自動車部会で日メルコスールEPAに関する意見交換会開催

自動車部会(セルソ・シモムラ部会長)は、2018年5月23日午後3時から4時30分まで16人が参加して開催、初めに企画戦略副委員長の二宮康史ジェトロサンパウロ事務所次長が、日メルコスールEPAに関する意識調査概要について、3月に日メルコスールEPA準備タスクフォース立上から勉強会での議論が活発に行われていること。今週すでに会員宛てに意識調査票を送付。商工会議所ホームページの日メルコスールEPA準備タスクフォース欄のEPAに関する日本政府とメルコスールの経緯・掲載、日メルコスール資料、EPAタスクフォース会合スケジュール資料を用いて、タスクフォースの概要とEPA締結に向けたこれまでの日伯間における取組、今後のスケジュールや活動方法、会員企業対象の日メルコスールEPAに関する意識調査の回答率アップの必要性等について説明、また6月14日にサンパウロ工業連盟(FIESP)で開催される日メルコスールEPA準備タスクフォース第5回会合での質問事前受付票の説明を付け加えた。

新保副部会長は、自動車並びに自動車部品関連のEU-メルコスールEPA交渉状況として、EU側並びにメルコスール側双方の関税撤廃期間やグレース・ピリオド、関税率、現調率、ドローバック制度存続などの双方の主張について説明、参加者はブラジル自動車業界や日系自動車・部品メーカーにおけるEPAの影響等について活発な意見交換が行われた。

参加者は新保副部会長(デンソーブラジル)、小西氏(AISIN AUTOMOTIVE)、安武氏(川崎モーター)、岡田氏(ホンダサウスアメリカ)、渡部氏(Nitto Denko)、寅田氏(TORATA)、米長氏(ブラジルトヨタ)、土門氏(ブラジルトヨタ)、浅羽氏(横浜ラバー)、大久保氏(ジェトロ)、二宮氏(ジェトロ)、上田領事(サンパウロ総領事館)、平田事務局長、吉田調査員、近藤秘書、大角編集担当

左から米長氏(ブラジルトヨタ)/小西氏(AISIN AUTOMOTIVE)/新保副部会長(デンソーブラジル)/土門氏(ブラジルトヨタ)

河野太郎大臣がジャパンハウス(JH)で日本の外交政策について講演

5月20日(日)、河野大臣は同日午後に亜国で開かれるG20外相会議を前に市内のJHにおいて午前10時半から11時半までの約1時間、日本の外交政策について基調講演を行った。

パネリストには著名なルーベンス・リクペロ大使、現FAAP大学経済学部部長/JHの名誉館長(元駐米ブラジル大使、元国連貿易開発会議(UNCTAD)事務局長が、また同大学教授のマルクス・ヴィニシウス教授がモデレーターを勤め、基調講演の後に会場の参加者を含めて活発な質疑応答が展開された。

会場には若い学生達をはじめ、サンパウロ工業連盟の国際担当理事や元駐英・駐米大使、政治家、企業人、日系社会の有識者等約120名が参加、会議所からは松永会頭、土屋副会頭、安田副会頭、蔵掛専任理事、長野専任理事、讃井専任理事、坂間監事会議長、平田事務局長が参加した。

折角の機会、会議所メンバーとの意見交換の場を期待していたが、平田事務局長は講演会を後にアルゼンチンへ向かわれる河野大臣に「日・メルコスールEPA協定についても宜しくお願いします」と丁寧に名刺交換を行った。

