(論評)新しいポウパンサ(貯蓄預金)と未来

スエリー・カルダス

ジルマ・ルセフ大統領は、ポウパンサの利息を変更し、Selic(経済金本金利)金利下げの足枷を取り除くに、良いタイミングを選んだ。工業生産は下がり、輸出も同様。GDPはパワーを失い、景気減速の悪夢は目の前。短期の舞台で、インフレへの大した恐れもなく変革の余地が開けた。何百万人もの小額預金者の間のネガティブな政治的衝撃を和らげようと試みて、連合与党の政治家たち、労働組合員たち、工業界の実業家たちを、一般大衆に対して新しいポウパンサについて知らせるため、特別に招待した。

ただし、主役の招待が欠けていた。すなわち、1世紀以上にわたってポンパンサを信用し、この度信用を揺さぶられることとなった小型投資家たち。今後何日にもわたって、迷い驚く庶民と直接やり取りすることになる銀行家たち。変更の説明を行い、あれこれと投資のオプションをアドバイスしなければならないのは彼らだ。政府と銀行がいかに利害を共有しようとも、すなわち、国債ファンドの預金者がポウパンサに逃げるのを許さないということだが、その逆は政府には得があるが銀行にはない。つまり、今後ポウパンサからほかの預金へ資金が逃げたら、政府はどこの金を使って、持ち家購入の融資を続けるのか?

銀行家を有権者の敵ナンバーワンに選ぶことの政治的利益には魅力があるため、ジルマ大統領は預金者への通達の際、銀行家の中に必要不可欠なパートナーを求めるより、銀行家を遠ざけるほうを選んだ。と言うより、マーケティングのプロ、ジョアン・サンターナの頭から出たのが、5月1日の攻撃的な演説のアイデアで、この時ジルマ大統領は銀行家たちを極悪非道と呼んだのだが、前任者と(良いほうに)異なる、真面目というイメージを揺るがすような言葉はもっとよく見直す必要がある。クリスチーナ・キルチネル風のポピュリズム・モデルを纏うのは彼女には似合わない。

事実、景気の冷え込みによって、新ポウパンサを導入し、かつ、短期的にはインフレの恐れなくSelicを下げ続けていくための余地が開かれた。しかし、中央銀行(BC)は、金利下げで工業生産、収益、消費が活況を呈し、価格調整が再び頻繁になりそうな瞬間に目を光らせていなければならない。金融マーケットのエコノミストのアンチ応援団でということではない(たまにそういうこともある)。中長期的には、とってつけたように低い金利は経済活動を活発にするが(それは良いことである)、物価高という好ましくない結果を引き起こす(それは悪いことである)。

バランスの良い塩梅はSelic決定時にBCによって与えられるものだ。しかし、アレシャンドレ・トンビーニのBCで、インフレ目標制度は貧弱なものなり、金利の分量は、成長という考えに目をくらまされた大統領が決める。経済の繁栄を望まない者がいるか? 誰も望まないのはインフレの復活だ。では、出口はないのか? 走れば捕まる、じっとしていれば食われる、か? 解決策は、方向を決め、継続した安全な成長に対する足枷を除き、現代化へ向けた改革を行い、短期・中期・長期と優先目標を持った真の政府計画をスタートすることだ。これは大きな違いを生み出すし、ジルマ政権に欠けているところだ。

木曜日に集まった政治家、労働組合員、実業家に向かって、ジルマ大統領は自らの目標をはっきりと定めた。金利を下げること、為替を調整すること、税金を下げること。「これが私たちのアジェンダですが、今日明日でできることではありません」と言った。機能的文盲が何百万人もいる国にとっては望みの低いアジェンダである。労働者の大半はわずか6、7年しか勉強していない。人口の半分以上に下水と浄水が行き渡っていない。公立病院は数が足りず、不安定、不潔、備品機器が足りない。インフラ投資が足りない。PAC(成長加速化計画)の工事は、公金横流しの汚職で止まっている。脆弱な諸機関と汚職まみれの政治選挙制度の中で民主主義はつまずいて、分解しかかっている。

