年末のSelic金利は8.5%まで切下げか

7日、中銀の通貨政策委員会(Copom)は、政策誘導金利(Selic)を0.75%切下げて9.75%と一桁台のSelic金利に決定したために、金融スペシャリストの中には、年末のSelic金利を史上最低となる8.5%まで切下げると予想している者もいる。

サンタンデール銀行並びにBESインベスティメント社では、年末のSelic金利を前回予想の9.5%から8.5%と下方修正して、2009年6月から2010年4月まで続いた8.75%以下になると予想している。

テンデンシア・コンサルタント社のエコノミストのシルビオ・カンポス・ネット氏は、今回のSelic金利の切下げはインフレ懸念がないために5月まで継続すると予想している。

グラヅアル・インベスティメント社のチーフエコノミストのアンドレ・ペルフェイト氏は、2013年末のSelic金利が8.0%まで切り下げられる可能性があるために、ポウパンサ預金の金利の計算方法変更を余儀なくされるとコメントしている。

BESインベスティメント社のシニアエコノミストのフラヴィオ・セラーノ氏は、7日のSelic金利の0.75%の切下げ効果は年末になって現れるために、今年末のインフレ指数である広範囲消費者物価指数(IPCA)を5.3%に上方修正、また2013年のIPCA を5.3%から5.8%に上方修正している。

イタウー銀行のロベルト・セツバル頭取は、先進諸国が金融緩和政策として採用している超低金利と比較してSelic金利は非常に高いために、更なるSelic金利の切下げの余地は充分あるとコメントしている。(2012年3月9日付けエスタード紙)


 

非能率性を反映したGDP(2012年3月7日付エスタード紙 コラム記事)

2011年のブラジル経済は、低い成長率と高いインフレ率、国際収支の悪化を特徴とした。ブラジル地理統計資料院(IBGE)が6日に発表した統計によると、国内総生産(GDP)はわずか2.7%の成長率。反対にインフレ率は6.5%というターゲットの上限に達した。物価は、原油と各種金属、農産物の国際相場が上昇したという理由だけでなく、強い国内消費によっても押し上げられた。加えて、国際収支も悪化した。財とサービスの輸出額が4.5%上昇した反面、輸入に伴う支払いは9.7%増加。国際収支黒字は2011年に0.7%の増加にとどまり、またもやGDPの成長の足を引っ張った。こうした傾向は既に過去数年にわたって観測されており、2012年も、1―2月期の推移から判断する限り、政府内でも民間でも、状況は更に悪化するという見方が広まっている。

もし国内需要にのみ依存していたと仮定した場合、IBGEのデータによると、ブラジル経済は3.4%成長していたことになる。しかしながら工業は、コストの上昇と為替相場におけるドル安レアル高が原因で、消費者の貪欲な消費意欲に対応するだけの十分な能力がなかった。レアル高により国産品は、その価格をドル建てあるいはユーロ建てにした場合、更に高価なものになった。その上、ドル安は、利益と配当の国外送金だけでなく、同様に国際収支に影響する、外国旅行を活発化させた。

ブラジル経済は、明確な形で、2つの方向に向かって分裂している。一方は家計消費で、雇用の拡大と給与総額の実質4.8%の増加、個人向け融資が前年と比較して18.3%伸びたことに後押しされ、4.8%増加した。反対に工業生産は、外国製品に圧倒される格好でわずか1.6%の増加にとどまり、サービス業の成長率も2.7%。もし輸入品が、消費者の求める需要のかなりの部分に対応していなければ、インフレ率は確実に目標の上限だった6.5%を突破していただろう。

政府は、機械と設備、土木建設、公共工事に対する投資が4.7%拡大したことに関して、明るい話題だと評価し、この数字をポジティブなものと指摘している。楽観的な表現をするならば、GDP成長率は生産の強化に対する資金の投下によって引き上げられたものであり、したがって、ブラジルは正しい道を歩んでいるわけだ。しかしながら、IBGEの計算に従うなら投資はGDPの19.3%に相当していただけであり、インフレ圧力また深刻な対外収支バランス不均衡を伴わずに5%以上の成長率を達成するに必要な水準には、遠く及ばない状態で推移している。

