昨年のGDP伸び率は2.7%に留まる

ジウマ・ロウセフ政権1年目の2011年国内総生産(GDP)の伸び率は、工業部門が僅かに1.6%の伸び率に留まって足枷となったために2.7%の伸び率となり、ルーラ政権の最終年の2010年の7.5%から大幅に低下している。

また昨年の工業部門の製造セクターの第4四半期のGDP伸び率は、前四半期比マイナス2.5%、前年同期比マイナス3.1%、昨年1年の同セクターのGDP伸び率は僅かに0.1%の伸び率に留まった。

中銀では、国内経済は昨年末から再び上昇気流に乗り出したと発表していたにも関わらず、昨年の第4四半期のGDPは、前四半期比では僅かに0.3%伸び率に留まった。

ギド・マンテガ財務相は、昨年のGDP伸び率が予想を下回った要因として、8月末まで高止まりしていたSelic金利や連邦政府がインフレを上限目標値6.5%以内に抑えるために行ったクレジット部門への引締め政策の導入などの影響で、ブレーキがかかったと説明している。

昨年の農畜産部門のGDPの伸び率は、綿花やタバコ、米、大豆などの生産性の向上並びに生産増加が牽引して3.9%と高い伸び率を記録、サービス部門は2.7%、一般消費は4.1%、公共支出は1.9%、住宅投資や設備投資、公共投資などの国内総固定資本形成(FBCF)は4.7%となっている。

昨年のFBCFの伸び率は4.7%と、連邦政府が上半期に550億レアルの公共支出削減を発表して公共投資を大幅に減少したために、2010年の21.3%から1/4以下と大幅に減少した。昨年の第1四半期のFBCFは前年同期比8.8%増加を維持していたにも関わらず、第4四半期には2.0%まで減少した。

セクター別のGDP伸び率では、情報サービスセクターが4.9%、金融セクターが3.9%、電力・ガス・水道セクターが3.8%、建設セクターが3.6%、商業セクターが3.4%,鉱業セクターが3.2%、輸送・倉庫・郵便セクターが2.8%、保健・教育セクターが2.3%、その他のサービスセクターが2.3%、不動産・賃貸セクターが1.4%となっている。

昨年1年間の対ドルの平均レアル通貨はR$1.67と、2010年のR$1.76から大幅なレアル高となった影響で、輸入が前年比9.7%の大幅増加になったのに対して、価格競争力を失った輸出は4.5%の増加に留まった。

社会経済開発銀行(BNDES)は、昨年末並びに今年初めに国庫庁から総額250億レアルを貸与されたにも関わらず、民間企業の設備投資用機械装置購入向け投資持続プログラム(PSI)用に更に300億レアルが貸与される。またSelic金利の引き下げに伴って貸出金利の引き下げも行う。

PSIプログラムは、2009年に開始して今年2月まで総額1,334億レアルが民間企業に融資されているが、BNDES銀行のルシアノ・コウチーニョ総裁は、昨年のSelic金利の上昇に伴って特に大企業向けの金利を引上げたが、今ではインフレが充分にコントロールされており、またSelic金利の連続の引下げを受けて、再び貸出金利の引き下げを行う予定。

昨年のBNDES銀行のクレジット比率はブラジル全体の20.8%を占めていた。更にブラジルの国内経済を活性化させるために、連邦政府は連邦貯蓄金庫(Caixa)の企業向けクレジット枠を拡大、資金面でバックアップする。また連邦政府は、経済成長加速プログラム(PAC)の大衆住宅建設”私の家、私の暮らし”プログラム向けにもクレジット枠を補強する。(2012年3月7日付けエスタード紙)


 

帝人ファーマ株式会社戦略企画室医療国際事業部の酒井康文課長と渡辺哲二氏が表敬訪問

帝人ファーマ株式会社戦略企画室医療国際事業部の酒井康文課長並びに1年ぶり再訪の渡辺哲二氏が2012年3月7日に商工会議所を表敬訪問、応対した平田藤義事務局長とブラジルのビジネス環境や法令制度、治安状況などについて意見交換を行った。

左から1年ぶり再訪の渡辺哲二氏/帝人ファーマ株式会社戦略企画室医療国際事業部の酒井康文課長/平田藤義事務局長(Foto: Rubens Ito / CCIJB)

 

今年2カ月間の自動車生産は前年同期比20%減少

全国自動車工業会(Anfavea)の発表によると、今年2カ月間の自動車生産は、昨年末から継続するブラジル国内経済の成長減速に伴って、前年同期比20%と大幅に減少している。