税金を減らすのは、政府が経費を抑える心構えがあるのかによる。為替はブラジル以外の世界経済の動きについていく。金利は・・・ああ、金利・・・残念ながら、大統領閣下、銀行家に悪魔を取り憑かせるよりずっと多くのことが必要ですぞ。

(2012年5月6日、エスタード紙)

日本語による移転価格税制に関するセミナーに120人が参加して開催

コンサルタント部会(澤田吉啓部会長)主催の日本語による移転価格税制に関するセミナーは、2012年5月8日午後4時から6時過ぎまでマクソウドホテルに会場一杯の120人が参加して開催、コンサルタント副部会長であるデロイト・トゥーシュ・トーマツの都築慎一ディレクターが講演した。

講演を前に澤田部会長は、商工会議所では投資環境の阻害要因となっているブラジルの移転価格税制の改善のために、移転価格税制ワーキンググループを立ち上げ、平田事務局長や講師である都築氏がアメリカ商工会議所並びにサンパウロ州工業連盟(Fiesp)、全国工業連合(CNI)などに対して積極的に連携を働き掛け、連邦政府に対して改善を訴えてきたことを説明した。

都築講師は講演を前に、商工会議所では約1年半前に大きな投資阻害要因となっている移転価格税制のアンケートを実施、その結果を大使館の力を借りて国税庁にアンケート結果を提出して実態を説明、佐久間書記官や平田事務局長から積極的な熱い協力をしてもらったことを説明した。

初めに連邦政府は1996年に9430号で移転価格税制を導入したが、非常に不服申し立てが多く、2010年に今後の暫定措置563号の立法化に伴い細則243号も改正、また今回の改正ではパラメーター額の考え方も修正している。その後は民間の意見に耳を傾けて、2011年9月に草案が纏まるも年内の発表とならずに、今年4月に暫定措置563号/12年として、ブラジル マイオール プランの減税や社会保障院(INSS)積立金の免除などと共に、移転価格税制の改正につながったことを都築講師は説明した。

暫定措置563号は、60日間以内に国会で審議して成立、成立しない場合は、更に60日間内に審議して立法化できるが、成立しない場合には廃案となる。

暫定措置563号は既に180件に及ぶ修正案に達しているが、移転価格税制に関する修正案は30件から50件で、大半はブラジル マイオール プランに関する修正案となっていると説明した。

再販価格基準法(PRL)の40%の利益マージンへの変更は、医薬及び化学品製造並びにタバコ製造、光学、写真映像機器の製造、歯科を含む医療機器の販売、石油・天然ガスの採掘、石油製品製造、30%の利益マージンへの変更は化学製品製造、ガラス並びにガラス製品の製造、パルプ、紙及び紙製品の製造、治金精錬、その他の産業は20%のマージン率に変更となった。

輸入品の国内販売事業者に対して、暫定措置563号の前は税込み価格の20%の粗利益であったが、今後は税抜き価格の20%から40%の粗利益となり、税務上要求される粗利益は今後流動的となって、以前より緩い規定になると説明した。

また都築講師は製造業者に対する税額調整計算例、販売会社に対する9430号並びに細則243号、暫定措置563号による計算方式を説明、また暫定措置563号は各種の経済政策導入を含む54条から成立する連邦政府の措置であり、移転価格税制はその一部であると説明、またコモディティ取引に対する新しい規定や改正ルールの前倒し適用などについても説明した。

質疑応答では都築講師に対して、改正の主旨に関する質問、563号の税務検査、180件に及ぶ改正案に関する質問などがされたが、それに対して都築講師は丁寧に説明、また5月3日にポルトガル語による移転価格税制に関するセミナーの講師を務めたデロイト・トゥーシュ・トーマツ社のフェルナンド・マットス氏も質疑応答に加わり、180件に及ぶ修正案の中には文面が曖昧な箇所があって両方の解釈ができることなどの理由による修正案もあることを説明、参加者は非常に理解しやすい講演会に満足していた。