その最低水準の投資は、独立系の専門家と政府のエコノミストの計算を平均すると、GDPに対してほぼ24%に相当する規模が必要。しかも生産能力の拡大と製造業の近代化という目的に照らせば、過去数年に実際に投下された投資と求められる最低限の投資との溝が、唯一の課題というわけでもない。国内貯蓄は昨年、GDPの17.2%に相当する水準だった。そこで、貯蓄額と投資額の差額は、国外からの資金でカバーされた。

スタート時点では、投資のために国外の貯蓄から資金を調達することには問題はない。しかし貯蓄率と、大きな格差が生じるリスクを伴わない経済成長のために必要な投資との距離は、現在、極めて大きい。それは主に、支出に対する政府の浪費傾向に由来する。この傾向により、公共部門の貯蓄能力は制限を受け、同時に、税制の抜本的な見直しも困難になっている。過度の課税と不出来な制度により、機械と設備の調達コストを引き上げ、結局、民間投資を制限しているのだ。とりわけ公共部門を中心にした低い貯蓄率は、ブラジルの実質金利の引き下げを困難にすると同時に、企業に対しては、生産に向けて努力するという政策の重要性を粗略にしてしまう。こうした検証は既に数日前、国際通貨基金のエコノミストたちの研究によって確認された。要約しよう。2011年のブラジル経済のデータは、景気の問題と位置づけられるよりも深刻だったことを示している。非能率的で無能な政府の性癖に関連づけられた欠陥を反映している。この国は、2011年以上の経済成長を達成する軌道に復帰する可能性はあるが、これまでのパターンが続く限り、飛躍は構造的な限界の範囲内に限られる。(2012年3月7日付エスタード紙 コラム記事)

アンセルモ中谷氏聖市名誉市民賞受賞式典に出席

アリアンサ日伯文化連盟会長であるアンセルモ中谷氏がサンパウロ市名誉市民賞を受賞、2012年3月8日アンシエッタ宮でサンパウロ市議会により行なわれた受賞式典に、会議所から近藤正樹会頭と平田藤義事務局長が参加した。

                      

                          受賞式典に参加した アンセルモ中谷氏ファミリー(Foto: RenattodSousa)
 

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式典の様子    (FOTO:CESAR BONFIM FOTOGRAFO)

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(FOTO:CESAR BONFIM FOTOGRAFO)

 


株式会社デルフィスの高橋利康常務取締役が表敬訪問

株式会社デルフィスの高橋利康常務取締役並びにブラジルトヨタ自動車の大野裕之エグゼクティブ・コーディネーターが2012年3月8日に商工会議所を表敬訪問、平田藤義事務局長が応対し、ブラジル諸事情について意見交換を行った。

左から株式会社デルフィスの高橋利康常務取締役/ブラジルトヨタ自動車の大野裕之エグゼクティブ・コーディネーター/平田藤義事務局長(Foto: Rubens Ito / CCIJB)

 

1月の鉱工業部門の生産はマイナス2.1%

ブラジル地理統計院(IBGE)の発表によると、1月の鉱工業部門の生産は、前月比マイナス2.1%と2008年12月以来で最も大きな落ち込み幅を記録して、昨年末からの景気減速が継続している。

特に1月のトラックの生産は、今年から排気ガス規制が変更になるために、昨年末にトラック販売の駆け込み需要が大幅に増加した影響を受けて、前月比30.7%と大幅に減少した。

全国自動車工業会(Anfavea)では、1月のトラック生産は前年同月比75.8%と大幅に減少、また自動車も在庫調整のために生産減少を余儀なくされたとコメントしている。

