マナウス・フリーゾーン監督庁(SUFRAMA)との会合 2022年5月26日

2022年5月26日、マナウス・フリーゾーン監督庁(SUFRAMA)の ルイス・フレデリコ・オリヴェイラ・デ・アギアル(Luiz Frederico Oliveira de Aguiar)貿易部総括代理と平田藤義会議所事務局長との面談がオンラインで行われた。

マナウスフリーゾーンのポテンシャルをあらためて紹介するために行われたこの会合でアギアル氏はパワーポイントを用いて詳しい説明を行った。1967年に開設された経済特区の他、周辺の西アマゾン地域、自由貿易地域の紹介に始まり、各種税制恩典制度やロジスティックインフラの現状、新規プロジェクトとしてのバイオテクノロジーセンターなどについて説明した。

平田事務局長は現役時代の体験談も交えながら今後の課題や同フリーゾーンがフォーカスするべき分野などについてアドバイスを行った。
① 1967年創設以来、10年単位でフリーゾーンに進出した企業数(外資系と地場企業を業種別に区分)
撤退企業の分野とその理由分析調査(例:21年に撤退した日系企業)
② フリーゾーン政策の改正とその効果および法的安定性の欠如(現役時代の体験談:操業2年コロールプラン直後に撤退)
③ 2017年11月の労働法改革後の労働環境の変化
④ インフラ(道路、鉄道、電力、通信等)の整備改善状況と南米社会インフラ8軸計画との連動政策の有無(例:太平洋側へのアクセス)
⑤ 大消費地域までのリードタイムおよびロジコストの改善状況
⑥ 税制改革後のフリーゾーンにおける税制メリット
⑦ EUメルコスールや他国との貿易協定発効後のフリーゾーンの存続意義
⑧ バイオや環境ビジネス(例:カーボンニュートラル)に特化した政策に対するインセンチブの有無と将来展望

参加者: ルイス・フレデリコ・オリヴェイラ・デ・アギアル(Luiz Frederico Oliveira de Aguiar)貿易部総括代理、アルトゥル・デ・フレイタス・リスボア(Arthur de Freitas Lisboa)総務担当、会議所からは平田事務局長、日下野総務補佐、ルーベンス・イトウ編集担当

 

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経産省の山中審議官が会議所関係者と懇談会 

山中 修審議官(大臣官房通商政策局)一行は、予定通り24日ブラジル経済省の関係部局長等を訪問、日伯貿易投資促進産業協力委員会(略称:貿投委)の開催日程等について意見交換を行った。翌25日、再びサンパウロに戻り精力的にトヨタのソロカバ工場を見学、その後、今後の貿投委のあり方や進め方などについて会議所関係者と幅広く懇談を行った。

参加者は経済産業省:山中修大臣官房審議官、村山勝彦中南米室長、堀江大地中南米室係長、深田萌子経済連携課係長
JETROサンパウロ:原宏所長、宮本敏央次長
会議所関係者:小寺副会頭(日伯経済交流促進委員長)、中村副会頭(食品部会長・総務委員長)、木阪副会頭(財務委員長)、渡辺化学品副部会長、水守電機・情報通信部会長、平林自動車部会メンバー、平田事務局長

(ZOOM)異業種交流会主催セミナー開催

異業種交流委員会(吉田伸弘委員長)主催のオンラインセミナーは2022525日午前10時から11時まで約50人が参加して開催、講師に日系2世の斎藤俊男氏を迎えて、テーマネギ王・斎藤俊男様の逆転人生」で講演、進行役は湯原慶副委員長が務めた。

長葱の名産地で知られる埼玉県深谷市で、日本国内最大級の長葱農家を経営する斎藤俊男さんは、パラナ州テーラ・ボア生まれの二世で、19902月にデカセギとして訪日した。

斎藤さんは自分の会社を作る目標のために、給与の良い危険な高圧電気工事でがむしゃらに働いて1995年に有限会社設立。人材派遣、業務請負、不動産業務、保育園など手広く経営。2008年のリーマン危機で会社は壊滅的な影響を受け、税金滞納相談に税務署に行く途中に、跡継ぎのいない多くの放棄されている荒れた農地を見て、農業参入のチャンスが閃いた。

農業経験のない斎藤さんにとって、日本での農業参入には色々なハードルの高い問題を克服して、日本1の目標を掲げて色々な作物栽培から機械化による一年中供給できるネギ栽培に切り替えた悪戦苦闘の経緯を説明した。現在の栽培面積は東京ドーム40個分、1日の出荷量は10トン、長ネギ生産は日本だけであり、世界1の生産量を誇っている。