Pdf河野太郎外務大臣によるジャパン・ハウスでの講演内容

Foto: 外務省サイト

講演をする河野大臣

質疑応答の模様

河野外務大臣が初来伯、若い世代との連携強化に意欲

日系諸団体は河野太郎外務大臣の初来伯を祝い、ブラジル日本文化福祉協会の貴賓室で盛大に歓迎会を開いた。

河野外務大臣は5月20日から亜国ブエノスアイレスで開かれるG20外相会合に先立ちサンパウロを訪問、日系諸団体は19日夜文協の貴賓室で盛大な歓迎会を開催した。

日系社会を代表し、呉屋はるみ会長がブラジル日本移民110周年歓記念式典に眞子さまご臨席に対する感謝の意を込め丁寧に歓迎の辞を述べた。

河野大臣はこの機会を契機に中南米地域の日系人との交流を強化したいと挨拶、在日日系人に日本と母国を結ぶ懸け橋となる人材が育つ社会にしたいと意欲を語った。

平成9年(1997年)天皇皇后両陛下がブラジルを訪問された時の首席随行員が父、河野洋平(平成6年の日本国外務大臣)であったと明かしながら、ブラジルとの縁の深さに思いを馳せたエピソードを披露する場面もあった。

歓迎会には10人掛けの円卓テーブルを囲む約130名が参加、同大臣はわざわざ各テーブルを巡回挨拶、過去に例が無い懇談会模様は非常に印象的だ。

会議所から松永愛一郎会頭はじめ平田藤義事務局長、20数名の会員企業が参加した。

中南米IPGの第2回会合開催

ジェトロ・サンパウロ事務所知的財産権部が事務局を務める中南米IPGの第2回会合が、2018年5月18日午後にマクスードホテルにて開催された。日本側からは日系企業13社(21名)を含む28名が、ブラジル側からはブラジル産業財産庁(INPI)のピメンテル長官、モレイラ特許部長、マウロ・サンパウロ支部長の3名が参加し、ブラジルの知的財産問題に関して意見交換を行った。

冒頭、中南米IPGの高橋会長(ホンダ)は、知的財産権に関する問題に対し、官民一緒になって課題解決に取り組み、ブラジルの産業発展のため、密にコミュニケーションをとりながら活動していきたいと説明するとともに、日伯特許審査ハイウェイ(Patent Prosecution Highway – PPH)などのINPIの有意義な取組や、参加企業が発表する機会を設けていただいたことに感謝を述べた。

ピメンテル長官は、このようなIPG活動は非常に重要で、一緒に協力してビジネス環境整備に努め、企業にベネフィットが生まれるよう活動していくと述べた。

その後、IPG参加企業10社から、ブラジルにおける事業活動や知的財産における課題(特許審査遅延、PPH技術分野の拡大、模倣品被害など)、PPHの利用状況などについて簡単なプレゼンが行なわれた。

これらの課題や提言に対して、モレイラ特許部長は、官民連携して知的財産の重要性をブラジル政府に対して伝えていくことが大切であると述べた。また、INPIにとっての最優先事項は特許や商標のバックログを解消することであり、特許審査遅延の影響を少しでも和らげるために10年ほど前より早期審査制度を設け、一部改善がみられつつあると説明した。さらに、PPHは導入初期段階ではあるが、少しずつ拡大していけるよう進めていきたいと述べた。模倣品問題に関して、INPIは連邦警察や税関とも協力して人材育成事業などを行なっている。税関で模倣品が見つかっても連絡先がわからないこともあり、企業と政府が一緒になって問題解決に協力していく必要があると考えていると述べた。最後に、INPIやその上位官庁であるブラジル商工サービス省(MDIC)をはじめ、現在のブラジル政府は産業界の要望に積極的に耳を傾けており、遠慮することなく意見や要望を我々政府に直接伝えることが大切だと述べた。

最後にピメンテル長官は、リオデジャネイロのINPI本部でIPGメンバーの皆さんと再びお目にかかれる日を楽しみにしていると述べ、会合は終了した。

(写真提供 ジェトロサンパウロ事務所)

