最終フォーカスレポートは15週連続で今年のGDSP伸び率を下方修正

昨日発表の中銀の最終フォーカスレポートによると、2019年のGDP伸び率は15 週連続で下方修正され、前回予想の1.13%から1.00%に下方修正、次回のフォーカスレポートでは1.00%を割る可能性が濃厚となっている。

中銀の今年のGDP伸び率予想は2.0%を維持している一方で、経済省の今年のGDP伸び率予想は1.6%まで下方修正されており、新社会保障改革の遅れに伴って更なる下方修正の可能性は否定できない。

ブラジル地理統計院(IBGE)は、先月30日に2019年第1四半期の正式なGDP伸び率を発表、前四半期比ではマイナス0.2%、前年同四半期では0.5%増加、過去12カ月間では0.9%増加を記録しているものの、昨年のGDP伸び率1.1%を下回る可能性が濃厚となっている。

また今年第1四半期の鉱工業部門のGDP伸び率は前四半期比マイナス0.7%を記録、今年の鉱工業部門のGDP伸び率は前回予想の1.49%から0.47%と大幅な下方修正を余儀なくされているが、1カ月前の予想は1.70%増加であった。

今年のインフレ指数の広範囲消費者物価指数(IPCA)を前回予想4.03%から3.89%に下方修正、1カ月前の予想は4.04%であった。今年のIPCA指数の中央目標値は4.04%、許容範囲は2.75%~5.75%となっている。また2020年のIPCA指数の中央目標値は4.0%、許容範囲は2.50%~5.50%に設定されている。(2019年6月11日付けエスタード紙)

 

平田事務局長、地方商工会議所を訪問(6月11日~14日)

平田事務局長は11日から14日の日程で地方の商工会議所を表敬訪問した。ボルソナーロ新政権が誕生、各種構造改革を進めている中で他国に劣後せず積極的に日本からブラジルにより一層の企業進出を促すためだ。今年の初の常任理事会(土屋会頭)で年2回の頻度を目途に会頭や副会頭等が積極的に東京、静岡、浜松、名古屋、大阪地域に出向き、積極的にもっとブラジルをPR、売り込んで中堅・中小企業を中心に誘致していこうという趣旨に沿った会員増強の施策の一環でもある。先ず、事務局長間同士の名刺交換に始まる道筋開拓の行脚訪問である。東京ではまず国際公共政策センター(CIPPS)理事長の田中直毅氏と中国経済とブラジル経済の違いや将来展望について意見交換、ジョン・デ・メンドンサ・リマ・ネト在京ブラジル総領事(同氏が産業開発庁(ABDI)勤務時代、イノベーションの導入について意見交換)、に会い、在日本ブラジル商工会議所幹部等(行徳セルソ会頭、清水裕幸専務、堀坂浩太郎顧問:上智大名誉教授)と出稼ぎ者の教育問題や将来的には日伯の懸け橋となる人材育成および両国の中小企業活性化の立役者としての活用等々について忌憚なく懇談。
 
清水、平田、サウロ(総領事代理)、メンドンサ(総領事)、セルソ、堀坂諸氏

なお、国際協力銀行(JBIC)の企画部門の調査部を訪問、日本企業のメキシコへの進出状況(現在1300社=2005年比で4倍増になった背景)およびブラジル進出との違い(60年間で僅か600社~700社)について比較分析、もっと細かい業種・分野別分類のブレークダウンをお願いした。JBICでは鉱物資源部も同席。

前列左から調査部第1ユニット長の春日剛氏、平田事務局長、鉱物資源部第2ユニット長の高橋直樹氏、後列左から調査部第1ユニットの本吉千紘氏、調査部第1ユニット兼第2ユニットの池永あずさ氏、鉱物資源部第2ユニットの田中豪氏

12日に静岡県商工会議所連合会の専務理事・事務局長、浜松市市役所では長田繁喜副市長や渡瀬充雄産業部長、寺田聖子文化振興担当部長等と今年7月の浜松市長来伯案件について懇談、

左から長田副市長、平田事務局長、寺田文化振興担当部長、渡瀬産業部長

また、浜松いわた信用金庫の高木昭三会長および高柳裕久副理事長等と久々にボルソナーロ新政権下の構造改革進捗状況について意見交換、

髙木会長(左)と平田事務局長

高柳副理事長(左)と平田事務局長

また、フーバルチ・エルネスト在浜松ブラジル総領事とは今後のブラジル経済セミナーを中小企業を対象に開催して行くに当たっては、過去2014年9月にいわしんが主催した同セミナーの開催形式に倣って行って行く方向で一致した。

エルネスト在浜松ブラジル総領事と平田事務局長

13日、名古屋商工会議所の理事・企画調整部長、インフラ・国際ユニット長およびインフラ国際担当主任等と意見交換、日本における愛知県・名古屋の存在感を示す各種データやブラジルに既に進出を果たした55社のリストを受理。JETRO名古屋では梶田所長とアジアン諸国での日本企業の投資動向について意見交換。昨年9月トヨタのハイブリッド車の組み立て工場見学に同行したネイ・ビテンクール在名古屋ブラジル総領事と再会面談、同氏は来年8月ころを見計らい、所管地域の中堅中小企業を対象に「ブラジル経済セミナー」の開催を強く望んだ。
 