斎藤さんは経営者に必要なものとして、自分のことを信じる。継続力。正直。信用。そしてナンバー1を目指す不屈の精神力を挙げた。斎藤さんは最後に兎に角、目標を定めたらナンバーワンを目指して努力してくださいとエールを送った。

質疑応答では、日本とブラジル間のビジネスをより活性化するには何が足りないのか。斎藤さんのパワフルな人生の原動力は。日本とブラジルの経営者の従業員に対する向き合い方の違いは。保育園や学校など手広く経営しているが、斎藤さんの次のチャレンジは何かなどが挙げられた。

講師略歴
1990年 訪日し岐阜県や埼玉県の自動車部品工場に就労

1995年 人材派遣会社ティ・エス、学校法人ティ・エス学園設立

2012年 ティ・エスファーム設立

2018年 ティ・エス財団設立 (奨学金制度).その他、埼玉県上里町青年会議所理事長、本庄市青年会議所副理事長、上里ロータリークラブ地区委員などを歴任。

2021年 ニッケイ新聞主催「第64回プレミオ・パウリスタ賞」で特別賞受賞

講演中の斎藤俊男さん

講師の斎藤さんを囲んで異業種交流委員会メンバーと記念撮影

(ZOOM)コンサルタント部会セミナー開催

コンサルタント部会笹澤誠一部会長主催のM&A セミナーは、2022524日午前9時から10時まで開催、司会は 笹澤部会長が務め、初めにTMI総合法律事務所(現在Cescon, Barrieu, Flesch & Barreto Advogados出向中)の柏健吾 弁護士は、ブラジルM&A 法律編として、日本とブラジルでのM&A実務の相違点、ブラジルのM&Aの特徴として、訴訟件数、スタートアップ投資における投資家の有限責任の明記された2021年のスタートアップ法による投資環境の改善、M&Aに影響する最近の法改正、M&A方法では株式取得若しくは事業取得、ブラジルの実務、買収・投資・売却選択のポイント、株式取得契約・株主間契約の主要な交渉事項、スタートアップ取り巻く環境、投資実務及び投資方法などについて説明した。、

Deloitte社の池谷裕一氏並びに安岡正哉氏は、ブラジルM&A検討時の留意点及びPMIについて、ブラジルでのDDの特徴では税務・労務分野での潜在的リスク、61種類に及ぶ税金概要、税務DD、労務DD、財務DD及び不正対応で散見されるリスク項目、DD発見事項の対応及び交渉、PMIのハードルとPMI成功のための5要素などについて説明した。

質疑応答では日本企業がブラジル法人に買収された例。M&Aセミナーを企画した背景。事業売却の保証手当に関する日本とブラジルの違いなどが挙げられた。

PDFブラジルM&Aセミナー(法律編)(TMI総合法律事務所の柏健吾 弁護士)

PDFブラジルM&A 検討時の留意点及びPMI  (Deloitte社の池谷裕一氏並びに安岡正哉氏)

経済産業省山中大臣官房審議官との意見交換会

2022年5月23日午後1時から3時半過ぎまで経済産業省の山中 修大臣官房審議官(通商政策局)一行との意見交換会が開催された。

山中審議官(元在ブラジル日本国大使館公使)からの挨拶に始まり、続いて小寺日伯経済交流促進委員長が商工会議所の活動を紹介、その後、会議所各部会からの参加者よりビジネス上の問題点や日伯貿易投資促進委員会への要望、日メルコスルEPAの要望などについて説明が行われ、活発な質疑応答セッションが行われた。最後には平田事務局長からのコメント、同審議官の閉会挨拶で終了した。

一行は、会議所関係者との意見交換後、24日(火)ブラジル政府関係者を訪問予定。

参加者は
(経済産業省)山中修大臣官房審議官、村山勝彦中南米室長、堀江大地中南米室係長、深田萌子経済連携課係長
(総領事館)渡邊聡太副領事
(JETRO)原宏所長、宮本敏央次長
(商工会議所)小寺副会頭(三井物産、日伯経済交流促進委員長)、秋山副会頭(日本製鉄、機械金属)、亀岡化学品部会長(東洋インキ)、渡辺化学品部会副部会長(三井化学)、水守電機・情報通信部会長(NTT)、井上トヨタ中南米本部長(自動車部会)、平田事務局長

写真左から平田事務局長、山中修大臣官房審議官

東レの大谷社長帰任、後任の前田取締役と会議所訪問

18日、大谷直之社長が来月の帰国を前に、後任の前田太輔取締役(在任5年)を紹介した。

大谷社長は着任早々に、平田事務局長からの激励一言「大きなポテンシャルを秘める広大なブラジルでの経営トップは先ず現場を知る事から始まる」をモットーに、コロナ直前まで実践、在任中に色々な新商品を導入、マーケットシェアーの拡大に努めて来た事を名残惜しみながら回顧、新規ビジネスの展開による今後の飛躍発展は、同席の前田新社長がしっかり成し遂げてくれると語った。