51人が参加して5月の法律委員会開催

日 伯 法 律 委 員 会(藏掛 忠明)の5月月例会は2018年5月17日午後4時から6時まで51人が参加して開催、初めにLicks Advogadosアンチトラスト部門のLUCIANA MARTORANO パートナーは、❝コンペチターとのカルテル形成に繋がる情報交換について ❞、Mattos Filho (Mattos Filho, Veiga Filho, Marrey Jr. e Quiroga Advogados)のGABRIELA SILVA DE LEMOSパートナーは、❝消費財に関する社会統合基金/社会保険融資納付金(PIS/COFINS)に関するクレジットについて ❞.、PwC Brasil 税制担当のEVANY OLIVEIRA取締役は、サンパウロ州補足法SP 1320/2018について ❞、最後にDeloitte (Deloitte Touche Tohmatsu)税制担当 のLUÍS FERNANDO LOPES CIBELLAシニアマネージャーは、❝宛先不明の輸入製品に関する捜査について ❞それぞれ講演を行った。

PDF anexos :
1. "Breve  introdução a temas de Compliance Antitruste"
2. "Conceito de Insumos – PIS/COFINS não cumulativos";
3. "Compliance Colaborativo-Lei Complementar SP 1320/18 Programa 'Nos Conformes' "
4. "Transfer Pricing – Aspectos Práticos das Recentes Fiscalizações".

Evany Oliveira (PwC Brasil),  Luís Fernando Lopes Cibella (Deloitte Touche Tohmatsu), Luciana Martorano (Licks Advogados), Gabriela Silva de Lemos (Mattos Filho, Veiga Filho, Marrey Jr. e Quiroga Advogados), Luiz Fujio Sato (Marubeni Brasil) e José de Carvalho Jr. (Deloitte Touche Tohmatsu) (Fotos: Rubens Ito / CCIJB)

 

35人が参加して4月の法律委員会開催

日 伯 法 律 委 員 会(藏掛 忠明委員長)主催の4月の月例会は,2018年4月12日午後4時から6時まで35人が参加して開催、初めにSouto Correa Sociedade de Advogados法人担当のANTONIO CARLOS TOVOコーディネーターは、❝環境犯罪に於ける企業責任者への罰則責任について❞、Abe, Rocha Neto, Taparelli e Garcez Advogados税務担当のLUCAS DALCASTAGNE BARDUCCO弁護士は、❝社会統合基金/社会保険融資納付金(PIS/COFINS)に関するクレジット-上級司法裁判所の新判決について ❞.、TozziniFreire AdvogadosのGUILHERME MANIER CARNEIRO MONTEIROシニア弁護士は、❝工業製品税(IPI)-税務管理審議会(Carf)の最低課税率について❞、Machado Meyer Sendacz e Opice AdvogadosのDIOGO MARINS TEIXEIRA  パートナー弁護士は、❝宛先不明の輸入製品に関する捜査について ❞それぞれポルトガル語で講演した。

PDF anexos :
1. "A responsabilidade penal dos dirigentes de empresas: balanço dos 20 anos da Lei de Crimes Ambientais" 
2. "Créditos de PIS/COFINS – Insumos Recente posicionamento do Superior Tribunal de Justiça"
3. "Valor Tributável Mínimo do IPI"
4. "Interposição fraudulenta de terceiros na importação de mercadorias" 

Diogo Martins Teixeira (Machado Meyer – Machado Meyer Sendacz e Opice Advogados), Guilherme Manier Carneiro Monteiro (TozziniFreire Advogados), Lucas Dalcastagne Barducco (Abe Advogados – Abe, Rocha Neto, Taparelli e Garcez Advogados), Antonio Carlos Tovo (Souto Correa Sociedade de Advogados) e Luiz Fujio Sato (Marubeni Brasil) (Fotos: Rubens Ito / CCIJB)

 

RI / CCIJB

労働WG会合を開催

2018年4月11日(水)16時30分より政策対話委員会(粟屋聡委員長)労働ワーキンググループを開催し、労働WGのAGIR提言書のアップデート作業が行われた。今回は、勤務時間と休暇をテーマを中心に、通勤時間の労働時間への不算入、残業時間規制の弾力的な運用、有期契約労働者の活用機会の拡大、休暇(Ferias)取得回数の柔軟化、Ferias買い取り日数の柔軟化について、労働改正法にて変更があったか、現状の運用はどうなっているのか、また残された課題はあるのか等について、活発な意見交換が行われた。

