2001年上期業種別部会長懇談会-化学部会

  • 原油高騰たたる石化・合樹
  • 接着剤伸びるが、松脂品不足
  • 金属工作油剤販売好調
  • 水処理剤も好調
  • 非耐久消費財低調
  • 農薬は外資系再編渦中にあり

 

●石化、合樹分野 販売伸びるが採算きびしい

司会 : ありがとうございました。引き続きまして、化学部会の新井部会長お願いします。

新井: 前任の矢島(出光)さんを引き継ぎまして、今年から化学部会の部会長になりますしたけども、原料界は、川下の最終の文具、ボールペンに 至るまで業界の中が分れていて、なかなか一言ではいえないのですけども、順を追ってご説明いたします。  石油化学・合成樹脂2分野は、ブラジルのマクロ 経済及び自動車をはじめとする工業生産の好調を受けて、合成樹脂・合成ゴム・合成繊維、3大業界の好調な需要に支えられて前年比10%ぐらい伸びました。 前年比50%増となったエチレン誘導品の輸入,パラキシレン及びその誘導品の輸入が国産品を大きく圧迫、とくにPET樹脂の安値輸入品が国内メーカーへの 価格圧力がかかったという状況の中で、1番影響を与えたのは国際原油価格の高騰であり、年初の25ドルから10月に38ドル、年末に33ドル/バレルとい う乱高下。これにつれて国内ナフサ価格も8月に史上最高の298ドル/トン。年末に294とやや下げたものの、後の不安を残して終わった様な状況です。

このナフサ高で、エチレン以下の誘導品は、コストアップを強いられ、一方、輸入品攻勢にあい、電力料金の値上げなどで、総じて採算が圧迫されたような状 況でした。汎用樹脂の方は、価格面で厳しい展開を強いられながらも、根強い需要に支えられ高稼働率を維持、ポリプロピレンなどは自動車産業向け、ポリスチ レンはAV機器、家電、通信機器を中心に状況の改善著しかった事と、輸出が増加した雑貨業界向けの好調に伴い、合樹関係は非常に好調に推移しました。

ポリカボネートも国際的にタイトバランスで市況も高位安定とフル生産フル販売で進展、ペットボトルに使われるPETも清涼飲料,水向けから食用油へシェアーを拡大して前年比10%ぐらいのアップになっています。

合成繊維業界も国内・輸出とも好調に推移して、ナイロン、ポリエステルなどの合成繊維が末端衣料品の旺盛な需要に支えられ、中間原料であるカプロラクタ ム、エチレングリコールと共に好調でした。それからタイヤ業界。これはもう自動車の好調に支えられ、交換タイヤ2500万本、新車用途800万本強、輸出 が全体生産量の2、3割になるのですけども、トータルで前年比7から8%くらい増になった。輸出は切り下げ後の為替メリットもあり、業界各社とも増加、新 車生産量の増と共に増えた新車とあわせて、物量面では好調でした。一方、合成ゴム、天然ゴム、カーボン・ブラックなど輸入原料が7割を占めていることも あって、為替の切り下げと相まって、コストを押し上げ、採算は年々悪化しているというのがタイヤ業界だったようです。

 

●自動車、同部品増産 による好調業種も

続きまして、接着剤、シール材です。接着剤も自動車及びその部品メーカーの増産、モデルチェンジがあり、前年比20%伸長。加工部門で樹脂使用量が10%増となり、全体でも10から12%増となったプラスチック業界とあわせて、接着剤工業も好調業種に入っています。

製紙、接着剤、塗料用とこれらに使われる原料松脂、松脂関係は、紙パルプ向けが、去年紙パ業界の100%以上のフル稼働に伴い、それに使われるガムロジ ン等の製紙用薬品の需要も増加。接着剤メーカーの自動車向けは増えたものの、ガムロジンは、意外と伸びなかったという事でした。一方で、昨年の天候不順、 松脂採集時期の9月、10月になって気候が回復しなかったので、原料の松脂不足、価格の高騰を招いた。一方で、製品のガムロジンは全世界で7割ぐらいシェ アをもっている中国の安値攻勢で値上げが通らず、「原料高の製品安」という形になりました。

続いて、金属工作油。これも、自動車生産が 好調だったことにあわせたドル高を背景に、部品の内製化が進んだということで、関連する機械工業も20%ぐらい生産量アップになっているという事、輸出が 好調だった鉄鋼も増えたということで、これら好調業種向けの加工油剤が15から20%の需要増となったと推定され、98、99年と減少してきた販売量に歯 止めがかかり、97年のレベルぐらいまで業界は回復しているのではないか。一方で、原油高により潤滑油の値上げ(前年比で60%ぐらい値上げ)があったわ けですけども、潤滑油の値上げ及び一般管理費の増などで販売量に比例して、採算は改善していないという金属工作油業界です。

また水処理業界は、石油、石油化学、鉄鋼、紙パルプが大きな需要家なんですけども、これらの業界が好調だったということで、好調に推移したということです。

 

●携帯電話購入優先及び 燃料にたたられた業種も

これからは消費財の方へ入って行きますけど、写真フィルムは99年は為替切り下げで需要が落ちるかと危惧したが、結局需要後退は起こらずに過ぎた。

2000年に入って、マクロの回復基調に対して、消費者物価に代表されるように、非耐久消費財はマイナス基調。これを受けてフィルムのような嗜好商品の 消費が進まず、消費者の購買優先度が携帯電話、あるいは電子電気機器にむかう、あるいはガソリン代の値上げなどに食われてしまったという事で、写真フィル ムの消費に回ってこなかった結果、5月、12月を除いて、毎月前年比マイナスであったというのが、写真フィルム業界のようです。一方、こういうスローな マーケットの中で、各社とも、コダック、富士フィルムさんだと思いますけども、プロモーションをスポット的に繰り返して、実質値下げ競争を続けた結果、価 格的には低価格で推移した一年であったという報告です。

それから文房具。これは、ボールペンとかサインペン、マーカー等の原料に、プラ スチック、染料、インク等使用するわけですけども、98、99年もブラジル経済回復と同じ様なテンポで、消費が伸びてきたにも関わらず、昨年クリスマス商 戦の11月、12月が低調。昨年7月の業界見本市で成約した教育・新学期向けの紙器材・物が契約の消化が進んでいない、非常に個人消費の偏りを感じられ、 結局99年比、同じか少しマイナスという事だったようです。


●業界編成進む農薬

農薬 業界は、99年の10月から去年の6,7月ぐらいまで、南部の旱魃、7月、8月の霜、こういう事で、99年末からの流通在庫の消化が進んでおらず、そのま ま低位に推移。一方で外資系再編成の荒波の中で、6社あった大手が3社に集約され、その3社で業界の51%を占める。これらが販売攻勢を強めた結果、見か けの売上は前年比7%アップ、ただし流通在庫はかなり積み上がったという感じで受け止めております。