発表資料リンク Apresentacao MAIO 2012.pdf

 

補足資料(10月25日掲載) 法律12715号(2012年9月17日)として立法化された暫定措置563号と法律12715号の相違点

講師のデロイト・トゥーシュ・トーマツの都築慎一ディレクター(Fotos: Rubens Ito / CCIJB)

マクソウドホテルに会場一杯の120人が参加

左からコンサルタント部会の澤田吉啓部会長/デロイト・トゥーシュ・トーマツ社のフェルナンド・マットス氏/講師のデロイト・トゥーシュ・トーマツの都築慎一ディレクター/電気電子部会の篠原一宇部会長/平田藤義事務局長


 

(論説)税制計画における連邦制のアンバランス

ブラジルの連邦制の持つ問題点は、所得税と工業製品税(IPI)のように一部交付されるものもあるとはいえ、連邦政府、州政府、地方政府(市など)の経済政策が中央政府の計画の中で固定された資金に頼っているという点にある。

地方政府の歳入に対する影響を分析しなければならない。ただし、注意が必要だ。というのは、地方政府の活動の多様化が大きな差異を生み出すからだ。地方政府はすべて、ICMS(商品サービス流通税)の徴収において、経済(商業、工業、サービス業)の冷え込みの影響を蒙っている。その税収は、地域の工業化の度合いと、商業の売上とに依存するが、景気の落ち込んでいる状況では皆が影響を受ける。しかし、場合により、現行法規の中で際立った補填を受けられるケースがある。すなわち、石油関係事業のロイヤリティ分配だ。バイーア州、リオデジャネイロ州、エスピリト・サント州はこの歳入によってICMSの減収をかなり埋め合わせている。

他の州では、工業の業績不振の結果、歳入は期待をかなり下回っている。小売業の場合、輸入製品も含まれるので、状況は予想以上によい。と言うより、輸入品(現在はすべての州に対し一律のベースとなっている)に対する税収によって、小売業の落ち込み分が調整されている。

地方政府(州と市)は、歳入の一部を、連邦政府が徴収した所得税とIPIからの交付で得ている。ところが、連邦政府はこれら2つの税を地方政府に問うことなく減額することが可能で、そうなると地方政府の歳入が減り、その損失分を補填する方法を用意できない可能性もある。

連邦政府の場合、第一四半期に12.88%の名目上の歳入増があったと確認されているが、一方で、例えばサンタ・カタリーナ州のIPI税収は22.18%落ちている。連邦政府は第一四半期、14億2700万レアル(14.18%)増のIPI税収を得て、いくつかのケースで一部放棄してはいるものの、IOF(金融操作税)の税収は10億2800万レアル(14.76%)増で、それはIPI放棄によって生じた損失額よりも大きい。

これが示すところは、連邦制は公平には機能しないということだ。経済政策を決めるのは連邦政府であり、連邦の他機関に減額可能な歳入を交付するのも連邦政府。一方で、地方政府はその損失を埋め合わせるすべを持たない。
(2012年5月5日付け エスタード紙、論説)

CIR 053/12: 外国人労働者:入国管理政策の現状に関する講演会開催案内

CIR-053/12

201258

会員各位

ブラジル日本商工会議所
企業経営委員会

コンサルタント部会長


外国人労働者:入国管理政策の現状に関する講演会開催案内

 

拝啓

時下益々ご清栄のこととお慶び申上げます。

今般、ブラジル労働省・外務省・法務省から担当官をお招きして、外国人労働者の雇用手続き、ビザの種類、外国人登録(RNE)、法律上の制限、新たな政府方針、ブラジルに於ける業務遂行許可などにつきお話をお聞きするため、企業経営委員会、日伯法律委員会並びにコンサルタント部会共催で講演会を催すことにいたしました。つきましては会員各位奮ってご参加いただきますようご案内申し上げます。