参加者は、山崎一郎グループ長(ブラジル味の素)、上床憲司氏(伊藤忠ブラジル)、山内悠輝氏(損保ジャパン日本興亜)、前田太輔氏(東レブラジル)、加藤周平氏(新日鉄住金)、高橋良明氏(ホンダサウスアメリカ)、辻本希世氏(ジェトロサンパウロ)、森雄太氏(丸紅ブラジル)、佐藤智哉氏(住友商事)、吉田幸司氏(KPMG)、佐藤ジルセウ氏(Fator弁護士事務所)、ダグラス・マイア氏(Fator弁護士事務所)、政策対話委員会から柳本安紀委員(双日ブラジル)、そして事務局からは平田事務局長、吉田章則調査員が参加した。

Fotos: Rubens Ito / CCIJB

日メルコスールEPA準備タスクフォース第3回会合実施

 2018年4月9日、日メルコスールEPA準備タスフォース(日伯経済合同委員会、企画戦略委員会、政策対話委員会 合同企画)第3回会合を実施、大前経団連日本ブラジル経済委員会企画部会長のもと勉強会が行われた。

 第3回会合の主題として、4日開催の日伯賢人会議フィードバック、また経団連が主導となり実施された日メルコスールEPAに関するアンケート調査結果の報告が行われ、その後の質疑応答および意見交換では、集まった各業種別部会の代表者から意見、要望の吸い上げを行った。

 大前企画部会長及び木下氏より、賢人会議においても日伯経済関係の益々の緊密化のため日メルコスール経済連携協定の重要性が確認され、アンケートの中でもメルコスース各国(アルゼンチン、ブラジル、パラグアイ、ウルグアイ)に関する現状調査として現在のビジネス形態・事業分野および関心のあるビジネス形態・事業分野についてヒアリング、各国のビジネス上の優位性や多岐に亘る課題、また日メルコスールEPAに関するヒアリングでは関税撤廃を求める品目や改善すべき規制等についての調査回答があり、EPA早期交渉開始の要請にあたり日本企業から貴重な声を吸い上げる良い機会であったとの報告があった。また経団連としても引き続き日本経済界の声を集約する形で、毎年日伯経済合同委員会を共に開催するCNI(ブラジル全国工業連合)とも連携を強化しながら、ブラジルに限らず今後メルコスール各国との関係緊密化を目指しその協力を仰いでいる。当面は7月に開催予定の第21回日伯経済合同委員会における日メルコスールEPAの共同報告書アップデートの発表にむけ、今回のアンケート調査結果を踏まえ準備が進められる。

 その後の意見交換では、今後の要請にむけたスケジュールや勉強会の方針等につき意見、要望があり、より多くの会員企業がEPAを正しく理解することを目的にタスクフォースからの更なる情報提供や必要に応じての各部会内における情報および意見交換の是非が具体的な声としてあげられた。

(参加者)※順不同、敬称略

大前孝雄(経団連企画部会長/三井物産特任顧問)、木下泰臣(三井物産経営企画部海外室次長)

土屋信司(ブラジル三井物産/日伯経済交流委員長)、大久保敦(ジェトロサンパウロ/企画戦略委員長)、粟屋 聡(双日ブラジル/政策対話委員長)、芦刈宏司(ブラジル三井物産/日伯経済交流促進副委員長)、二宮康史(ジェトロサンパウロ/企画戦略副委員長)、佐久間太郎(双日ブラジル/政策対話副委員長)、櫻井淳(伯国三菱商事/政策対話副委員長)、大塚未涼(ブラジル三井物産/政策対話委員)

