の状況を少し報告させ ていただきたいと思います。輸出に関しては2013年は主に乗用車の伸び、前年比128%というこ とで、ここの伸びが牽引いたしまして、輸出は全体でも127%ということで拡大しました。メー カー別に見ますとVolkswagen、GM、Fiat、Ford、Renaultという格好で上位5社になってござい ますけども、輸出が伸びているという状況でございました。
四輪の最後にですね、2014年の予測でございますけれど も、我々の業界、ANFAVEAが予測してございますけれども、国内の市場、それから輸出、それ から生産台数、いずれにつきましても、まあ微増であるというような予測をしてございます。 いろんな要因ございますけれども、一つはIPIの税率が戻って来ると。それから安全装備、エ アバッグとかABSの装置が完全義務化になるというようなこともございまして、14年、そうい った要因等々も考えました上で、まあ業界としては微増というような数字を示唆してございま す。
続きまして二輪の業界動向についてご報告させていただ きます。
まず最初に二輪の販売に大きな影響を与えるファイナンスの動向から見て行きたいとお見ま す。こちらが二輪販売の支払形態でございますけれども、11 年の後半以降支払い不履行が急上昇したということから、ファイナンスの審査が厳しくなりま した。その結果ファイナンス販売が伸び悩み、ファイナンスの比率は急速に減ってきたという 状況になっています。この審査の厳しさについては13年も変化がなかった、予兆がなかったと いうことで、まあこれは9月までの実績が出ているようですけれども、全販売におけるローン 比率の減少が続いているという状況でございます。
続きまして二輪車の生産・販売の動向でございます。先 程触れましたように、ファイナンスの審査の厳しさは引き続き続いておりまして、13年の国内 の卸販売実績は159万台ということになりました。前年比98%ということで前年割れをする格好 になりました。また低調な販売状況を反映しまして、生産は167万台。前年比99%とこちらも若 干ですが前年を割る格好になってございます。輸出に関してはほぼ横ばいという実績でござい ました。
続きまして二輪の月別の販売推移でございますが、これ は登録ベースの数字でございます。2013年の前半の大幅な落ち込みが大きくて、後半にかけて は、まあ前年レベルまで回復をしたんでございますけども、通年では152万台。前年比93%と前 年を下回る結果に終わりました。
最後に自動車の部品業界の動向でございます。こちらの グラフでございますが、こちらはSindipecas、部品製造社協会発行の部品の売上高の推移でご ざいます。2013年の売上高は839億レアルということで前年比103%の実績となりました。
自動車部会の発表は以上で終わらせていただきます。どうもご清聴ありがとうございました 。司会
伊藤様どうもありがとうございました。ちょっと時間が、多少早めにまとめていただきまし たので、お時間がございます。ご質問のある方いらっしゃいましたら手を挙げていただいて、 お願いいたします。よろしいですか。ではどうもありがとうございました。続きまして、4番手ですね。機械金属部会の発表に移ら させていただきます。相原部会長、どうぞよろしくお願いいたします。
-
機械金属部会 相原良彦 部会長
三菱重工の相原です。それでは機械金属部会の発表をし たいと思います。まず業種分野別はここに書いてありますように、8分野に分けております。 それではまず1番目の鉄鋼、鋼板関係についてご説明いたします。
まず2013年の回顧ですけども、概況としましては国内粗 鋼生産量は3420万トンということで、前年比1.4%の減。鋼材見掛消費量につきましては2640万 トンということで、前年比プラス4.36%。ワールドカップの関連で特需に期待したんですけど も、結局ブラジル経済の回復基調は依然弱くてですね、生産量は減少と。ただ、見掛消費量は 微増しているという状態でございました。
鋼材輸出ですが、810万トンということで、前年比マイ ナス17%。ブラジル国内向け供給が優先され、輸出数量は減少傾向となったということでござ います。鋼材輸入ですが、370万トンということで、これは前年比ほぼ横ばいと。鉄鋼製品100 品目のですね、輸入税率が従来水準に戻される等あったんですけども、下工程製品を中心に、 まあ前年比横ばいで推移したと、こういう状態でございます。
次に2014年上期の展望ですけども、国内粗鋼生産量は 2014年の予測としまして3500万トンということでプラス2.3%。鋼材見掛消費量、これ2014年で すけども、予測としまして2750万トンということで、前年比プラス4%。で、2014年度のGDP成 長率は前年比でプラス1.99%と予想していると。10月の大統領選を前に景気対策をまあ優先さ せるという可能性もありまして、さらなるインフレ上昇ですね、先程もありましたけど6%とい うような懸念は残っているということでございます。
鋼材輸出ですけども、2014年度の予測としましては800 万トンということで横ばい。鋼材輸入につきましては、380万トンということで、プラス3%。 で、ブラジル政府の国内鉄鋼メーカーの保護政策ですね、これは依然大きな変更はないと思わ れまして、まあ輸入は微増というふうに予想しております。
次に電力および社会インフラ関係ですけども、まず2013 年度の回顧としまして、経済の牽引役であったPetrobrasの業績が依然不振なまま続いており まして、まあ鉄鋼製品、電力消費、横ばいでですね、ブラジル経済全体が低迷しているという ことで投資案件も軒並み延期されて、まあ受注は低迷してしまったと。ただ、造船等への投資 にはまあ積極的なんですけども、プラント機器への投資はまだ不十分という状態でした。
あと、水不足による電力危機にも関わらずですね、ガス 火力というのはガス供給問題とやはりPetrobrasの資金不足のために入札はまあ遅れ気味だと いうことでございます。それからインフラ関係の大型プロジェクトもですね、入札の遅れが目 立っていると。例の高速鉄道関係も、応札条件ですね、これが改善されないまま、1年以上の 延期が決定されたと。汚染土壌の洗浄、環境設備の導入計画もまあ具体的な進展がなかったと いう状況でございました。
2014年の上期の展望ですけども、やはり景気の早期回復 ですね、これは見込めなくて、Petrobrasの投資案件の遅れがやはり懸念されると。唯一プレ サル開発に関する案件だけにはまあ期待していると。あとレアル安による貿易収支改善でです ね、農業・基礎産業関連 の設備投資増にもちょっと期待するところがあると。あと地下鉄とか港湾、空港などですね、 身近なインフラ案件の速やかな推進と、あと中間層の個人消費の拡大がですね、それが設備投 資の復活の鍵になってくればなというふうに考えております。
あと、発電・環境案件ともにですね、引き続いてちょっ と低迷がまだ続くのではないかというふうに予想しております。ただ、分散型発電設備の建設 は堅調じゃないかと見ております。あと社会インフラ関係ですけども、高速鉄道についてはま あこの10月の大統領選後にですね、動き出すんじゃないかなと思っております。あと、サンパ ウロの地下鉄線とか、空港運営事業権でですね、一部進展するんじゃないかと。こういうこと が2014年の上期ということでございます。
引き続きましてプラント機器関係ですが、2013年の回顧 としましては、まず紙パルプ業界ですね。これは業界大手の優先株発行による増資を原資とし た新設製紙プラント設備への投資が本格化してきたと。ただ投資実現はちょっと今年に持ち越 されたと。あと石油化学業界ですが、割高な天然ガス価格にまあ嫌気をさしてですね、各社と も投資計画が延期されて、あるいは中止の動きがまあ顕著だったと。
あと鉄鋼・非鉄業界ですけども、依然、ずっと業界の操 業度の低下でですね、新規設備の引き合いはまあほとんどなかったと。既設の改造・保守関連 の引き合い程度でまあ閑散な商いという状態であったと。後半、ただ、製鉄会社の利益が回復 基調にはなってきたんですけども、まだ設備投資復活にはほど遠いんじゃないかという状況だ ということでございます。
次に2014年上期の展望ですけども、まず紙パルプ業界は 、まあレアル安がですね、パルプ輸出の追い風模様ということで、製紙各社でですね、設備投 資計画作業が実施されておりまして、まあ早ければ本年中にもですね、大型投資が期待できる という状況でございます。石油化学業界ですが、Petrobrasの採算がやはり厳しいということ から石油開発のですね、上流側を除きまして新規投資はやはり遅れる予想をしております。と いうことで、既存設備の改造・拡大工事にまあ傾注するということになるかと思っております 。
あと鉄鋼・非鉄業界ですが、これも世界的にですね、や はり中国を中心に供給能力が過剰ということもありまして、依然2014年も引き続いて大型の新 規設備の引き合いはないんじゃないかというふうに見ております。
次に建設機械ですけども、2013年の回顧としまして、ま ずは総需要台数ですが、2013年、1万3425台ということで、前年比、これはプラス29.3%。イン フラ関連による需要はあったんですけども、このうちの農業開発省向テンダー分の増、3042台 を除きますとほとんど前年比横ばいというのが2013年の状況でした。
あと小形建機ですが、小形バックホーにつきましては、 輸入統計全体では前年比マイナス21%と低調であったんですけども、この会社さんでは調子が 良かったということで、前年比プラス33%ということでございます。
2014年の上期の展望ですけども、まず総需要台数としま しては2014年の予測は1万3300台ということで、ほぼ横ばいと。住宅とか農林業向け等、一部 の需要は堅調に推移すると見込まれるんですけども、やはりブラジル経済の停滞や金利上昇等 、全体的には厳しい環境になるというふうに予想しております。あと小形建機ですけども、ま あワールドカップ等に向けての建設・整備需要の増大によってですね、年間20%の伸びを期待 しているという状況でございます。
次に農業機械の方ですけども、まず2013年の回顧ですが 、エンジンビジネス。まず小形ディーゼルエンジンにつきましては2013年の販売としましては 好調でですね、前年同期比で台数ベースでプラス8%、金額ベースではプラス9%。舶用ディーゼ ルエンジン関係では、Petrobrasの油田開発関連の新規造船向けはほとんどなかったんですけ ども、まあアマゾン川流域のですね、船舶エンジン、これは堅調に推移したという状況でござ います。
あとトラクタービジネスですけども、全般的な農産物の 豊作とですね、まあ2008年から開始されています小規模農家への低金利融資政策が継続されて ですね、2013年度の販売は前年同期比でプラス11%。ただ、政府の価格上限コントロールによ って1台当りの採算は非常に厳しいという状況ということでございます。
2014年上期の展望ですけども、まずエンジンビジネスは 小型エンジン販売は農作業機やライトタワーなどのOEM向け、それから自社製造の発電機セッ トの販売が好調で、台数ベースで2013年比でプラス15%と予想しております。あと20馬力以下 のブラジル製単気筒エンジンの販売は、地方への電化による市場自身の縮小に加えてですね、 あと中国製品ですね、この流入によって今後も低迷が続くと予想しております。
舶用エンジンにつきましては、やはりPetrobrasの投資 活発化が鍵になるということです。まだちょっと時間がかかるんじゃないかと見ております。 あと病院・商業施設・工場用の発電機用のディーゼルエンジンについてもちょっと先が見えな いのかなというふうに考えております。あとトラクタービジネスですけども、低金利融資政策 がまあ継続されるということで、小形トラクターの販売は好調を維持するというふうに期待し ているという状況でございます。
次に各種切削工具および射出成型機なんですけども、 2013年の回顧としましては、まず切削工具ですけども、自動車業界、まあ好調、多少他の業界 と比べると好調ということで、前年比プラス20.4%と。ただしレアル安による輸入原価増とあ とインフレによって諸経費アップでまあ損益的には苦しいということでございます。
あと耐摩耗工具につきましては前年比これもプラス11%。 理由としましては、まあ重要顧客さんからの特需があったということでございます。あと鉱山 工具につきましては前年比マイナス11.5%ということで、この原因につきましてはレアル安に よる価格高騰とですね、あと鉱山というか、金属が資源価格そのものの低下が原因だというこ とでございます。
ねじ切り工具ですが、12年度売上が過去最高レベルだっ たということもありまして、それに比べて13年度は前年比マイナス11%と。輸出では、日本向 け製品の供給停止もあったということで、レアル安にも関わらずマイナス9%と。あと国内向け につきましては、在庫過多もあって前年比はマイナス13%と。それから射出成型機ですけども 、自動車業界さんの好調によって引き合い自身は増加したんですけども、まあ品質よりも価格 志向の市場ということで中々難しいという状況ということでございます。
2014年の上期の展望ですけども、まず切削工具につきま しては、自動車の販売は前年並みでもですね、輸出がアルゼンチン経済の影響で減少すると予 想。ということで、生産自身が、先程もありましたけども、横這いということで、ちょっと期 待薄だということでございます。耐摩耗工具は建設用丸棒鋼の需要は今後も期待されると。建 設工具。建設関連は引続き好調を期待しています。鉱山向けはまあ為替の影響で厳しいという ふうに見ております。
ねじ切り工具の方ですけども、ワールドカップ、あと大 統領選は一応市場にマイナスというふうに予想しております。ということで2014年もまあ厳し いと。あとレアル安も消費減に動くので、ちょっと調子悪いんじゃないかなというふうに見て おります。あと射出成型機ですけども、日系自動車会社さん向けにですね、中心にですね、何 件か受注の見込みと。 で、品質はもとより、まあ当然なんですけども価格とアフターサービ スについても非常にまあ高い要求があるので、それを満たすということが大切だなというふう に考えているということでございます。
引き続きまして機械部品と測定機器ですけども、2013年 の回顧としまして、まずチェーン関係ですけども、製糖業界向けスポット受注もありまして前 年比206%の増加ということで、ただこのスポット受注の特需を除けばまあプラス18%の微増と いうことでございます。 これは代理店経由のアフターマーケットが中心で売上を上げているということでございます。 ホイスト&クレーン、それとチェーンブロックの方ですけども、まあワールドカップとオリン ピックの景気に期待したんですけども、終始低調だったと。あともう一つは中国製品との競争 が大きな試練だと。軸受ですけども、自動車向けは堅調だったんですけども、二輪車向けは先 程もありましたけども、依然低調でまあ回復の見込みはないのかなというふうに見ております 。
農機の方ですね。これはまあ堅調。鉱山向けはですね、 Vale等の投資が低調ということもありまして、依然低迷したと。産業モーター向けはまあ堅調 だったと。あとアフターマーケットは、先程もありましたけども安値の中国製品の輸入に歯止 めかからず、調子良くなかったと。あと測定機器関係ですけども、まあSENAIなど教育機関向 けの販売が堅調に推移したということで、目標自身は未達だったんですけども、前年比に対し てはプラス6%ということだったということでございます。
2014年上期の展望ですけども、まずチェーンにつきまし ては食品包装、製糖、森林等、特定業界に営業を絞ってですね、保守用ビジネスを取り込んで 、かつ新規OEMを図る戦略でまあ販売増を狙うと。ホイスト&クレーン、チェーンブロックで すけども、まあ品質重視の顧客をですね、ターゲットに、あと販売パートナーとの連携で受注 拡大を目指していこうと。軸受の方ですけども、自動車向けは堅調に推移するんですけども、 二輪車向けはまあ回復が期待薄であると。あと客先プロジェクトの延期もあるということです ね。好調の農機にここは期待するしかないかなということでございます。