今年2カ月間の自動車生産は、1月の集団休暇並びに2月のカーニバルによる実質営業日数減少の影響を受けて、42万9,600台と前年同期の53万3,500台から大幅に減少している。

2月の自動車生産は、前年同月比26%と大幅に減少したが、前月比では2.9%増加している。連邦政府の経済活性化政策の導入やSelic金利の引き下げの効果が下半期から現れるために、下半期から販売が増加すると予想されている。

Anfavea工業会のクレドルヴィーノ・ベリニ会長は、今年の自動車生産を前年比2.0%増加の347万5,000台と予想、販売は4.0%から5.0%増加を予想している。

2月の自動車販売は前月比7.0%減少の24万9,500台、前年同月比では9.0%増加、また2月の1日当たりの新車登録台数は、1万3,132台と1月の1万2,194台よりも増加、3月初めは1万3,000台で推移している。(2012年3月7日付けエスタード紙)


 

総合防災セミナーに参加

2012年3月7日開催された総合防災セミナーに、会議所近藤正樹会頭と平田藤義事務局長が参加。ブラジルリオデジャネイロ、東日本で発生した大規模災害から一年が経過するにあたり日伯両国の防災知見向上に向けて企画された同セミナーは、主催:サンパウロ州防災局、共催:国際協力機構(JICA)、サンパウロJICA帰国研修員同窓会(ABJICA)、後援:国連防災戦略(ISDR)で開催された。500名近くが参加し盛況に行われ、関心度の高さを伺わせた。

中国のChangan社並びに Haima社 、韓国のSsangyong社の自動車をエスピリット・サント州で生産

中国のChangan社並びに Haima社 、韓国のSsangyong社の自動車輸入代理店であるBrasil Montadora de Veículos社のAbdul Ibraimo社長は、エスピリット・サント州リニャーレス市で、同州知事と自動車を生産するプロトコルにサインした。

同社はエスピリット・サント州の州都ヴィトリア市から150キロメートル北部のリニャーレス市に3億レアルを投資して、2014年から自動車生産を開始する予定となっている。

初年度はノックダウン方式で中国や韓国からCDK部品を輸入して組み立てるが、初年度の自動車部品の国産化比率は15%、4年後には60%まで引き上げる予定となっている。

Ssangyong社はKorando車並びにKorando Sports車、Changan社は2機種のMinistar車、Haima社はH2車、H3車をそれぞれ生産する予定となっている。

モザンビークで自動車輸入事業を手掛けるポルトガル資本のTricos社は、20%の資本参加を予定しており、昨年の同社の売上は12億ドルであった。

投資総額3億ドルの80%は、北東部開発監督庁(SUDENE)並びに北東銀行(Banco do Nordeste )もしくは社会経済開発銀行(BNDES)が融資を予定している。

同社がリニャーレス市での自動車生産を決定した要因として、ブラジル南部や北部へのアクセスが容易で、メルコスール向け輸出は近くにヴィトリア港があり、また企業誘致をするために、同州政府が、格安な価格での土地提供や無償による整地、生産された自動車に対する商品流通サービス税(ICMS)の90%の減税などを行っていることであった。

この自動車工場での2014年の年間生産は1万台、直接雇用が1,100人、間接雇用が3,500人、エスピリット・サント州では初めての自動車生産となる。過去12カ月間のこれらの輸入自動車販売は、僅かに425台であった。(2012年3月6日付けエスタード紙)


 

在ブラジル日本国大使館の金子創一等書記官が会議所を訪問

2012年3月6日、在ブラジル日本国大使館の金子創一等書記官が会議所を訪問、応対した平田事務局長と通信・インフラについて意見交換を行った。

また金子一等書記官は、3月7日に開催される総合防災セミナー(主催:サンパウロ州防災局 共催:国際協力機構(JICA)、サンパウロJICA帰国研修員同窓会 後援:国連防災戦略)の中で、日本の地上デジタルテレビを利用した地震・津波・台風などの災害情報配信を事例に挙げ、ブラジルに於ける水害情報配信による防災対策応用について講演を行う予定。

左から平田藤義事務局長/在ブラジル日本国大使館の金子創一等書記官(Foto: Rubens Ito / CCIJB)