最後に米中の覇権争い、コロナ、ウクライナ危機後の世界秩序、地政学的リスクの回避、グローバル経済とサプライチェーン、日本およびブラジルの半導体ビジネス等々について幅広く意見交換。

最後に平田事務局長は「属人性が高いブラジルでは、いい意味での絆を作り上げて、お互い信頼関係になる事が大切」だと、後任の前田新社長に事例を挙げながらエールを送った。

数多い同社関連記事(旧サイト)の中から、ここでは下記数例を示す。

TORAY DO BRASIL LTDA一行が訪問 2018/08/02

http://jp.ccijb.com.br/news/visitas-a-camara/?materia=18611

TORAY DO BRASIL LTDA一行が訪問 2018/05/15

http://jp.ccijb.com.br/news/visitas-a-camara/?materia=18344

東レブラジルが会議所を訪問 2012/12/19

http://jp.ccijb.com.br/news/visitas-a-camara/?materia=11063

写真は左から平田事務局長,大谷直之社長,後任の前田太輔取締役

 

WECの江上社長が旅行業界の近況報告

18日、江上耕一郎社長は、年初からの日本の水際対策やブラジルの旅行業界の動向について平田事務局長と意見交換を行った。同社は発想の転換で奮起一転、新しいサービスを提供中。

以下、昨年末関連記事

https://camaradojapao.org.br/jp/2021/12/18/%ef%bd%97%ef%bd%85%ef%bd%83%e6%b1%9f%e4%b8%8a%e8%80%95%e4%b8%80%e9%83%8e%e7%a4%be%e9%95%b7%e3%81%8c%e4%bc%9a%e8%ad%b0%e6%89%80%e3%82%92%e8%a8%aa%e5%95%8f-2021%e5%b9%b412%e6%9c%8817%e6%97%a5/

写真左から平田事務局長、WECの江上耕一郎社長

 

(ZOOM)5月のオンライン労働問題研究会開催

企業経営委員会(讃井慎一委員長)主催の5月のオンライン労働問題月例会は、2022518日午後4時から530分まで70人が参加して開催、司会はRicardo Sasaki副委員長が務めた。

VBD弁護士事務所のTHALITA DE MARCO VANI 弁護士並びにYURI NABESHIMA弁護士は、『経営幹部向けのインセンティブ:ベネフィット及び追加報酬としての株式持分の付与』,Machado Meyer 弁護士事務所のRODRIGO SEIZO TAKANO パートナー及びMURILO CALDEIRA GERMINIANI 弁護士は、テーマ『パンデミック後の就業時間の管理:実用的な側面とリスクの軽減』 についてそれぞれ講演した。

セミナーのビデオ視聴は右クリックacesse aqui .

PDF anexos:
1. “Plano de incentivo para executivos: Concessão de participação societária como atrativo e forma de remuneração”
2. “Controle de jornada pós-pandemia: Aspectos práticos e mitigadores de riscos”

(ZOOM)5月の法律委員会月例会開催 

日伯法律委員会(岩尾 玄委員長)主催のオンライン月例会は、2022511日午後4時から530分まで55人が参加して開催、司会はCláudio Augusto Vaz 副委員長が務めた。

初めDemarest 弁護士事務所のMAURÍCIO BARROパートナーは、テーマ「現在の商品サービス流通税(ICMS の問題:転送に関する連邦最高裁判所の決定(ADC 49)とクレジット残高の蓄積」、続いてPinheiro Neto 弁護士事務所のPEDRO AUGUSTO ASSEIS シニア弁護士は、テーマ「、法人税(IRPJ)並びに純益に対する社会納付金(CSLL) 計算ベースからの州税制優遇措置の除外最新情報と機会」についてそれぞれ講演した。

録画視聴は右クリック, acesse aqui .

PDF anexos:
1. “Questões atuais de ICMS: Decisão do STF sobre as transferências (ADC 49) e acúmulo de saldo credor”
2. “Subvenções para investimento – Panorama atual”

IHIの桑田グローバル戦略部長一行が訪問

11日、桑田知之IHIグローバル・営業統括本部 副本部長、安西俊通米州統括会社 社長、米澤克夫米州統括会社エグゼクティブ・フェロー、Mauricio Waku IHI DO BRASILセールスマネジャーが平田事務局長を訪問、厳しい国際情勢下の中でブラジルの政治経済および今後の見通し等々について率直に意見交換を行った。

写真は左から米澤氏、桑田氏、平田氏、安西氏、Mauricio氏