あとレアル安でですね、輸出を伸ばしたいと。それから アフターサービスはですね、円安メリットを活かして日本からの輸入品の販売増を狙っている ということでございます。それから測定機器につきましては前年比プラス10%超の販売目標を 立てておるということで、日系自動車メーカーさん向けの工場拡張、あと新設に期待している ということでございます。
次に潤滑油・金属加工油関係ですけども、まず2013年の 回顧ですけども、潤滑油につきましては市場全体としましては前年比プラス4%ということで、 自動車用、工業用ともに安定的な需要が継続していると。ベースオイル市場では国産化されて いない高品質ベースオイルのグループⅡ・Ⅲの比率がですね、20%から27%に上昇したというこ とで、まあ潤滑油がより高品質化しているという状況だったということですね。
それから金属加工油ですが、これも前年比プラス12%と 。ここも自動車販売が堅調に推移したんですけども、良かったんですけども、主要客先である 自動車部品製造業での生産がまあ増加したと、こういうことでちょっとプラスになっていると いうことでした。
次に14年上期の展望ですけども、まず潤滑油の方ですが 、自動車分野の好調さが維持されればですね、潤滑油全体需要も押上げられると。で、ワール ドカップと総選挙により消費が上向くことは潤滑油需要にとってもプラス要因だと。全体では 、まあそうは言ってもGDP伸長率なみの需要増が見込まれるというふうに潤滑油の方では見て います。
金属加工油の方ですが、自動車関連企業の生産は、例の 頻発するデモとかですね、ワールドカップの影響でまあ生産がちょっと落ち気味になったりす ることもあるということで、まあ現状維持と予想しております。ただ、やはりなお日系自動車 メーカーさんの新エンジン工場の稼働がまあ予想されるということで、そこをどう対応するか というのがまあ鍵になっているなということでございます。
それを全部総括しまして、機械金属部会全体の2013年の 回顧としまして、ワールドカップ、オリンピックの2大イベントによる経済成長をまあ期待し たんですけども、結局工業関連は期待はずれの低成長だったと。建設業と農業および自動車関 連で微増はあるんだけども、依然低迷していたと。中国経済の減速も影響し、GDP成長率は 1.9%止まりだったと。
まあ最近はデモ頻発の影響もあり、個人消費にも陰りが あり、設備投資意欲も依然落ち込んだままだと。ブラジル経済を牽引すべきPetrobrasも業績 悪化により大型プロジェクトの遅れが目立ったと。また社会インフラ投資についても政府のま あ派手な発表はあったんですけども、実際の投資が動き出したケースは少なく、需要喚起に結 びつかなかったと。こういうのがまあ2013年の回顧ということでございます。
2014年上期の展望なんですけども、まあブラジル経済が 依然V字回復する見込みはあまりなく、低成長が継続するものと推測され、概ね各社さん共に ですね、2013年並みと予測しております。特に製造業のコスト競争力は益々低下してきまして 、安価な中国品との熾烈な競争に如何に勝ち抜いていくかに、まあ各社さん必死になって努力 しているという状況でございます。
それからPetrobrasですね、業績悪化がこのまま継続し て、設備投資への意欲はまあ依然低くてですね、関連プロジェクトの受注も低迷が続く可能性 がある。一方で、最近のデモで、身近な社会インフラへの投資ですね、これについてはちょっ と早くしろというようなことで実現が加速される可能性もあるんじゃないかと見ております。
あと造船関係ですね、いよいよ、まあ重工もそうなんで すが、日本からの技術協力がいよいよ本格化してきていまして、これがブラジルの海底油田の 開発をどんどん加速していけばですね、これがまあ全体の景気底上げにつながればなというふ うに思っているということでございます。
以上で機械金属部会の報告を終わります。ご清聴ありが とうございました。
司会
相原部会長どうもありがとうございました。ご質問ございませんでしょうか。時間は十分に ございますので、よろしいですか。はい、じゃあどうも相原さんありがとうございました。続きまして、前半最後のプレゼンテーションです。電気 電子部会、三浦部会長よろしくお願いいたします。
-
電気電子部会 三浦修 部会長
電気電子部会、ソニーの三浦です。よろしくお願いしま す。
まず最初にですね、去年、2013年1月から12月まで1年間 の主要製品の生産量ということで、電気製品に関しての生産量なんですけど、電気製品、大き く分けて生産地が二つありまして、オーディオビジュアル製品、そういったものに関してはマ ナウスですね。あとコンピューターに関してはサンパウロ州。で、セルラーフォンに関しては サンパウロ州とマナウスというふうに両方で生産しております、メインにですね。
これはマナウスのフリーゾーンの資料です。1月から12 月まで。12月が若干、最終数字が出てきてなかったみたいでアジャストメントなんですけれど も。これから言えるのは、このピンク色がマイナスなんですけれども、色んな製品書いてあり ますけども、まあ総じてですね、弊社が扱っているカテゴリーはほとんどマイナスだというよ うな訳ですね。
非常に残念なんですけども、例えばテレビで言いますと ですね、この2番目にありますプラズマテレビという、まあ普通のブラウン管からLCDに今移っ ているんですが、このプラズマテレビが44万1000台、2012年に作られまして、去年がその倍、 100万台近く作られていると。このプラズマテレビというのは、まあ日本のメーカーはほとん ど止めることを決定したわけなんですけども、ほとんどが韓国メーカーが作っていまして、世 界中でこのプラズマが伸びているというのはまあブラジルぐらいかなということでですね、非 常に今、困ったことなんですけども、非常に伸びています。
従って今、何と言いますか、店頭に行きましてもですね 、大きいプラズマテレビ、プラズマテレビとLCDテレビ、あまり分からないんですけど、見た 眼は、非常に安い値段で出てきています。非常に韓国メーカー、このブラジルというのを最後 のプラズマテレビの牙城と思っている節があるなというふうに思っています。
で、一番下にセルラーフォン、マナウスだけの数字です からマイナスになっていますけども、全体的にはものすごく伸びています。通常いろんな電気 製品がありますけれども、やはり一番伸びているカテゴリーというのが、2013年ではですね、 このセルラーフォンの中でもスマートフォンですね。スマートフォンがやはり年率、何と言い ますか、前年同月対比で大体毎月80%以上、80%から90%、数でですね、非常に伸びているとい うことで、かなりスマートフォンがメインのカテゴリーになってきています。
後はですね、この、やっぱり顕著に分かるのがこのデジ タルカメラです。デジタルカメラ、デジカメですね。デジカメがやはりこの2013年に極端に減 っています。まあ生産は40%減っています。全てがスマートフォンに移ってきているというの が現状です。ですからまあ電機メーカーにとってはですね、コンシューマーを対象にしている 電機メーカーにとっては、何で食べて行こうかというところが非常に、何と言いますか、苦し い状況だと思っています。
これは生産ですから、この生産がですね、非常に伸びて いるから良いというものでもないんですね、ブラジルは。ブラジルはかなり電気製品に関して は外からコンポーネント、パーツを輸入しまして、そこで組み立てています。で、組み立てる 時に全てブラジルコストがかかってしまいますので、生産が伸びてもですね、国内で売れなか ったらもうどうしようもなくなってしまうと。 それをReexport、輸出すればいいんじゃないかと思われるかもしれませんけども、ブラジルか ら電気製品を輸出するなんていうのはちょっと夢物語でですね、もう半値にしたって他の国は 、中国、マレーシア、これは弊社も同じなんですけれども、中国とかマレーシアの工場から買 った方がまだ安いということで、例えば弊社のメキシコの販売会社に半値で出しますよと言っ たって、そんなのいりませんよというような状況でですね、生産が多いからといって安心して はいけないというのがですね、電気業界の、何と言いますかね、見方じゃないかなというふう に思っています。
これは、GFKという、店頭のシェアを調べている会社が あるんですけども、これは4月から12月までの実際の店頭から売れた数ですね。これは売れた 数を示しています。じゃあ何が売れているんだと、実際の数ですね、これは全ての店頭を網羅 している訳ではないですから、まあある程度インディケーションと思って見ていただければい いかなというふうに思うんですけれども、ひとつやっぱり一番伸びているのがですね、この、 やはりスマートフォンですね。数的にはもう倍行っています。この8ヶ月ですか、8ヶ月の前年 対比で倍をいっているというような状況ですね。
後は先程の生産量と同じなんですけれども、こういった 例えば、このDSCというのはデジタルカメラなんですけども、デジタルカメラとかですね、あ と何でしょうね、例えばPCですね。コンピューターとか、こういったものが非常にやはり、デ ジタルカメラはスマートフォンに取って代わられ、ノートブックはタブレットとかですね、そ ういったものに取って代わられということで、まあ非常に、何と言いますか、2013年というの はかなり大きく変わった年だったんじゃないのかなというふうに思います。
このテレビに関してはですね、これはまあ全部一緒にし てあるんですけれども、15%ぐらいの伸びです。実際の売りの伸びです。売りの伸びなんです けども、先程申しましたけども、やはり輸出できない以上ですね、作った以上売らなきゃいけ ないということで、非常に後半戦ですね、まあ11月ぐらいからかなり値段のたたき合い、日本 メーカー同士はほとんどやってないんですけども、値段のたたき合いはやってないんですけれ ども、やはり他の国の会社とですね、値段の叩き合いがまだ続いているというような状況です ね。
これが販売額です。先程の販売数をまあ額で表したんで すけども、やはりまあこのスマートフォン、これがやはりこの中心になっています。この、も うビジネスの中心が本当にスマートフォンになっているなとつくづく感じています。で、テレ ビに関してもですね、これはプラズマは非常に安いと言いましたけれども、やはり去年ですね 、かなり顕著になってきたのが、大型、まあ50インチ以上ですか、50インチ以上の大型テレビ がかなりポーションが大きくなってきているかなというような状況です。まあこれからワール ドカップがありますけれども、まあそれに向かってですね、もっと増えてくれればいいかなと 思っています。
もう一つですね、去年非常にまあ顕著だったのが、 Black Fridayと、まあ聞かれたと思いますけども、11月の一番最後の金曜日ですね、4年前に アメリカからこのコンセプトを輸入しましてですね、大々的に、まあ4年前は小さく始めたみ たいなんですけども、去年11月末がですね、やはりBlack Friday、前年比大体売上でですね、 2倍以上ですね、217%アップですから2倍以上増えていると。ここの11月の、11月前年対比でも ですね、非常に、31%伸びているということで、このBlack Fridayというのがこのブラジルで ですね、かなり確固的な、何と言いますかそのセールス期間になってしまったかな、去年から というふうに感じています。
通常Black Friday、まあ色んなメーカーさんでですね、 余った製品とかそういったものを小売に渡してまあこれではいて下さいよというようなものが まあ元々の始まりだったと思うんですけども、今はもう安いものはないかと、安くしてくれと いうようなことで9月ぐらいからビジネスが、交渉が始まるんですけれども、何で安くしなき ゃいけないんだというような交渉でですね、まあ弊社はほとんど安くはしなかったんですけれ ども、これ、小売のですね、お客様、まあいろんなハイパーマーケットとかいろんなディーラ ーさんいらっしゃいますけども、もう何のためにやっているのか彼らも分からないような状況 になってましてですね、ものすごい値下げしています。
で、後でですね、うちに来まして、ソニーさん、安くし たからちょっとCompensateしてよと。そんなの約束もしていないのに、あなたたちのポケット でやったんでしょというような話がまあずっと続いているんですけれども、ものすごく意味が ないんですけどもね。意味があるのはお客さんだけで、お客さんにとってはものすごく意味の あるBlack Fridayかなというふうに思っていまして、このBlack Fridayのおかげでですね、今 まではクリスマス前、まあ15日から24日までの1週間とかですね、こういったものが非常に我 々としてはそれに向かってクリスマス商戦というのは伸びるだろうというような感じでいろん な計画、交渉なんかもしていた訳なんですけども、もう去年から本当にこのBlack Fridayが一 つの大きな商戦になっているなというのはつくづく感じまして、そのシーズナリティーという のが変わってきたなと。
そのために今年の、というか去年の2013年のクリスマス というのはですね、非常に振るわなかったですね。振るわなくて非常に期待外れに終わってし まったと。期待外れに終わってしまって、今度1月になるとまたまたディーラーさん、お客さ んはsaldãoといって、何と言いますか投げ売りみたいなのをやり始めますので、そういうこと をやるとなったらですね、お客さんの思うツボでですね、クリスマス前に買うはずがないとい うことで、ちょっといろんな、何と言いますか、今週もお客さんと色々話したんですけども、 Black Friday来年もやるのというふうに、うちはやらないよと、来年もあなたやるんですかと いうふうな質問をするとですね、他がやっているからやらざるを得ないと。他がやっていると みんなそっちに行っちゃうんで、自分たちもやりたくはないけどやらざるを得ないという、非 常に何かおかしな状況になっているなというふうに感じました。
来年も続くと思いますので、日本人の皆さんあまりブラ ジルで電気製品を買うということはないと思うんですけど、まあテレビだけはここで買わない とテレビは映りませんので、買われる場合はこれを利用された方が、Black Fridayを利用され た方が非常にお得で買えるかなというふうに思います。
2013年の回顧なんですけれども、アンケート、電気電子 部会で出しまして、まあ16通返ってきたんですけれども、青いのがですね、非常にこういった おかげで良かったと。このピンクで囲っているのがこのおかげでちょっとさんざんだったと。 で黄色がまあ何とも言えないなというふうに色づけしてみたんですけれども、まあ白物販売に 関しては先程車でもありましたけども、IPIのインセンティブがまだ続いているということで 、非常に、まだまだ良かったかなというようなコメントはありました。通信インフラに関して もですね、投資は微増だが、下落傾向だけれども微増だったということでした。
で、やはりこのピンクで囲っていますけれども、レアル 安による利益悪化ですね、値段に反映できずと。このコンシューマー製品の、電気製品のまあ 宿命なんですけれども、どんなに為替が悪くなっても値上げができないというですね、非常に 過酷な宿命を負っていましてですね、まあそのおかげでですね、まあ利益が悪化している。ま あこれは弊社の例なんですけれども、まあ非常にレアル安というのはこたえているなという気 がしています、気がしていますというか、こたえています。