2001年の展望ですけども、 GDPの伸び率が政府予想の通り4.5%で推移し、大きな国内経済変動要因がないとすれば、原材料・素材産業としての化学品、石油化学は昨年からの高稼働 率を、少なくとも本年中央ぐらいまでは維持できるんじゃないか。また、マクロの工業生産が高位であれば、生産財、中間生産財向けを中心に好調を維持できる と思われます。一方、非耐久消費財などの、小売り部門に近い業界では先ほど言いましたように、消費者物価と卸売物価の乖離、要するにコスト増の製品価格安 と、こういう事で、採算が引き続き厳しい環境となる可能性があると思われます。あと輸出業界は能澤さんの方で申し上げられた通り、米国等の推移によっては 大きく変ってくる可能性があると思います。以上です。

2001年上期業種別部会長懇談会-化学部会(レポート)

当部会の上流部門である石油化学、合成樹脂部門から川下に位置する写真フィルム、文具へと業界毎に以下報告いたします。

I.2000年回顧

① 石油化学、合成樹脂分野

2000年の石油化学業界は、ブラジルのマクロ経済及び自動車を始めとする工業生産の好調を受けて合成樹脂、合成ゴム、合成繊維の3大業界の好調な需要 に支えられ前年比10%伸長した。一方で前年比50%増となったエチレン誘導品の輸入、パラキシレン及びその誘導品の輸入が国産品を大きく圧迫、とくに PET樹脂の安値輸入品が国内メーカーへの価格圧力となった。更に上流部門において深刻な影響を与えたのは国際原油価格の高騰であり、年初の25ドルから 10月には38ドル、年末に33ドル(年平均28ドル)と乱高下し、これに連れて国内ナフサ価格も8月に史上最高のUS$298/トン、年末には US$294/トンとやや下げたものの不安を残して終わった。このナフサ高でエチレン以下の誘導品はコストアップを強いられた一方、上述の輸入品攻勢、電 力料金の値上げなどで総じて採算は圧迫された。

PE,PP及びPVCなどの汎用樹脂 は価格面で厳しい展開を強いられながらも根強い需要に支えられ高稼働率を維持、PPは過去2年継続して落ち込んだ生産量が1998年のレベルを超える 167万台にまで復活してきた自動車向け、及びPSは輸出、国内とも好調であったAV機器中心に状況改善が著しかった家電並びに通信機器を中心とした電 気・電子業界向け及び輸出が増加した雑貨業界の好調に伴い基本的に好調に推移した。 PCも国際的にタイトバランスで市況も高位安定、フル生産フル販売で進展。 PETも清涼飲料・水向けから食用油へシェアーを拡大、前年比10%増を記録した。合成繊維業界も国内輸出とも好調に推移。ナイロン、ポリエステルなど合 成繊維が末端衣料品の旺盛な需要に支えられ繊維用中間原料であるカプロラクタム、エチレングリコールと共に好調だった。

タイヤ業界は①交換タイヤ 2500万本 ②新車用途 800万本強 ③輸出(生産量の20~30%) からなっているが交換タイヤは景気動向に左右されるが2000年は前年比7~8%増、輸出は切り下げ後の為替メリットもあり業界各社とも増加、新車生産量増と共に増えた新車用と合わせ物量面では好調だった。

一方、合成ゴム、天然ゴム(85%を輸入)、カーボンブラックなど原材料の70%が輸入であり原油価格の上昇、為替の切り下げの影響を受けコスト押し上げ要因となっており採算は年々悪化している。

 

② 接着剤・シール剤

合樹同様シール剤、接着剤市場も自動車、部品メーカーの増産、モデルチェンジがあり前年比約20%伸長し、加工部門での樹脂使用量が10%増となり、全 体でも前年比10~12%増となったプラスチック業界と合わせ好調業種となった。 また、部品の国産化に拍車が掛かり販売チャンスが増える傾向が出てきた年であった一方、一般消費者用では中国からの偽物に混乱させられた年でもあった。 製紙用、接着剤、塗料用と多岐に渡る分野で使用される松脂化学事業は使用される業界状況によって需要はまちまちながら、

①製紙、紙パルプとも価格が回復した事より当国製紙業界は略100%のフル稼動となり、ガムロジンも含めた製紙用薬品の需要も増加

②接着剤メーカーでも自動車の増産に合わせる形で内装に使われる接着剤の消費は増加となったものの、当地のガムロジン消費量全体では大きな増加は見られなかった。

2000年の冬が霜害に見られる通り寒かった事、松脂採集開始時期の9月、10月になっても気候が回復しなかった事より原料の不足、価格の高騰を招いた が、製品のガムロジンは最大の生産国である中国が年を通して安値を維持したためこれに追随せざるを得ず、原料高、製品安となった。

③ 金属工作油

自動車生産台数が前年比大幅アップ、ドル高を背景に部品の内製化に伴い、国内生産は10%以上のアップとなり関連する機械工業も20%強のアップと見ら れ、これらに加え鉄鋼も自動車向け、輸出向けが好調で粗鋼生産も前年比+10%程度となるなどこれら好調業種向け加工用油剤も15~20%の需要増となっ たと推定され、98~99年と減少してきた販売量に歯止めが掛かり97年のレベルに回復。ただし採算面では原油高による度重なる潤滑油の値上げ(前年比 60%強)、一般管理費増などで販売量には比例しない状況となっている。

 

④ 水処理剤

需要家は石油・石油化学、鉄鋼、紙パルプに代表される大手需要家が構成するA市場と繊維、機械、食品、化学品などで構成するB市場に大きく分類され 100億ドルと言われる薬品市場で夫々40%のシェアー構成となっている。2000年はA市場の業界の好調を反映し水処理薬剤も好調だった。

⑤ 写真フィルム

切り下げ直後の99年は危惧された需要の後退は起らなかったものの、2000年については5月、12月と前年並みあるいは良かったもののその他は前年割れと 不調であった。ブラジル経済がマクロで回復基調とされるのに対し消費者物価に代表される様に非耐久消費財は逆にマイナス基調であった事、更に消費者の購買 優先度が携帯電話などの電子電気機器に向かうあるいはガソリン代の値上げに食われるなどして娯楽用アイテムの写真フィルムの消費に回ってこなかった結果と 思われ、結果としては数量ベースでは前年を割り込んだと思われる。価格的にもスローマーケットを反映し5月に市場価格の5%値下げがあり、それを11月に 引き上げたもののこの間の為替安、インフレなどでほぼ相殺され、需要喚起のためのスポット的なプロモーション等により実質値下げが繰り返され総じて99年 比低価格で動いた年だった。

⑥ 文具

ボールペン、サインペン、 マーカーなど原材料にプラスチック、染料、インクなどを使用する化学業界川下の代表的な業界。ブラジル経済の回復に合わせ98、99年と順調に伸長(98 年比1.4倍)し、2000年も10月まではまずまずではあったがクリスマス商戦を迎えた11 月、12月は低調で7月の業界見本市で成約した契約の消化が進んでいない。これは写真フィルム同様マクロ経済の好調に対し個人消費の偏りによる処大きいた めと思われる。売上の20%強が輸入品であり下期の為替安で採算が悪化、ブラジルの実感物価水準との乖離が進み問題。

 