また今年初めにミナス州並びにエスピリット・サント州は、平年を大幅に上回る降雨で鉱工業部門の生産に大きな影響を受けており、ミナス州では1月の鉄鉱石の生産が前月比8.4%、前年同月比では5.7%とそれぞれ減少している。

ヴァーレ社は、今年初めの降雨の影響を受けて生産調整を余儀なくされたために鉄鉱石の生産が減少、また平年以下の気温で消費が落ち込んだ影響で、1月の飲料部門の生産は前月比7.7%、食品は0.8%、建材は0.7%とそれぞれ減少している。

1月の資本財の生産は前月比16.0%、中間財は0.1%、消費財は0.1%とそれぞれマイナスを記録、また耐久消費財はマイナス1.9%であったが、非耐久消費財は0.7%増加している。

1月の鉱工業部門の生産は前年同月比マイナス3.4%、過去12カ月間ではマイナス0.2%となっている。サンパウロ・カトリック大学教授でエコノミストのアントニオ・コレア・デ・ラセルダ氏は、今年の鉱工業部門のGDP伸び率は2.0%以下になると予想している。(2012年3月8日付けエスタード紙)


 

中銀はSelic金利を0.75%切下げた

昨日の中銀の通貨政策委員会(Copom)は、政策誘導金利(Selic)を0.75%切下げて9.75%と、2010年6月以来の一桁台のSelic金利を決定した。中銀がSelic金利を切下げ始めた昨年8月からでは、2.75%の切下げ幅となっている。

今回のSelic金利の0.75%の切下げには、5人の理事が0.75%の切下げを支持、2人の理事は0.5%を支持したために満場一致とはならなかった。多くの金融アナリストは、次回4月のCopom委員会でも0.75%のSelic金利の切り下げの可能性を予想している。

今回の0.75%のSelic金利の切下げの要因として、2011年の国内総生産(GDP)の伸び率が、工業部門が僅かに1.6%の伸び率で足枷となって2.7%の伸び率に留まったことや今年の鉱工業部門の生産並びに自動車販売が予想を下回ったことがあり、切下げ幅の拡大につながった。

ジウマ大統領が、ヨーロッパ連合国の金融緩和政策による低利資金「ツナミ」によってブラジルなどの新興国の通貨が上昇し輸出に支障をきたしているのは為替操作であり、一方的で人為的な保護主義に相当すると激しく批判していることも、間接的に中銀のSelic金利の引下げ幅に影響を与えた可能性も否定できない。

インフレ分を差引いた実質金利が世界最高のブラジルに、短期投資向けのキャリートレードの資金が大量に流入しレアル高の為替となって、ブラジルの輸出製品の価格競争力が失われており、また輸入製品増加によって国内の工業部門の製造セクターが打撃を受けていることも、引下げ幅の拡大に影響を与えた可能性がある。

米国、ヨーロッパ連合国並びに日本などの先進諸国は、金融緩和政策導入で実質金利がゼロに近い巨額の資金を放出して、銀行の救済や鉱工業部門の活性化を図っているが、それらの低金利の投機マネーが金利の高い新興国に流入、また国際コモディティ価格を押し上げている。

2009年6月から2010年6月までのSelic金利は8.75%と一桁台であったために、手数料のかからないポウパンサ預金の金利が、他の確定金利付き投資よりも有利になったために、預金規制が検討されていた経緯があったが、今回も同様の規制が検討される可能性がある。

今回の0.75%のSelic金利の切下げでも、インフレ分を差引いたブラジルの実質金利は、4.2%と世界トップを維持しており、2位にはロシアの3.4%、インドネシアは2.1%、中国は2.0%、コロンビア並びに台湾は1.6%、ハンガリーは1.4%、フィリピンは1.3%、オーストラリアは1.1%、10位にはインドが0.9%でランク入りしている。

ブラジル銀行は、中銀の0.75%のSelic金利の切下げの発表後に、個人向け自動車購入向けクレジットの月利を1.32%から1.29%、建材購入向けクレジット月利を2.30%から2.26%と利下げを発表している。