で、景気悪化ですね。やはり色んな、スマートフォン意 外はあまり伸びていません。伸びていませんというか、落ち込んでいるものもありますので、 それに関してはやはり悪化しているなということと、金利の上昇、まあこれもほとんど全産業 に共通することだと思うんですけれども、金利の上昇によってほとんどが分割払いで買う人た ちにとってみればですね、一回に払う金額、その分割払いの分が大きくなってしまいますので 、そういったことでやはりちょっと買わなくなってきていると。
で、人件費の高騰。これももう言い尽くされています状 況で、まあ非常に、2013年を回顧してみると、あまり大したというか、良い話はなかったなと いうようなコメントが多かったです。そのコメントの割には業績のこの数字は改善というのが 多いので、ちょっとおっしゃっていることと数字がちょっと合わないなとふと疑問に思ってし まったんですけれども。
で、2014年の展望でもですね、これ全部赤だったんです ね。全部ピンクでですね、まあ不調な経済が継続するだろうと。で人件費の増大で利益は圧迫 するだろうと。通貨安はもっと続くだろう、2.5から2.6、それぐらいになるでしょうと。で、 金利の上昇による収益への圧迫と消費の落ち込み、まあ当然のことながら起きるでしょうと。
で、オポチュニティーと思われていた、オポチュニティ ーと思って弊社もオフィシャルスポンサーをしている訳なんですけども、ワールドカップはビ ジネスにはネガティブに作用すると。
まあ、本当にこう言われるとその通りなので私も悲しく なるんですけど、期間中のデモは必ず起きるだろうと、これは。で輸送の混乱も必ず起きるで あろうと、配送のですね。で、期間中ほとんど仕事しないでしょうから生産はダウン、効率は 低下するだろうと。まあデモが起きればショッピングセンターは閉まりますので、お客さんも 行かなくなるしと。 で、期間中ですね、ホテルは上がるわ、航空券は上がるわ、どれぐらい上がるのかちょっと 分からないですけれども。まあそういったことで、ワールドカップはビジネスにはネガティブ に働くだろうというのがですね、この間この、何と言いますか、電気電子部会で一緒にですね 、事前ミーティングをやった時のですね、皆さんのコメントでですね、まあそうだろうなと。
この件に関してはワールドカップという話がありました ので、弊社でも色々ワールドカップに準備しているんですけども、何かないのかと、今年、オ ポチュニティーはと。で、ワールドカップだけじゃないんですけれども、2014年に関しては何 かないのかといういうようなことを今話しているんですけれども、ほとんど、もうリスクだけ しかないと。リスクだけしかなくて、オポチュニティー何だろうと。誰からも出てこなかった ので私が考えたのがですね、一つだけオポチュニティーがあるとしたらブラジルのセレソンの あのチームが優勝すればですね、これはすごいことになるんじゃないかなと。
みんなは、何と言いますか、お金のことは全て忘れて、 いろんなものに使ってくれるんじゃないかなというふうに思っているんですけれども。それが 逆に、下の方のトーナメントで負けてしまったらですね、これワールドカップ続くのかなと、 もう大統領も絶対再選されないだろうということでですね、オポチュニティーなのかリスクな のか分かりませんけれども、非常に来年に関してですね、もう今年になりましたけども、今年 に関して何かいい話があったら非常に乗りたいんですけれども、中々見つけられないというの が電気電子部会でのまあ話でした。
それにも関わらず皆さん改善するというふうにですね、 言っているのはこれは私も改善してほしいという願いを込めてここに一つ入れているんですけ れども、非常に希望的観測でですね、皆さんやっぱり改善してほしいと。最初から悪化するな んてやっぱり言えませんので、やはり皆さん改善してほしいというふうに思われてまして、私 も本当に改善してほしいなと思っているんですけれども、もう2ヶ月経ちましたけれども、ま あほとんど何も変わっていないというのが今、現状ですね。
最後にこれ、前回もお見せしたんですけれども、まあ政 府への要望ということで、まあ前回と全く同じと。このフレーズが何年続くかちょっと分から ないですけれども。複雑すぎる税制の改革ということで非常にこれ日々頭を悩ましているとこ ろですと。でインフラの改善と投資の促進ということで、まあマナウスからいろいろやっぱり 運んでくるとロジスティックスの問題とかですね、道の問題とか、色々やっぱり困っています 。で反政府行動の鎮静化。やはりマニフェスタソンが必ず起きると思いますので、これはもう それがあるということを前提に色々準備をしなきゃいけないかなというふうに思っています。
で、税金を払わない輸入に対する厳格な取り締まりとい うのは、まあこの間も言いましたけども、隣の国からですね、色んな税金を払わない商品が色 々小物を中心にですね、色々入ってきていまして、我々一生懸命税金を払っているんですけれ ども、まあ税金を払っていない人たちがまあのうのうと隣で生きているというのが非常に許せ ないなとまあ非常に思っています。
それと治安の改善といいますか、これは全ての皆さんに も当てはまることだと思うんですけども、治安、これがない限りですね、やはり経済というの もまあ、うまい具合にといいますか、発展していかないんじゃないかなというふうに思ってい ます。これが電気電子部会の総括といいますか、発表です。ありがとうございました。
司会
どうも、三浦部会長、大変熱いプレゼンテーションをどうもありがとうございました。ご質 問ある方いらっしゃいませんでしょうか。よろしいですか。はい、じゃあどうもありがとうご ざいました。これで前半のプレゼンテーションが終了いたしました。 ここでコーヒーブレイクをですね、15分行ないたいと思いますので、3時40分にまたご着席の 方をお願いいたします。どうもありがとうございました。
コーヒーブレイク
-
後半の司会 井上徹哉 企画戦略委員会副委員長
それでは時間になりましたので、後半の部を開始させて いただきたいと思います。皆様着席の方よろしくお願いいたします。はい。それでは開始させ ていただきます。
私、企画戦略委員会副委員長を務めさせていただいてお ります、JETROの井上でございます。本日は林委員長ご不在ということで、私が代理で後半の 司会をさせていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。
それでは早速ではございますけれども、各部会からの報 告に入りたいと思います。それではまず始めに貿易部会の報告でございます。それでは伊吹部 会長、どうぞよろしくお願いいたします。
-
貿易部会 伊吹洋二 部会長
どうもこんにちは。丸紅の伊吹です。貿易部会長を務め させていただいております。本日はどうぞよろしくお願いいたします。毎回同じような内容で ちょっと、またかという感じで受け止められるかもしれませんが、お許しください。
まず半期ごとの貿易額の推移をご覧いただきます。左の 青の棒グラフが輸出額ですね。右の赤の棒グラフが輸入額で、黄色の折れ線グラフが貿易収支 となっております。グラフ左の目盛が輸出入額、右の目盛が貿易収支の金額で、単位はそれぞ れ100万ドルとなっています。
ブラジルはこれまで鉄鉱石、穀物の一次産品の輸出の好 調が続いてきたため、2001年以来安定して貿易収支は黒字となっておりましたが、2013年に入 ってから貿易収支が急速に悪化しまして、13年上期ではマイナス31億ドルの赤字に転落しまし た。下半期は何とか57億ドルの黒字となりまして、通期では26億ドルの黒字を確保しておりま すが、昨年までと比べて黒字幅は大幅に縮小する結果となっております。これから2012年の通 期との対比でさらに詳細を見て行きたいと思っています。
まずは輸出動向でございますが、商品別にご説明いたし ます。最初に一次産品ですけれども、鉄鉱石は数量3億3000万トンでほぼ横ばい。金額は325億 ドルで前年比微増となっております。大豆、こちらは豊作で、輸出数量4300万トン。前年の 3300万トンから約1000万トン増加しておりまして、金額も228億ドルと前年から31%という伸び になっております。
一方で落ち込みが目立ちますのが原油でございます。輸 出数量は1億4700万バレルと前年の2億1200万バレルから30%減。金額は130億ドルと前年比36% という減になっております。これは原油生産設備のメンテナンスのための減産に加えまして、 特に、本年前半に国内の燃料需要が急増しまして輸出に回せなくなったものです。これをカバ ーしましたのが、工業製品のうち石油掘削用の海上プラットフォームの輸出でですね、前年比 5倍以上と大幅に伸びております。
ただ実は、これはですね、国外の石油掘削企業にプラッ トフォームを売った形にしているだけでですね、実際にはブラジル国内で石油開発に使われて おりまして、便宜的に輸出にカウントされているものだけだそうです。これで多分、13年黒字 化を達成させるひとつの方策だったのかもしれません。
次のページは輸出の約半分を占める一次産品の内訳をグ ラフにしております。ご覧の通り12年から13年にかけまして、原油が大幅に減少しているのが 一目瞭然です。その構成比は前年の18%から今年は11%と大きくシェアを減らしております。代 わりまして大豆が輸出品目のナンバー2に繰り上がっておりまして、金額も原油のほぼ倍近く にまで伸びております。
続いて輸出を相手国別に見てみます。輸出相手国上位10 ヶ国は表の通りでありまして、輸出相手国第1位の中国は2009年以降その地位を継続していま す。中国向け輸出品目としては、大豆と鉄鉱石が実に8割を占めておりますが、このうち大豆 が前年比43%と大きく増えたことで、全体でも前年比12%と伸びております。
2位のアメリカは前年比8%減少していますが、これは原 油輸出が38%減と大きく落ち込んだためです。3位のアルゼンチンは乗用車が大きく伸びて、9% 増となっております。4位オランダ、15%増、および下の方の10位にパナマがございますけれど も、前年比11倍の大幅増となっておりますが、これは今お話しした通り石油掘削の海上プラッ トフォームを便宜的に輸出にカウントしているものが大きく増えたということが原因だと思わ れます。5位日本は横ばいで、その他に増減の多い所はドイツの10%減はコーヒーや大豆かすの 減少によるものです。
右のグラフは地域別の構成比をグラフにしたものですが 、ご覧の通り輸出先にあまり隔たりはなく、バランスがとれているということが見て取れるか と思います。
続いて輸入動向です。商品別では原油や天然ガス、燃料 油といったエネルギー関連商品が大きく増加しています。これは原油の輸出が減少した原因と しても述べましたが、今年前半に国内の燃料需要が大きく増加したためです。燃料需要の増加 は12年の干ばつによる主力電源のダム水位が下がりまして、通常運転していない火力発電のフ ル稼働を余儀なくされたというもののためです。そのほかには輸入車規制によって自動車生産 高が過去最高を記録したことから、工業製品のうち自動車部品の輸入が大きく増加し、反対に 乗用車輸入は減少しております。
同様に輸入を相手国別に見て行きたいと思います。輸入 相手国上位10ヶ国は表の通りです。11年までは米国が1位でしたが、12年以降は中国がトップ になっています。中国からの輸入増加は半導体や電子部品の増加によるものです。米国からの 輸入はガソリンと発電モーターが大きく増加しています。その他増減の多い所は、ナイジェリ アからは原油が増加、日本は自動車が減少、インドからは燃料が増加しています。右のグラフ は地域別の構成比をグラフにしたものですが、輸出先と同様にあまり隔たりのないバランスの とれた構成になっていると思います。
次に対内直接投資についてご説明いたします。左のグラ フは半期ごとの直接投資額の推移です。通年で見ますと2010年は526億ドル。2011年が695億ド ル、12年が減りまして605億ドル、で13年はさらに減りまして、今493億ドルとなっております 。11年をピークに減少傾向が続いております。
右の表でさらに国別の投資額を記載しておりますが、ご 注意いただきたいのは、この数値は直接投資ベースになりますので、低税率国を経由した間接 投資の場合などはその当該経由国の投資額となりまして、必ずしも実態に即さない形になって いるということです。つまりオランダ、ルクセンブルグ、スイスなど上位の国には低税率国が 多くなっており、税制優遇を狙いとしたSPCやファンドなどを通した投資であると推測されま す。
中国が上位に入っていないのも、第3国経由の間接投資 を行なっているためと思われます。この中国の数字がですね、これまで発表できていなかった んですけれども、中々判明しなかったんですが、米国のシンクタンクの試算によりますと2013 年は約40億ドル、過去5年間合計では300億ドル程度の投資が中国から実施されたというふうに 見積もられております。従いまして、2013年では中国が実態としては第4位のポジションに相 当することになります。主な投資先は石油関連のようです。
なお日本の投資先を業種別に見ますと、自動車6億ドル 、輸送機4億ドル弱、ゴム・プラスチック製品が2億ドル、機械2億ドル、保険2億ドルが上位と なっています。
次のスライドは直接投資の業種別の表になります。大型 投資の有無で増減が決まってしまう面もありますけれども、2013年は特に石油・天然ガス採掘 業を中心とした一次産品への投資が大きく増加しております。表の一番上の農業・畜産・鉱業 の部分になります。一方工業分野への投資は32%減、サービス業への投資は24%減と、いずれも 全体として減少しております。
次に対日貿易についてご説明いたします。前述の通りブ ラジルにとって日本は輸出で5位、輸入では7位の地位を占めております。左側が輸出ですが、 全体では12年、13年とも80億ドルで横ばいになっています。主要輸出品である鉄鉱石は微増。 鶏肉は横ばい。昨年から主要輸出品に登場したトウモロコシは引き続き増加しています。以前 はアメリカからの輸入が多かったんですけれども、アメリカの干ばつでブラジルのトウモロコ シが見直されたという背景がございます。
一方でコーヒーやアルミ、合金鉄は減少しています。7 位の大豆、9位の大豆かすはそれぞれ増加幅が大きくなっております。10位のところに航空機 が出てきていますが、これはエンブラエルの輸出の数字がここに反映されています。13年、 JAL向けに3機、フジドリームエアラインズ向けに1機の合計4機がここの数字に反映されており ます。
次に右側が輸入になりますけれども、全体では77億ドル から71億ドルへ6億ドル、8%の減少となっています。まず乗用車の落ち込みが大きくなってい るのが目立ちますが、これは先に商品別輸入のところでご説明した通り、輸入車規制で全体的 に乗用車輸入が減少した流れと合致します。一方自動車生産高が過去最高を記録し、ブラジル 全体では自動車部品の輸入が増えているにもかかわらず、日本からの部品輸入はむしろ減少し ています。これは日本のメーカーさんの現地生産において、日本ではなく第3国からの部品調 達が増えているからではないかと想像しております。
また、表の中では一番下のその他に占められている、さ らに細かい商品群の減少額も大きくなってきております。なお対日貿易収支は輸入の減少によ りまして、前年の2億ドルから9億ドルへの黒字幅が広がってきております。
最後にまとめとしまして、13年の貿易動向を総括します と、13年は年初から赤字が続きまして、上半期トータル31億ドルの赤字に転落しました。これ は国内の燃料需要の増加と石油の減産によってエネルギー関連収支が大幅に悪化したことが原 因です。
国内燃料需要の増加は12年の干ばつの影響で、主要電源 である水力発電のダム水位が大きく低下したため、12年10月から非常用電源である火力発電を フル稼働させる事態となったためです。天然ガス発電所のフル稼働で月4億ドル、重油炊き発 電所のフル稼働で月7億ドル、合計で11億ドルの燃料が余分に必要となるので、これで上半期 だけで70億ドル近い影響があったことになります。