左から平田事務局長、ビテンクール在名古屋ブラジル総領事、ジョン・デ・メーロ同副総領事

14日、大阪商工会議所の国際部長、国際部課長、大阪姉妹都市協会顧問および事務局長、東大阪商工会議所常務理事・事務局長、中小企業相談所所長、また大阪市経済戦略局立地交流推進部長の和田彩氏、同部の都市間交流担当課長代理の植田壮彦氏、国際担当・都市間交流担当係長の川上勇氏、すでに訪伯経験がある木戸ミサ氏等と忌憚のない懇談会を行った。大阪関西はラグビー・ワールドカップ(2019/9~11月)、ワールドマスターズゲーム(2021/5月)、2025大阪関西万博など国際イベントが目白押しの状況を拝聴。今年は大阪市とサンパウロ市が姉妹都市提携50周年を迎える機会に和田氏は各種プロモーションをサンパウロ市で行いたいと意気込みを語った。大阪の知名度をより一層上げて観光客の誘致につなげたい大阪らしい商機たくましいアイデアだ。今年8月18日から24日の日程でサンパウロ市を訪問する。

大阪地域訪問のスケジュールの作成から新大阪に到着して以来、懇切丁寧に全ての訪問先に同行頂いた三信インターナショナルの三宅信史社長にこのHP上で感謝を申し上げる。

訪問先の在日本ブラジル総領事館(東京、浜松、名古屋)や地方の商工会議所(静岡、名古屋、大阪、東大阪)および市役所(浜松、大阪市)ではブラジル連邦共和国概要資料(http://jp.camaradojapao.org.br/upload/files/%E3%83%96%E3%83%A9%E3%82%B8%E3%83%AB%E6%A6%82%E8%A6%81%2020190605-2.pdf)およびブラジル日本商工会議所ビデオ(3分間動画)を紹介した。

 

第3回日伯インフラ協力会合(東京)

日本ブラジル両国政府によるインフラ会合が国際協力機構(JICA)市ヶ谷ビルで6月10日から11日の二日間にわたって開催された。同会合には経団連会員企業の中でブラジルに進出、あるいは関心を示す企業の関係者、約80名が参加、ブラジル日本商工会議所からは訪日中のジュン・マクタ弁護士(会員:TozziniFreire法律事務所)がインフラWGを代表してプレゼンを行った。又、日本企業のブラジル進出促進を主目的に来日した平田藤義事務局長も参加した。

日伯インフラ協力会合は016年10月テメル大統領と安倍総理の間で首脳会談が行われた際に、インフラ分野における投資および経済協力の促進のための協力覚書に基づき、第1回の会合と2回の会合はブラジリアで開催された。

10日の会合は午後2時半から開催、外務省の辻 清人政務官が冒頭で「この会合は日本企業による質の高いインフラ投資を促進することを目的としている。ブラジルでは今年1月新政権が誕生、各種の構造改革が意欲的に取り組まれている。日本の政府や経済界はともに年金改革や税制改革の進展に注目している。ブラジルには約700の日系企業が進出、様々な分野で事業を展開、日本企業が得意としブラジル社会に貢献できる各種のインフラ分野において日本の存在感をさらに強化したいと考える。そのためには投資環境の整備が何よりも重要である。第1回および第2回会合では日本側からインフラ事業における為替リスクの軽減、長期の融資スキームの拡充、ライフサイクルコストを考慮した入札の設計、コンセッションにおける官民適切なリスク分担などについて改善を要請した。本日の第3回会合にはブラジルでインフラ関係ビジネスを既に行っている企業、検討中の企業の皆様に加え、日本側の要望に対する新政権の具体的な考えを聞くためブラジル日本商工会議所からも参加している。この会合の各セッションでは様々な意見が率直に交換され、重要な戦略的グローバルパートナーである日本ブラジルの相互理解がさらに深まることに期待する。本年1月ダボスで安倍総理とボルソナーロ大統領が首脳会談を行った際も、総理から新政権が取り組む政策に期待が表明され両首脳は幅広い分野で協力を強化していくことで一致、二国間の経済関係を一段と高い水準に引き上げるにあたって日本企業がブラジルの様々なインフラ整備を担うことは大変重要なことである。本日の会合の色々なセッションで有意義で忌憚のない議論が行われ日本とブラジルのインフラ協力が一層進展することを祈念する」と挨拶した。

辻外務大臣政務官による挨拶(中央はゴメス国際局長、右はルカス貿易局長)

在京サボイア伯大使による挨拶

ブラジル側から経済省のエリヴァウド・ゴメス国際局長およびルカス・フェラス貿易局長がそれぞれ挨拶した。

ゴメス局長は「インフラの分野はブラジルにおいて最優先課題の一つである。2016年の両国首脳会談でインフラ協力に関する覚書を結び投資家に対しビジネス環境を整備していくことの重要性を認識している。ブラジルの投資パートナーシップ(PPI)を進めるためには日本の質の高いインフラを導入したいと思っている。今日話をしたい分野には鉄道、高速道路、通信分野など多くの分野がある。外務省、JICA、在京ブラジル大使館、またブラジルに進出している日本企業の協力でもって具体的な成果を上げて行きたい。ブラジルは過去20年から30年間もの間、インフラ投資を後回しにし、社会の要求に応えるため短期的な政策を優先し間違った道を歩んで来た。そのバランスを取り戻すために本日は新政権下の長期的な政策や諸種の改革について話をしたい。色々なイニシアチブがあり例えば、年金改革、税制改革、投資環境の整備、経済成長などこれらの施策を通して補完的にインフラの近代化を進め、その中で司法的な保証措置も検討していくつもり」だと挨拶した。