本会はポルトガル語で行われ日本語への通訳は付きません。しかし、経営に有用な情報交換が出来ますので、出来るだけ担当者に出席させ、翌日社内報告をさせることをおすすめします。

なお、質問は事前に事務局(E-mail: secretaria@camaradojapao.org.br)宛てにお寄せ下さい。

また、講演会前に講師の方々との小規模な昼食会(先着20人まで、別途会費R$ 65,00)を会場のホテル内レストランで開催いたしますので、参加をご希望の方は事務局までお申込下さい。

尚、昼食会は会員1社につき12名と限定いたしますのでご了承下さい。

- 記 -

 

日 時   201252214時~18コーヒーブレイク入り

会 場   ホテルマクスードプラザ MAKSOUD PLAZA  SALA MINAS GERAISAlameda Campinas, 150 – São Paulo/SP – 電話113145-8000

講 師 1)Izaura Maria Soares Miranda 法務省外国人局次長 
              
2)Paulo Sérgio de Almeida 労働省移住審議会会長
              
3)Ralph Peter Henderson 外務省入国管理課チーフ
4)Antonio Carlos Floriano Lessa連邦警察移民局総務チーフ)-確認中

参加費 会員お一人R$ 170,00 コーヒーブレイク含む事前に事務局へお納め下さい。)

    非会員お一人R$ 220,00: コーヒーブレイク含む(事前に事務局へお納め下さい。)

 

使用言語: ポルトガル語

なお、 518日(金)以降に申込みを取消される場合、参加費は返金できませんのでご了承願います。

銀行振り込みの場合、E-mail: secretaria@camaradojapao.org.br 又はファックス: (11) 32840932にて振り込み証明書をお送り願います。

口座番号
Banco do Brasil
Agência: 1196-7
Cc: 14650-1
CNPJ : 61.009.031/0001-06
Câmara de Comércio e Indústria Japonesa do Brasil

お願い 会場の駐車場は有料につき、料金は使用者負担となります。

申込みE-mail: secretaria@camaradojapao.org.br 又は Tel3187-6233 アリセ宛てお願い致します。人数に制限がございますのでお早めにお願い致します。

以上

4月の新車在庫は2008年11月以来の過剰在庫を記録

4月の自動車メーカー並びにディーラーの新車の在庫は、リーマンブラザーズ銀行破綻直後の2008年の11月の営業日換算で56日に次ぐ43日を記録して、過剰在庫となっている。

全国自動車工業会(Anfavea)の発表によると、4月の新車の在庫数は、36万6,500台と4月の新車販売台数の25万7,800台並びに生産台数の26万800台をそれぞれ上回っている。

Anfavea工業会の調査によると、4月の新車販売は前月比マイナス14.2%、自動車生産台数は、過剰在庫の調整のためにマイナス15.5%とそれぞれ大幅に減少している。

フィアット社では、過剰在庫の生産調整のためにミナス州ベッチンの自動車工場の製造部門の2,000人の従業員に対して、来週から10日間の集団休暇の導入で組合側と交渉している。

ABCパウリスタ地域のフィアット社並びにGM社は、今月の毎土曜日の自動車工場の操業を予定していたが、過剰在庫の調整のために操業を中止することで、組合側と合意に達している。

4月末のGM社の自動車工場の在庫は、13日の営業日に相当する11万1,620台、ディーラーの在庫は、30日に相当する25万4,800台に増加している。

4月の自動車生産は、前年同月比マイナス7.5%の26万8,000台、今年4カ月間では、マイナス10.1%の99万8,900台と前年同期の111万台から大幅に減少している。

Anfavea工業会のクレドルヴィーノ・ベリーニ会長は、政策誘導金利(Selic)の切り下げに伴って銀行金利が低下並びに低い失業率、実質賃金の増加などで今後の自動車販売は増加すると予想、今年の新車販売は、昨年の4.0%から5.0%増加の380万台は達成できると楽観視している。