一方13年はじめよりPetrobrasが生産設備メインテナン スのために減産を続けたため、燃料輸入が増加する一方で原油輸出が減少しまして、エネルギ ー関連収支が大幅に悪化したというわけです。ただ下半期に入ってからはダム水位が回復し、 火力発電の運転を停止したこと、原油生産も回復してきたことから持ち直しまして、通期では 何とか黒字に転換したという結論となりました。ただ先に輸出額の方でも述べましたが、ブラ ジル国内で使用されているプラットフォームを便宜的に計上したということだけなのかなとい うふうに思っております。
ここで最初にお見せした半期ごとの貿易額の推移表に戻 ります。表の一番右側に今年1月単月の実績を追加しました。ご覧の通り先月、1月の単月貿易 収支は41億ドルの赤字となっています。1月の貿易収支としてはですね、過去最大の赤字を記 録しました。原因は工業製品や農産物の輸出減少ということですが、これを見る限りではまだ 、13年が黒字に戻ったとはいえ、黒字基調に戻ったとは言えないと思っております。
今年の貿易収支の見通しにつきまして政府は当初生産設 備メインテナンスの終了によりまして原油増産に転じることからエネルギー関連収支の好転が 見込めるとしていました。しかし皆様ご存知の通り今年の1月来の猛暑・干ばつは相当なもの で、ダム水位は電力危機の起きた2001年以来の水準に低下しております。スポット市場の電力 代金が過去最高値を付け、火力発電所は2月から再度フル稼働の状況となっておりますので、 今年も燃料輸入額は高止まりとなる可能性が高く、厳しい収支が続くと見ております。
ちなみにですね、電力代金、水力が動いている時はです ね、kw/h当たり20レアルぐらいの数字なんですけども、現在800という非常に高い過去最高の 数字を付けているようです。
前回の発表ではPetrobras次第だろうなと、13年の貿易 収支のことは申し上げましたけれども、ワールドカップ、選挙へ向けてですね、どうなるのか というのはもうPetrobrasよりもブラジルの天気次第なのかなというふうに感じております。 この干ばつが続くとやはり大変なことになってしまうんじゃないかと思って非常に心配してお りますが、火力発電をお持ちの地場の会社の方たちはある程度安心した経営ができるのかなと 逆に思っております。以上で貿易部会からの発表とさせていただきます。
司会
ありがとうございました。それではご質問のある方いらっしゃいましたら挙手をお願いいた します。よろしいでしょうか。それでは伊吹部会長どうもありがとうございました。
それでは続きまして化学品部会、友納部会長よろしくお願いいたします。 -
化学品部会 友納睦樹 部会長
よろしくお願いします。ただ今ご紹介にあずかりました 、FUJIFILMの友納と申します。1月より化学品部会の部会長を務めさせていただくことになり ましたけども、サンパウロには2年半おりますが、実はこのシンポジウムに出させていただい たのは初めてでございまして、大変不慣れでございますけれども、色々とふさわしくない点も あるかと思いますが、ご一緒いただければと思います。
化学品部会は46社の会員によって構成されておりまして 、いずれも化学の技術によって作られた様々な原材料、製品等を様々な市場分野あるいは業界 に販売しております。自動車ですとか電機ですとかそういったような明確な市場分野あるいは 業界を定義することはできません。また一方で金融ですとか商社の方のようにですね、マクロ 経済を見ながら仕事をしているわけではございませんので、少々今日のプレゼンについては大 分散漫な点もあるかと思いますが、申し上げたいと思います。
FUJIFILMは化学品会社というふうに言いますと非常に不 思議に思われる方もいらっしゃるかと思うんですが、私どもは87年にダイセル化学から分離独 立いたしまして、まあ化学の会社でございまして、移動分野、印刷分野のケミカル、化成品で すね、最近では電子材料ですとか半導体製造用の材料、あるいは医薬品ですとか化粧品等々も 手掛けております。
化学品部会の部会長は2年の任期でございまして、社名 のABC順で担当することになっております。で、プリンシパルの会社が25社あるんですけれど も、これ一回りするのに50年かかるわけでございまして、50年に一度の部会長に当たりまして 私は幸せなのか不幸なのかよく分かりませんけれども、まあいずれにしても新しい血と新しい アイデアをですね、今後入れて行くということで、今後は1年に短縮するということをですね 、ぜひ部会の中で提案していきたいと思っています。相談せずに私勝手にここで言っています けれども。
今回のシンポジウムに当たりましては、過去の例になら いまして会員各社にアンケートを実施いたしまして、定性的ではございますけども、その結果 をまとめたものをここで発表させていただきます。業界とその市場分野が非常に散漫で少々退 屈かもしれませんけれども、お付き合いいただければと思います。皆様大体、大分お疲れで、 眠気も誘わないようにですね、手短に進めたいと思います。
これがですね、アンケートが48社に実施いたしまして、 28社から31回答いただきました。事業内容ごとに回答をお願いいたしましたので一部の会社か ら複数回答をいただいております。
回答を得た会社のうちですね、約3分の1がこの3年間に ブラジルで創業しているということが分かりました。日本の多くの化学会社でブラジルの市場 に対する期待が非常に高まっているということが言えるんじゃないかと思います。
この31の回答についてですね、分類を試みてみました。 これ非常に難しいんですけども、この4つのカテゴリーに分けてみました。
まず工業材料ですけれども、合成樹脂、合成繊維、樹脂 フィルム、ファイバー、中間体、着色剤等々、まあこういうようなものをですね、様々な工業 生産の原材料として様々な業界に販売しているということでございます。主たる取引先として はですね、自動車、電子機器、食品、化粧品、医薬品、薬品、製紙、建築材料等々と、様々な 業界に販売をしております。
消費財。これ9回答ございますけれども、化粧品、一般 医薬品、香料・香粧品、瞬間接着剤、筆記具・文房具、医療用フィルム、印刷用刷版、印刷用 インキ等々、こういうようなものがございます。私事ながら医療用フィルムと刷版、これは私 どもFUJIFILMでございます。
農業・畜産についてはですね、農薬、飼料添加物。石油 製品については潤滑油等々ということでございます。
印刷用のインキは去年は工業材料の方に入っていたんで すけれども、印刷の業界というのは98%が10人未満の小さな零細業者でございますので、今回 分類を変更しまして消費財の方に入れました。
品目の定義、あるいは分類の線引きが非常に難しくてで すね、若干無理がございますけども、その点ご理解いただけると思います。
この分類に会員会社の名前を入れてみるとこういうふう になります。工業材料の方はですね、このように原材料を作っている会社がございます。それ から消費財となるとですね、このように様々な、ちょっとその化学品会社らしからぬ名前が並 んでおりますけれども、こういう会社でございます。それからこれが農業畜産。それからこち らが石油製品でございます。
2013年の回顧とですね、2014年の展望に関しまして、売 上と利益それぞれについて、2013年から見た2012年との実績の比較と。それから2014年の見通 しについてうかがったものをまとめたものがこちらでございます。これ化学品部会全体の合計 でございます。
2013年の前年比の実績。これは売上で見ますと増加57% ですが、減少が21と、これが非常に増えております。ところが来年はですね、増加が71だと、 で減少の方も減っていると。利益を見てみますと、2012年から2013年で減少が非常に増えてい ると。まあこの辺りはレアル安の影響も出ているんじゃないかと思いますけれども、非常に減 少が多かったと。増加は非常に少なかったと。来年はですね、まあ不変が多いながらも減少は 減っている、まあ増加するということを期待しているということじゃないかと思います。こち らの隅にございますのは、2013年の実績が2012年に対して予測通りであったかどうかというも のをアンケートした結果でございます。
これを工業材料分野だけで見てみますと、大体全体と同 じような傾向と言えると思います。
これは消費財製品を取りだしてみたものですけども、先 ほどとちょっと違うのはですね、まず顕著なのは、2013年を2012年に対して減少したという会 社が一社もなかったと。しかも来年もですね、減少するであろうという会社は全くない、非常 に増加という、売上が増えるという点でですね、他の分野とは違っていると言えると思います 。利益はですね、やはりかなりの会社が、半分近い会社が減少したと言っていると。ところが 来年はですね、増加するであろうと、非常に期待をしているということだと思います。
農業畜産関係ですけども、これは2013年についてはです ね、きれいに三分しております。来年はやはり増えるだろうということだそうです。利益もで すね、やはり減少したというところが半分近くあるんですけども、まあ来年は増加というより も不変だろうと。ちょっとペシミスティックな結果が出ております。
石油製品。これは2社しかないのであまり、意味がある かどうかという話もありますが、2社ともですね、対前年で増加していると、来年も増加する であろうと。利益はですね、まあ来年は1社は増加、1社は不変という結果でございました。
数字の背景についてアンケート回答を整理したものをご 説明します。まず第一にですね、景気減退によって販売の伸びは鈍化しているものの、市場は 拡大していて、増販を期待していると、こういう見方が大方でした。これは13年の回顧と14年 の展望を一緒にしていますけども、基本的には同じような傾向でしたので、あえて分けること は致しませんでした。
2番目はですね、やはりレアル安の進行によってUSドル 建、ユーロ建輸入製品・材料のコストが上昇して利益を非常に圧迫していると。それから3番 目に人件費、現地調達材料コスト、各種経費がですね、インフレによって上昇して利益を圧迫 していると。それから高金利の負担が経営を圧迫していると。こういった声が非常に多くござ いました。
それから、特に工業材料ではですね、アジア等からの安 価品、廉価品の輸入が非常に増えて価格競争が非常に激化してですね、採算が悪化していると いう報告が多数ございました。で、レアル安とインフレによるコスト高に対してですね、この 競争によって販売価格に転嫁することが非常に難しいということのようでございます。
その他、回答がありました背景を列挙いたしました。ま あこちらはそれぞれ、それほど大きな、まあ共通の意見というわけではございませんけれども 、いくつか出た内容を列挙して参りました。国内産業が疲弊して投資を抑制しているため販売 が減っていると。あるいは好調な自動車業界向の原材料売上が伸びていると。先ほど好調では ないというお話もありましたけれども、あるいはローカルコンテンツの問題で日本製の、日本 製といいますか現地で生産しているですね、原材料を使っていただいているということかもし れませんけれども、いずれにしても原材料売上伸びていると。
それから低調な二輪業界向の原材料売上が減っていると 。それから円安によって価格競争力が上昇したという声もございました。それからこれも複数 あったんですが、売掛金の焦げ付きが増えていると。それから専門知識を持つ有能な人材の確 保が難しい。高関税によって国内産品に対して価格競争力が低いと。それから法規制が事前通 知なく変更されて、輸入通関で長期間滞貨するケースがあると。ANVISAの審査に極めて時間を 要して、新製品の発売が中々できないと。まあ13、14、15というのはですね、これは根本的な 問題で、皆さんご苦労されているのではないかと思います。
農業・畜産だけはですね、全体とちょっと傾向が違いま して、別にスライドを作りました。まず農産物の作付面積が増加していると。それから主要農 産物の価格が高止まりしている。経済成長、人口増によって食肉需要が増加している。それか ら健康志向によってですね、鶏肉の消費が増加している。それから円安によって欧米製競合品 に対して価格競争力が上昇していると。
こういうプラス要因がある一方でですね、綿は価格低迷 によって作付面積が低下している。サトウキビ産業は低迷していると。それから品種改良によ ってですね、選択性除草剤の需要が減少していると。これは工業製品と同じですけども、アジ アからの安値品の輸入が増えてですね、競争が激化していると。こういったマイナス要因があ るということでございました。
で、副題の方でですね、どうしたブラジル経済―ワール ドカップと総選挙のインパクトというお題に対してですね、別にアンケートをいたしました結 果をですね、簡単にまとめましたので最後にご報告したいと思います。
まず、回答27社いただいた中でですね、ワールドカップ による事業へのインパクトはほとんどないというのが44%。それから総選挙によるインパクト はほとんどないというのが63%と、ほとんど半分の会社がですね、インパクトはないという回 答でした。
ワールドカップの方はですね、これは皆さんのそれぞれ の部会とそれほど大きな違いはないんじゃないかと思んですけども、まず取引先の工場の稼動 日数が減って売上が減少すると。それから交通の混乱による物流等業務への支障を懸念してい る。航空券、ホテル高騰でですね、出張に支障があると。それからスタジアムですとかホテル ですとか、そういう建築関連でですね、出荷増を想定したんだけれども予想外に出ないと。 それからこれは私、FUJIFILM関係なんですけども、印刷物やサイングラフィーの需要が高まっ てインクの販売が増加していると。これ私のところだけ何か増加して申し訳ないんですけども 。ワールドカップサッカーによる電気製品、特にテレビの需要増大による原材料の販売増とい うのがあるのではないかという話でございました。 それから、最後ですね、国外からの来訪者が増えることで食糧および防疫の需要が高まり、農 薬、家庭用殺虫剤有効成分ですとか、衛生薬、養鶏・卵用の飼料添加物の販売増が見込めるん じゃないかという意見がございました。
あとは総選挙の事業へのインパクトでございますけれど も、選挙前はですね、現政府によるばらまき政策や貧困層への優遇で個人消費の拡大につなが って事業に好影響があるのではないかと。それから交通・通信等インフラへの公共投資によっ て雇用が創出されるのではないかと。選挙後はですね、一方で財政緊縮に変わって、ブラジル 経済が停滞して需要減退の悪循環に陥るのではないかという懸念があると。 それから新政府発足後のですね、経済政策、特に税制や為替市場の統制の如何で事業経営に影 響を受ける可能性があるだろうと。これも申し訳ないんですけども、選挙に向けて、印刷物お よびサイングラフィーの需要が高まってインクの販売が増加すると。弊社と東洋インキさんだ けがこういう意見だったんですけども、プラスの要因がございます。大統領選挙の前はですね 、あと、医療関連製品の公共入札が凍結されるため売上が急減すると。こういうような影響も ございます。
以上簡単ではございますけれども、化学品部会からの発 表を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。
司会
ありがとうございました。それではご質問のある方、挙手をお願いいたします。よろしいで しょうか。それでは友納部会長どうもありがとうございました。 それでは続きまして、繊維部会からのご報告をお願いいたします。上野部会長よろしくお願 いいたします。 -
繊維部会 上野秀雄 部会長
それでは繊維部会から発表させていただきます。繊維は 川の流れにたとえますと、原料の川上、それから織物とかニットとかいういわゆるテキスタイ ルの川中、それからアパレルとかアクセサリー、小売の川下というふうに区分されますが、流 れに沿ってご説明して最後にまとめを申し上げます。