米長浩(ブラジルトヨタ)、新保博茂(デンソーブラジル/自動車副部会長)、小西輝紀(アイシン)、植田真五(三菱重工/機械金属部会長)、羽田徹(日曹ブラジル/化学品部会長)、関 宏道(ブラジル味の素/食品副部会長)、山崎一郎(ブラジル味の素)、矢澤吉史(NTTブラジル/運輸サービス部会長)、吉田信吾(NYK/運輸サービス副部会長)、稲垣利展(JAL/運輸サービス副部会長)、髙田正純(NEC/電気電子副部会長)、岡本将紀(損保ジャパン/金融副部会長)、西口阿弥(EY/コンサルタント部会長)、岩瀬恵一(ジェトロサンパウロ事務所次長)

カマラ事務局:平田藤義事務局長、日下野成次総務補佐、吉田章則調査員、近藤千里アシスタント

Fotos: Rubens Ito / CCIJB

セアラ州経済特区見学会

2018年4月6日(金)及び7日(土)、25人が参加しセアラ州経済特区見学会が相互啓発委員会(松崎治夫委員長)及び運輸サービス部会(矢澤吉史部会長)共催のもと実施された。
 
本見学会は、輸出加工区審議会(CZPE)をはじめ、2016年会議所定例昼食会でのカミ―ロ・サンターナ(Camilo Santana)セアラ州知事による投資誘致プレゼン、今年2月の定例昼食会における上院議会議長室国際関係部長、セアラ州政府国際局長他らによるセアラ州経済特区についての説明及び見学会実施と招待など、会議所会員に対し様々なアプローチがあった上での実施であった。

6日早朝、グァルーリョス国際空港を出発したグループはフォルタレーザ国際空港に到着、州政府関係者やタイゼ・ドゥトラ(Thaise Dutra)CZPE局長の歓迎を受けた。その後、一行は州政府が用意した専用バスで州知事官邸(Palácio da Abolição)に直行した。山田彰在ブラジル日本国特命全権大使を迎えた後、サンターナ州知事主催の昼食会に参加、現地特産の食材を使った食事と共に懇談を行った。

このイベントには今回のキーパーソンともいえるマルコ・ファラニ(Marco Farani)上院議会議長室国際担当部長(前在京ブラジル総領事)も出席し、セアラ州が管轄下にある在レシフェ日本国総領事館からは丸橋次郎総領事、在ブラジル日本国大使館からは大使の他、池田英貴参事官らも2日間の行程に参加した。

昼食会の後、別室で投資セミナーが開催された。初めに山田大使が挨拶を行いセアラ州においてのビジネスの可能性に期待している旨述べた。続いてセアラ州出身のエウニシオ・オリヴェイラ(Eunício Oliveira)上院議長は地デジ日伯方式をはじめ両国の経済連携について今後セアラで日本企業の投資が行われることを願っていると述べ、サンターナ知事は治安、教育、インフラ改善に力を入れており、日本企業との経済関係強化に取り組んでいると締めくくった。

スピーチ後、会議所の紹介ビデオが流され、ブラジル政府関係者にも当会議所の概要や活動、取り組みの実績などが紹介された。

続いてから大久保敦会議所副会頭からオリヴェイラ上院議長へ、松崎相互啓発委員長からはサンターナ知事へ感謝プレートが贈呈された。

続く投資セミナーでは初めにイゾウダ・セーラ(Izolda Cela)副知事より「社会投資-教育を柱としたセアラ州の発展」と題しての講演が行われた。セアラ州は州民の教育発展に力を入れており、ブラジルの教育機関ベスト100の内、77校がセアラ州にあり、初等・中等教育においてはトップ24校は同州にある。小学2年終了時の子供の識字率は過去10年で39.9%(2007年)から88.2%(2017年)に向上するなど様々な実績を残しており、東北地域はともかくブラジル全土においても教育向上のパフォーマンスは著しい。

「セアラ州経済発展のファクター」ついてはセーザル・リベイロ(Cesar Ribeiro)州政府経済開発局長がプレゼンテーションを行った。現在州内全てを2車線道路で完備するプロジェクトを実施しており、ピアウイ、セアラ、ペルナンブコ3州にまたがるTransnordestina鉄道の開発、空路においてはフォルタレーザ空港をハブ空港にする為ドイツのフラポート社との運営提携、欧州への直行便など様々な改善を行っている。また、欧米からの海底ケーブルの設置、ぺセン港についてはオランダ・ロッテルダム港運営会社との提携も行っており、通信ハブ、港湾ハブを目指している。