⑦ 農薬

99年末から続いた中・南部の干ばつは2000年7月まで長期に続き00/01の大豆、コーン生産並びに冬作に多大な影響及ぼしこれに7月8月の霜害が 追い討ちを掛ける形となり、これら地域での99年末からの流通在庫の消化が進まず、各社とも販売維持のため00/01シーズンに向けた販売でのサイトの長 期化、委託販売などの通常でない取り引きの増加、期日前決済奨励、販売奨励などの形での値引きなど市場の混乱が続いた状況で2000年を終えた。一方大規 模栽培のセラード、コストを掛けない東北伯などでは気候に恵まれ、大豊作となり、棉などを中心に農薬の出荷は好調であった。ブラジル全体では99 年を上回る収穫量となったため干ばつ、霜害で一時的に作物価格の上昇が見られたものの、東北伯などからの安価な作物により全体として作物価格は上がらず コーヒー、大豆などの国際商品相場の低迷も重なり農家の農薬選別に拍車を掛ける結果となった。拡大してきた棉の栽培面積も国内需要を賄い輸出に回せるレベ ルになり、大豆などの不耕機栽培技術などの技術革新も一巡した状況で新規市場の拡大が頭打ちとなってきているが、政府のインフレ政策の影響で作物価格が上 昇しない事もあり為替、一般管理費の上昇に伴うコスト増を製品価格に転嫁出来ない、容器回収義務など環境対策コストの上昇など業界は構造的な問題を抱え始 めたと言える。2000年のドルベースの業界売上は前年比7%増の 21.5億ドルとされているが実質は99年比マイナスと見られる。2000年も大手医薬会社の農薬部門売却、切り離しなどの再編、合従連衡の動きが激しく なっておりこの1年の間に当地でも上位10社の内6社が3社に集約され、この3社で市場の50%強を占める状況が出現している。これは農薬部門に限らず化 学品業界全体に言える事で三井化学、住友化学の合併が日本でも発表されている。

⑧ 化学品輸出入

有機製品(粗原料)、中間生産材などは好調だったが末端消費材に近い商品群は不振と、二極化した。また経済が回復してきたアジア向けなどへ商品が回され 運賃が高く市場価格が安い当国へ玉が回ってこない傾向が強かった。一般化学品では中国品などとの差別化が図りにくい事もあり価格競争力で劣勢となってい る。 また当地大手需要家である欧米マルチナショナルはGlobal Procurementと称して原材料の集中購買管理を強めており、当国内での販売交渉が閉ざされる傾向が強まっている。

 

II.2001年展望

2001 年のGDP伸び率が政府予測の通り4.5%程度で推移し大きな国内経済変動要因がないとすれば、原材料・素材産業としての化学/石油化学は昨年からの高稼 働率を少なくも本年中央まで維持出来ると判断され、マクロの工業生産が高位であれば生産財、中間生産財向けを中心に好調を維持出来ると思われる。一方、非 耐久消費財など小売商部門に近い業界では、消費者物価と卸売物価指数の乖離に見られる通り、為替、ナフサ、経費増などのコストアップ要因を最終価格に転嫁 することが難しい状況が続く事が予想され、採算面では引き続き厳しい環境となる可能性がある。また紙パルプなど輸出比率が相対的に高い企業は米国経済の変 調に伴い影響を受ける可能性高いがドル安、ユーロ高となり欧州向けに活路を見出せると思われ、化学部会全体を見れば2001年は生産増を含め好調を維持出 来ると思われる。なお、国内エチレンセンターCOPENEの支配権をめぐる競売が昨年末不成立に終わり、本年3月までの間に再度競売実施が予定されている が、カマサリコンビナートの資本再編のこの動きは他のエチレンセンターの資本再編にも及ぶ可能性を秘めており目が離せない。

2001年上期業種別部会長懇談会

当所総務委員会(村岡委員長)主催「2001年上期業種別部会長懇談会2001」はさる2月1日正午から当所会議室において行われた。

ブラジル経済2000年の回顧と2001年の展望を主題、「ブラジル・カントリーリスクに対し影響を与える外的要因」を副題に、10部会長の活発な意見表が行われた。

 

出席者
会頭 貞方賢彦 (ヤクルト商工)
司会:総務委員会 委員長 村岡真理 (ブラジル住友銀行)
コンサルタント部会 部会長 田中 信 (リベルコンビジネスM&A)
金融部会 部会長 福岡米三 (ブラジル東京海上保険)
貿易部会 部会長 能澤信一 (丸紅ブラジル)
化学部会 部会長 新井章夫 (ブラジル北興化学)
機械金属部会 副部会長 大沢勇四朗 (OSG)
繊維部会 部会長 名取 力 (ブラジル東洋紡)
食品部会 部会長 上原清助 (日進味の素食品)
電気電子部会 部会長 江口信彦 (NEC・ド・ブラジル)
建設不動産部会 部会長 鳥羽広明 (ブラジル清水建設)
運輸サービス部会 部会長 横山幹雄 (日本航空サンパウロ支店)
総務委員会 副委員長 赤嶺尚由 (ソール・ナッセンテ人材銀行)
同委員会 委員 藤下温雄 (ブラジル三井物産)
委員 潮隆明 (ソニー商工)
委員 天羽義一 (インドゥストリア日立)
オブザーバー 小島総領事、玉川領事、花田領事、 内田専門調査員

 

開会の挨拶

司会の言葉

コンサルタント部会

金融部会

貿易部会

化学部会

機械金属部会

繊維部会

食品部会

電気電子部会

建設不動産部会

運輸サービス部会

総務委員会メンバー、他のコメント

自由討論

レポート-コンサルタント部会

レポート-金融部会

レポート-貿易部会

レポート-化学部会

レポート-機械金属部会

レポート-繊維部会

レポート-食品部会

レポート-電気電子部会

レポート-建設不動産部会

レポート-運輸サービス部会

2001年上期業種別部会長懇談会-開会の挨拶

小島在サンパウロ総領事

本日はお招き頂きあ りがとうございました。立場としてはオブザーバーですので、開会の挨拶というのは極めて僭越でございます。前2回出席の経験は非常に参考になりました。更 に言えば、昨年コロールプラン以降のそれぞれの時点におけるブラジルの経済、あるいは日本とブラジルの経済関係を、商工会議所がどういう風に見たかという 事を調べてございまして、その関係で90年以降、この業種別部会長懇談会の記録を全部見させて頂いております。非常に参考になりました。ちなみに、私の間 違いがなければ、田中 信先生は欠席なしで全部出ておられる。その意味で当地におけるブラジル経済及び日伯経済関係の生き字引という事ではないかなと思い ます。今回田中先生をはじめ、各部会長の話を拝聴させて頂きます。

2001年上期業種別部会長懇談会-司会の言葉

部会長の皆様から発表頂きますさいに今回の副題についてふれて頂きたいと思います。副題は「ブラジル・ カントリーリスクに対し影響を与える外的要因」ということで私のほうから、若干補足いたしますと、昨年度のブラジルのカントリーリスクは予想以上の改善を いたしました。とくにインフレをはじめ国内ファクターについて大幅な回復を遂げたわけですが、年後半からドル/レアルの為替相場の動きにも現れている通 り、ブラジル経済も若干の揺れを見せ、外的要因に対するいわゆるストレス耐性に対しては、引き続き弱い体質という事が浮き彫りにされた感じがします。外的 要因は米国景気のソフトもしくはハードのランディング、ユーロの不安、メルコスール、なかんずくアルゼンチンの情勢、原油価格、中東情勢その他いろいろあ るかと思います。各々の業種によると思いますが、各部会ごとに当地ブラジルで商売をしてゆくに際し、ネックとなる項目について留意しておく必要のある外的 要因につきまとめて頂けたらと思います。それでは田中コンサルタント部会長より発表をお願いします。