東山農産の岡橋亮輔社長と後任の山田新社長が表敬訪問

買収したスキンカリオールの取締役に就任する東山農産の岡橋亮輔社長と後任の山田新社長が2012年3月6日に商工会議所を表敬訪問、岡橋社長は応対した平田藤義事務局長にスキンカリオールへの転勤を伝え、後任の山田新社長を紹介した。

左から平田藤義事務局長/東山農産の山田新社長/買収したスキンカリオールの取締役に就任する東山農産の岡橋亮輔社長(Foto: Rubens Ito / CCIJB)

一橋大学院法学研究科の阿部博友教授が表敬訪問

2012年3月6日、一橋大学院法学研究科の阿部博友教授が平田藤義事務局長を訪問、2013年4月に発行予定の「ブラジル競争保護法 2011年11月30日付け法律第12529号」刷本を事務局長へ贈呈した。来年4月に本書の内容が会議所サイトにて公表される予定である。

左から平田藤義事務局長/「ブラジル競争保護法 2011年11月30日付け法律第12529号」刷本を事務局長へ贈呈する一橋大学院法学研究科の阿部博友教授(Foto: Rubens Ito / CCIJB)

ジウマ大統領はレアル高対策を明言

2月末に欧州中央銀行(ECB)が2回目となる3年物資金の供給オペを実施して、金融機関に5,290億ユーロを供給すると発表、昨年12月からでは1兆ユーロに達しているために、ドイツのハノーバーで開催されている国際情報通信技術見本市「セビット2012」を訪問したジウマ・ロウセフ大統領は、これらの低金利の資金がブラジルに大量に流入して、レアル高の為替になっているために対抗処置をとると発表した。

またジウマ大統領は、ヨーロッパ連合国の金融緩和政策による低利資金の「ツナミ」によって、ブラジルなどの新興国の通貨が上昇して、輸出に支障をきたしているのは為替操作であり、一方的で人為的な保護主義に相当すると激しく批判している。

連邦政府は、通貨レアルの急速な上昇を抑えるため、国内企業が海外から融資を受けるときに課税される金融取引税(IOF)の対象を、これまでの期間2年の融資から期間3年の融資に拡大すると発表した。

大量のドル流入とレアル高に歯止めをかけるため、輸出前受金(PA)の借入に関して、海外からの360日以上の借り入れについては、税率6%のIOFをかける。360日以下の短期資金については課税の対象外にするなどの措置をとっている。

7日に中銀は通貨政策委員会(Copom)での政策誘導金利(Selic)を決定するが、流入の止まらないキャリートレードなどでレアル高の為替に歯止めがかかっていないために、アグレッシブな金利引き下げを行う可能性もある。

連邦政府の高官は、政府系ファンド(FSB)の資金を使用して、ドルの介入や為替デリバティブ関連の規制強化などを実施する可能性を指摘している。

ドイツのメルケル首相は、ジウマ大統領との会談を前に、先進国からの資金流入に対する新興国の懸念は理解できるとコメント。しかし20カ国・地域(G20)各国の信頼を高めることが問題の解決につながるとし、保護主義への懸念を示した。(2012年3月6日付けエスタード紙)

 

工業部門がGDP伸び率の足かせになっている

今日、ブラジル地理統計院(IBGE)は、昨年の第4四半期並びに昨年の国内総生産(GDP)伸び率を発表するが、AE Projeções社が51社の金融機関を対象にした調査では、2.6%から3.0%のGDP伸び率を予想、平均では2.8%であった。

また今年のGDP伸び率予想の調査では、2.3%から3.7%とばらつきがあったにも関わらず、平均では3.3%と昨年を上回る調査結果となっている。

昨年のGDP伸び率が2010年の7.5%から大幅に減少したのは、ヨーロッパの財政危機や米国景気の先行き不透明感の上昇やインフレ増加を抑制するために、Selic金利が8月まで高止まりしたことなどが要因となっている。

今年は金融政策の緩和、消費拡大するためのマクロプルーデンス政策採用、ヨーロッパの債務危機の緩和、米国経済の回復、中国経済のソフトランディング、ワールドカップやオリンピック向けの投資拡大、一般消費の回復や継続する雇用創出、Selic金利の引き下げなど経済成長を促す要因が目白押しとなっている。

しかし継続するレアル高の為替による輸入増加の影響で国内の製造業の衰退並びに価格競争力を削がれて輸出の減少に結びつくために、連邦政府は、短期投資に対する更なる防御措置を取ると予想されている。(2012年3月6日付けエスタード紙)