今年初め4カ月間のバスやトラックを含む新車販売は、前年同期比3.4%減少しているために、全国自動車販売業者連盟(Fenabrave)のアナリストは、今年の新車販売を2.0%から3.5%増加に下方修正している。(2012年5月8日付けエスタード紙)

 

 

昨年のスーパーマーケットの消費はD/Eクラスが牽引

サンパウロ州スーパーマーケット協会(Apas)の8,200人の主婦並びに100品目を対象にした昨年のスーパーマーケットの消費調査によると、D/E クラスのインフレ分を差引いた実質消費は、前年比1.3%増加してCクラスの1.2%増加並びにA/Bクラスの1.0%増加をそれぞれ上回ったが、すべてのクラスではインフレ増加の影響で消費が伸び悩んだ。

2010年のCクラスのスーパーマーケットでの消費は前年比15.3%増加して牽引、A/Bクラスは14.1%も大幅に増加、D/E クラスは僅かに0.7%の増加に留まっていた。

昨年のブラジル全体のスーパーマーケットの4.4%のインフレ分を差引いた実質
売上は2243億レアル、全国のスーパーマーケット数の19.9%が集中するサンパウロ州の実質売上は、Cクラスが牽引して4.6%増加の684億レアルとなっている。

Apas協会のジョアン・ガラシ会長は、今年のスーパーマーケットの実質売上は前年比4.5%増加を予想、銀行金利の切り下げによる消費は、A/Bクラスを中心に増加すると予想している。(2012年5月8日付けエスタード紙)

 

 

(論評)近視眼的成長モデル

2011年の1月から10月までで、ブラジルの貿易収支は、基本産品で752億米ドル、半完成品で220億米ドルの黒字だった。一方、サンパウロ州工業連盟(Fiesp)の推定によると、工業製品については同期間で759億米ドルの赤字で、2011年だけで累計赤字は1000億米ドルになる。ブラジルの製造加工産業の歴史と比較すると、これらの数字には驚かされる。ブラジルの工業が競争力を失い、脱工業化が遠慮なしに進んでいることの、明らかな兆候である。

問題を和らげようと、企業グループらの計画的投資に関する情報を引き合いに出す人たちがいるが、真実は、製造加工産業はGDPにおけるシェアを年々減らしているのだ。2010年は16.2%で、2011年は14.6%に下がった。さらに悪いことに、現在わが国の生産のわずか7分の1を担っているだけなのに、全税収の3分の1を支払うという、耐え難く不当な負担を負っている。

重大化する脱工業化の問題を抑えるために、為替に介入するのは短期的な一時しのぎである。競争力のある為替というものは、価格の不安定化を避けるために、税制のバランスを要する。問題は、膨れ上がって能率の悪い公的機関の経費をカバーするために、ブラジルという国家が国の開発レベルに合わない税負担を社会に課していることだ。それだけではない。外国からの大量の投機的資金を引きつける金利とともに、投機的な政府歳出が多すぎるために価格指数にかかっている圧力を抑えなければならない。こういった問題で結局ブラジルの生産がひどい目に遭っているのだ。

インフラ、金利、税負担、時代に合わない労働法という不利な立場から、ますます激化する国際市場で競合することは、企業とブラジルにとって途方もない挑戦である。コモディティと半完成品を国内で生産する、限られたわずか1つのグループだけが、ブラジルの持つ相対的に強力な国際優位性ゆえ、この環境内で歩みを進めることができている。公的権力は、その他の生産チェーンがこのような舞台でも生き残れるように、その宿題をこなす必要がある。