2001年上期業種別部会長懇談会-総務委員会メンバー、他のコメント

司会: 2000年は急速に回復したブラジル経済を反映いたしまして、各部会とも、一部の例外を除きまして、全般的に好調であったかと思われます。ここで本日、総務委員会のほうから出席されておられます方々に、ご意見がございましたらお伺いします。赤嶺 さん

 

●政治動向を追いたい

赤嶺: 皆様のお話を拝聴しながら考えた事ですが、私自身は先ほど、田中信先生のお話にもちょっと出てきたのですが、この2月14日に行われる上下両院 議長選挙に関連して2002年に行われる次期大統領選挙に与野党からどんな候補が出てくるか、そういった事にそろそろ注目したいと考えています。皆様もご 存知の様に、FHC大統領は95年1月からの第一次政権、99年1月からの第二次政権を合わせますと、これまで6年間にわたって政権運営に当たってきた事 になります。次期大統領が、現大統領の意思を汲んで果たして、その経済政策を踏襲してくれるか、あるいは、いままでの経済政策をガラッと変えるような候補 者が野党陣営から出てきて当選するのか、この辺りは進出企業、我々地場企業を問わず、非常に関心・注意を注いでおくべき事だと考えます。今までのところ、 与党陣営から出馬してきそうな候補としては、セアラ州のタッソー・ジェレイサッチ現州知事、ジョゼ・セーラ現保健大臣。野党陣営からはシーロ・ゴーメス元 セアラ州知事、及びPTのルーラ名誉党首、こういう顔触れが一応予想されますが、誰がこの中から出てくるのかは、FHC大統領が残された任期の2年間でど ういう実績をあげるか、あるいは昨年10月の統一地方選挙で当選したPT系列の各市長がどういう実績をあげるか、この辺りが決め手になりそうで、皆さんと 一緒に政治の世界のことにもこれからじっくり注意を注いで行きたい、と考えています。以上です。

 

●米景気減速影響を感じる

潮: 皆さんのお話をお聞きしまして、業種が皆さんそれぞれ違うので、景気の動向が早く出るところと遅く出るところがあるなあと。何が言いたいかと言う と、 2000年は、おかげさまで好調だったが、うちの例を見ますと、アメリカの景気が悪くなったと言う途端に、アメリカで非常に悪くなっております。それと同 時に、ここもそうですが、じかに店に卸しますので、大衆の動きがすぐわかる。とくに個人消費がすぐ響いて去年の暮れまでは良かったが、メーカーも店もお互 いにオーバーエスティメートしたところがあり、正直言って一月、テレビがまた街にたまっているというような事で、今年はかなり厳しくなるのではないかと思 います。乱気流に入ったように、上がっては落ち、上がっては落ちる。電気業界というのはそういうところだと思ってはいますが。

全体的に やはりアメリカの株価が落ちて、適面に出てきております。ですからこの影響と言うのは、しばらくは続くだろうと。まあ、96年をピークに3年間は耐え抜き ましたので、去年ちょっと上がったかなと言う事で、落ちるのにはもう慣れておりますので、少々あっても、また同じ様な事だと理解しております。

 

●中、韓メーカーとの 国際競争に巻き込まれる

天羽: まだ、こちらに来て3カ月ちょっとと言う事で、今日は勉強のために出席させて頂いたのが半分ぐらいなのですけども、業務用のエアコンを造ってお り、前年比では二ケタぐらいの伸びで昨年は終わりました。ただ、伸びた割には業績が余りよくないという感じです。一つは海外の中国とか、韓国のメーカーと の競争がブラジルでも起こって、いわゆる国際競争の中に巻き込まれつつある感じがします。従っていい製品を高く売るとか、あるいは、いい値段で売ると言う 時代が去りつつあるんじゃないかなと言う感じを強く持っております。

そう意味で、我々は直接エンドユーザーに売るわけではないのです が、建築設備業界とか、冷凍・空調工事屋さんとの、コミュニケーションを良くして行かないと、生き残れないのではないかと思っております。もう一つは、や はりブラジル経済が良いということもあるのでしょうけども、労働組合が非常に強気と言う事で、かなり賃上げが経営を圧迫しつつあると言う感じもします。ま あ、そういった意味で、我々の希望としましては、この安定した経済基盤がしばらく続いて、ある程度量で稼いで、なんとかこの国の中で伸びて行きたいと、そ ういう風に思っているところです。以上です。

司会: ありがとうございます。藤下様。ご感想等お願いします。

 

●2001年は気を引きしめて

藤下: 本日、本会に参加させて頂きまして、非常に勉強になりました。ありがとうございました。私共は商社として貿易部会に入っておりますので、能澤部 会長のもとで、今年の見通しについて話し合あわさせて頂きました。本日皆様のお話を伺いますと、今年も好調と言う業種が非常に多かったのですけど、貿易部 会の方は、どちらかと言うと厳しいと言う見方が多かったと思います。私どもの会社は貿易を扱っておりますので、為替の安定、金融業界の安定、この辺がポイ ントになるわけですが、本日のテーマにあります様に、米国経済の動き、アルゼンチン情勢、原油の方はだいぶ落ち着いてきましたけども、不安定要素は数々あ りまして、引き続きゆったりとした年ではなくて、気を引き締めてい行かないといけないんではないかという、見通しを持っております。以上です。

2001年上期業種別部会長懇談会-自由討論

 

司会: 質問を含めまして、これから自由討論に移りたいと思いますが、玉川領事様、いかがですか。質問を含めまして、今回の皆様の発表に関しましてのご感想を。

玉川: 為替切り下げの直後ぐらいに赴任してきまして、部会もずっと出させていただいているのですが、こんなに早くマイクが回ってきたのは始めてで(笑 い)、まだ考えをまとめている途中であったのですけど、そういう意味では非常に業績の回復と言うのを実感させていただきました。できればこういうマイクの 順番が続く事を願っております。

司会: 花田様いかがでしょうか。

花田: 前回の部会で初めて参加させてもらったの ですが、昨年の部会の時の皆様のご意見というのが、やはり2000年はよくなるだろうと予想が大半を占めて、結果的に今回、一部の業界を除いて全般的には 好調であったという事だと思います。その中で私達の関心事項の一つであります、日伯の経済交流がこれから本格的に活発化してゆくという事が、どういう風に 行われればいいのかなという事も、ちょっと気になっています。以上です。

司会: 内田さんは来られて、まだ間もない

内田: 9月の末に参りまして、あっという間に4カ月間過ぎてしまったので、昨年の状況に関しては皆さんと一緒に体感するという感じではなかったのです が、いろいろと公開情報を読んでおりまして、昨年好調という事で、今年に関しては、非常に意見が分かれている所なのかなという気がするのですね。ただ、ブ ラジルの新聞を中心に読んでますと、やはり楽観的な見方が多いので、これはちょっと、ある意味でアナウンスメント効果と申しますか、ある程度心理的な面 で、持ち上げて行こうと言うような、持っていき方がマスコミの中にあるのかなというのを感じる一方、本日のように業界の皆様の話をきいていますと、やはり 具体的に厳しい部分とか感じ取れまして、非常に勉強になりました。ありがとうございました。