まず最初に綿花についてです。近年の世界の綿花需給、 ならびに相場の行方は中国次第になっています。世界第1位の綿産国である中国は、自国の消 費量をほぼ賄う生産量を持ちながら、国内の綿花農家を保護するため、国策として大量の綿花 を輸入し、在庫を積み上げてきました。 そのため、2013年のニューヨーク定期綿花相場は季末在庫が記録的な高水準にあるにもかかわ らず、80セントから90セント/ポンドと堅調に推移しました。中国政府は昨年備蓄在庫を大量 に放出しましたが、その価格はニューヨーク相場よりも3割以上も高く設定されており、ニュ ーヨーク定期相場を下支えしました。
2014年度は中国、ブラジル、オーストラリアが在庫を増 やし、世界の綿花季末在庫は昨年比9.5%増加する見込みです。世界の季末在庫量を消費量で割 った在庫率は、昨年の84%から89%へとアップします。中国の在庫は全世界の実に、これですね 、6割を占めておりまして、今や国際綿花相場は中国の国策如何に委ねられていると言えます 。
次にブラジルの国内の綿花について述べます。ブラジル は中国、インド、米国、パキスタンに次ぐ世界第5位の綿花生産国です。2013年度は植付面積 の減少やバイーア州での虫害、虫の害ですね、の影響で、生産が前年比30%も減り、特に上級 綿では供給不足が起こりました。ブラジル国内の綿花相場は下げ局面が少なく、2013年度は一 貫してジリ高の相場推移となりました。
2014年は綿花栽培の中心であるマット・グロッソとバイ ーア州で昨年よりも20%植付面積が増え、ブラジル全体の綿花生産量は25%増加する見通しです 。まあ最近の降雨不足とか虫害による減産、品質の低下が心配されていますが、おおむね順調 にいき、6月の末ごろには新綿が出始めると見込んでいます。
続きまして綿糸について申し上げます。2013年の綿糸の 輸出は、レアル安の影響で2年連続して増加したものの、数量はわずかで、国際競争力を喪失 した定番綿糸の輸出は実質ゼロの状況です。一方、綿糸の輸入は、レアル安と国内の綿糸市況 が勢いに欠けたことから、前年より若干減りました。
2014年も輸出は当面復活の見込みはなく、輸入もレアル 安基調が続くと見られますので、国内綿糸相場がよほど高騰しない限りは昨年並みに留まると 予想されます。
次にブラジル国内の綿糸市況について申し上げます。 2013年上期は消費の減速、アパレルやテキスタイルメーカーの在庫増、製品輸入の増加などに より、軟調に推移しました。下期に入ってユーザーの在庫調整が進むとともに綿糸市況も堅調 に転じました。オープンエンド糸も競合する輸入糸がレアル安で頭打ちとなる中、販売を伸ば しました。しかし、原綿相場が高止まりする中、市況は価格転嫁できるほどの力強さはなく、 紡績にとって採算的には大変厳しい市場環境でした。
2014年の展望ですが、業界再編の動きがさらに加速する と思われます。賃加工請負の地場資本紡績との競争激化、アパレルメーカーの縫製部門のアウ トソーシング化、染色業者によるテキスタイル外販事業進出など、各分野で既存業者の整理・ 淘汰が加速すると思われます。
ワールドカップ、総選挙の期間中、マーケットがスロー ダウンすると予測され、景気の先行き不透明感もあって、小売・アパレルが早い段階から必要 以上に過度に在庫調整、発注抑制を行なう懸念があります。しかしながら、ワールドカップと 選挙はマーケットを活性化させるチャンスでもあります。新たな商品を販売促進していく動き が業界に求められていると考えます。
続きましてテキスタイルについて申し上げます。2013年 の織物あるいはニットといったテキスタイルの輸入量は前年比2.7%の増となりました。綿やウ ールといった天然素材は高値の影響で減りましたが、合繊織物の輸入が二桁増で伸びました。 婦人服のトレンドが合繊にシフトしたのと、ブラジル国内に合繊織物を製造できるメーカーが 少ないことが理由です。昨年1月から11月の織物生産は前年同期比1.8%減少でしたが、小売り 段階の販売量は3.4%の増加です。アパレルや小売チェーン店などは織物を輸入して縫製するよ りは製品輸入を選択する傾向が強くなっています。
2014年も輸入増・生産減の傾向は続くと予想されます。 少々のレアル切り下げやセーフガード強化ではこの傾向は止められないと考えています。テキ スタイル分野の国内生産の減少は化合繊原料メーカーをも直撃しており、ブラジルで唯一、ビ スコースレーヨンのファイバーやフィラメント、紡績糸を生産していた大手メーカーが昨年末 に工場を閉鎖し、この分野から撤退しました。
続きまして小売、それからアパレル、アパレル付属です ね、アクセサリーについて申し上げます。2013年、ブラジルの経済成長率は2.3%となりました が、実感的にはマイナス成長ではないかと思われるような年でした。上期は消費が鈍いうえに 暖冬で秋冬物が不振。抗議デモの頻発がさらに消費の足を引っ張りました。小売商戦は母の日 は不発、6月末まで暖かい日が続き、在庫処分のバーゲンは例年より2週間早めて実施されまし た。
7月末になって今度は記録的な寒波が到来して冬物在庫 は処分できましたが、春物は立ち上がりが遅れ苦戦しました。そのため11月末のブラック・フ ライデーからバーゲンが始まってしまい、クリスマス商戦はこの10年で一番悪い状況でした。 インフレによる家計圧迫や債務過剰により、消費者の衣料品に対する低価格指向が顕著となり ました。
アパレル業界も市場の低迷で苦戦しました。鉱工業生産 指数は11月までの累計で低調であった前年をさらに下回っており、依然として回復の兆しが見 えない厳しい環境が続きました。低価格の量販店のみならず、高級ブランドチェーン店までも がコストダウンのため仕入先を国内から海外に移転し始め、縫製工場によっては仕事が激減し てしまった所もありました。
アパレルを分野別に見ますと、婦人服分野は比較的堅調 な販売となりました。ジーンズ以外のファッションに消費者の関心が広がり、トレンドが多様 化しました。ジーンズ業界は、ベーシックなインディゴデニムの販売はかんばしくありません でしたが、オレンジ色などカラーデニムが流行り、その生産を増やした業者は販売を伸ばしま した。また、上期に好調であったシルバーの金属ファスナーの流行は下期も継続し、前年を大 きく上回る販売となりました。
ユニフォームメーカーはサービス業向けの需要の増大に より比較的堅調な一年となりました。靴については、一昨年の暖冬による在庫過多により、年 初の生産が伸びず、期中の追加注文も振るわずに販売は減少しました。在庫調整が一巡した11 月になり、ようやく注文が活発化し回復の兆しが見えました。ブーツ類などで金属ファスナー を装飾として使用するモデルが流行しており、販売の増加が見込まれます。
続きまして縫製品全体に関する輸出入についてご説明い たします。2013年の縫製品全体の輸入は前年比数量で5.7%増、金額、ドルベースでは8.5%の増 加でした。レアル安においてもこれだけ増えているということは、ブラジルの繊維産業の国際 競争力の低下を裏付けていると思います。
輸入衣料は中国が依然として6割を占めており、その重 要性は変わりませんが、中国が前年比金額ベースで107%と比較的堅調な伸びであったのに対し 、バングラディシュ、ベトナムなど東南アジア、南アジアからの輸入が112%増と急増しており まして、これらの国への縫製地シフトがうかがえます。一方、中国からのファスナーの輸入で すが、前年比119%と大幅に増えましたが、これは2012年度の在庫過剰による輸入減少の反動で す。
2014年も輸入衣料の増加は続くと見込まれます。ブラジ ルに生産拠点を持たない、Forever21やH&Mといったグローバルなファストファッションブラン ドのブラジル進出も見込まれていて、縫製品輸入に拍車がかかるものと予想します。昨年同様 、中国のみならず、バングラ、ベトナムほか東南アジア、南アジア諸国からの輸入が増えるで しょう。
ジーンズの輸入品も増加しますが、レディス・ジーンズ ではブラジルのジーンズがよその国にない特殊なシルエットやスタイルであることから、ZARA などに見られるように次第に国産ジーンズにシフトしていくものと思われます。まあこれは非 常に、シルエットというか、いわゆるお尻の部分が大きくてですね、非常にサイズバリエーシ ョンが多岐にわたるということで、中々海外から入りにくいということがあると思います。
2014年は3月のカーニバル、6月7月のワールドカップ、 10月の総選挙と、1年が慌ただしく過ぎるでしょう。マーケットがスローダウンし、多数のア パレルメーカー、小売チェーン店が今年は厳しい年になると予想しています。
最後に繊維部会としてのまとめを申し上げさせていただ きます。これまで見てきましたように、ブラジルの繊維産業の現状を申しますと、原料である 綿花を除いて、川上の合繊メーカーや紡績、川中のテキスタイルメーカー、川下のアパレルメ ーカーや縫製工業のいずれの製造部門も需要の低迷、生産減に苦しんでいます。一方で、分野 ごとのばらつきはありますが、小売部門は景気後退といっても需要は伸びていて、そのギャッ プは輸入衣料など輸入縫製品が埋めています。
この資料にございますように、2002年から2013年まで、 過去11年間でFOBベースの輸入衣料は1億1000万ドルから23億7600万ドルと実に22倍に増えてい ます。WTO上限の高い輸入関税を課しているにもかかわらずこんなにも輸入が増えているのは 、ブラジルの繊維製造業が国際競争力を喪失している証と言えます。
これは、いわゆるブラジルコストによる価格競争力の低 下が大きな要因であることは間違いありませんが、繊維産業自体のイノベーションの遅れも大 きな問題です。繊維製品を作るためには、原料のほかに高性能な繊維機械、染料や各種助剤な どのケミカル、テキスタイルデザインとかアパレルデザイン、パターンナー、あるいは品質管 理などの人材など、ハード面、ソフト面ともに様々なものが必要です。一部の有力大手アパレ ルはこれらを自前で完備し、積極的な投資も継続していますが、古い製造設備で昔からの汎用 商品に甘んじている繊維製造業が過半であると思います。
トレンドの商品や合繊関係、高機能製品などは、国内で 作ろうにも原料や中間材も含めて生産背景がない、手っ取り早く輸入に頼るしかない、という ことになります。前回のシンポジュームでも申し上げましたが、国内繊維製造業の力をつけて 、内需のみならず輸出もできうるような国際競争力を得るための施策が急務であると考えます 。
最後に本日の副題であります、ワールドカップ、総選挙 のインパクトについて、部会で協議した結果を報告いたします。
選挙については経済や景気にどう影響していくのか、大 変気になる問題ですが、これらの分析はコンサルタント部会など専門の皆様のご発表にありま したので、それにお任せします。まあかつては選挙の年はですね、運動員のTシャツがたくさ ん売れて、そういう特需がありましたけども、最近はそういった直接的なインパクトはあまり ありません。
一方、ワールドカップですけれども、期間中、特にブラ ジル戦がある日は、生産現場や小売店頭などほとんど休業もしくは開店休業になるため、生産 減・販売減といったマイナス面があります。まあしかし、レプリカ・ユニフォームや関連グッ ズなど繊維製品の直接的な需要の増加が期待されます。また、市場が活性化され消費の拡大が 大いに期待されます。ブラジルがワールドカップで優勝して、消費回復の起爆剤になることを 切に祈りまして、繊維部会からの発表を終わらせていただきます。どうもありがとうございま した。
司会
ありがとうございました。それではご質問のある方、挙手をお願いいたします。よろしいで しょうか。それでは上野部会長ありがとうございました。
それでは続きまして建設不動産部会、三上部会長よりご報告いただきます。よろしくお願い いたします。 -
建設不動産部会 三上悟 部会長
お疲れ様です。建設不動産部会の三上です。よろしくお 願いします。 今日はですね、順番としては部会内の現状認識と取り巻く環境ということで、商工会議所建 設不動産部会のお話です。次に不動産市況の動向ということで、主にサンパウロ州、サンパウ ロ市周辺ですね、のお話をします。それから3番目は建設業界の現状ということで、これはブ ラジル全体のお話をしたいというふうに思います。よろしくお使いください。
最初に、部会内のアンケートと、それから討議をしまし た。非常に皆さんの発表と趣旨の違うことを言い出しますので、申し訳ありませんが。建設に つきましてはですね、大体10%以上の受注増ということで、非常に好調な1年ということであり ました。これは主に自動車産業様のお引き合いが多かった。 サプライヤーさんのお引き合いが多かったということであります。それに対して、非日系です ね、非日系のヨーロッパ系、アメリカ系の案件はですね、ほとんど計画凍結・延期、多かった です。ということで今年、おそらく、今打ち合わせとかも結構進んでいますので、建設自体は 今年も微増だろうというふうに読んでいます。
次に不動産。これは主に皆様の仲介、アパートの仲介が ほとんどの今状況ですので、取扱量は進出企業が増えているということですから、当然取扱量 が多くなるし、今年も多いだろうというふうに読んでいます。ただですね、非常に利鞘が少な い、と泣いておりましてですね。儲けない。赤字が続きそうだということなんで、経営自体を 変えて行かなくちゃいけないのかなと。つまり自身でアパートを買って運用していく、貸して いくみたいなことを考えなくちゃいけない時期かもしれないというのが部会内の話になります 。
それから特殊技術。これは止水だとかそういう建築土木 の特殊技術ですけど、今年も絶好調ですね。3倍増と言ってくれと言っていましたので言いま すけど、昨年、一昨年よりも3倍増。機械を入れたのに人手が足りないということを報告があ りました。で、今年も好調でしょうということです。
それから今年部会に来ていただいて討議に加わってもら った方に建材の小売のご商売の方がいらっしゃいまして、これがどうだったかというと、10月 以降が販売がものすごい増えた、これまでにないような販売でしたというご報告がございまし た。これはですね、9月ですかね、10月ですかね、ブラジルで言うC・D、低所得者向けの10年 ローンのカードが出た、どうもそれらしい、ということがあって、驚くべき販売増にありまし たと。で、今年も好調続きそうですというお話がありました。
ここでですね、今年の展望の中にワールドカップはどう なのというお話をするんですが、僕たちほとんどワールドカップは無関係。スタジアムの建設 にも関係していないし、何も関係もないんですが、唯一、何日間休むんだろう、作業員ですね 、それだけが心配なんです。あまり休んでほしくないなと。早く負けると問題だし、優勝する とどこまで騒いでいるんだろうというのがありますので、それだけがここで心配ということに なります。
次にサンパウロ州、あるいはカンピーナス辺りの不動産 の市況の状況ということでこの表を出しました。大体サンパウロから100キロ、150キロの辺り 。ご覧になって分かると思います。この数字が平米当たりのReaisですね。これが1年間の上昇 率。ですからおおむね30%は上がっている。ですから私、サンパウロに来て3年経ちましたけど 、大体倍、超したかなという感じです。
で、最近とみに値上がり率が高いような気がしているん ですけども、この辺というのがですね、あるいはまあ、100キロ圏内というのは日系企業さん が主に進出する場所に今なっています。ですから進出した途端にぽーんと上がるのが今この周 辺の相場になっています。トヨタさんには申し訳ないんですが、エンジン工場を決めましたと 言ったら倍になりました、こういうのがこの辺の、造成をまだしていないところの更地の値段 。今トウモロコシ畑かもしれませんし、何を植えているか分からないんですが、とにかくその 辺、造成をしていない値段です。ここでご報告をしたいと思っていました。先ほど言いました ように、進出される方がまだ続きそうなので、この価格はまだ続きそうですということは、不 動産屋さんも明確に答えていただいていました。ということです。