「ZPE Ceará-ブラジル輸出業者へのメリット」についてはアントニオ・バウマン(Antonio Balhmann)州政府国際局長及びマリオ・リマ(Mário Lima)ZPE Ceará総裁から説明があった。ぺセン市にある面積6,000ヘクタール余りのZPE(輸出加工区)は英ファイナンシャル・タイムズ(FT)紙調査部門fDiインテリジェンスに2016年、2017年と2年連続で有望な投資先としてリコメンドされた。連邦政府や州政府の優遇税制恩典があり、インフラが整備されており、また欧米向け輸出のアクセスにおいては他の地域より優位に立っている。ZPE内には製鉄部門地区並びに石油精製部門地区、企業集団地区、研究センターや物流サービスセンター地区などに効率よく集約されている。

また各プレゼンの後、活発な質疑応答セッションが行われた。ZPE域内での輸出義務の改善法案国会上程の進捗や投資家をさらに誘致することを目的に近い将来パフォーマンス・インジケーターの構築を世界銀行関連機関との提携で実施する予定があるなど、関係者への質問を通して参加者らはZPEに対する最新の情報を収集することが出来た。

同日夜は市内のレストランでZPE Ceará総裁主催による夕食会が行われ、リラックスした雰囲気の中でセアラ州の投資やビジネス全般について懇談が行われた。

7日(土)は早朝ホテルを出発し、経済特区ZPE Cearáがあるサン・ゴンサロ・デ・アマランテ市(州都から60キロ)に向かった。到着後、リマ総裁が迎え、区内の地図を見せながら設備を説明した。続いてバスで工業ガスを生産するホワイト・マーチンスの施設などを通り、韓国との合弁事業であるぺセン製鉄所(CSP)を視察、ぺセン港湾施設やセアラ州連邦教育・科学・技術機関(IFCE)をくまなく見学した。IFCEでは共催者の運輸サービス部会を代表して吉田信吾副部会長よりマリオ・リマZPE Ceará総裁にプレートが渡された。

見学の後、今回のミッション締めくくりとしてZPE Ceará施設内で昼食会が行われたが、会場に日本の音楽をBGMとして流し参加者を迎えた。今回は州政府やZPE関係者が一体となってミッションを受け入れ、6日の昼食会及び夕食会では日本語のメニューを用意するなど、到着時から見送りまで「おもてなし」の心が窺えた。また、見学会申込者は出発前にジェトロ・サンパウロより提供されたZPE Cearáに関する詳しいレポート受取っており、事前勉強もできた上での参加であったこともあり、ハードなスケジュールではあったが、有意義な見学会となった。

Pdf「社会投資-教育を柱としたセアラ州の発展」

Pdfセアラ州経済発展のファクター

Pdf「ZPE Ceará-ブラジル輸出業者へのメリット」

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Pdfアンケート調査 質問票・概要Pdf「セアラ州経済特区見学会に関するアンケート調査」詳細結果

Pdfアンケート調査質問票・概要(ポル語)Pdf「セアラ州経済特区見学会に関するアンケート調査」詳細結果(ポル語)

Pdfセアラ州経済特区見学会参加者リスト

儀仗隊による栄誉礼を受けた後、州知事公邸に向かう山田大使(写真提供:セアラ州政府広報部)

山田大使を迎えるサンターナ知事(写真提供:セアラ州政府広報部)

セミナーの模様

プレート贈呈後、記念撮影。左から松崎相互啓発委員長、大久保副会頭、オリヴェイラ上院議長、サンターナ知事、平田事務局長、山田大使

ぺセン製鉄所で記念撮影

リマ ZPECeará総裁に感謝プレートを贈呈する吉田運輸サービス副部会長