ルカス貿易局長から「日本とブラジルの関係は強い絆で結ばれ協力的で戦略的なパートナーであることを認識している。これから先、もっともっと貿易や投資およびビジネス拡大の余地が残されている。新しい政権下では生産性ということを最重要視している。40年にも渡って停滞してきたからだ。生産性を上げて経済を成長させ雇用を拡大、所得も上げて行く。生産性を上げるための3つのポイントは今のカオス状態にある複雑な税制の簡素化であり、納税額を下げる事、2つ目に特別目を向けるべき分野としてブラジルの経済が国際市場に統合されてない事、3つ目はインフラ整備のための投資の促進だ。GDPに占めるインフラ投資の比率が80年代の終わりまで5%あったのが、今現在は2%に落ち込み投資が停滞している。インフラ投資は歴史的に政府が担っていたが、今は財政が逼迫、国家建設や社会インフラを整備し生産性を上げて行く為の予算が無く海外からの投資の呼び込みが不可欠となっている。過去、数年間ブラジル政府はしなければいけない事の反対のことを行い大きな過ちを犯した。ビジネス環境を改善し投資の呼び込みを怠ったからだ。予算の配分にしても不要な民間部門に補助金を交付したことで生産性向上に寄与しなかった。現政権では過去の失政を正し、しっかりとした道筋や方向性を示し民間の活力を活かした成長戦略に転換している。ブラジルはビジネスをするのに常にドアーをオープンにしている。さらに日本企業がブラジルに進出、投資の拡大を歓迎したい」と挨拶した。

新しい国際化へのアプローチ:
財政面からエリヴァウド・ゴメス局長が汚職構造の浄化、経済にとり重要な政府の信頼回復、持続的な財政規律の維持、年金改革および税制改革を断行し投資・ビジネス環境の整備、起業家精神を育成する環境整備、国家の過剰な介入と規制、向こう4年間ですべてのパブリックセクターにおけるデジタル化の推進、民間セクターの活性化、2020年までのGDPやインフレ率の推移、貿易バランス、外国融資の必要性、製造業や消費者の信頼指数、実質雇用創出数、家計サービス負債率、公共財政赤字のGDP比率、電力・オイルガス・鉄道・空港・港湾・高速道路・MG政府所管倉庫の民営化など47件のPPI入札案件、進行中の29件のPPIプロジェクトについて詳細に紹介した。

同氏による第1セッションのPDF資料「BRAZIL ECONOMIC FACT SHEET」参照

通商貿易面からルカス・フェラス局長は国内での構造改革を終えた後に国際市場に参入すると前置き、過去40年間の生産性の低迷を振り返りブラジルは戦後の1947年から70年代まで世界で最も経済成長が高かった国(年平均7.2%)であった。背景として戦前は農業国であったが、それから都市化に移行、農村従事者が都市にきて工業従事者になったことが、大きな成長と生産性向上に寄与。70年代の終わりには都市化モデルが成熟終焉、一方中国は鄧小平が毛沢東時代の教条主義から経済を開放する市場経済へ移行、国際市場に参入、そのプロセスの中でグローバル・サプライチエーンが確立、輸送コストが低減、技術開発が進展、ICT技術が深化、賃金体系の格差によりG7の国々がアジアの途上国に企業展開、アジアが成長センターとしての戦略的地域に変貌、その他の地域国々にも波及、そのプロセスの中で世界が分裂化、グローバルなサプライチェーンが発展、新しい貿易の枠組みが構築され、その付加価値向上の恩恵に預かったのが途上国の東南アジアや中国および東ヨーロッパの国々であった。ブラジルは閉鎖的のままで未だ世界のサプライ・チェーンを構成するに至ってない。ブラジルのGDPの72%はサービス分野が占めるが、付加価値が低く国際市場への参入ができてない。世界市場から隔離された製造業の分野も全く同様でいずれも生産性が低く国際市場への参入が喫緊課題となっている。生産性が低いのは農業・工業・サービスいずれのセクターにも及んでいる。これから国際市場に統合する必要性について述べる。ブラジルの閉鎖経済がインフラ投資を阻害、工業生産コストを押し上げ競争力を喪失させている。農業分野もしかり同様だ。世界では300を超える地域間の貿易協定がWTOに登録されているが、ブラジルは30年前にメルコスール諸国と自由貿易協定を結んだだけである。世界の自由貿易協定とは若干違うが地域統合と云う点では意味があるが、新政権下では今後4年間に貿易を開放する。何故なら国際貿易は生産性と密接にリンクされていてブラジル経済にとって非常に重要だ。2021年から人口ボーナスが徐々に減る中で生産性を上げる必要に迫られている。貿易収支残は左程重要ではなくブラジル経済の成長にとって多くを輸出し、多くを輸入する流れが大切だ。輸入が増えるときに併せて輸出も増える図式である。具体的には今後4年間に地域間の貿易協定を加速させ、メルコスールとEU、カナダ、韓国、EFTA、シンガポール等と協議中、近い将来には日本とも協議を行いたい。ブラジルとメルコスールのコネクションを使いアジア諸国へのバリューチェーンを構築していくことが大切である。もう一つ重要視しているのは最終段階にあるが米国とも協議している。南北では無く南・南の協力、豊かな国、貧困国と云う関係では無く、先ず豊かな国との協定を優先し大きなゲインを得るべく日本にもアプローチしたい。メルコスールの共通関税を国際水準にまで引き下げ、国際平均価格に合わせ、並行してブロック内の色々な障壁も取り去る。メキシコとブラジルの間には自動車協定があっても、メルコスール内の亜国との間には存在しないので是正する。非関税障壁も無くし、輸入時にシングル窓口を設け輸出入の手続きを簡素化する。今現在輸出のほうは13日から6.5日に半減されOECDの平均日数をクリア出来ているが、来年には輸入ライセンスの取得をはじめ輸入手続きを簡素化し、19日の所要日数を10日に短縮する。世界的にサービスの商取引が可なり増えているが、ブラジルではサービス分野の輸入時に47%もの税金が掛かる一方、工業製品を輸出する過程では商品価格の32%が税金でこれも是正する。衛生植物検疫措置の適用に関する協定(SPS)の規制緩和や簡素化等も行う。Eコマースの分野ではカルテルを排除、活性化しながら近代化していくほか、特にWTOの情報技術協定(ITA)にも参加していく。歴史的となるが2年以内にOECDに加盟、経済委員会にも参画し引き続き貿易面の改革を推進していく所存だと述べた。