司会: 先ほど10の部会の部会長様のお話で、質問、およびコメントがアトランダムにお話いただけらと思っているのですけれども。

田中: さきほどメルコスール貿易が増加したとのご説明がありましたが、99年はブラジルの切下げの影響で大きく減少しました。切下げ前の98年と比較した数字をお持ちであれば教えて下さい。

 

●対亜輸出98年は68億ドル

能澤: 98年でよろしいですか?99年は切り下げがあったけども、それほど大きく落ち込まなかった。98年のアルゼンチンに対する輸出、これが68億 ドル。1 -10月の資料でですね。今までこの会議では1-12月の資料が間に合わなかったのですね。ですから、1-11月でご報告していたのですが、ブラジルの IT化は非常に進んでまして、今年から非常に早くなり1-12月がもう出るようになったのです。ところが、昨年以前は、1-10月とか1-11月しかない んです。

田中: 1-10月ではどうなるのですか。

能澤: 1-10月ではですね、98年が68億ドル。それで、 1-12月になりますけど、アルゼンチンが54億ドル、2000年が62億、やはりちょっと落ちていますね。輸入の方はよろしいですか? アルゼンチン2000年度、対前年比16.2%輸出が伸びていますけども、主な物は通信機器、これが203%伸びています。あと、乗用車、トラクター、そ ういう感じです。

赤嶺: 名取繊維部会長、先ほどは情容赦もない非情な計測係りに、お話をカットされてしまいましたけども、私のつい不 注意でしょうか、先ほどのお話の中で、ブラジルの繊維業界の今ままで辿ってきた足取り、といいますか、変遷は良くわかったのですが、繊維業界が現在置かれ ている状態、とくに去年の状況なども、お話にございましたでしょうか?2000年度における繊維業界は、売れて売れて仕方がないとか、そういうような状況 にございましたでしょうか?

 

●繊維業界の期待 普通の年よりよい2001年

名取:  ブラジルの繊維業界が大きく変貌したのは1990年代。その前の80年代はとにかく儲かったのですよ。なんで儲かったかというと、関税障壁に守られてい て、インフレが凄いものだから、為替がどんどん切り下がるでしょう?輸出すると、代金を貰う頃には、それが増幅しているわけですね。そんな事もありまし て、1980年代は8億ドルから9億ドルの外貨を稼いでおった。それが1992年ぐらいからだんだん減ってきまして、95年についに入超に転じました。入 超のピークが、私がターニングポイントと申し上げた、1997年です。例のアジア・ショックがあった年ですね。この年が逆に、12億ドルのマイナスです。 私の記憶ではこの年あたりがブラジルの繊維産業の非常に苦しい時期ではなかったかなと思います。で、ここからしかし、輸出入のバランスが少しずつ改善され て来まして、1999年は4億ドルの赤字に改善された。去年はやはり、4億ドル程度。今後もちょっと、輸出より、輸入が多い。というのは、いま生産力がほ とんどフル稼動で需要の伸びを輸入の増加で補わなければいかんような、状況じゃないかと思います。そういうことで、繊維産業全体にいいのですが、個別の景 気で行きますと、1番良かったのはレアル切り下げ、1999年の1月にレアルが切り下がりまして、大体3月、4月ぐらいから繊維産業非常に好調になってき ました。これは輸入がレアル安のために止まったという事があります。その好調が去年の10月ぐらいまで続きました。しかし、11月、12月に入りまして先 ほど申し上げましたように、大体35,36%の輸入増加があったようで、それが市中の市況を軟化させているということから、去年の11月、12月は普通の 年に戻った、そんな状況です。一昨年の1999年の冬などは、フェリアスを取る工場は少なかったのですが、去年は、もう例えば2週間ぐらい正月の前から工 場を止めたとかですね、そういう、普通の年の状況になっている。先行きは、いまちょっと11、12、1月と弱いのだけども、また2月頃から回復するであろ うというのは、店頭在庫があまりないわけで、よく売れている。だから在庫が中間の段階に殆どないので大丈夫じゃないかと見ております。だからざっという と、去年よりはちょっと悪いけれども、普通の年よりはいいと言うような状況が今年じゃないかと。

赤嶺: はい、どうもありがとうございました。

小島: 去年の外国投資は、一昨年を上回る306億ドルで、現時点の集計では、日本からの投資は21位というように、大国の中でも最下位に落ち込んでい ると言う状況で、今年度以降の動きとして、日系進出企業、地場企業の主なところでいいのですけども、新規投資の動きはどういうものでしょうか?主として製 造業になるかと思いますが。

 

●盛んになってきた製造請負業家電メーカーは投資する気はない

潮: 先に家電の話を少しいたしますと、まあとくに情報機械を中心に製造請負業が非常に盛んになってきて、アメリカの大手が非常に強くなっています。こ れはブラジルにも6社ぐらい来ておりまして、マナウスにも出てきています。ですから家電はどちらかと言うと、投資次第ではないかと。サードパーティーを 使っていくと言う格好でこれは。だんだん家電メーカーそうなると思うのですが、ブラジルだけでなくて日本でも、うちなんか工場を一緒にしまして、合理化を 図る、という動きになってますので、家電としては、うちとしてはあまり投資をする事はない。出来るだけ外の力を借りてやって行くという形になると思います。

 

●投資は頭脳のほうへ転換

江口: NABも今いわれた、カナダの会社なんですけ ども、工場を売却しました。そちらに投資を全部お願いしました。昨年は7MUS$の投資をさせております。で、これはNECだけではなくて、通信では同業 他社のエリクソン、ルーセント、モトローラなどコントラクト・マニファクチュアラーに生産を委託しております。そちらに投資をさせると、本業をむしろ、営 業、企画、マーケティング、そういったほうに投資がシフトして行きますので、どちらかというと、物づくりから、頭脳の方に転換して行きます。生産への投資 よりも人材育成やソフトウェアーへの投資が増えてくるという事で、製造業への投資額は減るのではないかと見ております。

 