次にサンパウロ市内に入ります。これは分譲マンション のお話です。分譲マンションにつきましては、2012年がすごく低調でしたよ。統計でいくと 2013年は戻ってきましたね。サンパウロ市は年に3万戸の売買がありますねというのがこの数 字です。
ところが私が実際に不動産屋さんに行ってヒアリングを かけたら、ちょっと様子が違うんですね。何が違うかというと、2011年あるいは12年辺りまで は、個人のお客さんがマンションを契約をして、それが一杯になると建てます。日本とは全然 違うやり方ですね、というやり方をしてきたのが通例。ところが去年辺りから、契約がなくて も作っちゃいますというのが増えているそうです。
ということはですね、個人の契約からディベロッパーあ るいは建設会社ですね、もう自分たちで買っちゃった格好にして建てる、建物を建てる、ある いはそれで契約をしましたよという数字がどうもここに入っているんじゃないかなと思います 。ですから見た感じもそんなに増えているという感じはしないので、この契約のあり方は今、 サンパウロ市、あるいはブラジルかもしれません、個人の需要がちょっと低調かもしれないと いう流れにあるかもしれないなというのがこの表の読み方だと思います。
で、前回もご報告しました。2008年と2013年を比べると 、1ベッド、2ベッドの割合が倍になりました、ということですね。要は小さな部屋の、小さな 部屋じゃないですね、小さな一戸に大きく変化をしました、ということです。これも一般的に 言えば核家族化の進行ということだろうと思います。都市化に立ってきたなというふうに言え ると思います。
あるいはもう一つ言えるのは、離婚率が大きくなったか らかなというのもその要因かもしれません。これで影響を受けているのはですね、ご家族を連 れてきている駐在員の方々。実は3部屋4部屋の物件が増えていないんですね、実際いま。中 々薄い状態、数がないという状態が続いているということがここでも分かると思います。
これが今度は家賃ですね。賃貸。賃貸はですね、破竹の 勢いで伸びていたのがぐーっと収まってきています。赤がリオデジャネイロ、青がサンパウロ です。物価上昇率と同じぐらいかなというところまで今下がってきておりましてですね、ここ で記事にはできなかったんですけど、リオデジャネイロですね。2013年で、冬場、実は値下が りした期間が3ヶ月あったという報告がありました。これまで冬場の横ばいというのはあった んだそうですけど、初めて、ここのところですね、値下がりが起きたということで、賃貸につ いても横ばいになるかもしれないなというムードがあります。
ただし、賃貸とか売買の専門の雑誌なんかを見ますと、 全く違うことを書いています。まだ20、30の値上がりをしますよ、底を見せていませんという ふうに書いていますので、投資を呼ぼうと思っているのかなという気もします。ですからいず れにしても潮目は変わってきているんだろうなということが言えると思います。
これはいつもの不動産市況の状況ですが、サンパウロ、 いつも高い高いと言っていますけど、まあ見慣れてしまった数字なんですけど、サンパウロは ただ部屋としては大きいので、一概にやたら高いというふうにも言いにくいなというふうには 思っています。これはカマラのホームページにも載っていますので、ご参考にしていただけれ ばと思います。
今度はブラジル全体のお話、建設業界のお話です。建設 物価はどうなのかと言いますと、8.1%。去年8.1%の上昇でした。実は2012年の終わりにですね 、僕はセメントが上がるよ、鉄骨が上がるよ、10%上がるんじゃないでしょうかというふうに 予想しましたが、実は8.1%で収まっておりました。これはですね、鉄骨がここのところ横ばい です。セメントがちょっと上がりました。鉄筋棒もかなり落ち着いてはいます。上がっている のはこれですね、労働者の賃金。去年も8.99%上がっていますので、建設業の建設価格という のは労働者賃金に引っ張られているということがここで一目瞭然になると思います。
セメントについてお話します。去年までセメントが大体 建設市況のバロメーターかなということでお話していました。去年は大体7000万トンになった だろうと思います。去年のデータが9月までしかまだまとまっていませんので、その時点では 前年に比べて2.36%の量が増えています。ですから、まあ停滞していると言った方がいいと思 いますね、建設業界。で、11年12年で結構な伸びを示しています。さかのぼって言いますと、 ワールドカップのスタジアムの効果が少しは出ているのかなと、今になって思っています。
こういうことが何で言えるかといいますと、実は今回鋼 材のお話をしたいと思っています。鋼材は先程、機械金属部会の相原部会長からお話がありま した。データはこれ同じですね。2013年、去年の鋼材の国内販売量は約2300万トン。伸びで 5.4%伸びています。前年比ですね。ここにきてポーンとこう上がっているんですね。これ別に 鉄が下がったから増えた訳じゃなくて、これこそが多分ワールドカップの鉄骨だろうというふ うに思います。
ジルマ大統領が、ワールドカップをやると鉄骨800万ト ン消費量が増えるはずだと言ったそうですが、100万トンぐらいは増えたのかなという気はし ますが、その効果はここであると思います。で、鉄、あるいは鋼材というのはですね、その国 のインフラのレベル、あるいは投資の大きさを示すというふうに言われていますので、ちょっ と各国ごとどんな状況かなというふうに思います。
こちらが鋼材が一人当たり何キロ消費しているかという 数字ですね。こちらはセメントが年間どれぐらい、何キロ、一人当たり消費しているかという 表になります。中国はですね、どう見ても割に合わないので、除外したいと思います。日本だ とかドイツだとかいうこの辺は、鋼材は一人当たり500キロ。アメリカで300キロ。あるいは新 興国のベトナムだとかで140とか、インドネシアは低いんですけどね。ブラジル、メキシコは ほぼ一緒、130、140キロですと。
かたやセメントはどうかと言いますと、ブラジルは結構 な消費量を示しています。日本が340、ドイツが333、遜色ない数字ですけど、文化的にブラジ ルというのは壁という壁全部モルタルを塗りますので、すごいセメントの消費量のはずなんで すね。日本と比べたらはるかにブラジルの方のセメントが、多く壁を塗るんですね、使われて いると思います。
ですからインフラに使っているかというと、一概に言え ませんから、おそらく、どれぐらいですかね、半分ぐらいになっちゃうのかなという気がしま す。ですから、とりあえず鋼材だけ言いますと、ブラジルの133というのはまだまだ伸び代が ありますよということが言えると思います。鋼材の割合を大小で並べるとこういうことですよ ということになります。
で、一通りお話をしました。今お話した、土地は、周辺 は土地は上がっています。土地の上昇はかなり横ばいに近くなっていますよ。新築件数は停滞 していますよ。潮目が変わるかもしれませんというのが注目です。
これ、懸案事項をまとめておきました。ワールドカップ はそんなに影響ないんですけど、選挙など、と書きましたけども、我々建設業界にとって選挙 で市長さんが変わるのは、行政業務滞留がすごいんですね。担当者が変わるだけでもすごいん です。
何かというと、着工許可、まあ環境だとか建築だとか消 防ありますけど、とにかく止まってしまう。先が読めない、ということがあります。ですから 簡易化、スピードアップを何とかしなきゃいかんのでしょうというふうに書かせてもらいまし た。
もう一つ、さっき言いましたように、鉄骨がまだまだ使 えるでしょうと言うんだけど、使えていない理由というのはおそらく税金と関税なんだろうと 思っていますね。で、投資をすればできるんでしょうという話なのか、鉄が安くなるとインフ ラがやりやすくなるんでしょうね、もういたちごっこみたいな話なんですけど、僕たちができ るのは鉄骨価格が下げれるような法改正ができればおそらく鉄骨はどーんと伸びて行くなとい うふうに感じています。ですから僕たちの部会としての取組もしないといけないなというふう な思いでここに書かさせてもらいました。。ということで、今回の部会の発表を終わらせても らいたいと思います。ありがとうございました。
司会
どうもありがとうございました。それではご質問のある方、挙手をお願いいたします。よろ しいでしょうか。それでは三上部会長どうもありがとうございました。 それでは続きまして食品部会からのご報告をお願いいたします。山口部会長よろしくお願い いたします。 -
食品部会 山口修一 部会長
食品部会の報告を不二製油の山口がさせていただきます 。それではまず目次の方ですけども、食品関係の方は会社の性格といいますか、製品も含めま して異なりますので、各社の状況を各社ごとで説明させていただきます。それとあと原料動向 につきまして、主だった原料につきまして昨年および来年の動向を説明させていただきます。 次お願いします。
それでは次2ページにわたりますスライドにおきまして 、2013年度の回顧を説明させていただきます。
まず調味料製造関係ですけれども、2013年、数量におき まして7%増加しております。その背景としましては、地道なセールス活動と25年のキャンペー ンを打たれました。そういった背景がございます。
続きまして乳酸飲料ですけども、乳酸飲料関係も数量に おきまして6%伸びております。主要製品の値上げはされましたけども、ここの会社の特徴でご ざいます宅配販売の活動におきまして成果を出しておられます。
続きましてインスタントコーヒーの販売ですけども、レ アル安におきまして販売数量というのは伸びましたけども、昨年豊作で相場が下がりましたの で金額的には5%強のマイナスとなっております。
続きまして弊社の製菓用油脂でございますけども、この 製菓油脂と申しますのはチョコレート用の油の代替脂でございまして、現在ココアバターが高 騰しておりますので、弊社、ココアバターの代替脂が数量にして2倍に増えたということでご ざいます。
続きまして清酒関係。2013年度は目標達成できました。 その内容としましては、日本食材が牽引しました。ただ市場的には低価格品が参入しておりま して、採算的に厳しい状況が出てきております。次お願いします。
続きまして醤油関係でございますけども、数量的には約 20%増加しております。その背景としまして、工業用での拡販、製品が伸びたということです けども、二次店の販売不足を感じておられるようです。
続きまして代表的な即席めんの販売ですけども、数量に おきまして5%から6%増加しております。ここでY世代と書きましたけども、Y世代と申しますの はまあ現在の年にしますと23歳から37歳。この世代の親が今家庭におきましてインスタントラ ーメンをよく食べるようになったということでございます。それとあと新興市場での成長が牽 引しております。
続きまして添加物。ここにつきましては前年と変わらず 、市場で大きな変動はございません。
続きまして種関係でございますけども、売上は7.2%伸び ております。その背景としまして種子の市場が大きく伸びております。種子と申しましても中 身が変わっておりまして、野菜関係でなくて草花関係の種が今現在ブラジルで大きく伸びてい るということらしいです。ただし採算的にはバイオメジャーがブラジルにも入ってきておりま すので、採算的にはちょっと厳しくなってきているという状況でございます。
続きまして香料関係。香料関係も売上に着きまして16% 伸ばされています。その背景としましては、多国籍の企業に対しまして、特に食品向けですけ ど、香料関係の需要が伸びております。ただし、レアル安とかインフレ等で採算的には厳しい 状況になっております。次お願いします。
続きまして、2014年上期の展望ということでご説明させ ていただきます。同じ分野ですけども、まず調味料関係。2014年上期も昨年同様二桁以上の伸 びを期待されております。その背景にありましては、リテール向けの営業活動、あるいは新製 品の導入等をされて昨年同様伸びを確保したいということでございます。
続きまして乳酸飲料関係ですけども、この会社も発酵乳 製品の方を製品で5%伸ばしていきますと。その背景におきましては、販売組織力の強化および 育成。それにあと地方販売、まあ東北部だとか中西部での販売を伸ばされるということを目標 にされております。
続きましてインスタントコーヒー。ここは先程も申し上 げましたように、レアル安で輸出関係好調ではございますけども、やはり今年も生産が非常に 多いということがございまして、価格競争が激しくなるので採算的には多少厳しいかなという ことが予想されます。
続きまして製菓用油脂ですけども、ここもココアバター の高騰ということは今年も続くであろうということで、やはり2桁の成長を期待しております 。
続きまして清酒関係でございますけども、ここも目標達 成におきまして全力で臨むということで、その背景としましては営業力の強化とか、あとコス トの削減で利益も確保していくということを目指しておられます。
続きまして醤油ですけれども、ここも同じく数量的に約 2倍の増加を期待されています。市場を見ますと最近、価格が二極化しているということで、 まあ一つではグルメ層が増えているということがございますけども、この会社さんにおきまし ては高級志向のターゲットで数量を伸ばしていくということと、あと海外にあります拠点を利 用されまして工業用を伸ばしていくということでございます。
続きまして即席めんでございますけども、数量は5、6% の増。その内容としましては新しい東北部だとか中西部での数量を伸ばしていかれるというこ とですけども、やはり原料であります小麦粉の価格が上がっておりますので、採算的には多少 厳しいということは予想されます。
続きまして添加物。数量増ですけども、ここは展示会等 に出されまして、数量の販売を期待されているということでございます。
続きまして種子関係。ここも数量を7%ほど伸ばすという ことを期待されております。中身は先程申し上げましたように草花関係の種が伸びております ので、そういったものを主体に伸ばしていかれるということでございます。
続きまして香料関係でございますけども、香料関係も対 前年と同じ伸びを期待されております。その中身としましては国内の消費の拡大を期待されて いるということと、ただ先程も申し上げましたように収益的にはかなり厳しい状況が続いてい るということがあります。次お願いします。
このグラフは今説明申し上げましたように、主要の製品 の昨年の伸びをグラフ化したものでございます。右2本の黄色いグラフは国内総生産と国内の 小売の合計を示したものですけども、ともに2%、平均しましたら大体伸びているのが全体です けども、食品関係の製品におきましては、まあ多少でこぼこはございますけども、調味料関係 、乳酸飲料、即席めんと申しますのは5%を超える大きな伸びをしております。次お願いします 。
続きまして、輸出の動向をまとめてみました。この上の グラフは為替の推移を示したものですけども、これは割愛します。ここに書いていますコーヒ ー、調味料、飼料、ジュース、ここらの製品につきましては皆様の製品と同じようにレアル安 の傾向を受けまして、数量のアップおよび採算性の改善というものが見られております。次お 願いします。
次のスライドから原料関係につきましてその動向をご説 明いたします。まず砂糖でございます。このグラフは2007年から現在に至るまでの価格の動向 でございます。グラフにもございますけども、サンパウロの市場価格とインターナショナルの 価格を示しております。2009年から2011年にかけまして高値かつ乱高下を続けて参りましたけ ども、2012年、若干安定したかなというような感じがございますが、傾向にございます。ただ しまあ国内外とも豊富な供給に支えられまして、投機筋の動きも沈静化しまして、相場は最近 安定化していると。ここ1年安定化しているということが言えると思います。次お願いします 。