大半のエコノミストは、中銀が発表する議事録の内容を検討してから今後のSelic金利の予想をするが、MCMコンサルタント社のエコノミストのアントニオ・マデイラ氏は、4月のCopom委員会でも0.75%のSelic金利の切下げがあることを既に予想、年末のSelic金利は8.5%になると予想している。

またLCAコンサルタント社では、4月の0.5%のSelic金利の切下げ、5月には0.25%の切下げで年末には9.0%になると予想、しかしヴォトランチン・コレトーラ社のチーフエコノミストのロベルト・パドヴァーニ氏は4月に0.75%、5月に0.5%のSelic金利の切下げを予想して、年末には8.5%になると予想している。(2012年3月8日付けエスタード紙)


 

フォーブス世界億万長者ランキングでエイケ・バチスタ氏が7位

今年のフォーブス世界長者番付・億万長者ランキングでは、ブラジルの実業家エイケ・バチスタ氏の資産が300億ドルで世界ランキングでは7位、サフラ銀行のジョゼフ・サフラ氏が138億ドルで52位、ヴォトランチングループを率いるアントニオ・エルミリオ・デ・モラエス一族が前年の53億ドルから122億ドルに増加して、67位にランク入りしている。

またパン・デ・アスーカルグループを率いるアビリオ・ジニス氏の資産総額が36億ドルで304位、コザングループのルーベンス・オメット氏が27億ドルで442位となっている。

今年の10億ドル以上の資産を擁する億万長者は過去最高の1,226人、ランク入りした全員の資産を合わせると4.6兆ドルであった。25年前にフォーブスがランキング発表を始めた頃の億万長者数は140人だけであった。

テレフォノス・デ・メヒコ社などを率いるメキシコのカルロス・スリム氏は690億ドルと昨年の740億ドルから50億ドルも資産が減少したにも関わらず、引き続いてトップの座を占めた。(2012年3月8日付けエスタード紙)

3月の日伯法律委員会に58人が参加して開催

3月の日伯法律委員会が2012年3月8日午後4時から6時まで58人が参加して開催された。司会は矢野クラウジオ副委員長が務め、初めに、会議所では過去2年間を除いて、年1回「外国人労働者-ブラジル入国管理政策の現状」セミナーを開催しており、加えて今般「出稼ぎ者(リターン)のブラジルでの雇用」などに関するセミナーの開催を検討中であり、今回アンケート調査を実施、配布したアンケート用紙への回答の協力を呼びかけた。

初めに Aoki Advogados Associados弁護士事務所のエリカ・アオキ共営者は、「新しいジェネリックトップレベルドメイン(gTLD)-アイキャン(ICANN)のドメインネーム新システムにおける変更点」について、ICANN(The Internet Corporation for Assigned Names and Numbers、アイキャン)はインターネットのIPアドレスやドメイン名などの各種資源を、全世界的に調整・管理することを目的として、1998年に設立された民間の非営利法人であり、主な業務は、インターネットの3つの識別子(ドメイン名/IPアドレスおよび自律システム(AS)番号/プロトコルポート番号およびパラメータ番号)割り振り・割り当てを全世界的かつ一意に行うシステムの調整であると説明した。

2011年6月20日、ICANNシンガポール会議にて、理事会により新gTLDプログラムの導入が承認され、2013年より「.GREEN」や「.LOVE」、「.SiTE」などの一般名称TLD(トップレベルドメイン)の他、「.CANON」や「.HITACHI」などの社名TLD、「.TOKYO」や「.NYC」、「.PARIS」などの地名TLDなど、様々な種類のドメイン名の利用が可能になると説明。今年3月5日のgTLDは207が登録、3月31日が登録締切り 、5月1日に審査が行われる。またICANNの登録契約料、年間経費、トータルコストなどについても説明した。