●いい話ばかりでない 自動車部品業界 ― メーカー大変な苦労 ―

大沢: 自動車部品関係、自動車の国産化率アップそう言った物が、生き残るための条件として、トヨタさん、ホンダさんに、これからピックアップを大沢: 自動車部品関係、自動車の国産化率アップそう言った物が、生き残るための条件として、トヨタさん、ホンダさんに、これからピックアップをルノーの工場で始 めるという日産さん含めまして、部品の国産化、自分のところで内製できるものは、内製率アップ、そういうようなことがやはり急務になっているわけです。先 日からトヨタさんが3億ドル、この先5年間のうちに投資をすると言う事を発表されましたけども、あれもやはり当然そういった、昔から言われている自動車会 社が、工場が収益を上げるための条件として、年間10万台というラインですね。そこまで持ってゆくためにはやはり、裾野が広いですから、自分達だけでは出 来ない。そういった事で部品工場、そういったところ誘致しているわけなんですけども、実際今まで出てきているところ、出てきて1年、2年、ホンダさんトヨ タさんを中心に納めている所の話を聞きますと、物凄い苦労をされているのですよね。先ほどのいい話ばなりじゃなくて、数量ベースで50%、60%伸びたと いう所でもですね、実際の話を詳しく伺うと、こんな数量じゃとてもじゃないけど駄目だと。実際、数量は増えたけど、実際の話赤字も増えちゃったとそういう ようなことで、ニッチもサッチもいかないというか、国産で増やしたいのだけども、国産でつくるほどの数量が集まらないから、他のところにいろいろアピール してやっているのだけども難しい。かといって、輸入で持っていったら、為替のせいで、これもやっぱり赤字。これじゃどっちにしても赤字じゃないかというな 事で、中にはもっと他の物をやろうじゃないかという事で、ここの既存の自動車部品メーカーを買収して、そこで活路を見出そうというような動きも出ているよ うです。日系の力のある部品メーカーさんですね。ですから、必ずしも売上が増えたから儲けも増えたというのが言えないというのが現状で、またコストダウ ン・リストラ、数量が2割3割増えただけども、首切りリストラをしないと立ち行かないというような所が結構あるのです。そういった面でまあ、悪い話という のはそういう所なんですけども、ますます、皆さんのところもそうだと思うのですけども、収益性が悪化してるという事は言えるようです。もう一つ日本で下請 けメーカーさんにこちらに来い来い声がかかっても、腰が重いのは日本の状況があるのですけども、そういうようなことも言えるんじゃないかと思います。ただ 案件としては何件かありますし、今年も5社や6社は出てくると思います。以上です。

赤嶺: もう一つよろしいでしょうか。NECさんは最近、2世のトップを起用なさいましたけど、そのあたり、特定の会社を対象にしての質問で申し訳ないのですが、どういうお考えに基づいていらっしゃるのか、ちょっとお伺いしたいと思います。

 

●商売優先 ― トップに ブラジル人を起用したわけ

江口: 2世というか、ブラジル人と思っていいのですが、やはりここで商売しようと思いましたら、私どもの売り先は必ずしも日本企業、進出企業ではござ いませんので、やはりブラジル人の顔で、こちらの言葉を話して、こちらの文化を持った人が向こうのトップとわたり合う。これが一番重要だと思います。日本 人が出て行きまして、日本の文化で、日本語でしゃべったら決して商売できないと思いますね。そういう意味でトップにこちらの人を据えまして、副社長には日 本人が来まして内部を統制する。外はブラジル人、中は日本人、という体制を組んでやっております。その方が商売上は非常にいいんじゃないかと思っています。

 

●現地の人登用は英断

名取: その事に関連して、この間、住友商事の後藤さんと お話したのですが、あそこは、ナンバーツー、ナンバースリーにこちらの現地の方を入れました。私は非常に英断であるといったのですが、それは確かにそう で、非常に語学の問題で、精力を使うけれど。そんな話をしたんです。実は、うちも現地の方をこれまで日本からの出向者だけがしめていた営業部長担当と、人 事、経理担当ジレトールに致しまして、一人は日系人で日本語が話せるのですが、一人は全く日本語が話せません。しかし双方歩み寄ってですね。言葉の問題は 解決しているのですが、私が言いたいのは、紡績業界のなかで、最低価格制度をはずしましょうと。日本だったら紡績業界で決議して、通産省に陳情しても 「じゃあ、調査」という事で2年ぐらいゴタゴタやっているうちに、景気が悪くなって、自粛してうやむやになる。そういう歴史だったのですが、ここは問題が 起きるとすぐに対応できる。その対応できる時に、政府に交渉するのに我々の語学ではどうしようもないわけでそれをやはり、こちらの現地の人間に経営を任し て行くのは非常に大事。かつても台湾から急に輸入が増えた時も台湾に数量規制かましたのですけど、そういう事もただちに紡績業界の中で、こちら側の人に政 府、あるいは協会のトップと交渉させる事によって普通に出来るわけですよね。それからもう一つ、こちらは訴訟社会です。労働訴訟を恐れて人事政策をやりま すと変な事になってしまう。こちらの人を人事のトップに据えますと彼は労働訴訟なんて恐れないですね。何件も労働訴訟を抱えながら、これは50%で勝ちだ から、このくらいでちょっとお金を積んでおくとか、平気でやっているわけです。それはやはり、強味だろうと思います。

司会: 定刻の3時になりましたので、最後に貞方会頭から。

貞方: 本日は大変貴重なご報告を拝聴させて頂き、ありがとうございました。総領事もすでにこの会議に2回出られているそうですけども、私は去年6月に 三好会頭から引継ぎまして、ちょうど7月のこの会議は病気をして、退院したばかりで、出れなかったのですけど、今後は是非、出させて頂きたいと思います。 本日は大変ありがとうございました。

司会: それでは大変ありがとうございました。ご多忙中集まっていただきまして。本日の業種別部会長懇談会、これで終了させて頂きたいと思います。ありがとうございます。

― 終わり ―

 

2001年上期業種別部会長懇談会-運輸サービス部会

  • 日伯間加え、国際航空路線順調な伸び
  • 国内路線は2社割り込み価格破壊
  • JNTO、白人客誘致に頭をしぼる
  • 海運船腹量が7年間に2倍増
  • 広告・宣伝媒体はTV減、新聞増
  • ホテル増設、ベリーニ、N.ウニダスが激戦

 

●M&A目立った年 業績は年央から回復

司会: ありがとうございました。それでは最後に、運輸・サービス部会の横山部会長お願いいたします。

横山: 日本航空の横山と申します。前任者の加藤の後を引きついでご報告させて頂きますが、何分、来て4カ月ぐらいしか経っておりませんので良くわかっ ていない事と、見ますと範囲が9業界ぐらいあり、通信のほうは、江口さんにお願いしたのですが、それにしても後七つぐらいあり、まとめる事に自信がないの ですが、なるべく時間内に終わらせたいと思いますので、よろしくお願いします。皆様の業界、非常に好調という報告がありまして、私がまとめる一部を除きま すと、大体景気の影響が最後に現れてくるところが多いのではないかと言う感じがしております。いままで調子が悪かったところも徐々に良くなってきていると いうのが大雑把なまとめです。順番に、航空、旅行、海運、貨物、リテール、広告宣伝、ホテルこの順番で報告して行きたいと思います。

最 初に航空業界ですが、全体としてはまずまずであったと。わけまして日伯ですがこれについては、96年ぐらいから徐々に減ってくる傾向が、日本の景気とも関 連する出稼ぎ需要のほうが回復傾向にありましてバリグさんの名古屋線3便、私ども(JAL)の日本行き、5本飛んでいるのですが、前年比でちょっと増えて いるという現状です。客態別では、中国人、韓国人のお客様が増えているというのが特徴かと思います。