続きまして乳製品の原料でございますけども、2010年か ら高値圏の相場が続いておりましたけども、2012年、やや安定した感じはございます。ただし 去年、2013年、一大供給地域でございますオセアニアが干ばつで不作がありましたので、高騰 した感じがございます。次お願いします。
続きましてブラジルの代表的な製品でございますコーヒ ーの相場でございますけども、上の二つのグラフはニューヨークの価格と国内相場の価格です 。2012年以降ブラジルの豊作によりまして、価格は下落傾向にはございます。ただしブラジル の2014年・2015年クロップも増産傾向にございますので、2013年も価格は下落傾向にございま したけども、2014年に入りましてアラビカの産地での干ばつがございまして、多少値上げの傾 向が見られる状況でございます。次お願いします。
このスライドで原材料の、原料関係の全体をまとめたも のでございます。近年におきます世界的な相場は高騰しておりますけども、その要因としまし てはこの四つが挙げられるかと思います。この4項目につきましてはもう2、3年言われて久し い訳ですけども、やはり新興国の消費が大きく伸びたこととか、あるいは食品以外、エタノー ル関係なんかに原料が使われる、あるいは投機関係で対象とされるというようなところが主だ った原因かと思います。
一般的に供給量の増加等によりまして、一昨年より相場 は鎮静化しつつございますけども、これは特に砂糖でございますけども、商品によってばらつ きがございます。特に乳製品、先程ご説明いたしましたように、不作に加えまして中国等の需 要が増えておりますので、タイトな状況で値上がりは続いております。次お願いします。
続きまして原料関係の国内。ブラジル国内の要因でござ いますけども、ここも皆さんの製品と同じく、賃金の上昇、インフレ等によりましてコスト高 は継続しております。ブラジルからの輸出品につきましては、原料に関しまして国際需要が一 段落したことによりまして、国内価格も下落しております。例えばコーヒー等が挙げられるか と思います。
一方、ブラジルが輸入している原料につきましては差別 的な関税がございまして、メルコスール以外からの輸入されるものにつきまして、例えば小麦 だとか、あるいは乳製品等につきましては下落しにくい。要するに高値を維持する傾向にある かと思います。つまりブラジルの国内の原料につきましては商品ごとによって若干ばらつきが ございますけども、原料高は続くであろうということが想定されます。次お願いします。
続きまして、このスライドにおきまして2013年度の回顧 ということでまとめてみました。まず国内市場はほぼ前年並みでございまして、悪くはござい ませんでしたけども、大きな盛り上がりに欠ける1年であったということが言えるかと思いま す。
輸出関連の製品につきましては、先程から申し上げてお りますように、レアル安によりましてまあ数量および採算が大きく改善しております。原料相 場は反転しますも、レアル安によりましてインフレの影響、および失業率の低下等におきまし て労働需要の逼迫、および収益環境が苦しい状況にありますことから、採算的には厳しい状況 にあります。
続きまして2014年上期の展望ということでまとめてみま した。まず国内需要の大きな落ち込みはないと思われます。まあ特に食品関係は消耗財でござ いますので、大きな落ち込みはないと思われますが、インフレとか賃金の調整等によりまして 、コストアップのために採算の悪化というのは懸念されます。
次に輸出品につきましてはレアル安がまだ追い風になり まして、数量的には伸びると思いますけども、ただ新興国、特に中国とかそういったものとの 競争が激しくなりまして、ブラジルコストが中々外には通用しないというような状況も見られ るかと思います。
続きまして、税制優遇措置を受けている企業もたくさん ございますけども、還付が思うように任せませんで、キャッシュフローの改善に寄与していな いケースが多々見られます。そういった意味で、税制の優遇措置あるんですけども、中々それ が活用されていないというのが、今年もそういった傾向が見られるということでございます。
最後になりますが、副題としましてワールドカップ杯と 総選挙のインパクト、食品関係の、まあ総論ですけども、意見をまとめてみました。
一般的には、総体的にはプラスの影響は少ないのではな いかと。ワールドカップも総選挙も。まあ一部の会社では消費の増加というのは期待されます けども、総体的には限定的であろうと。
特に総選挙での影響は期待が薄いであろうと。もちろん 総選挙までの経済は落とすわけにいきませんので、それなりの需要は期待できるかと思います 。会社ごとによりましては開催のメリットを最大限に利用したいということは言えるかと思い ます。
ただしマイナス面としまして、まあ他の部会の方からも 説明ございましたけども、人の往来が増えるにあたりまして物流体制の混乱とか、あるいはさ らなるレアル安というようなことから、経費がアップする懸念が指摘されておりました。
簡単ではございますけども、食品部会の発表を終わらせ ていただきます。ご清聴ありがとうございました。
司会
ありがとうございました。それではご質問のある方、挙手をお願いいたします。よろしいで しょうか。それでは山口部会長、どうもありがとうございました。 それでは最後に運輸サービス部会からの報告です。森田部会長よろしくお願いいたします。 -
運輸サービス部会 森田透 部会長
運輸サービス部会の山九の森田と申します。最後の発表 なので、お疲れだと思いますけども、お付き合いください。トリということですけども、決し て引退表明ではなく、ただ単純に資料の提出が遅れたために一番最後になりましたので、よろ しくお願いします。
それではですね、我々運輸サービス部会ですけども、こ こにございますようにちょっと多種にわたっておりまして、物流、構内物流、機工、整備、海 運、航空貨物、旅客航空、旅行、ホテル、通信、ITと、この順番で一応説明させていただきま す
それでは最初に物流業界ですけども、まず13年の回顧で すけども、サントス港の新規コンテナターミナル、Embra Port、BT Terminalというこの二つ がオープンしております。これによってまあ能力アップになると。それと、港湾近代化の動き に対して港湾労働者、トラッカーが反発、ストが頻発ということですけども、この港湾労働者 なんですけども、これは港湾近代化法、暫定措置法の595というもので、港湾ターミナルが通 常これまで沖仲仕組合ですね、こういうものを利用していたんですけども、まあ直接雇用が可 能になったということで、それに対する、OGMOと言います、港湾組合ですね、これが反発して ストを行なったと。
それと、トラッカーというのはですね、今サントスに行 かれた場合、皆さんご存知だと思いますけども、もう本当に朽ち果てたようなトレーラー、ト ラクターですね、これが走っております。これは無犯罪証明が取れない運転手が運行している もので、空コンだけをハンドリングできる、実コンは、要するに貨物が入っているコンテナは ハンドリングできない。空になったコンテナだけをハンドリングできるというトラッカーがい るわけなんですけども、これがやはり近代化に伴って、港湾ターミナルがやはり、非常に安全 性の問題でもやはり、見ていただくと分かると思うんですが非常にガタガタの車で、こんな車 走れるの、というものでコンテナを曳いているんですけども、そういったものを拒否したと。 それに対してトラッカーが、まあ既得権の妨害だということで、ターミナルを一時閉鎖したり した、そうした妨害を行なって、まあ一時貨物が滞留したと。そういったことが起こっていま す。
それとあと、去年ですね、PIS/COFINS、この課税計算 方法、これが去年の10月に改正されております。これは結果としては税額が若干下がっており ます。下がっておりますけども、このプログラムが非常に、計算プログラムというのが非常に 複雑で、この制定されて即当日これが実行されるという形で、各、我々通関業者なんかもそう なんですけども、こういった計算プログラムを改修しないといけないと。これがやっぱり簡単 には改修できない部分がありまして、これにやはり数日かかっていると。そういったことで一 時、瞬間的ですけども、輸入業務に支障をきたしているということが起こっております。
それと次に2014年の展望ですけども、まあ去年こういっ た新しいターミナルができておりますけども、ただ後背地に対するアクセスですね、こういっ たターミナルに対するアクセス、これに対してはまだ完全にインフラの整備ができていないと 。逆にこの、ボリュームが増えたことにおいて逆に停滞が起こるということも懸念されます。
それとあと、ターミナルが増えたということにおいて、 まあ競争原理ですね。今ターミナルが、去年までは4ヶ所、今6ヶ所に増えておりますけども、 こういった事で高い港湾料金、これが少しでも下がるという競争原理で下がってくれればいい なという期待を持っております。
それとあと、どの部会でも出ておりますけども、ワール ドカップの時期、この時にやっぱり抗議運動等こういったものがあることに対して、直接的と いいますか、間接的にそういった物流動線に対しての影響が出ることにおいて、貨物のハンド リング、デリバリー、そういったものに対しての支障が出るんじゃないかという心配をしてお ります。
それとあとは、まあご存知のように自動車IPI関連の減 税が今年の上期に終了しますので、それに伴い、まあ輸入量が減少するんではないかというよ うなちょっと懸念を持っております。
それとあと、次にこの海外引っ越しですけども、海外引 っ越しに関しましてはこのグラフにありますように、2012年10月から12月の間にサントス港に 到着いたしました引っ越し貨物、これが各ご家庭・ご自宅に配送されるまでの平均リードタイ ムが約、ここで94日ということだったんですけども、2013年7月から9月までの間、この到着分 では平均が55日ですね、という形で短縮されて、良い方向には向かっております。
それで物流業界の総括としましては、まあ一昨年末の運 転手の労働法改定、それと昨年末のディーゼルオイルの値上げ等によるコストアップですね、 この傾向が継続するということと、やはりどの業界でも挙がっておりますように、人材に関し てプロフェッショナル、この確保が非常に難しい状況、これが継続していくということになり ます。
次に構内物流。これは製鉄所構内でのハンドリング等を 行なっている部門ですけども、2013年の回顧といたしまして、ここにございますようにブラジ ル製鉄業界の国際価格競争力がないということで、協力会社に対してのコスト削減要求、およ び同業者との競争が激化したというところで、非常に厳しい1年でした。
2014年の展望といたしましては、製鉄所の協力会社に対 するコスト削減要求、これは引き続き継続されると。さらにやはり同業他社との競争も継続的 に激化すると予想されております。反面、選挙によっても、大統領選挙ですね、これによって の公共投資等の伸び、こういったもので建設部門等の鋼材の使用、こういったものが増えるこ とによっての販売増が期待されていると。まあこれに対しての作業ボリュームのアップという ことですね、こういったものを期待しているということです。総括としては、製鉄所の協力会 社として、顧客製鉄所と同スタンスでのコスト削減に向けての強力な取組をやっていくことが 今後必須であるというふうなことになっています。
次に海運業界です。海運業界ですが、2013年の回顧とし て、輸出量は前年比約3.1%の減。輸入量は前年比約3.6%の増加となっております。で、輸出入 全体におきまして、対アジアへの輸出割合ですね、これが約22%、輸入割合は46%となっており ます。
物流業界でも説明がありましたように、サントス港に新 しい新コンテナターミナルが運営を開始したことによって、サントス港全体でのコンテナの取 扱量、これが約30%増加しております、またこのターミナル増加と同時に、コンテナ船の大型 化傾向ですね、これが進んでいますけども、これは世界的な傾向なんですけども、ただブラジ ルの場合は港湾の水深の問題でまだ大型船をフルに受け入れられる態勢が整っていないという ことでまだ効率化がなされていないという部分です。
ちなみにサントス港で推進が13.5メートルぐらいですの で、TEU、コンテナ積載本数ですね、20フィートコンテナで5000コンテナですね、5000TEUと言 いますけども、から8000ぐらいの大型船、今は小さい船なんですけども、その程度しか入らな いと。8000ぐらいの船型でも足切りと言いまして、他の港で一部コンテナを下して水深を上げ て、それで入って来るという形になります。
今一般的に、世界的に、中国とか、ヨーロッパ、北米航 路で一番大きいのは1万8000という非常に大きい船が動いていますけども、まだブラジルは小 さい船で来るということで、やはりそういうことで運賃関係もそれで高い傾向にはなるという ことですね。
次に2014年の展望ですけども、コンテナ貨物の輸出入は 2013年を若干上回るものと期待しております。港湾それとインフラ関係におきましては、港湾 の浚渫作業、新規ターミナルの第2フェーズが稼働ということで、まあフレキシビリティーが これよりも増大して、2014年以降ですね、荷動き増加傾向にも対応できるものと期待している ということです。
総括といたしまして、サントス港を中心に、船舶大型化 、それを受け入れるターミナル設備や港湾整備が進められる一方、今後増加していく輸出貨物 の取り扱いを効果的に行なうべく、港湾アクセスですね、これを含めた周辺施設の改善が急務 であるということを考えております。
次に航空貨物業界です。航空貨物業界ですけども、2013 年回顧としてワールドカップ需要に伴う輸入増、これは期待しておりましたが、一部家電を除 いて目に見えるような物流増はありませんでした。2014年の展望としましては、やはりこのワ ールドカップに関しましても需要はそれほど、期待するものはあまりないんじゃないかという 予想をしています。まあ物流は横ばいの見通しということを立てています。
また空港に関しまして、ご存じのように民営化が進んで おります。民営化された空港、ここにありますように、VCP、カンピーナスのビラッコポス、 グアルーリョス空港、ブラジリア、リオ、ベロですね。これらが民営化されております。民営 化されたことによりましてINFRAEROの、空港公団倉庫ですね、これは輸出入貨物をハンドリン グするところですけども、この、まあレイアウトとかシステム改善、これが行われておりまし て、貨物のハンドリングのリードタイム、例えば航空機が着いて貨物が通関に来て出るまでの リードタイムですけども、これがやはり短縮が図られてきていると。
ただし、そこはハード的なことでありまして、実際その 輸入通関という部分ですね、税関の対応スピード、これは今変わっておりませんので、まあこ の辺の税関側のシステムも改善されないと全体的なリードタイムの短縮には繋がらないと。ま あ通常輸入通関の場合グリーンサインが出れば、1日とかそういった形で貨物が搬出できます ので、その分は非常に速くなってきていると。ただやはり、書類検査とか、現品検査、そうい ったものがある場合は多少時間がやはりかかる。それは時間が今のところあまり変わらないと いうところですね。
それとあと、参考といたしまして、航空貨物の空港別の 取り扱いですけども、ここにありますように2013年はVCP、ビラコッポス空港ですね、これで ブラジル全国での貨物の35%の取り扱い。グアルーリョス空港で約29%と、この二つの空港でブ ラジル国内の64%の取り扱いを占めているという、まあ参考です。