幸いにも、自然は我々に、他の国々が大いに必要とするものを豊富に与えてくれた。疑いを待たず、我々は、中国が引っぱる世界のコモディティ市場の購買力が高いこの好機をものにしなければならない。しかし、だからこそ、経済のもっともダイナミックでテクノロジーが集中する諸部門を統合する製造加工産業を看過してはならないのである。これらの諸部門が、ブラジルが長い年月をかけて作り上げた重要な基礎、いくつもの政権・諸企業・社会のもつ資金と多大なエネルギーを費やしてきた重要な基礎を形成しているのだから。輸出農産物・鉱産物の高価格に影響された経済情勢的要因から来る見かけの成功ゆえに、ブラジルの構造改革への挑戦について我々は必要な注意を払ってこなかった。このような近視眼では、今後ブラジルの成長は危うい。

生産チェーンの競争力がますます失われるのを抑えるため、政府は数少ない部門に対して恩恵とインセンティブを与えてきたが、その措置は国全体の税制バランスと経済競争力をますます歪めてきている。国の財政に必要な調整がつかない間は、他の経済的要因とともに取り戻さなければならない資金も危うい。調整とはつまり、健全な形で、保護主義的措置をやめ、熱病を抑えるがその原因を攻撃しないという調整だ。安定した計画を立てるには、政府と議会のやる気がないとだめだ。

カルロス・ロドルフォ・シュナイダー:ジョインヴィレのCISER社副社長、MOVIMENTO  BRASIL EFICIENTE「能率ブラジル」運動のコーディネーター

(2012年5月5日、エスタード紙)

(論評)新しいポウパンサ(貯蓄預金)と未来

スエリー・カルダス

ジウマ・ロウセフ大統領は、ポウパンサの利息を変更し、Selic(政策誘導金利)金利下げの足枷を取り除くに、良いタイミングを選んだ。ブラジルの工業生産は下がり、輸出も同様。GDPはパワーを失い、景気減速の悪夢は目の前。短期計画で、インフレへの脅威なく変革の余地が開けた。何百万人もの小額預金者の間のネガティブな政治的衝撃を和らげようと試みて、連合与党の政治家たち、労働組合員たち、工業界の実業家たちを、一般大衆以前に新しいポウパンサについて知らせるため、特別に招待した。

ただし、主役の招待が欠けていた。すなわち、1世紀以上にわたってポンパンサを信用し、この度信用を揺さぶられることとなった小規模投資家たち。今後何日にもわたって、迷い驚く庶民と直接やり取りすることになる銀行家たち。変更の説明を行い、あれこれと投資のオプションをアドバイスしなければならないのは彼らだ。政府と銀行がいかに利害を共有しようとも、すなわち、国債ファンドの預金者がポウパンサに逃げるのを許さないということだが、その逆は政府には得があるが銀行にはない。つまり、今後ポウパンサからほかの預金へ資金が逃げたら、政府はどこの資金を使って、持ち家購入の融資を続けるのか?

銀行家を有権者の敵ナンバーワンに選ぶことの政治的利益には魅力があるため、ジウマ大統領は預金者への通達の際、銀行家の中に必要不可欠なパートナーを求めるより、銀行家を遠ざけるほうを選んだ。と言うより、マーケティングのプロ、ジョアン・サンターナの頭から出たのが、5月1日の攻撃的な演説のアイデアで、この時ジウマ大統領は銀行家たちを極悪非道と呼んだのだが、前任者と(良いほうに)異なる、「真剣さ」というイメージを揺るがすような言葉はもっとよく見直す必要がある。クリスチーナ・キルチネル風のポピュリズム・モデルを纏うのは彼女には似合わない。

事実、景気の冷え込みによって、新ポウパンサを導入し、かつ、短期的にはインフレの恐れなくSelicを下げ続けていくための余地が開かれた。しかし、中央銀行(BC)は、金利下げで工業生産、収益、消費が活況を呈し、価格調整が再び頻繁になりそうな瞬間に目を光らせていなければならない。金融マーケットのエコノミストのアンチ応援団でということではない(たまにそういうこともある)。中長期的には、とってつけたように低い金利は経済活動を活発にするが(それは良いことである)、物価高という好ましくない結果を引き起こす(それは悪いことである)。