最近のビジネス環境改善についてレナト・バウマン外国投資部長から、新政権下では投資にフレンドリーな環境を用意し、ブラジル国内で製造されていない資本財について輸入税をゼロにして行く。45日間掛かっていた外資登録をオンラインの導入により3日に短縮している。外国貿易に関する全ての税金を一つの支払いで済むシングル・ウインドウ・メカニズムにする。国内航空会社に外資100%参入を認可している。WTO基準に沿い政府間調達の規制緩和をする。1995年から2018年までの直接投資の推移について説明。直接投資時のオンブズマン制度を中心に以下紹介。

【外国貿易は色々な省から構成されるCAMEXが所管、CAMEXにオンブズマンを設置、それをシングルウインドウ化し30以上の連邦政府機関がオンブズマンに参加、投資は連邦政府以外に州や市町村にも及ぶのでオンブズマンのメカニズムでフォーカルポイントのサポートが受けられる。ブラジルには各省の副大臣から成る国家投資委員会(Coninv)があって外国投資政策を担当している。オンブズマンは常にこのConinvに報告、政策に反映され、色々なフォーカル・ポインが動きQ&Aやリファレンスが30日内に処理される。世界で最も効果的に機能しているのが韓国のオンブズマン制度で90年代に25%の相談案件を解決、最近では90%に達している。ブラジルは最近導入したが良く機能している。ブラジルに関心のある方々に伝えていただきたい。サイト:www.oid.economia.gov.br

もう一つの国レベルのフォーカルポイントとしてOECDのガイドラインに則り責任ある企業行動のためのOECDの指針に従っている事を以下紹介。【ビジネス責任の重要性、企業が社会的に適切な行動を行っていない場合の罰則、多国籍企業が告発を受けて否定した時のOECDガイドラインに沿った遵守すべき11局面、ブラジルが1997年に外国投資や多国籍企業に関するOECD宣言書に署名以後の延べ訴訟件数(調査中3件、却下6件、解決17件)等々】第1セッションのPDF資料「Recent Improvements to the Business Environment in Brazil」参照

ブラジル日本商工会議所を代表、会員のTozzini法律事務所のジュン・マクタ弁護士がブラジルにおけるビジネス環境の日本の評価について発表した。20年から30年に及ぶ長期のインフラビジネスを投資家や消費者の目線から問題となっている8項目中、特に重要な為替リスクの低減とインフラ工事の遅延の2項目について改善を要請した。

日本側セッション
(ブラジル日本商工会議所による政策提言(AGIR)に関する意見交換を実施)

詳細は配布のPPTスライド「Avaliacao Japonesa do Ambiente de Negocios do Brasil」および「AGIR(さらなる投資実現に向けた行動計画)」資料を参照

ブラジル側のコメント:
為替リスクについては第1回及び2回会合でも提議されたが2つの考察がある。一つはプロジェクトがトレイダブルであるかないか、もしも金を生まないものであれば問題がないと云うことだ。もう一つは長期のプロジェクトであれば為替リスクは緩和されレアル通貨では長期のプロジェクトになれば為替リスクが減る形になる。我々は今、改革について話しているので、これから15年20年30年先になると為替リスクは非常に少なくなると考えている。外貨が自由化されているチリの事例が示されたが、先ほどのゴメス局長あるいはルカス局長からも話があったように、今ブラジル政府が解決しようとしているところである。外貨による自然人の銀行口座だけでなく企業の口座も開く事を検討中でそれによって為替リスクは大幅に減ることに繋がる。指摘されたプロジェクトの組成には問題があることは認める。(バウマン外国投資部長)

経済省にはインフラ整備開発局があり、これからの経済の自由化に向けて外貨で口座を設け、市場の中で為替リスクを回避する施策を検討中である。(ゴメス国際局長)

第1セッションを含めた全体的なQ&A:

Q: 本日、皆様からプレゼンのあった各種制度の改善を含めボルソナーロ政権が進めている年金改革、税制改革そして民営化およびコンセッションが実現するとすれば新生ブラジルが誕生するものと確信する。皆様が発表された事に対する非常に厳しい質問になるが、本当にボルソナーロ政権下で確実に実行されるのかどうか、実現するとすれば50%なのか60%位なのか率直にお聞きしたい。私は明日以降、日本の地方の商工会、地方銀行、ブラジル総領事館、各地域のJETROや市役所等々を訪問、本日の皆様のお話をベースに日本からの企業進出誘致について意見交換する予定である。日本は少子高齢化が進んでいる中で、ブラジルからの出稼ぎ者の多くが日本の中小・中堅企業を支えている。こうした出稼ぎ者を活用し日本の中小企業をもっと元気にすることでブラジルに技術を供与、企業進出を果たしM&Aや投資を行い真の意味での戦略的パートナーとして双方向のWin-Winの関係が構築できないかと考えている。この場で非常に答えにくいと思いますが、実現の可能性だけについてでもお答えいただければありがたい。(平田事務局長)

A:今現在起きていることは、国会や司法を通さずに済む案件については行政府として実行できることは実行に移している。省令、内部手続き、手続きの簡素化、そのデジタル化等が具体例である。立法機関である国会は飛行場に例えられる。1本の滑走路があって一度に多くの飛行機が離陸出来ないので重要性の高い機種から順番に待機している所だ。つまりブラジル経済全体に影響を及ぼす財政問題の解決が最優先課題となっている。国家のリスク、政策金利やインフレ、投資能力など全てが財政如何から派生、その根源となっている年金改革は議会を通すために時間が掛かる。年金改革に続き税制改革があり幾つかのイニシアチブがある。配布した資料には一連のスケジュールも記載されてあるのでご活用ください。(ゴメス国際局長)

通商貿易面ではもっと具体的に申し上げれば、来年6月までには意味のある各種協定が合意に至っているだろう。特にメルコスールとEU、EFTAに続きシンガポールおよび韓国とのFTA協定だ。そのあとには米国と続き、その過程で日本とも協議を進めていく予定である。来年1月からメルコスールの共通関税を引き下げて行き021年頃には税率が約半分位になる。貿易のシングル窓口は来年末までに終了予定であり、行政府でできることはスピード感を持って進める所存。(ルカス貿易局長)

色々難しい問題があり時間が掛かると云うご指摘もあったが、新しい政権の下でこのような構造的な問題に取り組んでいきたいと云う意志が、この場で確認された。本日は民間セクターからの要望という形でプレゼン頂いたけれど、こういった問題に関しては当然のことながら日本政府としても問題を共有している。この会議のみならず引き続き両国政府間で議論を継続してまいりたい。これが、まさにこのインフラ会合の趣旨であると理解している。(南米課長)

前回の会合では個別分野として都市インフラ、エネルギー、都市交通、およびICTといった分野を議題に取り上げたが、今回は都市分野のインフラを継続することになり、最後にブラジルのおける持続的なスマート・シテイーについてヴィートル・メネーゼス ブラジル科学技術革新通信省局長がプレゼンを行った。「Smart Sustainable Cities in Brazil」PDF資料参照

伯側セッション ー 発表を行うヴィートル科学技術革新通信省局長
(伯経済省、通信省局長等より、新政権の経済政策等を発表)

Pdf第3回日伯インフラ協力会合アジェンダ

PdfBRAZIL ECONOMIC FACT SHEET

PdfRecent Improvements to the Business Environment in Brazil

PdfAvaliacao Japonesa do Ambiente de Negocios do Brasil

PdfAGIR(さらなる投資実現に向けた行動計画)

PdfSmart Sustainable Cities in Brazil

写真提供: 在ブラジル日本国大使館

 

第9 回中南米知財セミナー開催

日本貿易振興機構(JETRO)サンパウロ事務所(大久保敦所長)主催の第9 回中南米知財セミナーは、2019年6月10日午後3時30分から4時30分まで20人近くが参加して開催、初めにJETROサンパウロ事務所の岡本正紀 知的財産権部長が開催挨拶、ブラジル知的財産制度の最新動向の説明を行い、続いてDi Blasi,Parente特許法律事務所パテント担当責任者のマルセロ・オリヴェイラ氏は、「ブラジルの意匠ガイドライン」について、2019年3月にブラジル産業財産庁より公表された意匠ガイドラインについて、意匠の定義、出願プロセス、権利内容や争点や問題点、特許制度の枠組、特許出願審査の内容、テクニカル審査、登録不可能なデザイン、特許期間の延長などについて説明、質疑応答ではサブスタンシャル検査、販売差し止め、優先権主張の問題点の有無、異議申し立ての可能性が挙げられた。

Pdf「ブラジルの意匠ガイドライン」Di Blasi,Parente特許法律事務所パテント担当責任者のマルセロ・オリヴェイラ氏

講演中のDi Blasi,Parente特許法律事務所パテント担当責任者のマルセロ・オリヴェイラ氏

ブラジルは35自由貿易協定を擁するもブロクラシーが足枷

連邦政府は35件に達する自由貿易協定でサインをしているにも拘らず、政治的なブロクラシーが足枷となって、自由貿易協定の発効に至っていない。

ブラジル企業はアルゼンチンやパラグアイ、ウルグアイで投資総額が800億ドルに達する公共入札に参加できるにも関わらず、ブラジル側のブロクラシーで発効に至っていない。