TozziniFreire Advogados弁護士事務所アンチトラスト部門のダニエル・オリベイラ・アンドレオリ共営者は、「新アンチトラスト法(新反トラスト法)」について、新アンチトラストは今年5月30日から施行、変更後の適用される罰則の支払い比率、主な変更点として買収・合併では、現行の事後届出制度から事前届出制度に変更、審査期間は240日で当事者かCADEが要求すれば最大330日まで延長が可能となり、現行の届出では、当事者のトータルシェアが20%以上の条件は廃止されて売上だけになる。カルテルに関する改正では、罰金の上限額が現行法の売上の30%から20%に減額になったことなどを説明した。

Pinheiro Neto Advogados弁護士事務所 税制部門のジョゼ・マルシオ・レべリョ・レゴ・ネット弁護士は、「貿易業務における課税と 主な特別通関制度」について、輸入に関する平均工業製品税は10%、平均輸入税は9.0%、平均商品流通サービス税(ICMS)は18% 、輸出に関する課税対象は、たばこや銃器、軍需品、皮革などわずかであり、ICMSやIPI 、社会統合基金(PIS)、社会保険融資納付金(Cofins)については課税されないと説明。保税倉庫による特別通関制度により、輸入品を1年間に亘って保税倉庫に保管する場合、物品の輸入に課される税金の支払いが全面的に保留される。またドローバック制度は完成品の輸出を目的として、ブラジル企業が製造工程で使用する物品の輸入に対して、課される連邦税の保留、免除または還付があることなどを説明した。

最後にTrench, Rossi e Watanabe Advogados弁護士事務所 税制訴訟部門のマリアナ・ネーヴェス・デ・ヴィット弁護士は、「日伯社会保障協定」について、日・ブラジル社会保障協定の概要では社会保障協定の主旨並びに二重加入の防止、保険料の掛け捨ての防止、日本並びにブラジルでの二重加入の防止のための手続/適用証明書の交付手続き/年金請求の手続き/協定による日本・ブラジルの年金請求の手続きについて説明した。

二重加入の防止では日本・ブラジルの年金制度のうち、いずれか一方に加入することや一時派遣の延長として総派遣期間が5年以内であれば、適用の継続は可能であるが、 3年を超える延長は認められない。また協定発効前から引き続き派遣が継続される場合は、発効日から5年以内に派遣が終了する見込みであれば、ブラジルの制度が免除される。

日本の老齢年金を受け取るためには、原則として25年(300月)の年金加入期間を必要とするが、日本の年金加入期間 だけで25年を満たすことができない場合は、ブラジルの年金制度の年金加入期間を足し合わせて計算することができる。ブラジルの老齢年金を受け取るためには、 原則として15年(180月)の年金加入期間を必要とするが、ブラジルの年金加入期間だけで15年を満たすことができない場合は、日本の年金加入期間を足し合わせて計算することができることなどについて説明した。

 

 

Abeceが輸入を擁護しFiespを批判

各州が実施する振興策によって雇用と所得が失われているという工業連盟の主張を、Abeceが批判。
同協会(Abece)は、輸入が国内産業の近代化を後押しし、また消費財輸入も2011年には輸入全体の18%にとどまっていたと主張する。


国内商社大手25社が会員になっているブラジル貿易会社協会(Abece)が、輸入品の影響を受けて10年間で91万5,000人の雇用が失われたと主張するサンパウロ州工業連盟(Fiesp)の調査を批判。

この調査の内容はフォーリャ紙が去る2月26日に報じたもので、各州政府が導入している税制優遇政策を利用して工業製品が続々と輸入されたことから国内工業が2011年、800億レアルの機会損失を受けたと指摘していた。

カルドーゾ政権とルーラ政権下で開発商工省次官も務めたAbeceのイバン・ラマーリョ会長は、「それは間違った見方だ。さまざまな州が税制優遇措置を導入しているのに、輸入はサンパウロ州に集中する状態が続いている。」と反論。