バランスの良い塩梅は中銀のSelic金利決定による。しかし、アレシャンドレ・トンビーニ総裁の中銀では、インフレ目標制度は貧弱なものになり、金利の分量は、成長という考えに目をくらまされた大統領が決める。経済の繁栄を望まない者がいるか? 誰も望まないのはインフレの復活だ。では、出口はないのか? 走れば捕まる、じっとしていれば食われる、か? 解決策は、方向を決め、継続した安全な成長に対する足枷を除き、現代化へ向けた改革を行い、短期・中期・長期と優先目標を持った真の政府計画をスタートすることだ。これは大きな違いを生み出すし、ジウマ政権に欠けているところだ。

木曜日に集まった政治家、労働組合員、実業家に向かって、ジルマ大統領は自らの目標をはっきりと定めた。金利を下げること、為替を調整すること、税金を下げること。「これが私たちのアジェンダですが、今日明日でできることではありません」と言った。機能的文盲が何百万人もいる国にとっては望みの低いアジェンダである。労働者の大半はわずか6、7年しか勉強していない。人口の半分以上に下水と浄水が行き渡っていない。公立病院は数が足りず、不安定、不潔、備品機器が足りない。インフラ投資が足りない。PAC(成長加速化計画)の工事は、公金横流しの汚職で止まっている。脆弱な諸機関と汚職まみれの政治選挙制度の中で民主主義はつまずいて、分解しかかっている。

税金を減らすのは、政府が経費を抑える心構えがあるのかによる。為替はブラジル以外の世界経済の動きについていく。金利は・・・ああ、金利・・・残念ながら、大統領、銀行家を悪者にする以上のことが必要である。

(2012年5月6日、エスタード紙)

(論説)税制計画における連邦制のアンバランス

ブラジルの連邦制の持つ不都合は、経済政策に連邦政府のものと州政府のものがあり、基礎自治体(市など)が、所得税と工業製品税(IPI)のように一部交付されるものもあるとはいえ、中央政府の計画の中で固定された資金に頼っているという点にある。

地方政府の歳入に対する影響を分析しなければならない。ただし、注意が必要だ。というのは、地方政府の活動の多様化が大きな差異を生み出すからだ。地方政府はすべて、ICMS(商品サービス流通税)の徴収において、経済(商業、工業、サービス業)の冷え込みの影響を蒙っている。その税収は、地域の工業化の度合いと、商業の売上とに依存するが、景気の落ち込んでいる状況では皆が影響を受ける。しかし、場合により、現行法規の中で際立った補填を受けられるケースがある。すなわち、石油関係事業のロイヤリティ分配だ。バイーア州、リオデジャネイロ州、エスピリト・サント州はこの歳入によってICMSの減収をかなり埋め合わせている。

他の州では、工業の業績不振の結果、税収は期待をかなり下回っている。小売業の場合、輸入製品も含まれるので、状況は予想以上によい。と言うより、輸入品(現在はすべての州に対し一律のベースとなっている)に対する税収によって、小売業の落ち込み分が調整されている。

地方政府(州と市)は、歳入の一部を、連邦政府が徴収した所得税とIPIFからの交付で得ている。ところが、連邦政府はこれら2つの税を地方政府に問うことなく減額することが可能で、そうなると歳入が減り、その損失分を補填する方法を用意できない可能性もある。

連邦政府の場合、第一四半期に12.88%の名目上の歳入増があったと確認されているが、一方で、例えばサンタ・カタリーナ州のIPI税収は22.18%落ちている。連邦政府は第一四半期、14億2700万レアル(14.18%)増のIPI税収を得ているが、いくつかのケースで一部放棄してはいるものの、IOF(金融操作税)の税収は10億2800万レアル(14.76%)増で、それはIPI放棄によって生じた損失額よりも大きい。