次に航空旅客業界ですね。これは2013年の回顧としまし て、国内線におきましては提供座席数、これは減少しておりますけども、旅客数は前年を超え て引続き好調で、旅客単価、これが2010年以降燃料費とか税金等のアップを価格に反映して毎 年約8%程度上昇しているということです。また、新規の乗り入れ、増便などの効果などもあり まして旅客数は堅調に推移していると。あと空港におきましては、効率的に離発着ができるよ うに、ここにありますように、フライトオペレーションですね、空港の、この管制機能の強化 改善が図られまして、前年比約3.6%の発着便数の増加を行なう事ができたという事です。
次に国際線ですけども、国際線におきましては皆さんご 存知のように、中東の航空会社、これの新規乗り入れ、今確か3社あると思いますけども、こ ういったものの乗り入れ。それとあと北米路線の増便。こういったものがありまして、旅客数 は堅調に推移しているということです。
次に2014年の展望ですけども、国内線におきましては特 に今年はワールドカップの期間中に約1500便が増便される計画で、まあ旅客単価もワールドカ ップ効果により前年比9から10%程上昇するという見込みを持っています。
国際線におきましては旅客数が伸び悩む懸念材料がある と。それはワールドカップの海外からの流動が不透明であるということ。これは前のワールド カップ、ドイツ、南アフリカ、両大会においても、旅客数ですね、これがやっぱり減少したと いう実績があるためです。それとまたこの期間、ワールドカップが行われている期間につきま しては、ビジネス客ですね、この流動が止まるということが予想されていると。
それとあと空港のインフラですけども、これに目を向け ますと、現在グアルーリョスの第3ターミナル、これが今建設されてワールドカップまで間に 合うかどうか分かりませんけども、これが完成すると約20%の便数の増加が期待されると。で 、同時にサービス面の向上も期待はしていると。
ただ、ハードができただけで、ワールドカップの時に間 に合ったとしても、そのソフト面、例えばBaggageのハンドリングとかそういったものが完全 にできない可能性がありますので、まあどこまで期待できるかですね、これはもうその時にな ってみないと分からないかと思います。また、あと各航空会社での空港のインフラの改善、こ れに伴って機体の大型化や増便が今後計画されているということです。
今後の航空旅客業界で検討される課題としましては、こ こにあるように、空港から市内間のアクセスの改善、それと国内線・国際線の乗り継ぎの便利 性の向上というものが今後の課題であるということになっております。
次に旅行業界です。これが一番今年、ワールドカップが 開催されるということで、まあ非常に注目される部分だとは思うんですけども、旅行業界で13 年の回顧としまして、12年比で国内線売上の9%の増加、国際線の売上13%の増加ということで 、非常に堅調な伸びを示しております。この背景といたしましては主にビジネス客による売上 が伸びたということがあります。やはり各企業、進出がずっと進んでいる、こういったことの 影響。やはりそれとビジネスチャンス、そういったものでのビジネス客が増えているというこ とですね。で、これとやっぱり同じように、ホテルにおきましてもビジネス客の増加、これに 伴って前年比21%と非常に好調に伸びたということです。
次に2014年の展望ですけども、ワールドカップ期間中に おきましては国内線・国際線のビジネス客の利用、これが大幅に下がるものと予想していると 。ホテルに関しましても、まあワールドカップの開催地での稼働率は上がる傾向にありますけ ども、まあビジネス客が低下していくということは予想しておりますので、全体としてどうい うふうになるか、まあある一時的なピーク的なことになるかもしれませんけども、この辺はど ういうふうになるかですね。
あと総括としまして、旅行業界としてはビジネス客が継 続的に増加していることによって、まあ旅行関連は全て好調であると。で、ワールドカップの 一時的な影響もありますけども、この傾向は継続するものと予想しているということで、まあ 非常に今後期待できるということです。
次にワールドカップ関連のトピックスとしてちょっとま とめてみました。まず最初にエアライン、ホテル共にレジャー旅行利用ですね、これが増加し ますけども、反面ビジネス旅行客が7割ほど減少すると予想されていると。あと次にワールド カップ関係で国として200万人の雇用創出計画があると。これは色んなアテンドとかそういっ たものですけども、ただこれら人材の教育、トレーニング、こういったものがまあワールドカ ップ開催までに間に合うかどうかが懸念されているということです。
それとあと、また皆様が一番心配しております、観戦す るための移動、このための旅客運賃なんですけども、これがやはり高騰される事が予想されて いると。ただエアラインによって、まあLCCのグループですね、AzulとかOceanですね、そうい ったLCC、格安のところは上限を999レアルとして設定しているようですけども、他のメインキ ャリア、TAMとかGolですね、こういったものは上限設定がないということで、まあどこまで価 格が上がるか心配されるところです。
またこの期間中に約1973便の増便が計画されていると。 ただ、増便はされますけども、この増便に対して空港のインフラ、および周辺のインフラです ね、周辺設備のインフラ、これが対応できるかどうかがまあ非常に心配されるところであると 。
あと、主に増便されるルートとしましては、フォルタレ ーザ-サンパウロ、リオ-ビラッコポス、リオ-アルゼンチン、ブラジリア-サンパウロとい う主要なルートが増便が行われるということです。
ホテルに関しましては、FIFAが開催地のホテルをずっと ブロックしておりましたが、これが一部各開催地で2割から5割ぐらいの客室が一般にリリース されたということになっておりますけども、まあこれら料金設定、まだ今のところ現状は不明 であるということです。一応これがトピックスというところです。
次に通信業界ですけども、13年の回顧といたしまして、 やはりブラジル、依然と通信インフラの設備投資が進んでなくて、悪い回線の状態が継続して おり改善がなされていないと。やはり携帯なんかでも中々つながりにくい。インターネットの 回線なんかにおいてもやはりスピードが遅いと、そういった状況は中々脱却できない状況が続 いています。
2014年の展望といたしましては、まあブラジルの国内の 4キャリア、これの再編が進むものと考えられていると。それとあと、スマートフォン、これ も販売が増加しているということ等裏付けがありますけども、この利用の高まりによってり、 よりリッチなデーターサービスへのニーズが拡大するための各種アプリケーションですね、こ ういったものの導入が多くなるのではないかと予想されているということです。
総括といたしましては、やはりこのインフラに尽きる訳 なんですけども、通信インフラの投資、これが鈍化しているということで中々改善が図られな いんじゃないかということで、脆弱なインフラ環境の改善が見られないと考えていますと。
次にワールドカップ関連トピックスということでまとめ ておりますけども、ワールドカップの開催エリアおよび会場においては、まあWi-Fi等の通信 インフラの増強が行われる予定ですけども、それに対して各キャリアの設備投資、これが進ん でいないということで、ワールドカップを機にブラジルのインフラの脆弱さ、これが露呈され る可能性が大いにあるという心配がございます。
次に、やっと最後になりましたけども、IT業界というこ とで、2013年の回顧といたしまして、やはりこれもITインフラ関係で工場建設案件、オフィス 新設案件などで需要が増大しております。ただ反面、既存企業におきましてはIT投資の抑制が 見られると。で、成長は若干鈍化してきたと。ただ、SPEDとか関連システムの導入対応などが 引き続き増加しており、まあアウトソーシングのサービスなんかについても需要は増加傾向で あったということです。
その次に2014年の展望ですけども、ワールドカップ、オ リンピックに向けたITのインフラ投資拡大ですね、これの期待が高まっておりまして、特に政 府系や製造業からの積極的なIT投資が見込まれているということです。あと、統合型業務ソフ ト、ERPの導入案件の増加、それとSPEDとかこれに対してのE-Socialの対応増加。これが継続 していくと。それとアウトソーシングサービスの需要も引き続き堅調に増加傾向になるものと 予想されると。総括としましては、まあここでも何度も出るようなITインフラの充実、これが やはり必須であると。それと優秀なIT人材ですね、この確保、これが非常に今後の大きな課題 となっているということです。
以上、これをもちまして運輸サービス部会の発表を終わ らせていただきます、ありがとうございました。
司会
ありがとうございました。それではご質問のある方、挙手をお願いします。よろしいでしょ うか。それでは森田部会長、どうもありがとうございました。以上をもちまして各部会からの報告を終了いたします。 それでは続きまして、福嶌教輝在サンパウロ日本国総領事、ブラジル日本商工会議所名誉顧問 に本日のご講評をいただきたいと思います。福嶌総領事、よろしくお願いいたします。
-
講評 福嶌教輝 在サンパウロ日本国総領事/ブラジル日本商工会議所名誉顧問
皆さんお疲れだと思います。ごく簡単に、講評というの も本当におこがましく、このように現場の生の声を聞かせていただきまして、特に私これ3回 目、参加させていただいたんですけれども、いつも、例えば戸田建設の三上社長とか名調子を 聞かせていただいて非常に楽しく参加させていただいております。ありがとうございます。
2点だけ簡単に、期待・希望を込めましてコメントをさ せていただきます。 一つは、まあ今日の副題が「どうしたブラジル」ということで、昨年のシンポジウムもこの 大統領選挙までは不透明だとか低成長が続くといった、まあかなり皆さん不安なコメントある いは評価がありましたけれども、他方で今日はいくつか、保険業界さんだとか建設不動産部会 さんだとかとても好調だという話もありましたし、それから化学品部会さんなんかはアンケー トでもここ2、3年で進出された企業さんが実は3分の1もあったんだというようなお話もありま した。
やはりですね、短期的にはブラジル、非常に厳しいかも しれませんけども、中長期的にはきっとすばらしいブラジルになるんだろうということでです ね、皆さん期待して進出されて、そしてまた活動されているということで、今日最初に藤井会 頭も中産階級がキーワードだということでしたけれども、ぜひ我々それを期待してですね、こ のブラジルが変わっていくことを、そして良くなっていくこと、さらに良くなることを期待し たいというのが1点目でございます。
そして2点目は、今年の展望ということで、ワールドカ ップとそれから大統領選挙。これは私いちいち述べませんけども、まあある意味では不安定要 因、ある意味ではチャンスというようなことかもしれませんけども、個人的にはもう一つです ね、非常にもっとポジティブにですね、今年起こってほしいのは、ぜひ日本から安倍総理がで すね、このブラジルに来てですね、日伯関係がさらに強化されること、ただまあこれはまだま だ東京の方で色々考えておりますし、それからブラジル今年大統領選挙ということでですね、 この見通しもないと中々総理もお越しいただけないかと思いますが、昨年は3人の大臣がお越 しいただいた訳ですから、今年はさらなる大臣、そして総理にもお越しいただいてですね、日 伯がさらに強固になって、そして民間の方々に何かお役に立てればと思っておりますので、そ ういう二つの期待を込めまして簡単ですが講評にさせていただきます。どうもありがとうござ いました。
司会
福嶌総領事、どうもありがとうございました。それでは続きまして、小林和昭・在ブラジル 日本国大使館参事官よりコメントをいただきたいと思います。小林参事官、よろしくお願いい たします。 -
コメント 小林和昭 在ブラジル日本国大使館参事官
在ブラジル日本国大使館の小林と申します。ちょっとカ ゼをひいておりまして、ちょっと声がおかしい状況になっておりますけども、ご容赦ください 。
普段は私、大使館ということでブラジリアに勤務してお りまして、中々企業の方の生の声を聞く機会がないということで、今回このような場に呼んで いただいて、お話を聞かせていただいて、本当にありがとうございました。皆様の本当に臨場 感のある話を聞くことができて、またいくつかの業界からは、まあ日本もしくはブラジルでし ょうか、政府への要望というのもいくつか出していただきました。
これは私ブラジリアの方でもそれが解決できるべく色々 と作業を進めて行きたいと思っております。まあ色々な問題、それぞれ中々解決は難しいもの も多いと思いますけれども、日本とブラジルの中では色々な政策対話等もありますので、その 中でしっかりと対応していきたいと思っております。
最後に一つ、宣伝というか話をちょっとさせていただき たいのは、来週月曜日ですけど、官民合同会議というのが開かれることになっております。現 在商工会議所の平田事務局長の協力も得ながら調整をしておりますけれども、今回の官民合同 会議には東京から山田中南米局長も出席されます。
またブラジルには国内に8つの公館がございまして、ブ ラジリア、サンパウロ、リオデジャネイロ、クリチバ、マナウス、ポルトアレグレ、レシフェ 、ベレン、この各公館からそれぞれ代表者が来てブラジル全体のことを議論できるという場で もございますので、ぜひ、まだ出席の回答をされていなくて出席されたいと思っている方はぜ ひご連絡いただければと思います。
なお付け加えますと、当館の三輪大使ですけれども、約 4年弱の任期を終えまして、今月、2月26日に帰国することになっておりまして、まさに最後の 、晴れの舞台というかそういうところとなっておりますので、三輪大使の最後の言葉というと ちょっと変な感じになりますけれども、それをお聞きになりたい方も出席いただければと思い ます。何かちょっと変なふうになってしまいました。カゼのせいかもしれませんけれども、申 し訳ございません。以上、私からコメントというか、何かちょっとおかしな形になりましたけ れども、本当に今日はありがとうございました。
司会
小林参事官、どうもありがとうございました。それでは続きまして本日最後のプログラムで ございます。上野総務委員長より閉会の辞をお願いいたします。上野委員長よろしくお願いい たします。 -
閉会の辞 上野秀雄 総務委員長
皆様本日は長い時間ご清聴いただきまして、本当にあり がとうございました。また福嶌総領事にはですね、期待とそれから力強い励ましのこもったご 講評をいただきまして、誠にありがとうございました。小林参事官にはカゼの中ブラジリアか ら、おしてお越しいただいて、官民のですね、協力ということに対する非常に前向きなコメン トを頂戴しまして、本当にありがとうございました。
おかげをもちまして、これで無事すべてのプログラムが 終了しました。発表いただいた各部会長の皆様、部会の皆様、会員各位に厚く御礼を申し上げ ます。またこの準備にご苦労いただいた事務局の皆さん、本当にありがとうございました。
今日の発表に使われましたこのパワーポイントのスライ ドですが、これは既に会議所のホームページに掲載されています。また本日の発表の、全ての 文章というか全文をですね、テープ起こしを事務局の方でいたしまして、いずれ会議所のサイ トにアップする予定でございます。アップする時はまたメール等で皆様にご連絡をいたします ので、そちらの方もですね、ぜひご覧いただきまして、ビジネスにご活用いただければと思い ます。
それではこれをもちまして閉会とさせていただきます。 本日はどうも大変ありがとうございました。
司会
それでは終了でございます。このままですね、懇親会に参加される方は会場を出られました ところで飲み物を用意しております。どうぞよろしくお願いします。それではどうもありがと うございました。