同協会が独自に集計した開発商工省のデータによると、サンパウロ州の輸入は2011年に820億ドルに達しており、言い換えれば、サンパウロ州の輸入がブラジルの輸入全体の36%を占めた格好。

協会はさらに、サンパウロ州では昨年、工業用の中間投入財の輸入が41%増加した一方で、消費財の輸入は12%の伸びにとどまったと強調。

「サンパウロ州工業は、10州で展開される輸入反対運動の旗振り役だが、彼らこそ大規模に輸入を展開している。そして輸入は現地生産を代替してしまうのではなく、むしろ、それを補完する役割を果たしている。」とラマーリョ会長はコメント。

2011年、消費財(衣類とシューズ、食品、自動車)の輸入はブラジルの輸入全体の17.72%であったが、このパーセンテージは、2010年の水準(17.29%)をほぼ維持している。

一方、機械(機材と設備)と中間投入財(工業部門により生産段階で使用される材料)の輸入は、全体の66.3%にもなる。「もしブラジルの輸入の50%を消費財が占めているなら、それは懸念すべきことだろう。しかしながら私たちの置かれている状況は、そのような事態とは程遠い。」と、ラマーリョは見解を示す。

国内工業が競争力を増強するため、さらに、国内の工場が技術を高めるため、そしてより安価な中間投入財の調達を可能にするために輸入は不可欠だと、Abeceは強調する。

しかも輸入が拡大した2011年、それに伴って激化するとFiespが主張する雇用の縮小は起こらなかったと同協会は話す。

為替

輸入するかどうかの判断は、現在のドル為替相場に強く関係しており、各州政府の税制優遇政策に関連しているわけではないと、Abeceの依頼を受けて調査を実施したコンサルタント会社、ローゼンベルグ・アソシアードスは報告書の中でコメント。

「輸入は、為替相場と関係している。ブラジル国内のドル為替相場は安く、輸入が極めて魅力的になっている。」という。

その理由からこの報告書では、低利の融資や税負担の軽減、ロジスティクスの改善といった工業政策を通じて各州政府が期待していることを実現させるというところで、議論を深めるべきだと指摘。

コンサルタント会社のローゼンベルグはさらに、パラナ州とサンタ・カタリーナ州、ゴイアス州、南マット・グロッソ州、ペルナンブコ州、アラゴアス州、セルジッペ州、トカンチンス州の8州で導入されている税制優遇政策が、雇用と生産、所得にとってプラス効果をもたらしたことも明らかにした。(2012年3月6日付フォーリャ紙)
 

 

昨年のサンパウロ市内の住宅販売は15.3%減少

昨年のサンパウロ市内の住居用の住宅並びにアパートのインフレ分を差引いた実質販売総額は、前年比15.3%減少の133億レアルとなって、過去5年間では最低となっている。

サンパウロ州住宅建設業者組合(Sinduscon)のクラウジオ・ベルナルデス組合長は、今年の住宅販売をGDP比3.5%から5.0%増加を予想している。今年のアパート販売の傾向として、4寝室の高級アパート販売の増加を予想している。

サンパウロ市内の住宅建設業界では、人件費の高騰や優秀なエンジニア不足、過当な競争、住宅用地の値上がりなどで製造コストが上昇しているために、収益率が圧迫されている。

昨年のサンパウロ市内での住宅販売は、前年比21.2%減少の2万8,400軒、2005年以来の住宅販売の77%は2寝室並びに3寝室であったが、特に2寝室が46.8%を占めていた。

しかし、新築住宅の建設コストや住宅価格の上昇に伴って、住宅購入希望は新築住宅購入から中古住宅向けへとクレジットが拡大してきているために、中古住宅販売の増加が見込まれている。

サンパウロ商用・住宅不動産売買・賃貸・管理業者組合(SECOVI)では、昨年、サンパウロ市内では前年比1.3%減少の3万7,700軒が売りに出されたが、そのうちの63.3%は2寝室であった。(2012年3月7日付けエスタード紙)