これが示すところは、連邦制は公平には機能しないということだ。経済政策を決めるのが連邦政府であり、連邦の他機関に減額可能な歳入を交付するのが連邦政府であり、一方で、地方政府はその損失を埋め合わせるすべを持たない限りは、そういうことになる。
(2012年5月5日付け エスタード紙、論説)

(論評)簡素さとの決別

セルソ・ミンギ

ポウパンサ預金の簡素さが終焉を迎えた。今後開設したものには政策誘導金利(Selic)の70%の利息収益となる。
「Selicですって?Selicとは何ですか?」とマリアおばさん。

「えー、Selicというは、Sistema Especial de Liquidação e de Custódia(決済および第三者預託の特別システム)の略で、中央銀行にあります。金利を出したり引き上げたり支払ったりするのをコントロールしたり、国庫の債権をコントロールしたりする施策です。それが、毎日の決済取引で中央銀行が金融機関に支払う金利のことも指すようになったのです。つまり、Selicは、中央銀行の決定で、経済活動中のお金の量を調節することによって得られる基本金利の大きさでもあります・・・」

マリアおばさんにとって、Selicの70%を計算するのは複雑なことだろう。Selicがいくらか知らなければならないし、計算方法も知らなければならないのだから。

こんな比較をすると複雑さを理解しやすいだろう。消費者は、アルコールのエネルギーパワーがガソリンの70%しかないことを知っている。したがって、アルコールの値段がガソリンの70%を超えたらいつでも、フレックスエンジン車はアルコールではなくガソリンで満タンにしたほうがいい。だからといって、ガソリンスタンドで誰も暗算などできはしない。というようなところで、Selicの70%は口座の中で支払われるのである。

複雑さはそれにとどまらない。マーケットでは、利息収益を決定するのに3つの計算方法が存在することになる。従来のポウパンサ預金に対しては何も変わらないので、月に0.5%(年に6.17%)の金利プラス参照金利(TR、あまりに小さいのでほとんど勘定に入らない)の支払いが存続する。こうして、従来のものはこれまでどおり年におよそ6.5%の収益となる。ここまでは、一般大衆にとってもまだ比較的シンプルである。

新しいポウパンサには、2つの計算方法がある。第1の計算方法は、基本金利(Selicなるもの)が年8.5%を超えた場合に適用されるのだが、従来のスキームが優先される。もうひとつの計算は、Selicが8.5%がそれ以下になった場合に行われ、ここでSelicの70%が適用されるのだ。

簡素さというものは、計り知れないほどの美質なのだが、国際水準まで金利下げを許容するには、この度は犠牲とならざるを得ない。

しかし、そういうことならば、異なる計算式で複雑化するのではなく、ヨーロッパなどの先進国のように、利息については銀行に自由に決めさせたほうが良いのではないだろうか。投資家が資金を銀行定期預金(CDB)に預けようとするときに、すでに行われていることではないのか?

いずれにせよ、賽は投げられた。金利下げへの道は開かれ、確定利付きファンド預金から貯蓄預金へと資金が強力に移動するリスクはない。金利下げに対する唯一の障壁は依然として、今のところその兆候はないが、突然インフレ率が上がることである。

その点、ジルマ大統領は、ルーラ大統領よりも勇気がある。ルーラ大統領は、国民の預金を台無しにしたことで有名になったコロール大統領と同等に見られるのを恐れて貯蓄預金に手を出すのを避けた。
一連の流れの中で、恐れられていた問題の数々は遠ざけられたかのように見える。ジルマ大統領自身、大鉈を振るう必要があると判断している。最初に、自分が銀行と面と向かって対決しているというイメージを世論に向けて流した。その後、マネー界の大御所たち対しては鉄の女のオーラを得て、貯蓄預金に対して為すべきことを為した。政界のリアクションは、微々たるものか、あるいは、存在しない。
(2012年5月5日付け エスタード紙)