またブラジル人はチリ国内でのセルラー使用で、契約している通信事業者のサービスを、利用契約していないほかの通信事業者の設備を使って受けられるローミングが可能となっているにも拘らず、許可が遅れている。

パウロ・ゲーデス経済相は、今後3週間から4週間以内にヨーロッパ連合とメルコスールの自由貿易協定は締結できると見込んでいる。またカナダとの自由貿易協定も進んでいると楽観視している。

連邦政府は35自由貿易協定でサインをしているにも拘らず、行政のブロクラシーや国会や特別委員会での承認などに時間を費やしており、自由貿易協定が発効するまでに平均4年半を費やしていると全国工業連合会(CNI)は指摘している。

ブラジルとチリとの自由貿易協定は2018年11月にサインが交わされたが、行政部門でストップ、メルコスール域内の公共入札プロトコーロは2017年12月にサインされたが、国会で止まっている。

またアラブ首長国連邦との二重課税防止条約は2018年12月、シンガポールとは2018年7月、スイスとは2018年3月にサインされたが、未だに発効に至っていない。

コロンビアとの投資協定は2015年10月、アラブ首長国連邦とは2019年3月、マラウイ共和国とは2015年6月、モザンビークとは2015年3月、エチオピアとは2018年11月、スリナムとは2018年2月、ガイアナ共和国とは2018年12月にサインされているが、未だに行政や国会で止まっている。

公的年金制度への二重加入の解消を目的としたブラジルとスイス間との社会保障に関する協定は2011年10月にサイン、カナダのケベック州政府とは2014年3月にサインされたが、未だに発効されていない。

またペルーとの自由貿易協定拡大は2016年4月、米国とのテクノロジーに関するセーフガード協定は2019年3月、新BRICS開発銀行の合意は2018年7月にサインされたが、未だに発効されていない。

ブラジル貿易会(AEB)のジョゼ・アウグスト・デ・カストロ会長は、35自由貿易協定がブロクラシー問題で停滞しているが、協定発効してもブラジルの競争力が備わっていないので、それほどの輸出増加は期待できないとコメントしている。

2018年のブラジルの貿易収支は583億ドルの黒字を記録したが、今年は米中貿易摩擦やアルゼンチンの為替危機の影響で400億ドルの貿易黒字に留まると予想されている。(2019年6月9日付けエスタード紙)

新社会保障年金改革案のサラリーボーナス支給額引上げか

社会保障年金改革特別委員会のサムエル・モレイラ報告官は、年金改革案のサラリーボーナス支給を最低給与までの年金受給者への支払では、今後10年間で1696億レアルの社会保障院(INSS)の歳出削減と見込んでいた。

サラリーボーナスは2最低サラリーまでのサラリーマンが年1回ボーナスとして受け取っているが、新社会保障年金改革案では、サラリーボーナスを受け取る年金受給者を最低サラリーまでとしていたが、野党側は1.4最低サラリーまでの引上げを要求している。

年金受給者のサラリーボーナス対象を最低サラリーから1.4最低サラリーに引上げれば、今後10年間の連邦政府の支出削減は1,696億レアルから800億レアルに半減する。

また連邦政府は、未亡人に対する恩給支払いの変更や2003年以前に連邦公務員となった人の年金受給資格は男性65歳、女性62歳で最終サラリー支給並びに現役公務員と同一サラリー調整を提示しているが、受給年齢に達しない連邦公務員の年金受給資格が議論の対象となっている。

2003年以前に連邦公務員となって、新社会保障年金の受給資格を擁している公務員は23万8,000人、今後2年間で12万9,000人の連邦公務員が年金入りすると予想されている。

連邦政府は勤労不可能な高齢者および障害者に対する最低賃金額を支給する継続扶助(BPC)並びに農村労働者の年金受給年齢の変更、教職員の年金受給資格変更などの影響で、パウロ・ゲーデス経済相は、新社会保障案による10年間での1兆2,000億レアルの歳出削減による経済効果を謳っているが、7,900億レアル前後に留まると予想されている。(2019年6月8日付けエスタード紙)

Oportunidades tributárias em tempos de crise e as mais recentes medidas do governo 08/06/2020

O vídeo traz algumas das principais oportunidades tributárias tanto na área de consultoria como de contencioso, com vistas à redução lícita da carga fiscal para uma boa gestão tributária durante a crise da Covid-19, bem como as mais importantes medidas do governo para enfrentamento da crise editadas a partir de maio de 2020.    

Assista ao vídeo clicando AQUI 
 
Georgios Theodoros Anastassiadis, sócio; Heitor Cesar Ribeiro, advogado-sênior, gerente na área de consultoria tributária; e Raphael de Toledo e Piza, advogado-sênior, todos, de Gaia, Silva, Gaede Advogados. 
Telefone: (55 11) 3797-7400
E-mails: georgios.anastassiadis@gsga.com.br; heitor.ribeiro@gsga.com.br; raphael.piza@gsga.com.br 

Fotos: Divulgação

回章 CIR-059/19   課税に関するアンケート調査へのご協力のお願い

                            CIR-059/19
                            2019年6月7日
会員企業 代表者 各位(日本進出企業のみ)

           課税に関するアンケート調査へのご協力のお願い

                            ブラジル日本商工会議所
                            政策対話委員会
                            委員長 佐藤真吾
                            課税・通関ワーキンググループ
                            グループ長 吉田幸司