それから、米伯間は極めて激戦地区でございまして、週132便飛んでおります。私どもの4便、ニューヨークに飛んでおり、これも全体としてお客様が増えております。

国内の方ですが、6786万人、前年比8%増えていると報告されています。とくに最近は2社ほど、格安航空会社が出現し、価格破壊、国内線の運賃につい ては相当な影響を与えているようです。2000年は概ね順調で、2001年につきましてもほぼこの傾向が続くであろうという事がいわれています。とくに成 田の問題ですが、Bランウエイがオープンされる予定です。これがオープンされますと、発着枠が増え、競争がますます激化して、かなりの影響が出てくるもの と思われます。航空業界については、とくに原油価格の問題が非常に大きいとなっております。つづきまして、旅行エージェント業界。これも似たような感じで すが、日本への旅行者数が増えているという事があり、例えばツニブラさんですと、前年比で 24%売上増になっている。ただし、期待はずれは、「ブラジル発見500年イベント」。相当企画が予想されていたが、実際にはそれほど伸びにはつながらな かったと言われております。


●カントリーリスクは 治安、為替問題が影響大

JNTO さんの調べでは、ブラジル人の外国旅行者数はこの所、非常に大幅な成長過程にあり、昨年度も30%強増えているが、日本行きのシェアー、これがそのうちの 0.6%しかないという事で、この辺を何とか色々工夫して、日本行きを増やして行く事が、今後の課題と思われます。2001年も、大体大きな変動はないで あろうと予想されているようです。旅行につきましては、常々言われている、カントリーリスクとして、治安の関係、あと為替の問題、この辺が非常に影響が大 きいと思われます。

つづきまして海運業界。これはアジア・ブラジル、アメリカ・ブラジル、欧州・ブラジル、それぞれあるのですが、全般的に前年比プラス。二ケタまでは行きませんが、それぞれ増えております。

2001年の展望ですが、主要定期航路で新造型コンテナの就航が活発化していることもありまして、船腹量の増加は1995年から7年間で実に2倍以上に 達しているという事がありまして、そうなると価格破壊的な問題が出てくるので、その辺の価格の問題、サービスの安定の秩序等々が課題ではないかという風に いわれております。

つづきまして貨物業界。活発な国内消費に支えられて部品輸入、完成品の消費財輸入等々が増えています。全般的な傾向 でもありますが、家電製品、IT関係の産品の輸出入、これが非常に盛んであったと報告されております。それから、国内消費に食われた感のある輸出は特定品 のみにとどまり、伸び悩んだと報告されております。2001年は、前年同様の傾向が続くであろうといわれております。各種のメーカさんが増産体制にある、 あるいは新規支出を計画されている企業さんがいるという事で、駐在員の派遣の増員が期待され、これが将来に結びつけばいいなというコメントがされておりま す。

リテール業界、これは自動車販売ですが、先ほどご報告がありましたので割愛させて頂きますが、非常に好調に増えていると。それから 2001年についても、1割前後は伸びるであろうと言われております。自動車販売はとくにアルゼンチンから輸入されている部分があり、亜国政情の影響が大 きいと報告されております。

つづきまして広告・宣伝業界ですが、今までどうしても何か切り詰める時はこういった広告・宣伝のほうのコス トを抑える傾向にあるのですが、ようやく、2、3年の傾向から脱して、広告宣伝のほうにもお金を使って頂くような形になってきたという報告です。ブラジル 全体で見ますと、TV関係が幾分減少、雑誌関係が横ばい、新聞関係が微増と、そういう風な形になっております。2001年は、大統領選を控えて、各新聞、 雑誌社とも活発な企画が予測されているという事です。

 

●“きれいな街づくり” にどう対応する

あと広告関係ではマルタ市長(サンパウロ市)になりまして、アウトドア関係で、視覚公害、きれいな街づくりなどというような事が、非常にうるさくなっておりますので、その影響が懸念されるという風に報告されております。

最後にホテル業界。2000年についてはさきほど申し上げましたが、ブラジル発見500年のイベントを期待、20%程度の増を見込まれていたようです が、計画倒れに終わったという風になっております。2000年は、今までの低迷から脱出しつつあります。とくにパウリスタ近辺、多数のアパートメント・ホ テルがオープンし、いわゆる低価格という事が前面に出てきたことが特筆されます。

2001年も、ホテル建設は続行しており、5月にグア ルリョスに新ホテルがオープンされる他、パウリスタ等についても多数のホテルを計画されているようです。ただ今後の見通しは、パウリスタ近辺から、ベリー ニ、ナソンエス・ウニーダス界隈に新ホテルの激戦区が移って行くのが予想がされております。ビジネス・ホテルに比べまして、とくにリゾートホテル関係が今 のところ好調で、その傾向は今年も続くであろう。前年対比で10%程度の成長を予想していると報告されております。外的要因につきましては、とくに宿泊の お客様の多い、欧米・日本の経済のパフォーマンス、それからメルコスール、とくにアルゼンチンの状況、これらの影響が大きいだろうといわれています。以 上、駆け足ですが。

司会: ありがとうございました。以上で各部会長の皆様からの発表が終わりました。ご協力大変有り難うございました。

 

2001年上期業種別部会長懇談会-運輸サービス部会(レポート)

I. 航空業界

2000年の回顧

総体的に業界全体としてまずまずの業績であったといえる。日伯間では96年から漸減傾向にあった出稼ぎ需要の回復により、好調な路線運営がなされた。バリグは名古屋線(週3便)が好調、JALも前年比微増となっている。客体では中国人の動きが活発化している。米伯間は米国の好景気に支えられ好調を持続したが、99年11月より開始したJALのNYC線(週4便)も徐々に浸透しつつあり、週132便の激戦区の米伯間で健闘しているといえる。国内ではTAMの成長がめざましく委託化を基本とした経営が成功しており、一方バリグは過去の借り入れ金が足を引張った結果となり、苦しい経営を余儀なくされている。再編問題はとくに進展がない。昨年の国内線利用者数は6784万人と前年比8%増。最近の格安航空会社2社の出現で益々競争激化となっている。

 

2001年の展望

伯国の政治経済社会情勢が安定しているので、おおむね堅調に推移するものと思われる。日伯間では出稼ぎ関係以外に県人会、宗教関係、企業間の動きが予想される。2002年春に予定されている成田のBランウェイ供用開始で益々競争激化が予想される。米伯間では米国の景気の翳りが懸念される。欧伯間にはTAMの参入が予想される。

足許のブラジルカントリーリスクに 対し影響を与える外的要因

米国景気のスローダウンと原油価格の影響は(SINケロシン価格1ドルで年間40億円の影響)、直接航空業界の業績を左右する不安材料である。

II.旅行エイジェント業界

2000年の回顧

97年度以降推移してきた業界全体の低調傾向に歯止めがかかり、若干復調した内容となっている。日本向けの出稼ぎ需要の復調,及び在日の出稼ぎ者のコンスタントな帰国・訪問、在伯進出日本企業(主としてメーカー)のインセンティブ顧客招待訪日の活発化、商用目的訪日ブラジル人の若干の復調等が要因である。JALとバリグの増便も大きく影響があったと考えられる。ツニブラ社の統計では対前年度比約24%の売上増となっている。他方、期待したブラジル発見 500年イベントによる日本からの観光客は予想外に低調であった。また、下期のペルー観光のキャンセルもマイナス要因であった。一方、訪日ブラジル人数は 2000年暫定数で対前年比で11.7%の伸びとなっている(JNTO調べ)が、ブラジル人外国旅行者数が大幅な成長過程にあり、昨年も対前年比で30%強の大幅増となっていることを考えると日本行きのシェア(0.6%と低調である)を増やすことも重要であろう。