日頃は、政策対話委員会の活動にご理解、ご協力を賜り、心より厚くお礼申しあげます。当委員会では、進出日系企業が直面する投資環境上の課題とその改善提案をまとめ、伯政府との政策対話に取り組み、ひとつでも多くの提案項目の実現を目指し活動を日々行なってきております。

2015年7月及び2017年6月にも同様の会員アンケートを実施させて頂きましたが、ブラジル政権も変わり、また、ビジネス環境が日々変化する中、日系企業が直面する課題の現況を掴む必要があると考えており、再度、「課税分野」に係わる近況調査を実施させていただくことといたしました。

新政権において税制改正が検討される中、当商工会議所からの意見も伯政府へ届けられるように進めていきたいと思います。

つきましては、業務ご多忙のところ誠に恐縮に存じますが、リンク先のアンケートにつき6 月28 日(金)までにご回答くださいますようご協力のほどよろしくお願い申しあげます。なお、ご回答いただいた内容を取りまとめたものはその情報の機密性には十分に配慮しながら、会員企業の皆様と共有するとともにブラジル政府との政策対話活動に利用し、回答企業名や回答者のお名前は事務局限りとし、公表することは一切ございません。

アンケートのリンク先 https://jp.surveymonkey.com/r/MLLP8MC

また、ご回答いただくにあたり以下の点につき、補足させて頂きます。

1.    各社1つの回答でお願いいたします。複数の意見がある場合には1つの回答へ取りまとめて頂けます様お願いいたします。
2.    グループ会社が存在する場合にはそのグループ会社を別にして回答していただければと思います。
3.    アンケートは日本語、ポルトガル語の併記となっております。コメントを付記していただける場合には、日本語、ポルトガル語、英語のいずれかでお願いします。
4.    質問項目は全部で49問ありますが、会員企業の皆様がブラジル税制で共通してお困りになられていると思われる項目に絞り、また、ブラジル政府に建設的な提案ができるようにも考えて質問事項を作成しております。
5.    アンケートは答えられる範囲にてご協力いただければ幸いです。無理にお答えいただく必要はありません。
6.    アンケートへの回答は、リンク先にて実施していただければと思いますが、アンケート全体が俯瞰できるようにPDF fileも添付しております。会員企業の皆様が社内で議論をされる際などにご参考にして頂ければと思います。
7.    なお、アンケートには自動でのsave機能がついておりますので一度記載いただいた内容は保存されるようになっております。ただし、同一ディバイスからは1回しかアンケートの提出が出来ませんので、一度提出後に訂正がある場合には別途事務局までご連絡を頂ければと思います。
8.    さらに、CNIが会員企業向けに実施した税務アンケートを取りまとめた資料が2019年3月に公表されております(約2,000社からの回答)。ポルトガル語しかありませんが参考になればと思い当該資料も添付しております。(https://noticias.portaldaindustria.com.br/noticias/economia/quase-80-dos-empresarios-industriais-reprovam-o-atual-sistema-tributario-brasileiro/ )

ご質問等ございましたら、以下のブラジル日本商工会議所事務局までご連絡ください。

ブラジル日本商工会議所
政策対話委員会事務局 担当/吉田
secretaria@camaradojapao.org.br
TEL 11-3178-6233

 

最高裁は国会の承認なしに連邦公社子会社の民営化承認

昨日連邦最高裁判所(STF)は国会の承認なしで、連邦公社子会社の民営化を承認した一方で、母体となる主要連邦公社の民営化には、国会の承認を得なければならないと決定した。

ペトロブラス石油公社は、石油・天然ガス関連の輸送ロジスティック会社Transpetro社やBR DISTRIBUIDORA社など36社の子会社を擁しているが、連邦公社134公社の内88公社は子会社となっている。

昨日の連邦最高裁判所(STF)の国会承認なしの連邦公社子会社の民営化決定で、ペトロブラスは、積極的な自社資産売却で269億ドルに達する資金調達が容易になると金融市場関係者は予想している。

昨日の最高裁判所の子会社の民営化承認で、ペトロブラス傘下のTransportadora Associada de Gas(TAG)の外資系企業への売却に待ったをかけていたEdson Fachin判事は、一転して売却を承認した。

今年4月初めにペトロブラスは、Transportadora Associada de Gas(TAG)の株式の90%をフランス資本Engie社並びにカナダの年金ファンドCaisse de Depot e Placement du Quebec(CDPQ)で構成されるコンソーシアムに86億ドル(330億レアル相当)で売却していたが、最高裁判所が待ったをかけていた経緯があった。

昨年6月に最高裁判所のリカルド・レバンドフスキー判事は、連邦公社子会社の民営化は、国会の承認を得なければならないと判決を下して物議を醸していた経緯があった。

ペトロブラスのロベルト・カステロ・ブランコ総裁は、最高裁判所の決定はブラジルにとっては大きな勝利と最高裁判所の公社民営化促進に繋がる決定を歓迎している。

ブラジル中央電力公社(Eletrobras)のWilson Ferreira総裁は、昨年中に同社子会社13社の株式を総額13億レアルで売却して負債軽減を図っており、今回の最高裁の決定は、更なる負債軽減並びに競争力の強化に繋がると歓迎、連邦貯蓄金庫(Caixa)もペトロブラス社の持ち株の放出が容易になると歓迎している。(2019年6月7日付けエスタード紙)

会場一杯の60人が参加してパラグアイセミナー開催

パラグアイ商工省並びに在パラグアイ日本国大使館、ブラジル日本商工会議所、ジェトロサンパウロ事務所共催によるパラグアイビジネスセミナーは、2019年6月7日午後2時から4時まで会場一杯の60人近くが参加して開催、初めにジェトロサンパウロ事務所の大久保敦所長が開催挨拶として、パラグアイには既に経済ミッションを2回派遣、過去数年にわたってパラグアイ関係のセミナーを連続して開催している。また8月1日、2日に経団連と共にパラグアイにビジネス環境視察ミッション派遣を案内。今回はテーマ「パラグアイの地理的ポテンシャル」と題して、在パラグアイ日本国大使館の石田直裕特命全権大使、REDEIEXのSebastian Bogaddo氏、ジェトロ中小企業海外展開現地支援プラットフォームの石田ミゲル コーディネーターが講演すると案内した。

初めにSebastian Bogaddo氏は「チャンスの国パラグアイ」と題して、パラグアイの開放経済政策、2017年並びに2018年のラテンアメリカ最高のGDP伸び率、マクロ経済政策、低いインフレ。経済の5本柱、2012年以降7年連続の目標インフレ指数の達成、完成品が占める輸出比率の上昇、南米トップのビジネス環境指数、マキナ制度の優位点では新品・中古品を問わない設備投資機械・装置輸入の免税、PPP方式によるインフラ整備部門入札、水上輸送、クレジット金利、知的財産権について説明した。

石田直裕大使は、「日本人移住者によるビジネス成功事例から見るパラグアイのビジネス環境」と題し、初めにパラグアイの概況として国土面積、人口、主要産業、主要経済指数、貿易統計、今年のGDP伸び率予想として4.3%、安定した為替、輸出として大豆が40%、電力エネルギー23%、牛肉13%、日本向け輸出としては大豆カス74%、ゴマ19%、輸入品目として新車30%、電気機器20%、中古車10%、今年は外交樹立100周年で優れた日系社会の存在の特筆、日系移民による大豆、小麦、果樹の普及並びに輸出品目としてのパラグアイへの貢献並びにパラグアイ国民の日系人への最高の評価を説明。

また日系社会の確固たる地位を築いて日系会社として、50周年を迎えた同国最大の自動車販売網を擁するTOYOTOSHIグループは、トヨタ車販売で顧客からの絶大な信用、納期厳守、社員教育、日本での研修などをモットーに従業員700人を擁している。また食品加工販売ではSHIROSAWA S.A,(白沢)はピーナッツ輸出が年間3000トン、パラグアイ並びにチリ、ウルグアイでスナック菓子販路を確保。また国内の小規模農家によるゴマ栽培で日本に輸出している。

養鶏関係では前原グループのYEMITA社は、鶏卵を1日当たり100万個生産でスーパーのマーケットシェアは70%に達し、1000人以上の直接雇用でパラグアイに貢献、またチャコ地域の4万ヘクタールの放牧地で4万頭の牛を飼育している。電化製品小売販売ではCASA NISSEYの年商は5億ドル、275人の従業員の攻勢はパラグアイ人215人、ブラジル人40人、ウルグアイ人20人、従業員教育や顧客満足度アップのために、従業員を日本に派遣して日本式の教育を徹底的に叩きこんでいる。松宮ファミリー率いる保険・損保業界では、LA RULAR S.A de Seguroは田中クリスティーナ社長が剛腕を発揮しているとパラグアイで活躍する日系企業を紹介した。

最後に石田ミゲル コーディネーターは、「パラグアイの進出方法」と題して、パラグアイの投資制度、マキナ方法の活用法、子会社や支店設立のノウハウや注意点、計画書作成、投資制度の留意点、マキナ制度に関する留意点、法人化しない国内販売、現地企業を代理店、セールス烈婦採用、会社設立などについて説明した。質疑応答では新参入のマキナ制度活用、パラグアイとブラジルの自動車協定、中古車輸入などが挙げられた。セミナー終了後は事前申し込み希望者対象のラウンドテーブルや個別相談会が午後6時過ぎまで開催された。

Pdf「パラグアイの地理的ポテンシャル」在パラグアイ日本国大使館の石田直裕特命全権大使

Pdf「チャンスの国パラグアイ」REDEIEXのSebastian Bogaddo氏、

Pdf「パラグアイの進出方法」ジェトロ中小企業海外展開現地支援プラットフォームの石田ミゲル コーディネーター

Pdf(参考資料1)子会社の設立 (2019)

Pdf(参考資料2)株式会社・有限会社

Pdf(参考資料3)子会社・支店の違い

Pdf(参考資料4) Law Nr 60-90 of investments (english version)

Pdf(参考資料5)Maquila in Paraguay (english version)

左から在パラグアイ日本国大使館の石田直裕特命全権大使/REDEIEXのSebastian Bogaddo氏/ジェトロ中小企業海外展開現地支援プラットフォームの石田ミゲル コーディネーター/ジェトロサンパウロ事務所の大久保敦所長

Embaixador do Japão no Paraguai, Naohiro Ishida

Sebastian Bogado, Miguel Ishida e Atsushi Okubo

事前申し込み希望者対象のラウンドテーブル会議の様子

Fotos: Rubens Ito / CCIJB