 

2001年の展望

日本向け旅客のメインとなっている出稼ぎ目的の訪日者は降下する気配はなく、漸増の傾向にある。在日定着型に変化した出稼ぎ者の一時ブラジル訪問は若干減少する傾向にあるが、大幅に減る要因もない。宗教関係団体の訪日は横這い。県人会、クラブ、協会等の団体訪日は多少増加する見通し。日本を含む中国、東南アジア向けのパッケージ旅行も若干増えると考える。インバウンド(日本からの観光客の地上手配)は昨年度並みと推測。ブラジル人の海外旅行者数は、引き続き増加すると思われる。

ブラジルのトヨタカップ出場の有無も影響が大きい。

足許のブラジルカントリーリスクに 対し影響を与える外的要因

治安の安定・為替の安定が直接影響する。

III.海運業界

2000年の回顧

定期船コンテナ貨物におけるアジア・ブラジル間の輸出輸入は共に堅調に推移した。南北米州航路においても船社の統廃合が進み、また米国の好景気に支えられ、需給バランスは安定を取り戻している。ブラジル出し米国向け貨物は前年比8%増となり,木材と農業生産物が、米国出しブラジル向け貨物は前年比4~5%増となり、パソコン及び機械部品が大幅に増加した。欧州向けも同様に堅調な動きであった。乗用車の輸出はメキシコ向けを中心に34%増加したが、輸入は反対に2%減少した。

 

2001年の展望

世界の主要定期航路における新造大型コンテナ船の竣工が活発化し、総船腹量の増加は2002年までは毎年約10%と大きなものになり、1995年の 280万TEU(20フィート換算)から僅か7年で2倍以上に達すると予想されている。船社間の健全な競争関係を保ちながら、サービスの安定と秩序を維持していくべき成熟期がここ数年続く事になる。

足許のブラジルカントリーリスクに 対し影響を与える外的要因

米国経済のスローダウンがもっとも懸念される

IV.貨物業界

2000年の回顧

全体的には活発な国内消費に支えられて国内生産用の部品輸入や完成品の消費財の輸入が顕著であった。とくに家電製品用の電子部品・部材の輸入貨物が目立ち、かつセルラー電池の生産は、ブラジルが世界においてかなりのシェアーを確保していることもあり、これらの部品輸入が貿易金額の大半を占め非常に目立つ。また自動車生産も増産計画に基づき,関連企業の進出や部品メーカーの現地生産化も進行しつつあり,加えて部品・部材及び半完成品の輸入貨物が増加した。国内消費に食われた感のある輸出は特定品のみに留まった(品質・価格の点で)。引越し関連では前半期で下げ止まり、後半には増加傾向にある。

 

2001年の展望

前年同様、国内消費の活発さに助けられ、消費財の生産も増産へと継続されると期待できれば、輸入部品・部材は相変わらず好調さを維持できる。各種メーカーが増産体制あるいは新規進出を計画しており、順調に行けば派遣駐在員の増員も期待できるが、一方、金融業界の統廃合による減員は確実と思われる。次項の外的要因に左右される要素が強い。

足許のブラジルカントリーリスクに 対し影響を与える外的要因

● 米国景気のスローダウン:米国向けの輸出の減少・輸入の増加により貿易収支の赤字,中南米全体への悪影響

● ユーロ不安:対ドルの下落により南米製品の競争力が減退し欧州への輸出減少

● メルコスール/アルゼンチン情勢:メルコスールのシュリンク化が輸出の減少と輸入の減退を招く

● 原油価格/中東情勢:乱高下は輸送コストへ直接影響、顧客への転嫁が難しい

● アジア経済の減速:アジア間貿易取引に影響。

V.リテール業界 (自動車販売)

2000年の回顧

自動車販売の場合、好調な輸出に支えられて生産167万台(+23.7%)、卸売り148万(+17.8%)と順調に伸びた。安値乱売傾向が見られ競争が激化している。トヨタ、ホンダの大型追加投資が発表された。

 

2001年の展望

市場規模は生産,卸売りとも1割前後の伸びが予想される。崩れた価格水準是正のため、台数より利益重視の方針に変更されよう。

足許のブラジルカントリーリスクに 対し影響を与える外的要因

● アルゼンチン情勢:亜国からのスムーズな輸入継続に関係

● 外的要因統合:外貨借入に対する返済及び新規対応への影響(レアルの安定が必要)

VI.広告・宣伝業界

2000年の回顧

1999年度の変動為替相場制切り替えによるインフレの懸念も2年を経て漸く不安から脱出し一応の落ち着きを見せ、基本金利の引き下げや貿易収支の黒字など経済安定成長の明るい兆しもあり、長期的な広告企画が立てられるようになった。ブラジル全体でみると,TV関係は幾分減少(1999年度の48%が 2000年度には46%に)、雑誌関係は横這い(1999年度も2000年度も12%)、新聞関係は微増(40%から42%)となっている。

日本情報雑誌「MADE IN JAPAN」を始めとする日本語・日本文化紹介の書籍の販売が増加し広告掲載もコンスタントになった。

 

2001年の展望

来年度の大統領選挙を控え、各新聞雑誌社とも活発な企画が予定されている。企業側の出方次第の部分が大きい。媒体では、アウトドア関係はマルタ市長の視覚公害・綺麗な街作りなどで規制が厳しく活発な展開は見込みが薄い。新聞・雑誌も掲載料金の割引競争で凌ぎを削っている。

VII.ホテル伝業界

2000年の回顧

ブラジル発見500年のイベントを期待して年間20%の増長を見込んだが、イベントの大半が東北部の1地域で開催されただけで、サンパウロ市でも企画は不発に終わったようだ。2000年のホテル業界は概して復活のプロセスにあったといえる。パウリスタ界隈に多数のアパートメントホテルがオープンし、低価格でクオリティの高い客室を提供しており、ホテル業界に影響が大きい。大型投資の投下でビジネスマンの動きが活発化しつつある。とくに国内経済の安定の影響でリゾートホテルは活況であった。

 

2001年の展望

前年の傾向を引き継ぎホテル建設が続行している。従って価格競争も一段と激化しよう。ポサーダス社が5月にグアルーリョス空港に新ホテルをオープンする他、パウリスタ大通りとビラオリンピア地区にもホテルを建設中である。また、ブルーツリーでも2004年までに多数のホテルを建設予定である。パウリスタ大通り界隈は、現在、デラックスからビジネスまで多数のホテルが乱立しているが、今年から来年にかけてはベリーニ、ナソンエスウニーダス界隈が新ホテル激戦区となると予想される。またブラジル全体では、サンパウロの南部(ビジネス)、東北部(リゾート)が注目されている。サンパウロではとくにイベントの予定はないが、海外からの投資の増加によるビジネスマンの増加が期待され、前年対比105%成長を予測している。

足許のブラジルカントリーリスクに 対し影響を与える外的要因

すべての外的要因が影響する。とくに宿泊客が多い欧米と日本の経済のパフォーマンスが重要である。またメルコスール、とくにアルゼンチンの状況がブラジル経済に与える影響が懸念される。